お蚕萌え!! 英ちゃんの遊んだ一ノ宮神社へ チャリレコ★養蚕農家と一ノ宮貫前神社ー富岡製糸場
- GPS
- --:--
- 距離
- 43.6km
- 登り
- 240m
- 下り
- 405m
コースタイム
6月以来、4ヵ月ぶりになる富岡さんぽだが、その間は伊豆探索やら海水浴続きに図書館行き。その休眠期間に手入れをした”触角”は割と敏感だったようだ (`・ω・´)
JR東・信越線松井田駅まで輪行
8:50松井田駅ー9:30妙義町(養蚕農家・なまこ壁住宅)11:00ー11:30一ノ宮貫前神社11:50−12:20富岡散歩13:15ー14:30高崎駅
JR東・高崎線高崎駅から輪行
天候 | 曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
自転車
帰り:JR東・高崎線高崎駅から輪行 全線自転車を使用 |
写真
装備
個人装備 |
ロードレーサー+SPDペダル(歩ける自転車靴)
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感想
引き出しが増え 〜ようやく宝の山に気付く〜
■群馬でなまこ壁の連発!! 松井田町から妙義町へ
散々伊豆巡りをし、そして再訪問の先々で”改めてなまこ壁”を発見すると、感激しますね。
”なまこ壁”は厚みが20センチ近くあり火事や雨に強いので蔵の壁には最適。通気が良い海藻入りの漆喰です。ただ建築にはお金がかかるので所有者は地主や村長レベルが多いようです。
■再訪 パーソルサンクス(株)繭工房さんへ
まずは障がい者雇用型の養蚕ホーム・パーソルサンクスさんを再訪問。いきなり秋蚕(あきご)げっちゅうです(^^
飼育種は”ぐんま200”、桑種は聞き忘れました愛川町の特産”春日”の可能性も(苦笑
■続々発見 現役養蚕農家
日本を支えた養蚕、製糸、織物業は今危機に瀕しています。
そんな中で、サイクリング中の”現役養蚕農家”の発見は困難を極めます。が、今までの桑畑から辿っていく方法に加え、養蚕特有の家屋の見極めと地形(田圃に不向きな地域)から辿っていきますと、新たに2軒の現役農家を発見!!
キーワードは”二階の換気”。通しの大窓の場合(主に昭和)もあるし、屋根に換気櫓が載った明治建築もある。平成にはエアコンに頼るケースもあるだろうが、二階の換気構造と桑畑がありそうな傾斜面に注意して走っていました。
なんだかんだの有視界飛行で効率は悪いですがね。
※製糸場や農協から逆引きすれば効率がいいが面白くない
■英ちゃんの遊んだ一ノ宮神社へ
------------------富岡日記(横田英著)-----------------------------
お花見
三月末頃でありました。製糸場一同(工男は参らず)は一ノ宮へお花見に参りました。役人方、 取締一同、賄方、中々盛んなことでありました。尾高様をはじめその他(工女は申すまでもなく)おいでになりました。その前日北海道から工女が両名入場致しました。その人も参りまして、 その工女を送っておいでになりました役人もおいでになりました。ラッコの皮の外套を着て居られました。私共はその役人も工女も皆アイヌ人種かと思って居りました。後から考えますと決して左様ではありませぬ。工女ばかりも五六百名、その他の人で七百名余も居りました。
その日は三味線もありまして、工女の内でひきます人も中には本手に踊ります人もありまして、 実に面白いことであり京した。工女も皆十二三より二十五六歳位までの者が揃って、ふだん日なたに出ず毎日湯気に蒸されて居ますから、髪の艶つや顔の色実に美しいことで、とても市中の婦人と場内の人では一つになりませぬ。入湯も一日も欠かしませず、身嗜みだしなみも宜しゅう御座いますから、別品さんが沢山居られました。女の目で見ましてさえ十二分の楽しみ気晴しを致しまして、夕方 一同帰場致しました。このようなことは毎年あります。
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訪ねた当日は、前倒しの七五三参りの家族が多くあり、華やいだ雰囲気。本社は煌びやかな原色に包まれており、茨城の蚕霊神社を思い出しました。
祭神は以下の二柱
・経津主神 (ふつぬしのかみ)
葦原中国(日本)平定に功績があったとされる神。当社では物部氏の祖神と紹介しています。
・姫大神 (ひめおおかみ)
祭神の名前は不詳。一説には、綾女庄(当地の古い呼称)の養蚕機織の神とされます。
英ちゃんの仕事は繰糸(糸繰りは養蚕の後工程・機織りの前工程)なのですけど、経糸(たていと・歴史)と緯糸(よこいと・拡がり)の繋がりを感じます(^^
■世界文化遺産・富岡製糸場へ
------------------富岡日記(横田英著)-----------------------------
翌二日、一同送りの人々に付添われまして、富岡御製糸場の御門前に参りました時は、実に夢かと思いますほど驚きました。生れまして煉瓦造りの建物など稀に錦絵位で見るばかり、それを目前に見ますることでありますから無理もなきことと存じます。
・おいらは未だ入場はしていないです。失礼ですからもう少し知識を蓄えてから富岡入りいたします(^^;
操業は明治5年ですが閉所は昭和62年と割と最近で、日産自動車製の自動繰糸機が装備されています。
■世界遺産登録を目指して 〜富岡製糸場と絹関連遺産群〜 に係った人々のコメントを紹介します
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群馬の近代化遺産は、旧富岡製糸場など、ただ日本の遺産というだけではない。
(国立科学博物館・清水慶一氏)
製糸場は世界遺産に厳しいのではないか?という問いに
戦後、他国の支援を受けず、世界2位の経済大国となったジャパン・マジックをどう説明するのか。国際社会にきちんと説明しないといけない。その原点が富岡製糸場だ(同清水氏)
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近代化遺産はそれまでの文化財とは違い、大きなシステムの全体や一部である場合が多く、建物単体の調査では不十分であること。製糸工場の場合、養蚕農家から製品の流通までをシステムとして捉えて評価しなければ本当の価値は分らない。
そして日本の近代化に蚕糸絹業がいかに大きな役割を果たしてきたことか。
(近代建築研究家・村松貞次郎氏)
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富岡製糸場単体で世界遺産登録が可能だと主張する海外の専門家の意見に
製糸場が日本近代化に貢献した背景には、養蚕や座繰りといった伝統の技術がある。その豊かな価値を入れなければ日本の世界遺産として価値がない。
(東京大院近代技術史教授・鈴木淳氏)
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まさに、経糸(たていと・歴史)と緯糸(よこいと・拡がり)の繋がりではなイカ!?
富岡製糸場(単体)のレンガ造りやら蒸気機関や、近代の自動製糸器だけではなく、要は”お蚕”の文化なんだと思います。
そして富岡製糸場と、絞りに絞った田島弥平旧宅(伊勢崎市)、高山社跡(藤岡市)、荒船風穴(下仁田町)と併せて申請し登録されたのです。
イコモスの評価
「パーフェークトに近い」。ユネスコ諮問機関が富岡製糸場と絹産業遺産群を世界遺産への登録がふさわしいとした勧告の評価である。
遺産群は19世紀末に養蚕と日本の生糸産業の革新に決定的な役割を果たし、日本が近代工業化世界に仲間入りする鍵となった。
(絹の国 拓く 富岡製糸場と絹産業遺産群・上毛新聞社)
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■二つの生繭(せいけん)
高橋さんちでNG繭×2を貰ったよ。繭にシミがあったのが問題らしい。蛹が固くなる前に繭掃きをしてしまったのが原因ですね。ただ現代の量産型・蚕にあっては、蚕それぞれの個性にあわせた日程を組むのは難しいので、どうしてもNGが発生します。
んでも、振動の多いロードレーサーで3時間。繭の中の蛹は相当叩きつけられている筈。。
★(3日後)なんとこの貰った繭の一つから、なんと雄のカイコガが出てきた(^^
触角が凛々しい。もう一つの繭から雌が出ないことを願う(^^;
スペシャルサンクス(訪問順)
・大塚さん家
初訪問 なまこ蔵を持つ妙義町の民家。蔵を御開帳してもらいました。なんと漆喰の厚みは20センチ。防火・防水に威力を発揮(`・ω・´)
昭和の終りまで母屋で養蚕していたとのこと
・パーソルサンクス とみおか繭工房さん
この遅い季節に秋蚕の五齢を見学できました。営繭まで一週間といったところ。勘で尋ねた品種は”ぐんま200”の当たり棒(^^
2回目の訪問 保育園の建屋を改造した、障がい者活躍の養蚕施設
https://www.thanks.persol-group.co.jp/work/cocoon.html
・伊丹さん家
2回目の訪問 富岡の養蚕農家
伊丹さんの秋蚕の出荷は二週間前に終わっていた( ノД`)
パーソナルさんはこれから繭出荷ですよと言ったら、それは”バンバン”だとのこと。
バンバン?? 麻雀の数えではなくどうやら晩秋蚕のことらしい。秋蚕を分ければ、初秋蚕・中秋蚕・晩秋蚕(バンバン)と区別されるらしい。笑顔に癒される(^^
・高橋さん家
初訪問 富岡の養蚕農家 養蚕に特化した工場建屋を保有
建屋の特殊性(換気・カーテン)からおいらのアンテナに引っかかった”養蚕工場”。そのまま当たり棒の”養蚕農家”。オーナーの高橋さんにお話を伺いました。秋蚕は一週間前に製糸場に出荷済み。回転蔟と自動繭掃器の扱いを教わりました。ほんとありがとうございます(^^;
さらにサンクス
お蚕さま。また関った・関っている皆様へ
■英ちゃんで締めましょう
一等工女
さて私共一行は皆一心に勉強して居りました。中に病気等で折々休む人もありましたが、まず打揃うて精を出して居ります。何を申しましても国元へ製糸工場が立ちますことになって居りますから、その目的なしに居る人々とは違います。
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ゆるやかに首を傾げる秋蚕かな ほの香
秋雲や蚕飼の村を見渡して ほの香
手のひらの秋蚕の繭の白さかな ほの香
富岡に経る道すがら秋祭 ほの香
山装いシルクの里を訪ねけり ほの香
水澄みて上州日和定まりぬ ほの香
繭仕分け早めに済ます鱗雲 ほの香
カイコガを探し訪ねてつくづくし ほの香
大鳥居足並み揃え七五三 ほの香
英ちゃんへ
空高く英明一等工女なり ほの香
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Honocaさんこんにちは。Roadwalkerです。いつも、探究心に感心いたしています。現役のお蚕さんのおうち訪問におは、驚嘆です。Roadwalkerの名前をあげたいぐらいです。お蚕さんの特徴ある屋根は、僕も何度も何度も見ましたが、そこに伺いお話することはありませんでした。その土地の人との触れ合いを積極的に求めるHonocaさん素晴らしいとおもぃます。(私は偶然の生業でしたから)その探究心が、新しい道につながるような気もいたします。
身に余る御言葉、まさに恐悦至極で御座います("・∀・)
養蚕の特徴ある屋根を何度も見た、、これは”アッパレ”ですよ? おいらは最近の気づきですからね。
土地の人との触れ合いは好きです。
なんか落ち着くし("・∀・) 特に農家の人は謎解きも一発ですw
※たまたまおいらはその?知識を持っていたとしても、土地の実演にはかなわないー(;'∀')
Honocaさん おはようございます
今回はのっけから凄いですね 。「なまこ壁めーっけ!!」で蔵を開けてもらう それは人柄だけでなく日頃の勉強の賜物でしょう。さすがです。
里でたまに見かける”なまこ壁”の由来を初めて知りました。
何時も自転車の行動力に驚いてます。無謀な運転の自動車が多いと聞いてます。くれぐれも注意してください。
富岡駅前のラーメンが美味しそうですね
soratokazeさん 今晩はです(・∀・)
写真家の丹野清志さんの話して撮ろうみたいなスタンスが好きで
親愛している物事を実際に現地で発見して取材する、、そこに自転車の行動力は、、とても面白いですねw
地形攻略とか集落の付き方・とか、
※今週も無事に帰還しました(・∀・) レポは水曜ぐらいに
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