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Yamareco

記録ID: 167875
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
霊仙・伊吹・藤原

越年登山は御池岳で(坂本谷から)

1976年12月31日(金) 〜 1977年01月02日(日)
 - 拍手
onetotani その他1人
GPS
112:00
距離
16.2km
登り
1,602m
下り
1,539m

コースタイム

12/31  西藤原駅(11:00)〜坂本谷堰堤(11:40)〜尾根乗越し〜白船峠(白瀬峠)(15:10)〜真ノ谷テント場(15:50)

1/1  テント場(7:25)〜日本庭園(8:40/8:50)〜丸山分岐(9:15)〜御池岳(9:40/9:55)〜丸山分岐(10:15)〜テント場(11:15〜  )

1/2  テント場(10:00)〜白船峠(白瀬峠)(10:50/11:15)〜尾根乗越し(11:55)〜坂本谷堰堤(13:35/13:45)〜西藤原駅(14:10〜)
天候 12/31:曇り  1/1:雪   1/2:雪
アクセス
利用交通機関:
電車
三岐鉄道:西藤原駅より
コース状況/
危険箇所等
真ノ谷で年越しをしたパーティーは5パーティーで約20人。
アイゼンは使わず、かんじき・ピッケルは必要だ。
装備:テント、シュラフ、ピッケル、かんじき、スコップ、石油コンロ、ガスコンロ、グランドシート2枚、他
12/31 坂本谷の入口にて
2021年06月28日 15:36撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
6/28 15:36
12/31 坂本谷の入口にて
1/1 吹雪の日本庭園にて
2021年06月28日 15:37撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
6/28 15:37
1/1 吹雪の日本庭園にて
御池岳でエビのシッポを見る
2012年02月09日 21:20撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2/9 21:20
御池岳でエビのシッポを見る
着いた〜 御池岳だ。
2021年06月28日 15:37撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
6/28 15:37
着いた〜 御池岳だ。
鈴北岳分岐まで戻る
2021年06月28日 15:37撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
6/28 15:37
鈴北岳分岐まで戻る
1/2 テント場の雪掻きを終え。
2021年06月28日 15:38撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
6/28 15:38
1/2 テント場の雪掻きを終え。
白船峠まで登り返す
2012年02月09日 21:21撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2/9 21:21
白船峠まで登り返す
坂本谷の途中で
2021年06月28日 15:38撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
6/28 15:38
坂本谷の途中で
坂本谷も後わずかだ
2021年06月28日 15:38撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
6/28 15:38
坂本谷も後わずかだ

感想

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今年も新年を山で迎えよう。 暮れからの寒波で雪も多そうなので、装備はしっかり準備しよう

12/31
どんよりとした曇りの下、雪景色の中を西藤原駅へ向かう。
凍結した舗道を坂本部落を抜けて坂本谷へ出る頃、雪に変わりそうな気配だ。
堰堤上流で着替えを済ませ、食事もと思ったが他のパーティーが休憩しているので出発する。

左岸から谷筋へ入るが予想通り積雪は40cm程で、雪も舞い始め見通しも悪い。
幸いトレースは有るが細く、ラッセルのアルバイトはあまり変わらない。
広い河原を過ぎ、谷が左曲する頃は傾斜も増しきつくなる。背にした30kgのザックが余計重く感じる。
目印の一本木には予定より遅れて到着。遅れついでにここで昼食タイムとする。

しばらくすると左岸山腹通しとなり、積雪も多くなってくる。谷が深くなる所では樹林帯へ逃げて滑落を避ける。
さらに雨裂の中を雪にもがきながら抜けるとやっと谷幅も広がりツメも近くなる。苦しい!一番の頑張りところだ。
しばらくして谷筋を右に逸れ、山腹をからみ右手へ尾根を直登し養老側へ乗り越すとやっと傾斜も落ち着く。
小尾根を右に見て山腹をトラバース気味に行く。靴底のダンゴを丹念にピッケルで落としながら進む。
すっかり雪に埋まった冷川谷を横切って稜線までは、ジグザグの急登になる。
予定より1時間ほど遅れてやっと白船峠に到着だ。峠からはやっと藤原町が眺められる程度だ。
真ノ谷から吹き抜ける風が強く左右には雪が深く吹き溜まっている。

疲れがひどくゆっくり休憩したいが、テント設営があるので先を急ぐ。
真ノ谷へ下るコースを下に見送り、右へ稜線にからんでトラバースにかかる。
相変わらず靴のダンゴが煩わしい。
ゆるやかに稜線から左へ左へと逸れて谷筋へ近づく。滋賀県側に入ると雪も増す。
小谷に沿って急降下すると話声が聞こえ、真ノ谷右岸のテント場に着いたが日暮れまで時間が無いのでテント設営に取りかかる。

70cm程の雪を掻き出し、通路・玄関・キジ場を造り終えテントにもぐり込んだ時はうす暗くなっていた。氷点下でも谷の水は流れているので水の苦労はない。
氷を割った水場も先行パーティーが造ってくれたので助かる。感謝。
(18:00テント内3℃・外-6℃)
早速クリームシチュウーの夕食とする。二人で2合の米では少々不足だ、間食で補いコーヒー・紅茶で腹をなだめると眠くなってくる。

マットの上にシュラフを出して横になり、ラジオのスイッチを入れる。
聞こえてくる歌謡曲が大晦日を感じさせる。
水キジで外へ出ると月もボンヤリしていて、明日も曇りのようだ。
セーター・アノラックなどを着込んでアルバイトに疲れた身体をシュラフニス横たえる。(22:00)

1/1
目覚めて(5:00)今日は1977年元日だ。 外は音もなく粉雪が降り、積もりそうな天気だ。ささやかな朝食を摂り、サブザックに必要品を詰め込みテントを出る。
完全装備に身を固めて真ノ谷上流へ向かう。最初の二股で右股の右岸を登って本流に沿う。次の大きな二股は左股へ入る。いよいよ傾斜を増してくる。
サラサラと降る雪が足元のトレースをみるみる内に消していく。止みそうもない降り方だ。
早くも御池岳から戻って来るパーティーと新年の挨拶を交わしながら行く。

鈴北・丸山の分岐まで無積雪の倍の時間をかけ到着。更に谷を詰め鈴北岳を目指す。谷を遮る潅木は山腹に逃げながら進む。
そろそろ谷もツメなので、左へ逸れて樹林の谷間に入って池の平へ向かう。樹林を抜けると雪原になった池の平で、雪上に出たススキが強風にさらされている。
北風をまともに受け、膝をも没するラッセルに真冬の厳しさを思い知る。
大きなドリーネの脇を通り鈴北岳へ向かうが見通しが全く効かず、日本庭園で引き返す。
まつ毛の雪が凍り眼が痛く、寒風に鼻水が出て止まらない。

深雪を踏んで分岐まで戻り、今度は御池岳最高点・丸山へ向かう。
ブッシュの小尾根に挟まれた凹面をコースに取る。
先回はラッセルに苦しんだが今日はラッセルの跡を追うので助かる。灌木を掴んで頂上に達するとカレンフェルトも雪に埋もれ、
樹枝にはエビのシッポが張り付いている。これで陽が射せば樹氷が輝き、素晴らしい風景が得られるのだが残念・・・。厳冬の山ではこれが普通とあきらめる。
  下りはキックステップを効かせてリズミカルに下る。時々雪だるまになりながら、潅木もブッシュも気にせず一気に分岐へ。

テント場に戻ると案の定一杯雪が溜まってテントが潰れかけている。
落ち着く間も無くスコップ片手に雪掻きだ。軽くなったテントの張を直して潜り込む。(11:00 テント内-5℃)
昼食の餅いり・卵入りのラーメンをすする頃やっと、テント内も身体も暖かさを取り戻す。やはりコンロの火は安らぎを与えてくれる。
鈴北岳は踏めなかったが今日の予定はこれで終了だ。
ラジオが各地の正月風景を伝えるが、どこも雪だとか、寒波だとか何十年ぶりの冷え込みであるらしい。

記録を整理したり、間食をつまんだりしながら思い思いに午後を過ごす。
その間も絶えず雪が降り続けているので2〜3時間ごとに雪掻きを行う。
燃料もたっぷり有るので、濡れた物を乾かすのも重要な仕事である。
長い間座っていると体温で雪が解け下は凸凹に、テントの中はごみ袋がどんどん大きくなっていく。
 たわいもない雑談などしていると早くも夕食の時間だ。
今日は正月らしくすき焼きとぜんざいの贅沢なメニューだ。腹一杯食べたので苦しいくらいだ。
腹こなしに念入りな雪掻きをして夜の積雪に備える。
今夜も着れるものは全部着込んでシュラフに入る。(21:00)

1/2
2:30頃雪掻きをしたのに、6:00頃目覚めるとびっくり。テント半分が雪に埋まっている。暖かいシュラフを出るのはつらいが、順番なので仕方がない。
汗が出るほどのアルバイトだが、この調子だと下山前にもう一度雪掻きが必要だろう。(7:00 外-11℃)
テントに戻ると雑煮の匂いが・・・。いただきます!

雪を掻いて、バリバリに凍ったテントの撤収に約1時間を要してやっとパッキング終了。下山前に記念写真を撮ってザックを背負うとズシリと重い。
オーバーヤッケ・ズボン・スパッツに身を固めて、深くなった雪を踏んで白船峠へ登り返す。
短い距離のはずだがやけに長く感じる登りだ。やっと樹林越に白船様の祠が見え峠にたどり着いた。積雪はゆうに腰を隠し、稜線の雪庇は西風の強さを示している。
 ミカンとクラッカーでエネルギーを補給して坂本谷へ。(計画では藤原岳までの縦走だが、体力と積雪を考えると無理だと判断し中止する)
峠から冷川谷まではすごい積雪だ。腰まで潜った脚を抜きながらの下りである。
重いザックを揺さぶりながら尾根を乗越した。ここで小休止としよう。乾いた喉にミカンが美味しい。
尾根から谷筋へ下りて行くがこれからが大変だ。雪に隠れた落とし穴に足を捕られたり、岩に滑ったりしながら右岸寄りに下るようになると沢音も聞こえて来る。
とうとうペースをつかめないまま無事堰堤に到着。

薄着に着替え、咥えタバコで坂本部落を抜け、雪溶けの舗道を駅へ急ぐ。相変わらずどんよりと曇って、雪が降っている。
富田駅の乗り換え時間に昼食を摂り、久しぶりに美味しいコーヒーをすする。そして、心地よい疲労に包まれ、まどろみながら初詣客に混じって名古屋に帰る。

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