Matterhorn(マッターホルン)


- GPS
- 25:57
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 5,562m
- 下り
- 5,558m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
Tasch ⇔ Zermatt(電車) Zermatt ⇔ Schwarzsee(ロープウェイ) |
写真
太いロープが下がり、岩には太いコの字の鉄棒が階段状に並んで埋め込まれている。出発では暗くて写真が撮れなかったが、スタートからいきなり垂直の壁を登ったのでした。
感想
7月30日Matterhorn登攀
3時45分起床。計画通り。手洗い、朝食、装備装着と手早く準備を進める。出発は4時20分。小屋から数分程で登り口。いきなり垂直の壁。固定ロープと鉄棒のホールドが岩に打ち付けられている。早速渋滞。後ろを振り向くとそれほど多くのパーティは並んでいない。出発を急がないのか、今日はチャレンジャが少ないのか。いずれにしても後方から煽られる心配は少なそうだ。最初の壁を過ぎると補助の固定ロープはほとんどないクライミングが始まる。ホールドはあるのでクライミングはできるが、ヘッドランプなので視界が狭く、ホールドを見つけるのが若干遅い。体も起きていなし、なかながリズミカルなクライミングができていない。ルートは前のチームの後を追う。登攀ペースが速い感じがする。厳しいところに差し掛かると前が詰まっていて少し休憩が取れる。呼吸を整える。クライミング中は一切の写真撮影禁止。休憩はガイドの指示があった場合のみで時間は1分ほど。この間に間食したり水を飲んだり写真を撮ったりとテキパキと動かなければならない。
ペースが速い。ガイドも汗が滲んでいる。ペースを一定に保つため簡単に休むわけにはいかない。次から次にやってくる岩の壁、壁を必死で攀じ登る。空が明るくなってきた。日が昇ってきた。太陽が山の端から少し上がった頃にSolvay小屋に到着した。6時30分。出発してから2時間10分。ペースは悪くない。ここら辺りまでくると前後のパーティとの距離が開くようになり力量の差が表れてくる。水を飲んで写真を撮って即出発。まだコース全体の半分、ここから標高は上がり傾斜も険しくなり厳しさはさらに増す。周りが明るくなってクライミングの調子もまずまずとなってきた。とその時小石が顔に当たった。先を行くパーティを睨む。向うも下を見て気にしている様子。大事にはならなかったが危ないアブナイ。コース中最後の固定ロープが終わった辺りがコース全体で残り1/4くらい、それまでところどころにあって解けかけだった雪はここら辺りから深く柔らかくなって来た。アイゼンを装着、斜面で姿勢が不安定だがしっかり確保して素早く取り付ける。ピッケルも出して準備が出来たらすぐに出発。斜面が急になってきた。ピッケルのピックを雪面に刺してほぼ四つん這いで登る。標高も4400mを越えた。呼吸を整えながらゆっくりと登る。出発からもうすぐ4時間、雪の稜線の向うが何も見えない。遂にきた。8時20分マッターホルン山頂到着。先に到着していたパーティ、後続のパーティと互いに健闘を称えおめでとうの言葉と握手を交わす。最高の天気と眺めだ。慌ただしく記念写真を撮って、少し下った雪がなく岩が露出しているところで休憩。間食をして水を飲んで、早々に出発。今度は下り、延々と下る。下りの方が危ない。慎重に下る。雪が切れたところでアイゼンを外しピッケルをザックにしまう。クライムダウンで降りる。支点のある所ではロワーダウン。下りはクライアントが先行する。ロワーダウンが難しくうまくいかない。ロワーダウンでロープにぶら下がっているときに振り子のように振られて背中を岩壁に強打した。ザックがクッションになって事なきを得た。ロワーダウンはゆっくり同じスピードで下降することが求められるがどうしても不規則なスピードになってしまい動荷重がロープにかかってガイドに注意される。ルートハンティングは前の人のトレースに沿ってとアドバイスされるが、Eigerでは岩にアイゼンで引っ掻いた跡が結構あったのでまだわかったがここはそれも不確かで分かりにくい。ルートはリッジ沿いに下るのが正しく下に向かって稜線の右側(谷側)に逸れると道迷いを起こす。マークがないので経験がないと難しい。Solvay小屋到着。10時40分。休憩。Hörnli小屋はまだ遠い。
気合を入れ直して出発。クライムダウン、時々ロワーダウン、これを繰り返す。Hörnli小屋はまだ遠い。
Hörnli小屋が随分大きくなってきた。最後の急峻な岩場に取り掛かる。終わりに近づいて気を緩めた瞬間に大きな事故が起きる。「気を緩めるな!慎重に、ガンバレ!」何度も何度も自分に言い聞かせる。
登り口の固定ロープが設置されているあの垂直の壁に戻ってきた。ガイドから「腕力は大丈夫ですか。」の問いかけに「全く大丈夫です。」と答える。声にも元気が出る。固定ロープをしっかり掴んで慎重に降りる。登り口に降りた。ガイドと固い握手を交わす。登り口で山頂方面を見上げていた人からCongratulationsの声がかかる。山頂に立った時以上に達成感と安堵感がこみ上げてくる。やった!12時50分、8時間30分の格闘が終わった。
小屋に入り帰路の準備。小屋を出発。Matterhornを振り返ると山頂付近は雲に隠れていた。Schwarzseeのケーブルカー駅まで1時間30分、やっぱり遠い。
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