横山岳。静かな湖北のお山へ


- GPS
- 06:16
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 968m
- 下り
- 951m
コースタイム
天候 | 曇り一時雪のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
コース全般に踏み跡程度のヴァリエーション・ルート |
写真
もみぢ饅頭味だと当てられるのは天才的な味覚の持ち主。【a2】
ほんのりあずきあんこの味が美味しい。【s】
感想
前日に急遽決まったyamaneko0922さん、yamaizuさんとの山行。
すべておまかせでミステリーツアー的な感じでわくわく。
何が要るのかわからないので、とりあえずスノーシューとアイゼンを車に積んで早朝、自宅を出発。
平和堂木之本店でyamanekoさんご夫妻と合流。ここで行き先を確認しました。
こういう山行も時にはおもしろいものですね。
チョイスのシブいyamanekoさんならではのコースでした。ありがとうございました。
yamanekoさん夫妻のリハビリ山行に同行させて頂きました。
膝の骨折から日が経たないなかで、私達夫婦になるだけ美しい湖北の雪山ハイクをと自身の治療中の怪我を犠牲に雪の残るコースを提案して頂きました。
ありがとうございました。
冬の横山岳は樹氷をまとったブナがとても美しかったです。
山頂を踏み全員無事に下山出来た喜びはひとしおでした。
またyamanekoさんの驚異的な快復力と精神力を称えたいと思います。
週の半ばは出張で九州の久留米、そしてその帰りは広島と温暖な地域にいたので、とっぷりと春の陽気に浸ることになった。来週からは更に一段と暖かくなるという。連日、少しずつハードルを上げながらリハビリ・ハイクを重ねてきたが、雪山に再び挑戦するのは今週をおいて他はないと考えていた。前日に広島の山を登っている最中にdoi氏から私の膝の具合を心配してのメールを頂いたので、翌日のご都合をお伺いしたところ、金糞岳、西穂高と立て続けにハードなテン泊登山の後であるにも拘らず、お付き合いして頂けることとなった。
この日の山行先は雪の状態がわからないこともあり悩んだ。最終的にはご夫妻とご一緒したいと思っていた店が臨時休業であるという、山とは全く関係ない理由で北山・比良山系を諦めて湖北へと足を運ぶこととした。朽木から湖北のあたりにかけてはこの週末の夜のうちに降雪の予報であり、雪があるならば山本山から静ヶ岳への縦走も考えたが、湖北に来ても辺りの山々には全く積雪は見られない。
例年はこの時期は積雪で全く入ることが出来ないはずの県道285号が今年は寡雪で奥へと進むことが出来るので、当初、この県道からアプローチ出来る山を考える。しかし菅並の直前で稜線の間から霧氷を山頂部に纏った横山岳が目に入った瞬間、山行先をこの山にしようと心が決まる。霧氷がついているのはおよそ標高1000mよりも上の辺りだ。このあたりの他の山で1000m以上の山にこの時間から到達するのはそう簡単ではない。
この菅並から横山岳の山頂部に向かってほぼ一直線に伸びる西尾根を辿るルートは草川啓三氏の本「琵琶湖の北に連なる山々」で紹介されているのだが、2009年に余呉トレイル倶楽部によって開かれた比較的新しいルートらしい。
菅並の浄水場の近くに車をとめて、まずは山腹を横切る林道を目指し、浄水場の裏手から沢沿いの林道を歩き始める。林道脇には横山岳余呉登山口と素っ気ない案内標が懸けられている。すぐに林道は沢へと下り、渡渉することになる。沢の水量が少ないので何とか無事、渡渉出来たが、水量の多い季節は足を水に浸さずに渡るのは容易ではないだろう。
しばらく進むともう一度、渡渉して沢の左岸の林道へと移る。おそらく林道の間にはかつては橋が架けられていたのが、流されたのだろうと思われる。今回は敢えて冒険することは止めたが、浄水場の手前の菅並の大ケヤキのところから尾根を直接、登るという方法もありうるかもしれない。
間もなく山腹を横切る林道へと出る。西尾根の取り付きにくると林道の法面が削られ、登り口となっているようだ。草川啓三氏の本によるとここに縄梯子が懸けられていたらしいが、ロープの類も何もないので、周りの木を掴んで無理やり登る。後で調べるともう少し林道を先に進んだところに新たに階段の登山口が設けられているようだ。
尾根芯は意外と藪があり、道は藪を避けて尾根の北側の斜面をトラバースすることが多い。やがて尾根上には見事なケヤキの大樹が現れる。ケヤキ広場と呼ばれるところらしい。
尾根上にわずかな雪が現れ始めると、その上に真新しい踏み跡がついている。踏み跡の具合からすると今朝のものだろう。トレースを辿るうちに上から単独行の男性が下ってこられた。「ピストンですか?」とお伺いすると、そうだという。トレースはこの男性のものだったようだ。
男性とすれ違ってから少し上のあたりでスノーシューを装着する。やはり昨晩には降雪があったようで、新雪の感触が柔らかい。しかし何ということのない登りでも、傾斜が急になると新雪の上では患側の足に重心をかけることが難しい。トレッキング・ポールの支えに頼らざるを得ないのだが、新雪の上ではポールをつく位置も慎重に選ばなければならない。
普段はポールをつくタイミング、位置に限らず、足を下ろす、曲げるという所作一つをとっても普段は無造作に行っている動作の一つ一つが慎重に行わないと上手くいかない。逆にこれらの動作にはそれなりのポイントがあるということを怪我した脚が教えてくれているとも云える。
尾根からは南西の方向に展望が開ける。彼方に見える余呉湖は光の加減で白い水を湛えた小さな水溜りのように見える。賤ヶ岳を挟んでその向こうに琵琶湖が霞む空の中から朧気に姿を顕した。
尾根の上部では急登が連続する。さらさらとした新雪のラッセルは軽いのだが、患側の脚では容易に登れないところが多く、doi氏にトップを替わって頂く。Doi夫妻はさすがにラッセルはお手のもの、軽々と登って行かれる。
急登を登った先にはそれまでの労苦を労うかのように山頂へと続くなだらかな尾根上に霧氷を纏った山毛欅の美林が待っていた。この素晴らしい霧氷をみた時の感動は一潮である。というのも、先月に膝蓋骨骨折の受傷を負った時点で近畿圏での雪山は残雪期になんとか快復が間に合うかどうか、しかし霧氷を再び目にする機会は諦めざるを得ないと思っていたからである。
薄く広がる雲の合間には青空が広がり始める。雲から零れ落ちる光が半透明の山毛欅の霧氷をガラス細工のように輝かせると、キラキラと光を反射する音が聞こえてきそうである。広い尾根をゆっくりと歩き山頂にたどり着く。
昼食を広げようとしたところ、風に吹かれてバラバラと舞い落ちる霧氷が意外と肌に痛い。山頂の物置小屋の前に避難する。この日は木ノ本のスーパーで入手したつるやパンのサラダパンとねぎとろの巻きずし、鯖寿司といった行動食、広島土産の穴子ちくわといった行動食で簡単に済ませる。doi夫人が用意して下さったイチゴが蓋を開けた瞬間、甘酸っぱい良質な香りが辺りに漂う。いつも何かしらの美味しいフルーツをご用意して下さるのだが、山頂でのフルーツは何とも贅沢だ。
風に吹かれて桜のように舞い落ちる霧氷を見ていると、過ぎゆく季節に対する切なさを感じずにはいられない。北尾根入ると樹高の高い山毛欅の林は一層、壮麗さを増すようだ。尾根を北に下るにつれて霧氷は急に薄くなるが、素晴らしい山毛欅の林は目を飽きさせない。尾根の右手には左千方から神又峰にかけて、冠雪した江美国境の美しい稜線が姿を現わす。
山頂を引き上げようかという頃になり、余呉湖の彼方に輝く銀盤のような琵琶湖が姿を現すのだった。いつしか空には晴れ間が広がり始める。下山は美しい山毛欅林と、距離は長くなるものの西尾根よりも遥かになだらかであることを期待して北尾根のコースを選択する。
標高1000mの辺りで大きく尾根を左手に曲がることになり、ここで東側の美しい江美国境の山々の眺望とお別れである。ここからは少し急坂となる。前夜降ったばかりと思われる新雪は柔らかく、心配された下りも問題なく順調に下ることが出来る。
後の下りは西尾根とは対照的に地図通りなだらな尾根な下りが続いてゆく。一度、大きく健側の脚を踏み抜くが、doi氏の助けを借りて脚を引き抜く。健側の足で雪を踏み抜くと、患側の膝を曲げることが出来ないので、これまではしばし骨折を患った膝に激痛が走ったのだが、この日は雪を踏み抜いても膝に痛みが走ることもない。
標高730mあたりで尾根は左手、南西方向に折れる、このあたりで急に雪が薄くなり、スノーシューを外してチェーンスパイクに付け替える。雪が薄くなったせいであろう、明瞭な掘割式の古道が出現した。古道に沿って明瞭な踏み跡が続いているのだが、その踏み跡の主は明らかに鹿のものだ。しかし、この鹿道は確実に尾根芯を辿っており、ところどころにつけられたテープもこの鹿道の踏み跡に沿ってつけられているようだ。
最後は菅並の集落が見えるところで尾根は左右に分岐する。余呉トレイルクラブの地図では点線のルートは右手の尾根へと続いていくのだが、車を停めた浄水場に降りるべく左手の尾根を選択する。先ほどまでの掘割式の古道もこちらの尾根を下っているようだ。尾根の傾斜は急であるが、斜面にジグザグにつけられた古道を辿ることで容易に尾根を下ることが出来る。すぐに最初に歩いた林道の法面の上部に出る。ここも低木をつかみながら急斜面を下って林道に降り立つ。
車の駐車地に戻るためにはここから尾根をまっすぐに下降したら近そうである。林道の反対側からのぞき込むと、有難いことにこれまで辿ってきた掘割式の古道が続いているのが見える。ここからは再び古道を辿ると浄水場の手前、駐車地のすぐ近くに出るのだった。古道にしては歩きやすい道が続いているので、この道が知られずに荒れ果ててゆくのは勿体ないように思われる。
最後は明神さんとして祀られている菅並の大ケヤキにお参りをして、doi夫妻とお別れしたのであった。膝の故障以来、初めて1000mを超える山を登ることになったのだが、無事、山行を終了することが出来た悦びは格別であった。こうして山を歩けることの有難さが身に滲みる。お付き合い頂いたdoi夫妻のお陰で非常に楽しい山行になり、いろいろと助けて頂き、ご夫妻には感謝に堪えない。
コメント
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yamaneko0922さん みなさま こんばんは churabanaです。
けがのその後を心配しておりましたが、順調に快復されているようで安心いたしました。
心配しなければならないのは、私の方かもしれません。
完全に快復されたら、絶対、ついていけません
積雪期の横山岳西尾根なんて、しびれるような渋〜〜いコース。
こちらもまた、いつか歩いてみたいと願っていたコースです。
この週末、仕事と自治会の総会があったのですが、花粉症が少々イタズラして、屋内に閉じこもってました。久しぶりに、カロナールを服用しました。
今年は暖冬で、杉の花粉が飛ぶのが早いらしく、先週末から飛散量が増えたようですね。今後も量も多そうで、私も花粉症なので、これからの季節が憂鬱です。
>積雪期の横山岳西尾根・・・
西尾根は琵琶湖や妙理山の展望に関しては素晴らしいのですが、北尾根からの下山ルートは壮麗な山毛欅の美林もあり、さらに素晴らしいように思われます。もしも行かれることがあればこの周回ルートがお薦めです。
膝は先週に比べると格段に快復いたしました。後ももう少し・・・という感じなのですが、やせ衰えた筋肉が元に戻るには時間がかかりそうです。同行者をおいて先に行くことはありませんので、どうぞよろしくお付き合い下さい。
churabana様初めまして。
花粉症はお辛いですね。
どうぞお大事になさって下さい。
なんとか良くなる事をお祈りしています。
churabanaさん、はじめまして。
yamanekoさんのお膝は仮病だったの?っていうくらい普通に山歩きされてましたよ。笑
人間離れした回復力にびっくりです😳
もう花粉の季節なのですね。
私も最近目が痒くて痒くて…しかし断固として花粉症であることを認めませんよ。笑
早く完全完治のお薬が出来るといいですね😊
皆さん、こんばんは〜
ヤマネコさんはもうこんなに回復されてるのですね
広島のちくわは美味しいんですよね! 親戚が広島に居てるので知っております
yamaotocoさん コメント有難うございます。
a2a2さんは「普通に山歩きしている」と仰って下さるのですが、仮病ではありません。
実は一歩一歩、それからポールをつくタイミングや位置にもこんなに神経を集中しながら歩いたことはありませんでした。それでも怪我した脚にはやはり力は入らなくて、doi夫妻とご一緒でなければ撤退することになっていたと思います。
穴子ちくわの中に穴子が入っているのは実はa2a2さんのお蔭で知りました。鯛ちくわも売っていたから、買ってくればよかったな〜
やまどんこんばんはー。
広島のちくわは美味しいですねー😊
yamanekoさんは怪我の回復超速かったですよね😊
広島の竹輪ってあまりメジャーな感じがしなかったのですが、とても美味しかったです😋
yamanekoさんに頂いた生もみじ饅頭も皮がもっちもちでトレビアーン😋
広島には美味しいものが沢山あること大発見ですね。
打倒!広島カープ!…ですけど。笑
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