谷川連峰馬蹄形縦走(白毛門〜西黒尾根)テント泊
- GPS
- 30:00
- 距離
- 25.4km
- 登り
- 2,763m
- 下り
- 2,761m
コースタイム
駐車場6:40ー6:50白毛門登山口ー8:50白毛門山頂9:00ー9:45笠ヶ岳9:50ー10:45朝日岳(大休止)
11:10ー12:20清水峠(水場へ往復等)12:50ー13:35七ツ小屋山13:45ー14:12蓬ヒュッテ(幕営)
(10/10)
蓬ヒュッテ6:00ー6:35武能岳6:45ー8:05茂倉岳8:10ー8:25一ノ倉岳ー9:15谷川岳(オキノ耳)9:35
ー9:45トマノ耳ー9:50肩の小屋ー10:45ラクダの背ー11:55鉄塔下12:00ー12:10西黒尾根登山口
ー12:25駐車場
天候 | 10/9 晴れ、夜ガスと強風 10/10 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はそれほどありません。気を使ったのは以下の箇所。 ・武能岳から茂倉岳鞍部への下り かなり急なので、スリップすると止まらないかもしれません。 ・西黒尾根の下り 数カ所鎖場がありますが、上り利用よりも危険です。特に雨天時は危険に思われます。 その他、一の倉岳〜谷川岳は片側がすっぱり切れ落ちている箇所がありますので、普通に通行する分には問題ありませんが、万一転倒した場合はアウトです。 |
写真
感想
どちらかは今年に、と思っていた谷川連峰馬蹄形縦走と谷川連峰主脈縦走。両者をつなげた谷川連峰全山縦走は計画段階で今回はやめた。2泊必要なこと、2泊目が避難小屋であること、はまだハードルが高い。
今回はテント泊でいける馬蹄形縦走に決定。狙ったわけではないけど、ちょうど紅葉のハイシーズンとなった。でもいちばんいい時期だったかもしれない。
行き帰りのBGMは矢野顕子。途中から「home sweet home」のリピートで。
(10/9)
駐車場に6時過ぎに到着。高崎から1時間ほど、本当に近くてよい山だ。でも今日の車の量は尋常でなく、改めて紅葉の谷川岳の人気ぶりを知った。みんなロープウェーの方に歩いて行く中、一人土合方向へ。白毛門登山口の駐車場もほぼ満車状態。馬蹄形概念図を前に若干緊張を感じながら、いざ白毛門へ。何度も登った白毛門。その急登ぶりは個人的に日本3大急登。「直登あるのみ」という感じの登山道。高校時代は山岳部のボッカ訓練場所だった。通常の装備をパッキングした後、石や飲用目的でない水を詰め込むという不毛な行為をして登った。わたしにとって白毛門とは「つらすぎて道が記憶に残らない山」だった。なのでこの上りが一番嫌だったけど、恐れすぎた分、意外と調子良く登れた。しかしこれで最大の難関クリア、と思ったのは大きな間違いだった。
馬蹄形はアップダウンがけっこうあるのだった。笠ヶ岳への登り返し、朝日岳へは大きく登り返した後にノコギリ状の小ピークを越えて行かないとならない。そしてずっと視界にはこれから歩く稜線がぐるっと見えているので、いい意味では展望を楽しめる反面、悪い意味では気持ちが弱り始めると「あんなほうまで。。」とさらに気持ちが萎えてしまう。つまり弱気にならないことが肝心。
蓬峠まで行けるだろうか、最悪清水峠でテントにするか、でもそれだとビールが飲めない(ザックにはワインのみ)、なんて弱気になってきた上、だいぶバテてきたので、朝日岳で早めのランチ休憩をとった。これでなんとか持ち直したけど、思ったより気温が高く、手持ちの飲料が清水峠までしか持たなそうな感じになっている。翌日用にアクエリアスの粉末があるので、それを清水峠の水場で使ってしまうことにした。清水峠からは休憩1回程度だから500mlもいらないし、明日は肩の小屋で最後にコーラでも買えばいい、と思った。これも間違いであった(後述)。
清水峠から本日最後のピーク七つ小屋山へはもう体力というより、気力で登りつめる。上越のマッターホルン「大源太山」が美しい。清水峠あたりから感じていたが、風が強く、稜線にある蓬峠のテン場も強風が予想された。大丈夫かなあ、とちょっと心配しつつ、終わってみれば余裕のタイムで蓬ヒュッテに到着。事前の情報収集では今季からここは緊急時をのぞいて幕営禁止になったという情報があったけど、谷川岳登山指導センターに聞いたところ、たしかにそんな情報があるが、実際に馬蹄形を歩いた人は問題なくテントを張っている。というのでなんだかよくわからない。事実としては、テントは緊急時でなくても張らせてくれる。しかもなんと、幕営料が無料。しかも草地でふかふかのテン場。水場も往復15分程度。あまり人に教えたくないところだと思った。もちろんビールも売ってるし。
夕方からはガスが出て、かなりの強風となった。テントが飛ばされるんじゃないかと心配しながら、本を読んだりして寝る。夜中も風が強く、あまり眠れなかった(山では普段もわりとそう)けど、明け方3時くらいにはぴたっと風はやんでいた。
(10/10)
4時起床。風はやみガスは消え、星空。寒いなあ、と思いながら朝食、撤収して6時出発。雲が結構出ているけど山は隠れていない。谷川岳にもガスがかかっていない。今日も素晴らしい天気になりそうだ。
まずは武能岳。どっしりとした佇まいは名前の響きとあっている。山頂で一服して、アウターを脱ぐ。軽快になったところで、目の前に立ちはだかる茂倉岳へ。急な下りの後、標高差400mの登り返しは今日の最難関。まだ気温も上がらず、順調に登れた。蓬峠から一緒の単独の女性が同じペースで少し前を歩いている。途中で彼女を抜いて茂倉岳に到着。谷川岳が胸が高鳴るようなかっこよさで聳えている。ここでも一服してもよかったけど、谷川岳は昨日は8時頃にガスがでてそのまま終日ガスの中だったし、山頂が静かなうちに着きたかったのでひと呼吸入れてすぐ、単独女性が追いつくと同時に出発。一ノ倉岳山頂は避難小屋を撮影したりしてそのまま通過(一ノ倉避難小屋はちょっと使用に耐えない状態)。
残すは谷川岳のみ。振り返った一ノ倉岳が紅葉で美しかったり、ノゾキからの一ノ倉沢に震え上がったり(一ノ倉の谷底の白さはどうも人骨を連想してしまう)、鎖場を越えたり、奥の院で願い事をしたりしてつつ歩調を早めたけど、ロープウェイ組が到着しそうな9時にはちょっと間に合わず、9:15にオキノ耳に到着、ぎりぎりでまだ人は少なめだった。人を入れないで山頂標を撮れた。そして今日はガスもなく、快晴の谷川岳。素晴らしい展望を堪能した。歩いてきた稜線、至仏山や燧ヶ岳、武尊山、巻機山に八海山、苗場に浅間に八ヶ岳に富士山まで。そして憧れの国境稜線もばっちり。人も増え始めたので出発。のんびり休憩してたので、茂倉岳手前で抜いた単独女性がまた前を歩いている。
この時点で飲み物は水が300mlほどあるだけだったので、肩の小屋でコーラを買って、西黒か天神どちらで下山しようかなあ、と迷っていた。どちらかというとちょっとロープウェイに傾きかけていた。とりあえず肩の小屋へ。しかしなんとコーラどころか冷たい飲み物はゼロ。「この時期は荷揚げが間に合わないんだよ」とのことで、あてがはずれて気落ちする。それでかえって、「このまま終わったら最後が残念な記憶になってしまう」と西黒尾根下山の決心がついた。水が残っているし、下りたらロープウェイの駅で冷たいものを飲もう。天神尾根から続々と人が登ってくるのを見て、これはやっぱり西黒尾根しかない、と思った。静かに余韻に浸りたいし。西黒尾根に入ると前をまたあの単独の女性が歩いている。もう抜けないなあと思っていたら分岐から厳剛新道へ入ったようなのでお別れ。
下りに西黒尾根を使うのは初めてだったけど、鎖場も怖さより楽しさを感じたし、道自体はだいたい覚えているので苦ではなかった。むしろ、時計回りの馬蹄形で最後に白毛門を下るのは勘弁だなと思った。個人的には馬蹄形は反時計回りがいい。最後に谷川岳を残す方が行程として美しいような感じがするし。西黒尾根を登ってくる人も結構いたけど、樹林帯に入ってからはほとんど人にも会わない静かな道だった。夏とは違って樹林帯も爽やかで、ラストを西黒尾根にしたのは大正解。ロープウェイの駅の自販機でファンタ(コーラがなかった)を買って、充実感と疲労感いっぱいで駐車場に帰着。そしたらまた抜きつ抜かれつの単独女性がいたので奇遇だなあと思いつつ帰った。
天候にも恵まれ、印象深い馬蹄形縦走を無事に完遂できたのでよかった。歩いてきた稜線を見渡しながら谷川岳山頂で味わう達成感は、なかなか得難いものがある。ハードな分、しっかりと報われた感じがした。この道のりは、ガスってたらここまでがんばれないかもなあとも思う。常に「ああ。縦走してるなあ」という満足を感じながら歩けるコースだった。
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