炎熱の大倉尾根〜丹沢山
zaoluck
体力度について
- GPS
- 08:27
- 距離
- 19.3km
- 登り
- 1,706m
- 下り
- 1,694m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:31
- 休憩
- 1:57
- 合計
- 8:28
| 天候 | 晴れ時々曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2018年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
極端な暑さという天候を除けば全く問題なし。塔ノ岳〜丹沢山の木道の一部はアイゼンに痛めつけられて折れそうなものがありますが、「保守」というテープが張ってあったので早晩修理されると思います。 |
写真
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装備
| 個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
1/25000地形図
ガイド地図
コンパス
筆記具
保険証
飲料
ティッシュ
バンドエイド
タオル
携帯電話
計画書
雨具
防寒着
ストック
水筒
時計
非常食
緊急保温シート
着替え
ツェルト
ファーストエイドキット
医薬品
カメラ
GPS
|
|---|
感想
8月の丹沢は、記憶では10年前、山形から戻って初の丹沢訪問で表尾根を歩いて以来。その時も暑くて参ったが、地球温暖化の進行で？それどころではなかった。炎天・無風で、6月末の「汗だく山行」をも上回る汗だらだらの脱水山行と化し、登りでは熱中症一歩手前の状態と感じたことも。歳を考え、こういう猛暑日の低山は避けた方がいいかもしれないと反省した。
朝から蒸し暑い渋沢駅の階段を降りると、予定より1本早い7時18分のバスが出ようとするところだった。少しでも涼しいうちに歩き出せる訳でありがたい。暑さのせいか、登山者はほぼ座席を埋めた程度の数だった。
登山口に向かうと、右手の森からやかましい蝉の声がする。なんとクマゼミだ。中部地方からだいぶ生息域を広げたとは聞いていたが、丹沢で聞くのは初めて。蝉には罪がないとはいえ、無風の暑苦しさを助長する鳴き声にはゲンナリする。林の中だからまだ30度にもなっていないのだろうが、観音茶屋に至る前から浴びるような汗となった。頭に巻いたタオルも、リュックの肩紐に掛けた汗拭きタオルもすでにじっとりしている。
雑事場ノ平の尾根で風を期待したが全く裏切られ、見晴茶屋裏の急登に挑む。脚力的にはまだ余裕があるので一定ペースで登り切ったら、全身から汗が噴き出した。頭も体も火照って拭いても拭いても汗が止まらない。紅葉回廊を経て一本松へと近づくにつれて、頭にタオルを被ってなどいられなくなった。取った直後は楽になった気がしたが、汗に濡れる頭全体が妙に熱を持っている。心なしか頭痛もするようだ。
大倉バス停で降りたグループ登山者のリーダーが、「熱中症は頭が痛くなるのが前兆。体がしびれ出したらもう自力で対処は難しい」と注意していたのを思い出した。それって、今の俺のことじゃないのか・・・？ あと少しでベンチがあるのを思い出し、ペースダウンしてやっとのことで辿り着いた。リュックをかなぐり捨て、タオルの汗を絞っては体を拭く。頭にはあおいで（汗が）冷えたタオルを載せて体温低下を図った。
本当に冗談事ではない暑さとなった。体が少し冷えたのを確認し、若干ペースを落として再出発。堀山の家を過ぎて標高も1000mに達したが、風も吹かなければ気温も下がらない。行き合う登山者は一様に汗を浮かべながらあえぎ、元気なのは足元のトカゲくらいだ。
直射日光の階段を登り切り、たまらず花立山荘へ転がり込んで500�佞離魁璽蕕鯒磴Δ覆螳�み乾した。水は飲んだそばから汗になる感じで、持参した3リットルがすでに三分の一以上なくなっている。万一水が切れた時を考えて茶屋や小屋のある大倉尾根コースを選んだのだが、正解だったようだ。
花立で塔ノ岳山頂が見えた。左寄りに蛭ヶ岳も見えるが湯気で霞んだようにぼやけ気味で、山も下界も遠くは見えない。何よりこんな見晴しのいい所にそよとも風が吹かないのが気味悪い。結局、しばらく歩いては汗に濡れたタオルを絞ることを繰り返し、消耗しきって塔ノ岳に到着。まさかと思ったが、常に風が吹いているはずのこの山頂ですらベタ凪状態だった。
腹は減っていなかったが、塩分補給も兼ねて昆布のお握り1つを早弁する。ここまで3時間以上もかかってしまったが、幸い早いバスに乗ったので時間に余裕はあり、予定通り丹沢山まで頑張ることにした。
日高に向かっていったん急降下すると、先ほどから増えてきた雲が直射日光を遮り、いくらか楽になった。かすかだが風を感じるときもある。照っては曇りを繰り返し、ちょうど正午に丹沢山頂に辿り着いた。もはやズボンまで濡らした汗を一生懸命拭き取って身なりを整え、ご褒美の缶ビールを買いにみやま山荘へ。きれいな食堂のテーブルでコッヘルを使うのは気が引けて、食事客が来たのと入れ替えに山頂ベンチへ河岸を変えた。
コッヘルを用意したとたんに直射日光が照りつけて暑くなったのが誤算だったが、その日が蔭りさえすればさすがに標高1500m超だけあって暑さは和らぐ。カップ麺と残りのお握り1個の昼食を採り、一休みして帰路に就いた。
塔ノ岳までの区間は時折り雲がかかり、いくらかそよ風も吹くようになって、本山行で最も快適な高原漫歩の気分を垣間味わうことができた。塔ノ岳山頂にも微風が戻っている。山の上まで行けばずっとこんな感じだろうと期待していたのだが、それは甘かった。
金冷シへ向かう木段にかかると、もう風は止まってしまった。濛気立ち込める峰々を見下ろしながら下って行く。当面は気温が低めで登りほどの汗はかかないが、1000mを下回った辺りからはこうはいくまい。花立山荘を過ぎるころ、水はもう500�佞靴�残っていなかった。何か買おうか迷ったが、この下の堀山の家か駒止茶屋まで頑張ることにして通過。
これが判断ミスで、やっと堀山の家に辿り着くと既に閉店していた。駒止茶屋は本日営業した気配がなく、次の頼みは見晴茶屋。最後の観音茶屋は開いているはずだが、ここはどうか。残る水はわずか100�佞曚匹如�6月末の奥多摩汗だく山行と同じような状態になってきた。
急坂を精一杯の速度で下り切り、回り込んで見晴茶屋のデッキに登ると、おじいさんがトランクス1つで土間の普請をしていた。店番がいないのでとお釣りの用意に苦労していたが、なんとか冷たいポカリスエットを手に入れて一安心。「この下でおいしいかき氷売っているよ」と教えてくれたが、そんな余裕はなかったのです。
御年84歳になるというおじいさんの好物？の味見はまたの機会に譲って、営業中の観音茶屋前を通過。4時近いが空気はモワーとして汗は止まらない。舗装道路に出たらまた喉が渇いてきた。汗を拭いてから飲もうと道端の自販機は我慢して大倉バス停に戻ると、なんとバスが止まっている。暑い中待たされるのも癪なので、体を拭いただけで飲み物は買わずにバスに飛び乗った。
バスが渋沢駅に着くや、炭酸水を買ってがぶ飲みしたのは言うまでもない。ビールは風呂上りの楽しみにとっておくのが流儀だ。
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