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Yamareco

記録ID: 1582707
全員に公開
ハイキング
比良山系

コヤマノ岳山麓〜針広混林の森を歩く〜

2018年09月15日(土) [日帰り]
 - 拍手
churabana bebebe その他9人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
07:41
距離
11.4km
登り
834m
下り
822m
歩くペース
ゆっくり
1.31.4
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
5:29
休憩
2:12
合計
7:41
9:40
9:47
64
10:51
11:09
68
12:17
12:24
4
12:28
12:57
49
13:46
14:34
33
15:07
15:15
4
15:19
15:22
39
16:01
16:07
37
16:44
16:50
11
天候 曇り時々雨
過去天気図(気象庁) 2018年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
イン谷駐車場
コース状況/
危険箇所等
ダケ道は、台風21号の後、倒木処理に入って下さったので、安全に歩けます。その後、倒れたり、落ちてきた枝などを処理しながら歩きました。
八雲ヶ原から金糞峠へ向かう途中で、一か所、倒木により登山道がふさがれています。本日は渡渉して迂回しました。
イン谷で、青木先生から観察会のガイダンス。〜針広混林の森を歩いて尋ねる〜本日のテーマです。
イン谷で、青木先生から観察会のガイダンス。〜針広混林の森を歩いて尋ねる〜本日のテーマです。
「コヤマノ岳山麓に見事な植生が見られるのですよ。」
「コヤマノ岳山麓に見事な植生が見られるのですよ。」
ダケ道を歩き始めます。Wさんの整備のおかげで、登山道はしっかりしています。台風後、レスキュー比良のメンバー二人が倒木処理をしてくださったので、いつも通り歩きやすい道でした。深謝!
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ダケ道を歩き始めます。Wさんの整備のおかげで、登山道はしっかりしています。台風後、レスキュー比良のメンバー二人が倒木処理をしてくださったので、いつも通り歩きやすい道でした。深謝!
オニテングタケ
シロテングタケ 傘の縁にはつばの崩れた物が垂れ下がっている。成菌になると落ちてなくなる。
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シロテングタケ 傘の縁にはつばの崩れた物が垂れ下がっている。成菌になると落ちてなくなる。
ヤマジノホトトギス
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ヤマジノホトトギス
ダケ道に、水場ができていました。歩くのは久しぶりなんです。
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ダケ道に、水場ができていました。歩くのは久しぶりなんです。
イヌブナが見られるのは、560m付近からでした。
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イヌブナが見られるのは、560m付近からでした。
タマゴテングタケモドキ?この雨で、きのこがにょきにょき出ています。しばらく、きのこを観察してなかったので、記憶は振出しにもどってます(涙)
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タマゴテングタケモドキ?この雨で、きのこがにょきにょき出ています。しばらく、きのこを観察してなかったので、記憶は振出しにもどってます(涙)
カモシカ台
ミヤマママコナ
この辺りから、ブナ林が見られます。
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この辺りから、ブナ林が見られます。
枝ぶりがすてきなブナ。山ガールは、beさんです。
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枝ぶりがすてきなブナ。山ガールは、beさんです。
キノコ三兄弟
ヒキガエル 寝たふりを決め込んでました。
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ヒキガエル 寝たふりを決め込んでました。
北比良峠 ここで、お昼ごはん。天気がよろしくないので、ミニあんパンにしました。
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北比良峠 ここで、お昼ごはん。天気がよろしくないので、ミニあんパンにしました。
この橋は、流されていますが、ロープでバックアップされてます。ここは、もう一人のWさんと川ざらえをして整備したところです。台風後、順次整備してくださっています。深謝!
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この橋は、流されていますが、ロープでバックアップされてます。ここは、もう一人のWさんと川ざらえをして整備したところです。台風後、順次整備してくださっています。深謝!
観音さま。比良修験道有志の方が奉納されています。 「オン・アロリキャ・ソワカ」 横川での観音護摩を思い出します。こちらの有志の方々と八雲観音の柴燈護摩のお参りをぜひ叶えたいです。
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観音さま。比良修験道有志の方が奉納されています。 「オン・アロリキャ・ソワカ」 横川での観音護摩を思い出します。こちらの有志の方々と八雲観音の柴燈護摩のお参りをぜひ叶えたいです。
おやおや、また寄り道です。ナガレヒキガエルかもしれない!?
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おやおや、また寄り道です。ナガレヒキガエルかもしれない!?
ヒキガエルさんでした。「ナガレヒキガエル」は、京大の松井先生が比良で発見されて命名されたそうです。
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ヒキガエルさんでした。「ナガレヒキガエル」は、京大の松井先生が比良で発見されて命名されたそうです。
サルナシ ちょっと早かった。
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サルナシ ちょっと早かった。
ヤマボウシの実 ほんのり甘い
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ヤマボウシの実 ほんのり甘い
アシウスギの森 入口のシンボルツリー 伏条更新の歴史を物語っています。
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アシウスギの森 入口のシンボルツリー 伏条更新の歴史を物語っています。
この子は、1歳。
アシウスギの森です。まだ全部調査できていないので、もっと素晴らしいアシウスギが見つかるうかもしれません。
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アシウスギの森です。まだ全部調査できていないので、もっと素晴らしいアシウスギが見つかるうかもしれません。
いきものふれあい室の常連さん、4年生女子。軍手を取り出し、「まず登っておこう!」 いいね!
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いきものふれあい室の常連さん、4年生女子。軍手を取り出し、「まず登っておこう!」 いいね!
通称観音さまロード。一か所、倒木でふさがれてました。今日は、時間が足りず、手を付けられませんでした。レスキュー比良に報告しましたので、近々、処理に入ってくださると思います。(すでに、Wさんがチェックされていました。)
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通称観音さまロード。一か所、倒木でふさがれてました。今日は、時間が足りず、手を付けられませんでした。レスキュー比良に報告しましたので、近々、処理に入ってくださると思います。(すでに、Wさんがチェックされていました。)
イン谷も1か所、崩壊してますが、ここは通過できます。
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イン谷も1か所、崩壊してますが、ここは通過できます。
同じところを下から。山は動いています。落石等、十分に注意してください。
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同じところを下から。山は動いています。落石等、十分に注意してください。

感想

コヤマノ岳山麓に広がる、針広混林の森を歩いてきました。
天候が心配されましたが、小雨程度との判断で、観察会が行われました。

県内には、植生からみて、すてきな森はいろいろとあります。
churaが歩いたところでは、御池岳のオオイタヤメイゲツの森、横山岳のブナ林、朽木のトチの森、比叡山の杉林・玉体杉などは立派な森が広がっています。
かつて、「日本の森」というBSの番組で、県内の森を紹介するとき、当初は、比叡山の杉林が候補にあげられていたのですが、植生が他所と比べて特徴的なところはないかということで、青木先生がセレクトされたのが今回、説明していただいたコヤマノ岳山麓に広がる、針広混林の森です。

イン谷から歩き始めます。台風の爪痕で、土砂崩れがあったり、倒木があったりします。まだ山は動いているようなので、慎重に通過します。

ダケ道を登り始めると、560m付近でイヌブナの植生が確かめられます。700mを越えるとブナの植生に変わります。ほとんど、植林の森なので、下の方で植生を気にして歩いたことがありませんでした。
比良山系で、もう少し北のリトル比良の岳山(565m)の山頂付近では、ブナの植生が見られます。ここは、山頂部だけ帽子をかぶったようにブナ林があります。薪炭林として利用されていたので、株立ちしている姿が特徴的でした。東北地方まで行くと、平地にブナ林が広がっていたそうです。青木先生は、山形県鳥海山の麓まで調査に行かれ、確かめてこられたそうです。
植物の植生は、緯度や高度によって変わっていくことを確かめることができます。GPSや腕時計の高度計のほかに、植生も知っておくと便利です。

戦前、紙の原料パルプとして針葉樹が使われていて、国内の針葉樹の原料パルプをほぼ使い果たします。ゆえに樺太に原料を求め、戦後、原料に苦労し始めたころ、ブナから原料パルプを得る技術が確立し、全国で一気にブナ林が皆伐されていきます。白神山地のブナ林は奥山なので残り、世界遺産となりましたが、麓のブナ林はほぼ皆伐されたそうです。青木先生は平地のブナ林調査で痕跡をたずねられたそうです。
武奈ヶ岳(1214.4m)は、山頂部がはげ山です。かつてはブナ林が広がっていたようですが、皆伐され、その後は、ヒノキ・杉の植林がされました。だから、ブナは目立ちません。県内の若いブナ林は、戦後に原料パルプとして皆伐され、再度ブナを植林した森なのです。株立ちしているブナは、薪炭林として利用したためです。紙の需要と原料パルプの供給、燃料は薪・炭から化石燃料へと、暮らしの変化は森の姿の変化にも表れています。
現在、紙のリサイクルは、古紙回収率80%。利用率65%といわれています。この数字は、世界でもトップクラスです。(日本製紙連合会HPより)

北比良峠から、コヤマノ岳、武奈ヶ岳方面を観察すると、
コヤマノ岳(1181m)山頂付近は、ブナ林が広がっています。
下部の森をみると、アシウスギ、ブナ、テツカエデ、サノハカエデが観察できます。もう少し季節が変わると、黄葉でさらに針広混林の森がわかりやすくなります。コヤマノ岳の麓、奥の深谷の源頭部の森を歩くと、アシウスギの巨木が観察できます。高切りされて台状に株立ちして育ち、下枝が地面につき発根して独立の林木に生長する伏条更新が特徴です。入口のシンボルツリーもそうして、立派に育ったことがよくわかりました。

キノコも雨後で結構出ていたし、サルナシやヤマボウシの実、実りの秋も楽しめました。登山道は、台風の影響で心配していましたが、今までの整備のおかげや、直後の倒木処理のおかげで歩きやすく整備されていました。様子を見ながら、山が落ち着けばさらに整備を進めていくと聞いています。下見をされた、beさんが、「のこぎりはいいですよ」と言われた通りでした。
ほんの少しだけ、枝を払って、歩かせていただいたのは、感謝の気持ちです。それが、今、山を歩いて幸せを感じるときなのです。

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