旧山陰街道・明智越
山キチどん
体力度について
- GPS
- 07:01
- 距離
- 25.4km
- 登り
- 868m
- 下り
- 818m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:11
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 7:04
| 天候 | 曇りのち晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2018年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
JR保津峡駅に到る |
| コース状況／ 危険箇所等 |
旧山陰街道：京都霊園奥林道終点から首塚大明神までは倒木等で荒れている 明智越：倒木多く、登山禁止だった |
写真
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元治元年(1864)蛤御門の変で敗れた長州藩士が小浜藩兵に討たれた
明治17年田辺朔朗が設計
感想
川島東代町の出発点と定めた道標の位置までは阪急桂駅から歩き写真を撮って街道の旅人となった。山陰街道は今では桂高校の前から三宮神社御旅所付近の溜池の西側で合流する新道に取って代わられ秤谷からは国道9号線となり老ノ坂をトンネルで越えているが京阪京都交通バスは略旧街道を通る。昭和63年2月17日からは京都縦貫自動車道が開通し老ノ坂を越える道は3本となった。しかし旧山陰街道は国道トンネル開通と共に歩く人はいなくなり時折訪れるハイカーだけの世界となってしまった。
街道の旅で先ず現れるのは“西本願寺西山別院”、「西山御坊」の名で親しまれお坊さんの研修施設が隣接している。阪急の踏切を渡ると右手に“松尾七社之一大宮社”があるが、松尾七社とは松尾大社、月読社、櫟谷社の「松尾三社」と宗像社、三宮社、衣手社、四大神社を云う筈だが何なのだろう。次の信号機の処、川島粟田町に“孝子儀兵衛翁旧跡”の石碑がある。江戸時代義母に孝行を尽くしたとして戦前の修身の教科書に載っていたそうだ。
物集街道の交差点を渡ると左手に“郷倉（ごうくら）”の建物がある。樫原十二郷の年貢米を一時保管した倉庫で現存するものとしては貴重なものらしい。街道の反対側、用水路の畔には“勤王維新殉難の地”の案内板があった。此の辺りは山陰街道最初の宿場樫原（かたぎはら）で本陣もあったそうだ。登り坂が始まり左に大きくカーブする処に三宮神社の御旅所があるがバス停の名前は「三宮神社」となっている。左手に溜池、右手が竹藪となると林道の入口に小さな3つの墓があった。案内板には「樫原札の辻三士殉難の地」とあった。元治元年(1864)の蛤御門の変で敗れた長州藩士が小浜藩兵に討たれたのを村人が手厚く葬ったと云う。
樫原秤谷町で国道9号線を横断すると道は一旦下りとなり旧郡名では葛野郡から乙訓郡に入った。塚原町まで達すると山手に児子神社（ちごじんじゃ）があり鳥居の傍には大きな楠が鎮座していた。傾斜が増し沓掛町に達すると大枝神社があり地元のお母さんが摂社も順次回り敬虔に祈りを捧げておられた。神社の直ぐ先には“桓武天皇御母御陵”が石段を登った処にあった。
小畑川が谷間へと入って来ると京都縦貫道の沓掛ICで国道9号線も片側1車線となり旧街道も国道に収束された。国道の歩道を500m程進むと京都霊園入口交差点で左に曲がった。霊園事務所の手前で洛西散策の森への道に入り京都縦貫道の対岸の舗装道路を進んだ。直ぐに散策の森Pへの道が分岐した。左側は京都霊園の広大な墓地で、この一角に母方の祖父母も眠っているがフェンスで隔てられ旧街道から入れない。車道の終点には大阪ガスの施設があり山道となった。ピークに達すると西部クリーンセンターへの取付道路が上空を通っている。街道は下り道となると直ぐに舗装道路となった。
左手に小屋が見え石段を登ると首塚大明神の社があり倒木が屋根に凭れ掛っていた。神社の由緒書によると平安時代初期、都を荒らしまわった盗賊酒呑童子を大江山に退治した源頼光が坂田金時にその首を持たせ凱旋した際、子安地蔵尊に「天子様のおられる都にそのような不浄なものを持ち行くことはならぬ」と云われたが金時が無理に持ち上げようとしたが上がらずこの場所に埋めたと伝わる。
神社の鳥居から20m程行くと大枝山への林道が分岐しその傍らに「従是東山城国」の石碑が京都市と亀岡市の境界に置かれていた。老ノ坂峠という表示は何処にもなくピーク性はないが市境界（嘗ての国境）であるこの地点が峠とされているのだろうか定かでない。ピーク性のあるのは西武クリーンセンター道の手前(264m)とこの先の道路ピーク(257m)がある。道路で越えていた名残と最も峠らしい処として西の道路ピークを老ノ坂峠とした。
車道を下り谷が開けると京都縦貫道下り線の高架を潜り上下線の間を旧街道が行くと云う異空間、やがて上り線も潜って国道9号線に並走し国道と交差した。明治17年に田辺朔朗が設計したという王子橋、通称“めがね橋”は、石造りのアーチ橋で橋の袂に親柱が保存されていた。しかしこれは国道の旧道で旧山陰街道ではない。北側の山懐が旧街道で棚田であった農地の傍を下って行った。右手に唐戸越に繋がる中の谷林道を分けて暫く行くと“占い石”なるものがあり、篠町自治会の案内板によると「山陰街道を行き交う旅人はこの石に座る占い師に旅の吉凶を問うた」とある。非常に座り心地悪そうな石で扨て如何なものか。
谷間が開け亀岡盆地の一端に出てくると牛松山(636m)が存在感を持って聳えていた。篠町篠に到ると篠村八幡宮に到った。足利高氏旗揚げ楊や矢塚などの史跡がある。矢塚は戦勝祈願のため高氏が鏑矢を治めると付き従う武将が我も我もと鏑矢を積み上げ塚になったと伝わる。
旧街道を辿り篠町馬堀に到ると愛宕山(924m)が見通せるところがあった。桑田神社を右手に見ると街道は真直ぐになり市街地となった。旧街道の旅も横町で終わり丹山酒造の酒蔵を右手に見て丹波亀山城址達した。立ち寄りたかったが城跡は全て大本教の本部敷地内で、申し込まなければ城跡の見学はできないようだ。外から堀だけ見て保津橋へと上がって行った。亀岡駅裏では球技専用スタジアムの建設が進み平成32年春の開業を目指している。
桂川は美山町の佐々里峠に源を発し、大山崎町で淀川となる川だが、この辺りでは大堰川や保津川とも呼ばれている。保津橋を渡ると左岸の堤防を歩いた。河川敷のグランドではアマチュアサッカーが行われていた。保津小橋は所謂“沈没橋”で洪水になると水没する。抵抗を少なくするため欄干などは一切ない。よく通行止めになるが今日は車が渡っていた。保津町山王の集落に入ると傾斜が増し山襞の山王神社に立ち寄ると倒木が石段を押し危ない状態になっていた。明智越は亀岡と嵯峨を結ぶ間道で明智光秀が整備したと云われる。
山王俣の登山口付近は保津城の跡で明智越に入ると直ぐに分岐があり右に辿って東砦跡に行ってみた。尾根上に人工を感じさせる土木工事の跡と思しき地形があったが下調べもせず何の案内もなかったので今一要領を得なかった。尾根を回り込むようにトラバース道が続いているので先に進んだ。送電鉄塔があるので巡視路のようだが荒れ方が酷く倒木や斜面崩壊で進退窮まったが谷に強引に下りて対岸の道に取付いた。請田神社からの道に出ようとしていたが送電鉄塔に到ると先は手強そうなので尾根に取付くことにした。獣道が時々現れるが倒木に悩ませられながらP360に到った。
昼食休憩を取り少し進むと明智越の正規の道に合流し歩き易くなった。請田神社からの道が現れたが余り歩かれていないようだった。少し進むと「峯の堂（むねんどう）」の案内板があり「眺望絶景なる山の頂にこんもりと茂老木に囲まれた塚上の円丘を『峯の堂』と呼ぶ」とあった。と云うことはこの裏手のピークのことと解釈し登頂、1座と数えることにした。しかし樹林帯で展望はなく、山頂標識もなかった。此の少し先に開けた所があり亀岡盆地とその向こうに長谷山(610m)、三嶽(793m)が見えた。倒木で持ち上がった根の上に乗り向い側に牛松山の写真を撮った。
大木が結構派手に倒れているが、迂回して特段問題なく進めた。明智越最高点のP420は以前に行ったので省略し登山道を忠実に南側を巻いて通った。南尾根に保津峡への下山路が描かれているが、10年前に保津峡沿いの道を歩いたとき取付きを確認することはできなかった。縦走路を進むと分岐があり男性が4人休憩中だった。「←送電鉄塔、水尾・保津峡→」の指導標があり稜線上の送電鉄塔を目指した。1本目の送電鉄塔では女性6人グループが昼食中だった。送電線が煩いが山上ヶ峰(482m)や保津峡の渓谷も垣間見えた。少し進むと2本目の鉄塔があり此方からは障害物なく山上ヶ峰を見ることができた。
P400で神明峠への道と水尾川方面への道が分岐し南東に進むと送電鉄塔手前の分岐で分れた巻道が合流した。少し行くと先程の男性4人組が巻道を来たと見えて先に進んでいたので再び追越した。水尾川への下山道は高瀬山を巻いているようで登りとなる頃に左に分岐して行った。高瀬山(350m)は展望のない山で小さな山頂標識が掲げられていた。引き返して水尾川への下山路を探すが不明瞭でコンパスの示す通り下って行った。するとまた4人組の男性グループ、やはり巻道を通ったようだ。三度目の追越しは何か気まずい思いもあった。
水尾川は丸太橋が掛かり指導標に「明智越えハイキングコース 土砂崩れのため 通行できません」と張り紙があった。通行止めだったのだ！ 川沿いの旧道から府道50号線に合流して保津峡駅を目指して歩いていると9月の台風21号で局所的に突風が吹いたのか倒木が凄まじい。駅に近づくと観光客の姿もあり色づき始めた山々が美しかった。
【登山データ】
天候：曇り後晴れ 歩行25.9�� 7時間00分 延登高822m 延下降772m 2座登頂
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