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Yamareco

記録ID: 1506081
全員に公開
沢登り
飯豊山

姫田川(上ノ金ハッパ沢→無名沢)遡行 ニ王子岳

2018年06月23日(土) 〜 2018年06月24日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
10.8km
登り
1,137m
下り
1,147m

コースタイム

1日目
山行
2:00
休憩
0:00
合計
2:00
15:00
120
スタート地点
17:00
標高650mくらい
2日目
山行
5:15
休憩
0:30
合計
5:45
4:30
200
標高650mくらい
7:50
7:50
30
8:20
8:50
85
10:15
ゴール地点
時間はうろ覚え
天候 23曇り
24晴れ
過去天気図(気象庁) 2018年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
7mほどの懸垂下降を一回やりました。

装備

個人装備
8mm20mザイル 環付き1枚 120cmシュリンゲ3本 8環 ハーネス ヘルメット 地下足袋 わらじ(PP紐製自作・下山中紛失) ツェルト 銀マット(薄いヤツ) マット(兼 ザックの背当て) 寝袋 シュラフカバー コンパス 呼子 地形図 エアリア ナイフ ヘッデン コッヘル スプーン 歯ブラシ ライター×2 非常用キット(細引き ろうそく エマージェンシーシート テーピングテープ エピペン 懐炉等) 米0.7合くらい 鯖味噌煮缶 塩(使わなかった) はったい粉スペシャル 予備のメガネ 行動食 帽子 テン場用着替え(フリース上下) 長袖シャツ 雨合羽(上のみ) 高度計付き時計 ポリタン 財布 携帯電話 車の鍵 煙草 灰皿 Tシャツ アームカバー ズボン ドライレイヤー ぱんつ 35リットルザック<br /><br />車にデポ:温泉用着替えセット タオル<br />忘れ物:行動用手袋 焚き火用軍手 ローペ カメラ ガムテープ

感想

写真が無いので代わりに文章で記憶を固める。 

 どっか私の実力でも単独遡行できそうな沢はねーかなーと思案し、目星をつけていた一本。
 新発田市民なら二王子は登っておかねばなるまい。しかしメインの夏道が一本しかないのでピストンになってしまう。見るからに長大でくたびれそうな二王子神社からのピストンは嫌である。

 神社の前を姫田川が流れている。エアリアには上流部は上ノ金ハッパ沢とある。ネットで調べると遡行記録が2本ヒットした。手元の下越山岳会会報をめくって見ても記録はない。ネットの二本のうち一方は逍遙山岳会の簡単な記録、「行った」ということが分かるだけであまり参考にならない。もう一方は最近のもので、残雪と高巻き失敗のため撤退している。でもどうやら記録が無いのは難しいからではなく遡行対象でないためのような雰囲気である。

 金曜の夜に出てどっか遠くの山に行っても良かったのだが、寝ちゃった。土曜の昼頃出る。このルートは日帰りで行けるかどうかビミョーなので、ちょうどいいや。沢で焚き火してツェルト張って遊ぶのも目的に入っている。

 3月に滑落して以来のマジ登山なので、二王子神社で奮発して50円もお賽銭上げて安全祈願。ローペを忘れたことに気付く。神社のトイレ(山のボットントイレとしては五つ星クラス)で体重を軽くしてから発つ。駐車場の裏から入渓。カメラを忘れたことに気付く。折角記録があんまり無い沢に来たのにぃ。籔がかぶっていてなかなか進まない。15分ほど苦闘していたら堰堤にぶつかる。右岸を巻くと道があった。しかもまだ駐車場が見える位置だ。地形図にある破線は生きていた。どうも釣師が歩いているようだ。この林道(跡)を行く。堰堤を2,3個スルー。右岸の支流(ほぼ涸沢)を通ることもあるが適宜本流に復帰する方向に目を転ずれば道を見失うことはない。

 この林道は地形図だとすっと上まで記載があるが、標高400mくらいで終わる。そっから遡行再開。相変わらず籔が酷い。はいつくばって進むような箇所も多い。手袋を忘れたので手が荒れる。
 滝は殆どないが丸っこい花崗岩がごろごろしている。ごろごろ岩の段差はホールドがなく難儀するが、インゼル状になっていて水量の少ないほうから容易に巻ける箇所も多い。歩けるポイントはここしかねえ!という所では踏み跡が現れる。やはり釣師が入っているようだ。魚影はちょくちょく、710mぐらいの二俣まで見るが、いずれも小さい。一度だけ7寸クラスを見たのが最大。釣れそうな淵はコンスタントに現れる。支流は一度だけ左岸から水量8:2ぐらいのヤツが来ただけ(標高失念)。

 途中、水流のど真ん中の岩の上から胸高直径20センチぐらいのハゼノキ?が生えていて感心した。幹から髭根が沢山延びて流れに洗われている。土壌もない岩の上からこの大きさに育つまで、この石が転がるような洪水が無かったというのか?随分安定した沢だ。

 多分地形図上で標高510メートルの両岸から尾根が迫っている箇所だと思うが、下流部唯一といっていい滝らしい滝がある。3条5mといったところか。左岸側の流れは支流で、水量も少なくここから登り、藪を漕いで本流に復帰。この手前にはトイ状のミニゴルジュもあって本流を一跨ぎに出来る。恐らく大量に伏流していて、本流筋が全部集約している割にはやけに水量が少なく、容易。

 標高600を過ぎたあたりでぼちぼち17時だし寝床を探す。今回は火器を持っていないので何としても焚き火ができないと困る。が、籔ばかりでやばい。天啓のごとく籔に切れ目があるので入ってみると一人がどうにか寝れそうな平場がある。どうも融雪期限定の流れの跡のようだ。おあつらえむきに流木も沢山ある。雨がふったらヤバイが、降らないと予想していたので、絶対に降らない予想に切り替えて寝ることにする。

 ツェルトを張って(なんやかんやで初ツェルト泊である。今までツェルト泊装備で行っても結局避難小屋に泊まったりしていた。下界では何度か経験がある。)米を水に漬けたら本流筋に戻ってミズを少々つむ。こいつを茹でて鯖缶に加えるのだ。焚き火を起こそうにも着荷剤のガムテープを忘れた。絶対に焚き火を諦めるわけには行かない。非常用キットにいつもろうそくを入れていたので、初めて役に立った。米は上手く炊けた。箸はそのへんのクロモジを削って作ったが、イマイチなできばえだったので結局全部スプーンで食った。

 寝床はごっつごつであったがまあ寝れた。シュラフは無くても我慢できたな。ザックがいっぱいでサンダルが入らなかったので濡れた地下足袋を使い続けて不快だった。
 一睡もしない間に鳥の鳴き声で目が覚めた、と思ったが思い返すと寝ていた。変な夢の記憶がある。どっかの山を夜間行動していたがヘッデンが電池切れ寸前で弱々しく、誰かに怒られた。それからフランスに友人(4人ほどの友人が混ざったキャラクター)を訪ね、セーヌ川で沐浴し、シブい銭湯に入った。さらに目を潰された三つ目の猫が出てきて、憐れんで施しをする人が黒山となり、将棋倒しに会いそうになった。

 満天の星。焚き火を再開し湯を沸かす。撤収。濡れた服を着なおすのがたいそう苦しい。

 4:30、十分明るい。出発。冷たい。意外と時間がかかって5時ごろ670二俣。右が本流のはずだが3:2で左のほうが多い。やや不安になりながらも右に入り、暫く進むと右岸に分流する箇所があった。この二俣は巨大なインゼルと複合していたのだ。

 たぶん5時20分ごろ、730二俣。インゼルが多く、さらに見通しが利かないが、高度計のおかげで正確に読図できている。
 この二俣の先で両岸が切り立った草付きとなる。岩も角ばってきた。岩の上に土砂が乗っている。つい最近溶けた雪渓の名残だろう。5時45分頃、4mCS滝が現れる。直登するならシャワークライミングとなるがめちゃくちゃ冷たい。冷たくなくても私がフリーで登れる滝ではない。先人の記録で撤退の原因となったのもこの滝だった。彼らは上に追い上げられて諦めたと云う。小さく巻くことを肝に銘じ、右岸に取り付くが、アバランチシュートになっていてすぐずり落ちる。雪もここではじめて見る。少し戻って尾根状の傾斜が緩いところから再度取り付く。3mほど登ると潅木帯となり、体をねじ込むとやや安定して木を掴みながら進めるようになる。ブッシュの中、もう少し高度を上げてからトラバース。滝の近くでは結構な斜度になり、潅木にシュリンゲをタイオフしたセルフビレーを掛け替えながらさらに数メートルトラバース。漸く滝を越えて懸垂できそうなポイントに出た。ところがこの潅木は雪の影響で皆下向きに生えており、懸垂支点にするとロープがすっぽ抜けそう。10秒ほど悩んだがタイオフしたシュリンゲを残置支点にすることにした。残置支点はゴミを捨てるようだし、勿体無いからあまりやりたくないのだが、仕方ない。
 直径15センチのイロハモミジを支点に7メートルほどの懸垂で河床に戻った。この高巻きに30分ほどかかった。

 その先、地味におっかない2mほどの小滝が連即し、気が抜けない。標高が稼げるのはうれしい。振り向けば新発田市街が見える。

 940らへんの二俣は最初インゼルかと思い、水が少ない左に入った。すぐにインゼルでなく二俣だと気付いたが、さっきの高巻きでお腹いっぱいになってしまい、早く安全な登山道に出たかったのでこのまま詰めることにする。地形図の1202高地南東のだだっ広い尾根に出るはずだ。この谷の向きだと振り向けば五頭連峰。もう菱ヶ岳さえ見下ろす位置だ。この谷は上ノ金ハッパ沢とは違う無名谷だが、名前はあるのだろうか。出合いからすぐに快適に登れる10メートル斜滝がある。快調に高度を稼ぐ。支流が多いがひたすら水量の多いほうを選ぶ。

 やがて谷というより平地のなかの溝といった雰囲気になる。源頭いよいよ近し。水を1リットルほど汲む。ここまで水を担ぐ必要が無くてらくちんだった。雪渓が出てきて冷たい。小さなスノーブリッジを一つ、上から通過。スノーブリッジの処理は博打みたいなものなので怖い。すぐに溝全体が雪に埋まる。そのまま稜線の広大な雪田に繋がった。割と真面目にキックステップしないと登れない箇所もあった。地下足袋キックステップはとても冷たい。勘弁してくれ。

 さて稜線に出たはいいが登山道が見当たらない。どうも稜線の向こう側らしいが、向こう側は地下足袋でピッケルもなしに下るには恐ろしい雪渓である。ちょっと焦ったが、意外と近くから登山者のクマ鈴が聞こえ、そっち目指して籔漕ぎ10メートル程で登山道。これで生きて帰れる!7時50ふんぐらい。

 山頂はまあまあの眺めだった。カメラが無いのが惜しまれる。
 
 下山は速かったが、草鞋を落としてしまった。ゴミを捨てたも同然だ。クソ。やっぱりザックに外付けなんてするもんじゃねえ。もし拾ってくださった方がいらっしゃいましたら焼却処分してください。すみません。

 ニ王子神社に再び参拝し、ごめんなさいして帰る。二王子温泉に行ってみたが、2年ほど前に廃業したらしい。最新のエアリアにも載ってるのに!結局おなじみのあやめの湯に入った。

 

 

 

 

 

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