雪道を高尾から陣馬まで
- GPS
- 07:38
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,245m
- 下り
- 1,106m
コースタイム
7:50 稲荷山コースあずまや
8:31 高尾山頂
8:40 発
9:20 一丁平
9:33 小仏城山
9:40 発
9:58 小仏峠
10:23 影信山
10:40 発
11:27 堂所山(捲き道)
11:46 明王峠
12:30 陣馬山頂
13:45 発
14:36 陣馬街道に出る
14:53 陣馬高原下バス停
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
到着:陣馬高原下バス停→JR高尾駅北口 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全般に雪が残っている。南向きの斜面の道では地面が露出しているところもある。 雪道はほとんど全て踏み固められている。 |
写真
感想
<テーマ>
先週、雪の降った直後の高尾ー城山を歩いて大変面白かったので、今週は陣馬山まで行ってみるか、と思い立ちチャレンジしてみた。あわよくば藤野方向に下って10月に行った「陣馬の湯」で雪を見ながらお湯に浸る、とのプランもあったが、出かけに、「早く帰るように」とのヤマノカミの一言で温泉は見送ることに。
<道すじ>
しかしながら、そもそも陣馬山まで足が持つか?先週の城山往復では、雪のためいつもより時間もかかり、それなりの疲労もあった。城山から向こうの様子も詳しくは把握できない。言ってみて無理なら帰る必要があるが、影信山あたりで考えようと出発。
7:20に高尾山口スタート。稲荷山コースの出だしで、階段がカキ氷を踏み固めたような状態になっている。先週はここには雪が無かったから前途多難の印象が。階段上の稲荷前で早くもチェーンアイゼン装着した。しかしそこから少し行ったところから雪が無くなりあずまや辺りまでは地道を歩くことに。チェーンアイゼンは普通の道でもさして支障なく歩けるので今日のような土の道と雪道、氷結道が様々入り混じるようなシチュエーションには最適かもしれない。
あずまやから高尾山頂まではほぼ雪道となったが、もういやというほど踏み固められているので、スリップさえしなければ歩行は通常とあまり変わらない。人出も先週よりはるかに多い。
<高尾山頂から城山>
8:31高尾山頂到着。既にバーナーを焚いている組もあり、通常の高尾山に戻った印象。雪だるまとドラえもんがほほえましい。西南向きの展望台から見事に富士山はじめ山なみの姿が見える。予定外だったのは今日は曇りの予想だったので、体力温存もかね、重たい一眼レフを家に置いてきたこと。それがなんと空気が澄んで南アルプスまで見えているではないか。残念ながら持ってきた年代物の小型デジカメで撮らざるを得ない。しかし、ファインダーが無い上、今のものに比べて液晶が(多分)暗いので、太陽の光が液晶に当たるとさぽっぱり見えない。この辺だろうと思ってシャッターを切るしかない。
小仏までの道は最初南側の捲き道を通った。南向きだけに結構雪が溶けているところがある。その後の雪道はほぼ全てきれいに踏み固められている。しかもきれいな直角の溝のようになっているところが多い。これはただ人々が思い思いに踏んだのではなく、何か機械でも入れて整えたのだろうか?先週に比べると歩く部分は雪が浅く硬いので、チェーンスパイクにはぴったり。ほとんど通常の道歩きと変わらない。むしろ歩きにくい段々がうもれて進みやすいところもあった。
城山の人数も先週よりはるかに多く、富士山が見えるので西側のベンチに皆さん座っている。ここで先週はだらだら過ごしたが、今週は先が長いので少し休んだだけで再出発。
<影信から陣馬>
城山から小仏峠への下りは北側で粘土質の土がいつも湿っていて滑りそうになるところ。しかしこの日は雪のためにかえって歩きやすく、気持ちよく下ることが出来た。その下りが終わったところ辺りでゆっくり歩いているお年寄りのご夫婦に追いつき、「おさきに」と追い越した。ところがどうもこのご夫婦、思い返すと城山の手前で一回追い越している。なんか変だな、と思いながら富士見茶屋まで進んだ。
木の間から相模湖越しの富士山の写真を撮って、そこで逆方向から来た同年輩の男性と雪の具合などの話をしてからまた歩き出す。小仏峠を過ぎて影信山への登りにかかって少し行くと、なんとまたあの年配のご夫婦が前にいる。小仏の狸に化かされたか、とも思ったがまたも「おさきに」といって追い越した。振り返って、「今日3度目ですね」、「そうでしたか?」どうもゆっくり歩いておられるが、一度も止ってないようで、小生が城山でいうろついたり、富士見茶屋で写真撮ったりするたびに抜かされていたらしい。「年寄りはゆっくり行きますから」とおっしゃったのが、妙に心に残った。
影信山へののぼりの最後の急坂は登りはともかく、雪と氷と水が混じり下りは相当危ない感じで、降りてくる人たちは皆さんゆっくり横になったり思い思いに苦労しておられた。影信山の頂上は大賑わいでベンチは7分がた埋まっている。山ガールも山おばさんも大挙して出てきた感じである。ちょうど富士山が良く見える席のそばで山を見ていると、なかなか上品な奥さんが、「まあきれい」とおっしゃる。「いい天気でよかったですね」というと、「富士山もその前の山もきれいですね。あの山は何かしら?」「あれは大室山です」「ああ、そうですか。じゃあ・・・」「あれが丹沢で、その横が大山」、と行ったことも無いのに知ったかぶる小生。奥さんはすっかり感激して、離れていた仲間を大勢連れてきて、「これが大室山で、・・・」と受け売りをしてくれている。
しばし楽しいひと時を過ごしてさらに陣馬に向かって先に進む。進行方向の影信山の北側はさらに雪が深く、踏み跡が深い溝になっている。少し下り終わったところで逆に雪が解けて泥になったところも有り先週に続きスパッツを着用。この辺りは人通りが少なくなりたまにすれ違う程度。堂所山は進行優先で捲いて通ったが、その少し先で女性二人とすれ違った。通り過ぎたあとに、後ろから、「ちょっとすみませーーん。」と年配の方の女性が呼びかけてきた。ここは一本道で道を聞くのもおかしいなと思いながら、「はい」「その足につけてるのはなんですか?」「は、これはチェーンスパイクですが」「なんか付けやすそうでいいな、と思って。この人のは付けにくいんです。」見ると若い方の女性のつけているのはスパイクなしのチェーンだった。「これはモンベルのチェーンスパイクです。今日ぐらいの道にはちょうどいいですよ。」とモンベルのために宣伝してやった。「そうですか。モンベルの店に行けばあるんですね。」
そうこうするうちに明王峠に。茶店はやっていないようだったが人は多かった。藤野方面から登ってきたらしいグループも複数いた。藤野からの道はいい、と以前に聞いたことがある。今度トライしてみよう。景色の見えるベンチに行こうとすると山おばさんのグループに捕まり写真を撮らされた。ずいぶん明るい皆さんである。中にさっきから山の名前をしきりに言っている方がいた。つい水を向けると、「あれが三つ峠でしょ。次が黒岳、次が何とか、それから南アルプスで赤石岳、、、、」と10ぐらいの名前を順に言われた。さっきにわか先生をやったが、ここでは生徒である。ひとしきり感心して聞いていた。
ここからは陣馬までもう少し、難所も無く平坦な道と思っていたが最後ののぼりで大分疲れもたまってきたのか少し足が重くなった。もう少しもう少しでようやく陣馬山頂へ。12:30に到着。
<陣馬山頂から陣馬高原下へ>
陣馬山頂もにぎわっている。茶店が一軒だけやっていて他の店のベンチが閉まっていることもあり、手じかで使えるベンチは満員状態。入れそうも無いので仕方なく今週もベンチの雪かきをして離れたところに陣をひく。先週湯がなかなか沸かなかったのでボンベを新品に換えて湯沸しスタート。しかし風も強くやはりなかなか湯が沸かない。そして雪の中で吹きさらされて相当に寒い。何とか苦戦して湯を沸かしてカップめんとパンと握り飯というミックスランチにコーヒーを終えると到着から1時間は経っていた。
下山は陣馬高原下バス停を目指したが、和田峠に降りる道ではなく、新道コースと呼ばれる山の中を行ってから陣馬街道に出る道を行こうとした。道の取っ掛かりが良く分からなかったが、ここかなというところをいくとその道は結構広く雪が整地されている。キャタピラの跡があるので運搬用のキャタピラ車で雪かきしたんだろうか?ここでいいのかなとおっかな歩いていると、前の斜めの道から突然中年の男性が飛び出してくる。「この道は和田峠に行く道ですか?」と思わず聞くと、「和田峠にもいけるが、途中の分岐を右に行くと陣馬のバス停にもいけます。」とおっしゃって、下りの雪道をよたよた歩く小生を尻目に、さっそうと道を走って下っていった。見たところ中年太りのドンくさそうな(失礼)おじさんのまことに軽やかな身のこなしにしばしあっけに取られていた。
和田峠から陣場山頂へは通常700段ほどの階段を下るが、このキャタピラの跡の付いた道はサブルートとして地図に載っている。幅が1m以上あり荷上げに使っている道であろうか。少し進むと右に分岐する細い道があった。これが新道ルートといわれている道だろう。和田峠から陣場バス停までは結構長い車道歩きになるが、このルートだと地図では車道が半分以下に短縮されそうだ。
ここも最初はきれいに踏み固められた細い道だったが、山の中に入るとそこそこのくだりとなり木の中を縫うようにくねくねと下りていった。バスが確か毎時40分だったかな、2:40は無理かなと思いながら、下っていくと、ひょいと車道(陣場街道)にでた。車道にはほぼ雪がなくなっていたので、本日よく活躍したチェーンスパイクを外し所々残るアイスバーンに気をつけながら車道を下っていく。
記憶があいまいだったがバスが2:40なら間に合わないな、と思いながら歩いていると登ってくる若い男性にすれ違う。首に1眼レフをぶら下げて、ほぼ平服だ。「これからですか?」「ええ、星が撮りたくて」「上は雪ですよ。気をつけてね。」「ありがとうございます。」といってとうり過ぎた。しかし、あの格好で夜までいては寒くてたいへんじゃないかと、後になって心配になった。大丈夫だったのかしら。
バス停に着いたのは2:53。案の定バスは40分に出た所。既に乗り遅れた人が何人かバス停で待っている。バス停隣の売店の自販機でジュースを買おうとしたら小銭が無い。しょうがないので山下屋というその売店に入るとおばあさんが一人掃除をしている。両替を頼もうとしたら中にもコーラがおいてあるので、一本いただいて、少しいすに座らせてもらった。おばあさんと少し話をした。「おひとりでやっておられるんですか?」「いいえ、息子がやってるんです。」そういえば、10月に来たときにはなかなか威勢のいいご主人がいたように思う。そうそうしていると、その息子さんが戻ってきた。小生を見て、「そばですか?」「いえ、いえ、おでんをいただこうかと思ったんですが、今日は無いようで。」「お酒のつまみですか。今日はたけのことこんにゃくが、あ、たけのこは終わったか。」「じゃ、こんにゃくください。コーラのつまみに。」
ということでこんにゃくを一皿(350円)いただいたが、これがうまい。歯ごたえといい味といい、味噌唐辛子のたれといいたいへんおいしい。「こりゃうまいですな。」「こんにゃくもたれも手作りでやってます。今度こられたらぜひそばも食べてください。60年やってたんですが、5年ほど途絶えて。今度爺さんの味で再開したんです。この看板も今日からここに飾ったんですよ。」といって年季の入った看板を指差す。「じゃあ、次回はそのおそばを楽しみに参りましょう。」
そうこうするうちにバスの時間になった。ご主人とおばあちゃんに再会を約して、バスに乗り、心地よく一眠りするとまもなく高尾駅に着いた。
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