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Yamareco

記録ID: 1399004
全員に公開
雪山ハイキング
志賀・草津・四阿山・浅間

四阿山 月下逍遥と雲海の彼方の御来迎

2018年03月11日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
05:04
距離
11.9km
登り
919m
下り
906m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
4:21
休憩
0:41
合計
5:02
5:03
5:03
67
6:10
6:17
7
6:24
6:40
15
6:55
7:05
13
7:31
7:31
38
8:09
8:09
40
天候 晴天
過去天気図(気象庁) 2018年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 自家用車
あずまや温泉の駐車場に駐車
コース状況/
危険箇所等
危険箇所特になし。
未明〜早朝の登山であったためか雪の踏み抜きもほとんどなし。スノーシュー、12本爪アイゼン、チェーンスパイクとフル装備で臨んだものの、トレッキング・ポールも含め、いずれも使用せず。
その他周辺情報 あずまや温泉は11時からなので、少し離れた地蔵温泉 十福の湯に。掛け流しの温泉の魅力に加え、山奥の温泉であるにもかかわらずカフェ・レストランが大変充実
東の方には大雲海、左手には浅間山
2018年03月11日 05:50撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
3/11 5:50
東の方には大雲海、左手には浅間山
空が急速に白み始める
2018年03月11日 05:50撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
3/11 5:50
空が急速に白み始める
彼方に八ヶ岳連峰
2018年03月11日 05:51撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/11 5:51
彼方に八ヶ岳連峰
御来迎の瞬間
2018年03月11日 06:02撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
5
3/11 6:02
御来迎の瞬間
南の空も明るくなってきた。浅間山〜八ヶ岳を背景に
2018年03月11日 06:12撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
3/11 6:12
南の空も明るくなってきた。浅間山〜八ヶ岳を背景に
根子岳の山頂、その彼方には妙高山地の山々
2018年03月11日 06:14撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
3/11 6:14
根子岳の山頂、その彼方には妙高山地の山々
もう少し登ってから再び根子岳を
2018年03月11日 06:23撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/11 6:23
もう少し登ってから再び根子岳を
再び南の方角。雲海が西に拡がっていく
2018年03月11日 06:27撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
3/11 6:27
再び南の方角。雲海が西に拡がっていく
スノーモンスターを浅間山と八ヶ岳を背景に
2018年03月11日 06:29撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
9
3/11 6:29
スノーモンスターを浅間山と八ヶ岳を背景に
頂上までの最後の登り
2018年03月11日 06:49撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
3
3/11 6:49
頂上までの最後の登り
頂上から直下の稜線を振り返り
2018年03月11日 06:56撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
4
3/11 6:56
頂上から直下の稜線を振り返り
祠と山頂標
2018年03月11日 06:56撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
5
3/11 6:56
祠と山頂標
根子岳
2018年03月11日 07:06撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/11 7:06
根子岳
牧草地に降りてきた。北アルプスの山々を背景に
2018年03月11日 08:17撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/11 8:17
牧草地に降りてきた。北アルプスの山々を背景に
立派な松の樹。松食い虫に荒らされないことを祈る。右手の背景は霧ヶ峰〜美ヶ原方面
2018年03月11日 08:26撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/11 8:26
立派な松の樹。松食い虫に荒らされないことを祈る。右手の背景は霧ヶ峰〜美ヶ原方面
牧草地から四阿山を振り返る。山頂は右手の山の向こうだ。
2018年03月11日 08:32撮影 by  E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/11 8:32
牧草地から四阿山を振り返る。山頂は右手の山の向こうだ。

感想

ウィーンへの出張から帰国し、一息つくのも束の間、今度は松本への出張である。人が数多く亡くなっているヨーロッパの記録的な寒波とは対照的に、日本は20度にも達しようとする暖かさである。気になるのは長野の天気である。金曜日はどこも雨のようであるが、週末は好天に恵まれそうだ。松本から少し足を北に延ばして、四阿山に登ることにした。とはいえ、金曜日から風邪をひいたようであり、夜は大量の寝汗をかく。四阿山に登る場合、ダボスから入り根子岳と周回するルートとあずまや温泉からのピストンが一般的に思われる。直前までかなり迷ったのだが、体調の悪さもあり、歩行時間も少ない後者のルートとした。

3時過ぎにホテルを後にすると、満天の星空である。月はどうしたのだろうか。ようやく東の空から少し欠けた弦月が昇りつつあるところだった。準備を整えてあずまや温泉の駐車場から登山を開始したのはすでに4時近くなっていた。車で登ってきた道をそのまま登っていくと登山道となるので、暗闇の中を登山口を探す労苦は不要であった。最初は梢の高い落葉松と樺の林間を行く。ライトを落とすと月明かりが投影する樹々のシルエットが浮かび上がる。

まもなく牧草地の雪原に出る。月は中空に差し掛かり、明るさを増している。再びライトを落とすと、雪の中の氷の結晶がキラキラと輝く。月明かりに照らされた白樺のシルエットが辺りの明るさを強調する。ライトを消したまま、雪原を登っていく。この月下逍遥の機会を伺っていたのではあるが、明け方に明るい月が南天にある、すなわち下弦の月である必要がある。勿論、月明かりでも登れるような登山道という点においては、この四阿山の牧草地の雪原は最適であるのは云うまでもない。

牧草地を越えるとダケカンバと思われる樹林であるが、落葉した樹々は密生していないので、月下山行を続ける。振り返ると菅平高原の街の夜景が遠くにみえる。薄明の中でスキー場の山がすっかりと白い。風の通り道のせいだろうか、山の標高が低くても菅平名物の樹氷が健在なのであろう。いつしか星が急に姿を消している。朝が近づいて来たらしい。御来光を拝むにはこの西向きに斜面を登りきらねばならない。尾根筋に出るまで、急げばあと10分ほどだろうか。

夜の帳が開けるのは意外と早い。なんとか尾根筋に到達する、南東の方角には浅間山の雄大な山容のシルエット。その浅間山との間、東の方角には大雲海である。浅間山の彼方には八ヶ岳連峰、その西の端には蓼科山の禿頭までが明瞭に見て取れる。おそらく八ヶ岳連峰のどの山からも同じような大雲海を眺めることであろう。空の片隅が燃え上がるように赤くなっている。間もなく、雲海の彼方から茜色の光芒がさす。来た‼︎御来迎の瞬間である。

急いで、隣の根子岳が見えるポイントへと移動する。根子岳のピークもかすかに紅色に染まっている。朝焼けが薄かったせいだろうか、モルゲン・ロートとまではいかなかったようだ。それまで、樹々には全く霧氷をみることがなかったので、期待はしていなかったのだが、ふと見ると立派な霧氷を纏ったモンスターの大群が朝陽に照らされているではないか。朝の地平線の彼方の紅い輝きは瞬く間に輝かしい陽光の中に消え失せてゆく。

根子岳へのルートとの分岐を過ぎると山頂までは間もなくだ。しかし御来迎の写真を夢中になって撮っていたせいだろうか。指先まで凍えてしまったようだ。慌ててアウターを取り出し、3重にするが冷え切ってしまった指先はすぐには快復しない。山頂は遮るもののない360度の大展望だ。これまでとは打って変わって、途端に風が非常にきつく、急速に体感温度が低下するのが如実に感じられる。
頂上から少し下ると風の影に入ったのだろう。先ほどまでの強風は嘘のように消え、朝陽が身体を温めてくれる。指先もようやく感覚が戻ってきた。ようやくここで朝食をとる。

下りは同じルートの往復なのであるが、夜間登山の際の下山路はいつも「こんなところを登って来たんだ」という感慨に見舞われ、同じルートを往復する退屈さを感じることはない。牧草地に差し掛かると疎らに生える白樺の樹々が美しい。正面に浅間山、八ヶ岳、遠く、北アルプスといった山々の雄大な光景を眺めながら徐々に高度を下げていく。早朝に駐車場を出発して来られたと思われる多くの登山客、山スキー客とすれ違う。

トレースをみると随所に雪を深く踏み抜いた跡があるが、早朝で雪が締まっているせいだろうか、一二度、踏み抜いたくらいであった。この踏み抜きを懸念して、スノーシューを携行したのだが、結局、最後まで装着することはなかった。

翌朝、京都で見上げた月はさらに大きく欠け、月の出の時間も遅かったようだ。どうやら月明かりのもとで雪の上を逍遥するには今季、最後の機会だったようだ。


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コメント

お帰りなさい
海外出張お疲れ様でした。今度は松本ですか。写真素晴らしいですね!
自分達も12日から山登りのため長野入りしてました。
2018/3/14 13:31
Re: お帰りなさい
有難うございます。写真はご夫妻の美しい写真に及びませんが、新しいカメラは気に入ってます。栂池〜白馬とは素晴らしいですね。👏相変わらず、好天にも恵まれたようで、素敵な山行だったことと思われます。ところで京都でニアミスしたかもしれません。
2018/3/14 19:26
Re[2]: お帰りなさい
今回はニアミスでしたか。荒島岳のときもほぼニアミスな感じでしたが😁
2018/3/14 20:33
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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