快晴の三つ峠、北アルプスまでくっきりと。スカイツリーも見えたが・・・
OKchan
体力度について
- GPS
- 08:07
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 1,674m
- 下り
- 1,450m
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08:50 達磨石
09:26 股のぞき
10:18 八十八大師
10:49 屏風岩
11:10 四季楽園
11:30 三つ峠山(開運山)
12:01 四季楽園に戻って昼食
12:25 発
12:28 三つ峠山荘
14:22 霜山(途中道を間違えて30分ロス)
15:10 天上山(カチカチ山)ロープウエイ駅
15:31 河口湖駅
| 天候 | 雲ひとつ無い快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2011年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車
ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）
下山時カチカチ山ロープウエイ利用 帰りは富士急河口湖駅から乗車 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
前日までの雨の影響はほとんど無く足元はしっかりしていた。 頂上付近で一部わずかに薄く氷結しているところはあった。 登りコースは危険なところはロープが整備され、階段もうまく設置されている。 危険を感じるところはほとんど無かった。 頂上周辺に道しるべがほとんど無く、迷うことが多かった。 |
写真
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裏側に番号が書いてある
下りてきてここで呼ぶ人のためですね
ベンチもあります
そして山道への上り口です
すぐ上に達磨石があります
「股のぞき」です
足元の木の段に登って覗きます
人が結構休んでいます
「八十八大師」だ
写真を見ても腰のあたりに悪寒が走ります
感想
<テーマ>
高尾山にこの4ヶ月通ううちに富士山の美しさに感じ入り、より近くで見たいと思う気持ちが高まってきた。ヤマレコの皆さんの記録や本などで見ていると「三つ峠」というのが富士山を見るには先ず指折られる山の一つのようで、ぜひ行ってみたいとここ数週間思っていた。別名「開運山」といういい名前を持つ山だ。しかし、高尾陣馬エリア以外ひとりで山に行ったことが無く、2000メートル近い山に登った経験もごくわずか。(ちなみに2000M以上の山に登った経験は無い)ホントに登れるだろうか、という不安があった。
しかし登ってみたい。葛飾北斎はここに登って「凱風快晴」を描いたといわれる。この山を開いたのは私が尊崇する役の行者さんだとも伝えられている。これから本格的な冬になればいっそう難しいだろう。毎日週間天気予報をチェックしていると段々日曜の晴れ確率が高まった。よし行こう、と決心したのが金曜の夜である。4ヶ月の高尾陣馬でのトレーニングの成果と行者さんのご加護を期待してチャレンジだ。
<道すじ>
高校山岳部の息子に相談すると、念のため軽アイゼン持って行け、という。そんなもの持ってないので銀座の好日山荘で土曜日に買ってきた。付けやすそうなのがあいにく品切れで、一番安い1900円のものをお守り代わりに購入。若い店員さんに「あした三つ峠に行こうかと思ってるんやけど」というと、「ここ数日の雨ですが今夜は暖かくなりそうなので大丈夫とは思いますが」との答え。さすがにここのスタッフはただ売ってるだけの人じゃない。
アイゼンその他服も押し込みレンズも別に一本放り込み、計ってみると9K超えている。ちょっと重いかな、と思いながら暗闇の中家を出る。
三つ峠山には西側に回って車かバスで近くまで行くルートもあるが、行者さんの弟子?の小生は三つ峠駅から登る昔からの山岳修行の道を行かざるを得ない。のぼりに普通で4時間ほどかかるというので、なるべく早くスタートしたいと思い最寄の三鷹駅を5:18の高尾行きに乗った。この時間でもほぼ満席だがいつもの日曜6時台の高尾行き電車と様子が違う。リュックの人はほぼおらずほとんどが「朝帰り」組の様子。おつかれさまです。
豊田でこの駅始発の5:43大月行きに乗り換える。なんと車両には私の他は3人ほど。朝早い上に前夜、年甲斐も無く興奮してあまり眠れなかった。この電車で寝ようと思ったがやはり目がさえている。平常心ではないのである。そのまま大月で15分ほど待って6:53発の冨士急行に乗り換えた。眠れずさめずでボーッとして窓の外を見ているとようやく日も明けてきた。すると不意に目当てとしている富士山の姿が「のっと」出てきた。日の当たる富士山が山の間から少し見えただけだったが、高尾から見る冨士の何倍もおおきく、しかも快晴である。それに先週よりはるかに雪化粧が濃くなって光り輝いている。おもわず眠気も吹き飛ぶような気分になった。
<三つ峠駅>
三つ峠の駅に降りたのは数人であったが、山登りの格好をしているのは私だけ。他は地元の人たちだと思う。改めて空を見ると本当に雲ひとつ無い快晴、昨日までの雨が過ぎ去って台風一過のような晴れわたり方だ。天はわれに味方せり。さあ、ひとり修行の旅に出よう???と思って駅前で少し様子を伺っていると突風が吹いて帽子を飛ばされ、あわてて追いかけた。天気晴朗なれども風強し。
三つ峠は乗ってきた冨士急行と並んで走って河口湖そばの天上山に至る稜線の上にある。駅の出口は逆側で駅前広場から駅越しに見ると稜線の上にラクダのこぶのようなピークが3つある。いかにも「三つ峠」の名前のままだが、名前の由来には水の多い「水峠」からきたという説もあるようだ。しかし、見たままという意味では3つのこぶがあるから三つ峠、という説の方が説得力がありそうだ。
三つ峠駅からほぼ冨士急行に直角に進んで徐々に急になっていく登山道を大勢まっすぐに進んだ先に山頂はある。頂上までは道に迷う可能性は無さそうなコース。最初は一般道を結構歩く。舗装された道を約1時間30分序々に登りが強くなりながら進むと登山口にいたる。ここが「達磨石」というところでダルマのような形をした大きな石に梵字が描いてある(解説板の写真参照)。
この三つ峠は富士山の真北少し西にあるため、朝早いほうが冨士山に日光が横からあったってきれいだろう。昼になれば逆光になる。それを考えるとなるべく早く頂上へあがった方がいいからタクシーで達磨石まで来る手はある。実際駅前に1台タクシーはいたし、歩いている途中に一台のタクシーに抜かされた。しかし最初からタクシーではそれこそ行者さんにしかられそうだし、眠っている体を起こさないといけない。歩け歩けである。
<達磨石>
達磨石のベンチで一休みしてさて山登り開始。登り始めは木の段が整備されている。前日までの天候にもかかわらず足もとは良く枯葉が適度に積もって歩きやすい。それにここの木の段は段の高さといい造りといいとても歩きやすいバランスで見た目も自然に溶け込む印象で好感が持てる。歩くことをよく分かった人が作っているように思う。高尾あたりの木の段でも首をかしげることもある。こんないい造りを参考にしたらよかろうと思うが、高尾とでは通る人の数が違うのでなんともいえないか。
達磨石から30分ほどで「股のぞき」に着いた。ここまで誰にも会わなかったがここで年配の方の6人ほどのグループに追いつく。ここがはじめて富士山が見える場所。木の股から覗けるように木の台が作ってある。写真を撮って登り再開。このあたりから段々岩が少し露出したりちょっと急な場所があったり、ストックを片付けてちょっと手を突いて登ったりで「修行の山」っぽい所もあった。急斜面でちょっとあえいでいると後ろから来た若い健脚2人組みに追い越された。まあゆっくり行こう。
股のぞきから50分ほど斜面を登ると一段落したようなところにたどり着いた。ここに結構人が固まっているな、と思って上を見ると石の仏様がたくさん並んでいる。コースの上のほうに「八十八大師」というのが有ったのがこれだった。ほぼ登りきったなと、ほっと一息である。高尾でのトレーニングの効果のひとつとして、見当をつけて計画的に進めることが一部出来てきたことがある。GPSで経過を見ながら、「あと影信山ひとつぐらいか」といった見当をつけて進めるので、ペース配分しやすくなったわけだ。
八十八大師で一旦登りが終わり山腹を巻いて左に谷を見ながら水平にジグザグ進むコースに入る。高いところが怖い小生はあまりこういったところは好きではないが、危険なところにはロープが張ってあるので危険なところはほぼ無い。30分ほど進むとここの名物の「屏風岩」に着く。ここはロッククライマーの聖地だそうで私とは人種の違う「高所愛好家」の諸賢たちが岩壁に挑んでおられる。まったく持って小生にはその気が知れないが。
歩行ルートは屏風岩の根元なので落ちる心配は無く上から岩か人が落ちてこないかだけを気にして通過、最後に屏風岩の高さぐらいを階段で登ると大きな山小屋の前に出た。四季楽園という山小屋というより建物で、前のベンチにも大勢の人がいる。ほとんど「裏三つ」といわれる西側のバス停と駐車場からきた人だろう。しかし四季楽園は営業していないように見えた。後から知ったがバスの運行も11月まででこの日はもう走っていなかったようだ。ここのシーズンはほぼ終わっているのである。
ここはまだ山頂ではないので、山頂に行こうとしたがどっちが山頂か分からずちょっとうろうろした。矢印みたいなものが無いのかと、高尾の温室育ちの小生は思いました。結局人に聞いてようやく山頂の方向が分かり、歩いていって気がついたが確かに一部地面が薄くだが凍っている。アイゼンがいるかも、というのは当たらずと言えども遠からずだった。
<三つ峠山頂>
さて三つ峠山、別名開運山の山頂、11:30。富士山が丸ごと見える。妙なたとえだが、普段風呂の窓からチラッと見えてた美女が戸をあけたら偶然オールヌードで立っていた、といったようなちょっと気恥ずかしさを感じた。それにしてもすばらしいというより不思議な山だ。この国にこの山があるということは何か特別な意味があるのではないか、と思わせる力がある。自信を失っている日本人に、お前達には世界のためにするべきことがある、とでも言っているような気がするのは小生の錯覚だろうか。
富士山に見とれてしばしボー然としていたが、ふと頭をめぐらせるとまさに文字通り雲ひとつ無い快晴のもと、なんとなんと中央アルプスや多分八ヶ岳、そしてその向こうに北アルプスと思しき山脈がありありと見えるではないか。富士山を見たい一心で登ってきたが、これは思いがけないご褒美だ。何せひとりでこんな山に登るのが初めてなもので、感激もひとしおである。夢中になってカメラもバシバシシャッターを切った。あとから写真を見て気がついた。夢中になると右が少し上がった写真になる癖がある。悪しからずご容赦いただく。
夢中になって写真を撮っていると不意にシャッターが下りなくなった。あれ?どうしたの?AFが合ってないから?違う。あーー、電池切れ!!えーー。予備持ってきてない。最近こんなにシャッター押してなかった。しかも逆光でフラッシュ結構焚いた。しかも寒いか。以前ちょっと凝ってた頃は予備の電池持って歩いてたけど、一時カメラをお蔵入りにしていてそんなことすっかり忘れてた。
そうしたらあらぬ方向でおばさんたちが騒いでいる。「見える」「見える」という声が聞こえる。どうもスカイツリーが見えるらしい。一角西のほうが見えるところがある。いってみると、「肉眼で見えたわよ」との声。小生の目には見えなかったが、ファインダー覗いて望遠にすると見える見える明らかにスカイツリーだ。ビル群もたくさん見える。小仏峠で見て以来だ。しかししかし残念ながらシャッターが下りません。あー残念無念心残りとなりました。ということでこれ以降カメラは動かず。何枚かiPhoneで撮りました。(頂上の景色もiPhoneの動画で撮ればよかったとあとで後悔。多機能すぎて使い切れない。)
<下山>
頂上で景色を堪能した後は四季楽園に戻って前のベンチで昼食。ベンチの屋根の柱に「ベンチ使用料100円」という賽銭箱の如きものがかかっている。お賽銭を献上して握り飯をぱくつく。今日は加重を考慮してバーナーは持ってこなかった。コーヒーが飲めないのがちょっと寂しい。山小屋で飲もうと思っていたが、営業して無いようなので仕方が無い。
食事を終えて12:25四季楽園を出発、下りにかかる。河口湖に向かう尾根をたどるコースを取る予定だが、時間に制約がある。4:00に「ホリデーライナー河口湖」という便利な列車が出る事になっている。河口湖から新宿行きで特急並みの停車駅と前向きの座席、それでいて普通料金でOKというお得列車だ。今まで乗ったことが無いのでぜひこれに乗りたい。最寄り駅の三鷹まで直通である。
四季楽園からすぐのところに一回り小さい三つ峠山荘がありここは営業をしているようだった。何人かがここのベンチでラーメンを食べていた。ベンチの一角におばさんたちのグループがいたので道を聞いたがちょっと曖昧、「山小屋で聞いて」といわれて山小屋の中でラーメン食べてたお兄さんに道を聞く。「そこを行って尾根から降りずに富士山に向かってずーっと行ってください。」と教えてもらった。さっきのおばさんたちに「こうこうです。」と伝えて、お先にというと、「私達も追いかけますから。」とのことだった。
道を聞いて下山し始めたが、安心したのかどうか、少し歩いているうちになにやらおかしいことに気づいた。どうも尾根からおりてしまっている。道は車の跡のある幅のある道だ。これは裏三つに行く方じゃないのか、と思ってiPhoneGPSを見ると見事にコースを外れている。山荘を離れて直ぐのところに分岐があったのだ。もう200Mくらい来ている。戻ろうかと思ったが、GPSに入っている1/25000地図にはもう少し下がったところに左に入る道があって、そこから等高線にそって南下する道が書いてある。その道は先で稜線の未知に交わるのでその道でもいいか、と思い、どんどん降りていった。そして、このあたりに左に入る道があるはずと思っていったが、無い。あれ、と思って行ったり来たりしたが無い。もうずいぶん降りたあとだったがしょうがなく引き返した。分岐点までもどって来てみると立派な標識が立っている。何故これを見逃したのか...30分のロスであった。
このときちょうど1:00、電車まで3時間だ。川口湖畔までどれだけかかるか良く分からなかったので気持ちがちょっと焦った。登りに4時間ほどかかったが地図の距離は下りの方が長い。ただ山荘にいたおばさんは2時間でいけるよ、といっていた。ともかく先を急ごう。
ここの尾根道は登りより散文的で黙々と下る感じ。少し下ると平らな道になる、ということの繰り返しが結構延々と続く。向かう先には富士山があるはずだが残念ながら展望はほとんど利かない。それでもこんなコースで歩きすぎて足をおかしくすることが多いので、適当に休みを入れながら歩き続けた。途中でさっきのおばさんたちが休んでいるところに追いついたので、「道を間違えてしまいました。ははは。」といって追い抜かす。
そうこうそうこうしてようやく天上山にたどり着いたのが3:00過ぎ。ここは展望のいい公園になっていて家族連れがロープウエイであがってきてくつろいでいる。別名カチカチ山だそうだ。富士山もここでまたきれいに見えた。ここからは時間に追われていることを口実にロープウエイに乗って下まで降りた(400円)。そのまま湖畔の道を左に行って15分ほどで河口湖駅。3:30に到着、4時までビールとつまみを買い込んで電車に乗り込む。意外に車両はすいていてゆったり座ってビールが飲めました。 三鷹着は5:47です。
高尾エリアから出て初めての単独山登りでしたが、足もそんなに痛んでおらず、きれいな富士山が見え、何より無事にたどり着くことが出来ました。
めでたしめでたし。
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