横岳西璧 日ノ岳稜 大同心北西稜
- GPS
- 20:22
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 2,070m
- 下り
- 2,052m
コースタイム
- 山行
- 9:15
- 休憩
- 1:23
- 合計
- 10:38
- 山行
- 3:22
- 休憩
- 6:12
- 合計
- 9:34
天候 | 両日とも快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
既に桜前線が北上をは始め平野部では桜が満開、雪山シーズンも終盤に入る中、数日前の季節外れの大雪により真っ白に雪化粧された八ヶ岳へ雪と岩を楽しみに行ってきました。
1日目 横岳西璧 日ノ岳稜
事前の調べにより美濃戸林道は荒れ気味の情報の為、美濃戸口よりアプローチ開始。早朝に取り付きまで行くためヘッデンの明かりを頼りに赤岳鉱泉を目指します。久しぶりに美濃戸口からのアプローチは非常に長く感じられながら鉱泉へ到着。 美濃戸から氷化された林道 長いアプローチ 睡眠不足から鉱泉へ到着すると、今晩の美味しい夕食と暖かい布団の誘惑が脳裏をよぎる中、すっかり明るくなり雲一つ無い空の下に広がる横岳西璧に登攀意欲を掻き立てられ取り付きへ向かいます。
日ノ岳稜 横岳西璧の中では若干マイナーなルートですが石尊稜と殆どアプローチは同じため明瞭なトレースに導かれ進みます。下部雪壁へ至ると明瞭なトレースは石尊稜へ。沢状の地形から至る所にデブリが有り、雪崩の不安を抱きながらも石尊稜のすぐ右に派生するリッジへ雪壁にトレースを刻み高度を上げて行き取り付きへ到着。
準備を整え登攀開始。
下部岩壁
1P 岩が脆くかなり悪いバンドを右上した後、雪壁を直上
2P 雪壁をリッジを目指し左上した後、右上。
3P 傾斜の強い雪稜。コンテでも可能だがスタカットで高度を上げる。
4P 中間帯の気持ちの良い雪稜。コンテに切り替え進む。
上部岩壁
5P ルート上の核心。上部岩壁の基部を右に回り込み明瞭な凹角より上部に見えるピナクルを目指し高度を上げる。ピナクルからの小垂璧を乗越所が高度感が有り核心。ピナクルからリッジへ乗り、リッジ沿いに右上。ロープスケルは短いものの、ロープが屈曲し重いのでピッチを切る。
6P ルート上で一番立ったピッチだがホールドスタンスは豊富。慎重に高度を上げ雪原へ。(事実上の登攀終了点)
最後はコンテに切り替え上部のスカイラインを目指すと日ノ岳峰へ突き上げました。下山は一般登山道を辿り地蔵尾根より高度を下げ鉱泉へ。
2日目 横岳西璧 大同心北西稜
冬季八ヶ岳にては最難関とされるルート。雪稜登攀というよりは、岩主体のドライの登攀が要求されるルートです。
日の出より鉱泉よりアプローチ開始。大同心稜より高度を上げて行きます。出だしより急斜面に喘ぎながらも、登攀に対する緊張からか、思うように足が上がらず時間を要しながら大同心基部へ到着。基部から見上げる正面壁は幾度となく見ても圧巻です。
準備を整え目的である北西稜取り付きへ一旦基部伝いに高度を下げ取り付き到着。準備を整え登攀開始。
1P 上部に見えるピナクルを目指しクラック沿いに高度を上げる。岩と草付の配分が悪く、アックス 岩を使うか判断に戸惑い体感的にはかなり悪い
2P コンテに切り替え左へ雪田をトラバースした後、複雑に入り込むルンゼ状の斜面を右上に見えるリッジを目指し高度を上げる
3P 傾斜が増しスタカットに切り替えリッジより上部に見える岩壁基部までロープを延ばす
4P 第一の核心。取り付きより望む凹角。寝ているように見えるが取り付いてみると、意外に悪い。高度を上げるにつれ徐々に傾斜は増し緊張を強いられる。岩稜から始まり上部は草付のミックス。最後の抜け口付近はほぼ垂直の草付にダブルアックスにて抜ける
5P 正面壁へトラバースしフェースした後凹角より高度を上げる。ルーファイミスした為か支点は少なくかなりの緊張を強いられる。個人的にはルート上の核心ピッチだった。
6P 気持ちの良い雪稜 コンテで進む
7P ルート上の核心ピッチ。 短いワイドクラックだががぶっている。迷わずA0。核心を乗越すと気は抜けないが徐々に傾斜は緩み上部には岩壁では無く青い空が広がる。雪面を詰めると大同心の頭へ突き上げる。
大同心の頭からは、数少ない者にしか遠望できない光景が広がる。
登攀で来た喜びと、緊張から解き離れ安堵感に満ちた中、大同心の頭を後にしました
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