御神楽岳 御神楽沢 奥壁 本谷ルンゼ
- GPS
- 56:00
- 距離
- 9.9km
- 登り
- 1,223m
- 下り
- 1,079m
コースタイム
蝉が平10:00~湯沢出合い11:00 BP泊
23日
BC 6:30 御神楽沢出合い7:30
中の大滝10:40 核心のゴルジュ帯11:50-14:10 水晶沢出合い14:20
24日
BC 6:30 稜線 11:30 湯沢出合 14:30 蝉が平15:45
天候 | 22日曇り〜雨 23日晴れ 24日晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
カムはパーティーに1セット2番まであれば安心? 奥壁では使えないのでいらないといえばいらない。 谷が深いので防寒対策は必須。 薪は豊富ではないがそこそこある。 |
写真
感想
日帰りで行ける山に片道370Kmを車でアプローチし、3日かけて本峰ピークを踏まずに帰ってきました。
それでも、心に残る会心の山行になりました。
昨年誘われ、悪天候のため簡単な湯沢の高頭スラブを登った時に、その山域の特殊性にメンバー誰もが、来年また来よう!と約束し、超強力なメンバー(所属会代表。彼もまたこのラインを狙っていた。)を加えて、当然に山行を計画しました。
日本登山体系にも詳しく紹介されているこの山はネットでも熱い記録が多い山で、
古くは信仰の山として、またクラシックなアルパインルートとしてクライマーをむ変えている山です。
ただ、積極的に探さなければたどりつくことがない山なので知っている人は少ないかもしれません。
計画は1泊2日、予備日1日、天候は3連休初日雨、翌日から回復傾向という中で、
入山を遅らせる案もありましたがアプローチの遠さを考えて、リーダー判断のもと
初日、湯沢出会いまで、翌日水晶沢出会、3日目本谷スラブ〜下山という計画にしました。(結果的にこれが成功)
初日、仮眠後蝉が平林道終点で再度仮眠し、出発。湯沢出合までは勝手知ったる状態なので、キノコ(早すぎたのでほとんどなかった)を探しながら出合をちょっと進んだ川原で早々とベース設営。たき火をして過ごす。
自分は寝不足と水分をあまりとらなかったことから頭痛に悩まされ、翌日に不安を残す。
午後から小雨が断続的に降り、夜にもまとまった雨が降ったようだ。
2日目、冷え込みが厳しい中起床、御神楽沢を遡行開始する。
ム沢出合までは何か所かお助け紐を出したりする場所もあったが特に印象はなかった。
御神楽沢に入って噂の腰まで入るトロを過ぎると御神楽大滝。
釜のすぐ先が伏流になっていて不思議な渓相だ。
左岸の草つきをWさんリードで巻くが、スラブに泥が乗っているだけの急斜面で、激しく悪い。2ピッチロープをだして懸垂10mほどで滝上につく。
最初のゴルジュを越え、中の大滝に。記録では左凹角を登るとあるが、
左岸の草つきからS見さんリードで巻く。
トラバース後、5Mほどの垂壁を越えていたが、自分もWさんもフォローで一回ずり落ちた。S見さんすげー。キャリアが半端ない。
中の大滝後は基本ゴルジュ、深い谷なので日があまり差さないため、かなり寒い。
そしていよいよ最後のゴルジュを迎える。
3M幅ぐらいのゴルジュの入口に2Mぐらいの深さの釜、5M滝、3M滝の二段の滝がかかっているが洞窟みたいになっていて先にも5Mぐらいの滝が見える。最初の滝も取りつくシマのない様相で、時間は12時、ほとんどのパーティーは巻いている記録ばかりで、水線突破の情報は一件のみ、4時間半!。
こりゃ巻きだなと思ったら、Wさんがカエルのように釜をへつり、5M滝をハーケン一本打って登ってしまった。
登っちゃったらゴルジュ突破しかないじゃん…
腹を決めて釜をへつるが、あえなくドボンして、5M滝を登る。登ってみると以外と登れるが、初見リードは難しいと思う。
2段目もクリアして、ゴルジュに突入。
2つ目の滝は自分がリード。左側の草つきコンタクトラインをトラバースしながら上がる。ビレイポイントを作るにはリンクカム超便利。
3つ目の滝はクリアできて、四つめの滝もロープ不要で越えられる。
寒いので後続を待てずに、最後の小滝は自分がハーケン打って(抜けなくなり残置)、越えてゴルジュ突破。2時間で抜けた。
谷は一気に開け、待望の奥壁に到達。
倒木を集めて、たき火。夜は寒かったが星がきれいだった。
3日目
朝は寒かったが真っ赤に染まる奥壁を堪能した。
6時半過ぎに出発、日が差し始めると暖かくなる。いや、暑い。首の後ろが焼ける。
ここから先はどの記録もそんなに詳しくは書いていない…どうなるものかと
ちょっと緊張しながら本谷を進むと巨岩チョックストーン帯になり(水はちょろちょろ)、高度をどんどんあげる。
弥さんは谷川の4ルンゼみたいだと言っていたセクションを進む。
一か所チョックストーンを越えるのが悪かったが、その後の露出間のあるセクションに来て、ルーファイ会議。
正面ルンゼと思しきルートは濡れて真っ黒で灌木も少なそうで、いかにも悪そう。
αルンゼもAルンゼも凶悪そうだ。
やや右寄りに進んでみることにして、ザイル一ピッチ伸ばすと、ザイルなしで行けそうな、スラブが稜線近くまでつながっているのが見える。
1ピッチノーザイルで登ってから杉山‐塩見、D介‐嶋津のオーダーで登る。
おおむね2級〜3級マイナスぐらい?なのでステルスで快適に登るが、
プロテクションはリスがほとんどないため、灌木頼み…
遥か下にテン場が見える。天気は快晴、良い景色だ。
しかしメリハリがなく飽きっぽいD介ーS津コンビはだんだん無口になってしまう。
何ピッチ登ったか忘れたころに傾斜が緩んで、ザイルをはずし、
さらに1ピッチ登ったところで藪漕ぎ5秒で登山道に出た。
あとは栄太郎新道を2時間で下り、デポを回収したのち、御神楽温泉に入って帰京。
去年の山行から、メンバーのうち2人は仕事や怪我で一時期山を離れざるを得なくなり、もちろん3.11の震災があり、いろいろな事件が起きた中で、
(本当は5月に湯沢ダイレクトスラブも計画していた。)またこうして山のベクトルがそろったメンバーが集まって天候に恵まれ、遡行、登攀を成功させることができたのは、山は逃げるといわれる中で最高の経験になったと思います。
こんな山に年4回、春夏秋冬に行ければいいなあ。
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