積雪期の釈迦ヶ岳へ【岩ヶ峰尾根は手強かった】
- GPS
- 08:24
- 距離
- 7.4km
- 登り
- 789m
- 下り
- 775m
コースタイム
天候 | 曇り 午後雪 【気温】岩ヶ峰入口:−1℃ 岩ヶ峰:−3℃ 釈迦ヶ岳:−5℃ 林道へ下山終了:−1℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
八風(はっぷう)キャンプ場〜栃谷橋を渡り路肩スペースへ駐車 《5台ほどのスペース有り》 民家が尽きた八風キャンプ場辺りから栃谷橋までは除雪され、 アクセスには支障ありませんでしたが、栃谷橋から先の林道は 一部に凍結が見られます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
岩ヶ峰尾根も大平尾根もマイナーなルートですが、 大平尾根には目で追える間隔でテープやペンキマークが 付けられています。 【岩ヶ峰尾根】:トレース有りません。 岩場の尽きる岩ヶ峰からワカンを装着しました。 稜線に上がる急斜面の固定ロープは雪の下で、使えません。 アイゼンの効かない雪質で、下る場合は危険と判断し、 大平尾根を下りました。 【県境稜線】(釈迦ヶ岳〜大平尾根分岐):トレース有りません。 見事な霧氷が見られました。 雪庇が有るので夏道に従った方が安全です。 【大平尾根】:トレース有りません。 稜線から急な下りや、小さなアップダウンが続きます。 紛らわしい尾根が派生しますが、テープが導いてくれます。 雪が緩んで滑りやすく、何度も尻もちをつきました。 |
写真
感想
午前中は晴れ間も見られる予報を期待して、釈迦ヶ岳から北上する
県境稜線を歩いてみよう。
積雪状況は不明だが、今回も下山は大平尾根を予定して、
岩ヶ峰へ向かう。
心配していたキャンプ場周辺の道も、栃谷左岸の整備だろうか
きれいに除雪されて、おかげで支障なく栃谷橋の駐車地に到着できた。
作業道整備のせいか栃谷徒渉点の様子も少し変わり、更に雪景色のため
危うく見逃すところだった。
雪に埋まった右岸山腹を攀じて尾根に乗るとしばらく雪は無かった。
樹間から日の出を迎える頃最初の岩場に出るが、まだまだ浅い雪で
スタンスも問題なく通過するが、雪が増えるに従って徐々に
障害が増えてくる。岩場に来るたび慎重にスタンスを確認しながら
登る。深雪に沈み込みが激しいが岩場の多いコースなのでワカンは
我慢してツボ足で行く。
雪で滑る岩尾根を腕力で攀じ、やっとの思いで北山に到着するが、
どうやら晴れ間は望めそうにないようだ。
霞みがちの鏡岩へ分かれる鞍部に来るといよいよ核心部の岩砦が
立ちはだかる。
手掛かりもスタンスも全て雪に奪われ、岩壁を攀じる手だてが
見つからず手も足も出ない。
やっとの事で埋もれた木の根や枝を掘り出し強引に身体を持ち上げる。
狭い危険なテラスをトラバースし終えると今度は雪壁の様な
急斜面だ。雪の下に茂った石楠花に足を取られ、至る所で雪まくりが
流れる急斜面を一歩一歩足元を固めと、悪戦苦闘の末に「岩ヶ峰」の
プレートが下がるピークに到着する。
ここまで来るのに疲れ切ってしまったが稜線までの標高差は100m、
ゆっくり休んで頑張ろう。
すっかり雪に覆われた鞍部の池を過ぎると最後の登りだ。
幹や枝の助けを借りて岩場の迂回地点まで来ると、いよいよ稜線への
急登だが、予想通り固定ロープは雪に埋もれ見つからなかった。
滑落に注意しながら登り切るが、稜線から張り出した雪庇が拒んでいる。
幸い脱出方法は体験済だ。ザックを稜線に放り上げ、
空身になってストックで雪庇を崩し、なんとか這い上がると
一面の霧氷が迎えてくれた。
鈍色の空が残念だがまさしく霧氷の林が続いている。
一息入れたら釈迦ヶ岳の三角点だけは往復して来よう。
稜線にトレースを刻んで釈迦ヶ岳に上がると立派な山頂石柱が
立っていたが、展望も期待できず、朝明から単独のトレースが
うっすら残るのみの寂しい山頂だった。
霧氷と雪庇を眺めながら起伏の無い県境稜線を北上すると
しばらくして登りとなり大平尾根のTOPに出る。
ザックに腰を降ろし軽く食事を摂っていると雪が舞い始めた。
展望も無いし長居の理由が無いので下ろう。
たっぷり積もった雪を蹴散らすように下り続ける。
紛らわしい尾根が分岐するがテープがしっかり案内してくれる。
ほぼ東に延びる尾根は、小さなアップダウンを含めた下りは
なかなか緩まない。
午後になり緩んだ雪はワカンもろとも流れるように滑る。
快調とは程遠い足取りで下り続けると、
幹に山シャツが括りつけられた小さな平坦地に出る。
峠に突き上げるような八風谷や、雲に霞んだ段木尾根を
眺めながら小休止とする。
再び現れた分岐で右の細い尾根に入りしばらくして、梢越しに
コバに岩の集まりを捉えると長かった尾根も終わり、
平坦地の先に林道を捉える。
【無雪期なら稜線まで2時間ちょっとだが、今回は悪戦苦闘の5時間。
疲れのせいか、霧氷に迎えられて辿り着いた達成感も感じられず、
中途半端な消化不良を感じる山行になってしまったが、
春を迎え、花が山を飾る時期になったら又来よう。】
こんにちはonetotaniさん
積雪期の岩ヶ峰尾根は技術的にも体力的にも厳しそうですね。装備の切り替え判断も難しそうですが、さすがは経験豊富なonetotaniさんです。雪庇越えはザックを放り上げるんですね、ひとつ参考になりました。
晴れ間がなくで残念でしたが、次の機会には晴天の霧氷が観られますようお祈りします。自分は釈迦〜三池主稜線東側の支尾根は一度も歩いた事がありませんので、もっと慣れてからでないと無理ですね。
レコを拝見し、ふと昨日観たNHK BSドキュメンタリー「シスパーレ」が浮かびました。アイゼンもピッケルも十分に食い込まない薄氷の垂直岩壁を登攀する映像(プチ滑落あり)にはゾッとしましたが、素人目には絶望的と思える様な困難な状況でも、必死に対応していく彼らの技術と精神力には感動しました。
登る山は違えど、私達も求めているのは同じなのかもしれないと思いました。 コメント長文で失礼しました。
teppan2013さん 今晩は。
厳しい事は覚悟して来ましたが、とにかく疲れました。
岩の砦ではホールドもスタンスも見つからず途方に暮れました。
岩壁に上がれなければ何ともならず、早くも撤退がチラつきました。
予定より遅れが重なり弱気になりましたが、なんとか釈迦の山頂を
踏んで下山できました。
急登が続きますが、尾根は変化に富んでいます。
春になると花が多くてリピーターも多いようです。
G/W辺りは狙い目だと思いますので、是非お出掛けください。
onetotaniさん、お疲れさまです。
あの岩ヶ峰尾根を登られたんですね。
県境稜線に上がる最後の急登に雪が付いたら絶対無理!!
と思っていましたが、流石です。
でもお一人登山ですのでどうぞ、ご無理をなさらぬように。
(あっ、同じ日に私も完全ホワイトアウトの霊仙山を一人で徘徊しておりました、笑)
yoshikun1さん 今晩は。
青空の県境稜線を歩きたくて頑張ったんですが無理でした。
でも、予想していなかった霧氷が見られたのは嬉しい誤算でした。
通い慣れたお山でも方向感覚がズレルと怖いですが、
地形図、コンパス、GPSこれだけ揃えば心強いですね。
御忠告ありがとうございます。
ソロが多いので無謀は避けています。お互い気をつけましょう。
onetotaniさん、こんにちは。
お疲れ様でした。
レコを拝見している自分もどっと疲れてしまいました。
5時間の登りとは厳しい道のりですね。
この辺りの尾根は、どれも好きな尾根ですが、ノートレースの積雪期は景色がまるで違います。
よくぞ稜線まで上がっただけでなく、釈迦まで行けましたね。
さすがです
県境稜線も雪が深ったことでしょう
霧氷が見事です
今年は、なかなか雪山へ行けませんが、皆さんのレコで楽しんでます
totokさん 今晩は。
今年も懲りずに行ってきました。
先回より雪も深く馬酔木の茂みや、岩の隙間に足を取られたりと
とにかく疲れました。
危険な岩ヶ峰は下りたくなかったので稜線まで頑張りました。
樹氷が慰めてくれましたが、やはり青空の威力が一番です。
onetotaniさん、こんにちは
岩ヶ峰から登られたんですか、無茶急登ですよね。
釈迦ケ岳お疲れさまでした。雪庇も発達中ですね。
私も例年、中峠から上がって釈迦ケ岳目指したいなあと思っていますが
なかなか実現できておりません。
仙香池がどうなっているのか、ひょっとして凍り付いてないか
期待してるのですがね。
雪一杯の鈴鹿の5時間に及ぶ登り、相当な精神力がいると思いますが流石ですね。
大変お疲れさまでした。
higurasiさん 今晩は。
私も状況次第では仙香池まで脚を伸ばし、段木尾根を下りたいと
思っていましたが、そんな甘いものでは有りませんでした。
雪の溜まる谷筋は更に難易度が上がるだろうと思います。
このエリアの情報が少ないので、余裕をみた計画のつもりでしたが
結果は撤退も頭をよぎる山行になってしまいました。
霧氷がせめてもの慰めでした。
ちなみに昨年は仙香池もお菊池も雪の下でしたよ。
トラバースの連続、大きな雪屁、
木につかまりながらの登りなど
とても難易度が高そうな道、
疲れきってしまわれたご様子が
レコを拝見してて伝わりました。
お天気は、残念でしたね。
晴れてたら、素晴らしい霧氷の
景色だったでしょうね。
「花の時期」のメインは、
イワカガミですか?
シロヤシオなどのツツジ系も
楽しめそうですね。
komakiさん 今晩は。お忙しい毎日ですか?
基本急登が続く尾根ですので、雪に隠された岩や石楠花の茂みが
登りを妨げ稜線に上がるまで悪銭苦闘の連続でした。
覚悟はしていましたが、それでも気力が萎えそうでした。
次は花の時期が楽しみです。
林床にはイワウチワ・バイカオウレン、頭上にはアカヤシオ
ミツバツツジ・タムシバなどが見られます。
素敵な稜線と合わせて、毎年欠かせないコースになってしまいました。
都合がよろしければご一緒しましょう。
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