赤城山(利平茶屋経由〜黒檜山〜駒ヶ岳)


- GPS
- 19:53
- 距離
- 30.0km
- 登り
- 2,005m
- 下り
- 1,695m
コースタイム
25日:利平茶屋森林公園(テン場)0640-0840鳥居峠0900-0940黒檜山登山口(大沼湖畔)0950-1113黒檜山山頂1140-駒ヶ岳1234-ビジターセンタ1340-鳥居峠1400-利平茶屋森林公園1505-(撤収)1550-一の鳥居1635
天候 | 晴時々曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:「利平茶屋森林公園」から黒檜山ピストンの後「一の鳥居」まで徒歩。バスで「水沼」駅へ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
水沼駅から利平茶屋森林公園まではゆるやかな登りの車道歩きが続く。 鳥居峠旧ケーブル下までは緩斜面。1100m付近から雪が出てくるがアイゼンは不要。 ケーブル下の「御神水」「美人の水」は豊富に出ている。 ケーブル下の登りは300mくらいだが登るにつれ急傾斜となり雪の吹溜りあり(最後100mは股下)要注意。 黒檜山は登山口から雪がたっぷり残っており凍結箇所もあるのでアイゼン必携。 黒檜山は特に西側の小ピークからの眺めがすばらしい。 山頂周辺〜駒ケ岳は雪庇が出ている箇所あるので要注意。 駒ケ岳からビジターセンターへの下りは急斜面で凍結箇所あるので(階段も)要注意。 スノーシューの方も居たが雪量が減って凍結箇所あるのでアイゼンの方が楽と思われる。 |
写真
感想
アイゼン10本爪を試すため赤城山へ。南東麓の「わたらせ渓谷鉄道・水沼駅」から長距離のアプローチ。今年は雪が多いので期待できる。
登山口の利平茶屋森林公園(以下、利平茶屋)までは駅から途中の一の鳥居までバスが出ているが、我が家(千葉)からだと始発でも10時到着になってしまううえ、一の鳥居からピストンで往復10時間近くかかるので、前夜に現地INすることに。
「水沼駅」到着22時近く。一の鳥居まで6.5kmはゆるやかな登り。途中、ショートカットで峠越えを狙ったが、人家の駐車場裏から山道に入るコースで、新月で真っ暗気味悪いためUターンし結局バス道路をずっと歩く。一の鳥居まで2時間、街灯の無い真っ暗な山道を時折出てくる民家の犬に吠えられながら更に利平茶屋まで1時間40分やっと到着。テン場はさらに雪道を10分ほど登った奥で、着0200であった。テン泊装備60Lの重荷と1ヶ月以上ぶりの山行と風邪後の体力不足から(言い訳(笑))スピードがあがらず、CT3時間をかなりオーバー。疲れてる間もなく幕営し、焼酎あおって3時に仮眠。外気温-1℃、雪が20〜30cm残っている。
翌朝5:40起床。外気温-2℃。3シーズン用テントでも、-7℃用シュラフで充分暖かい。朝食を準備していると日の出。すがすがしい朝の光線が林間を照らし始める。気持ちのいい朝だ。
少しまったりしたあと6:40スタート。鳥居峠までは前半緩斜面のトラバース。特に危険箇所は無い。1100m付近から残雪が出てくるが、朝は気温が低いから程よく締まっておりアイゼン無くてもサクサク歩きやすい。ケーブルカー跡地下からは急斜面。ふと下を見ると小屋があり少々見づらいが小さい看板で「御神水」と書かれている。ノートレースの雪の斜面を時折股下まで沈みながら30m程ラッセルして下る。「御神水」と「美人の水」が潤沢に出ている。
旧ケーブル跡地の坂は、taka2009さんが先週ラッセルしてくれたと思われる踏跡があり、大助かり。(taka2009さんレコとラッセルありがとうございました) 上部にゆくほど深雪でツボ足でも股下くらい沈む。最後急斜面のトラバースがちょっと気持ち悪いので慎重に(ここで転んだら下まで一気!)。上がったところが鳥居峠で、大沼と駒ケ岳(稜線)が眼前に拡がる。雪道とはいえここまで想定以上に時間がかかってしまった。
駒ケ岳登山口までは車道歩き。大沼では湖面でワカサギ釣りを楽しんでる人々が見える。原発の影響で釣っても持って帰れないそうだが結構な人数。湖上歩きを楽しもうと思っていたが、時間無いので赤城神社を見ながら先を急ぐ。
黒檜山登山口からはいきなりの急登と、これまで誰にも会わなかったが、ここから老若男女が多数で挨拶だけでも大変だ。残雪がたっぷりあり所々凍結しているのでアイゼン必携。今回新投入した10本爪は前歯が少し出ているのでこれまで使っていた軽アイゼンと比較にならないほど歩き易い(特に急斜面)。一旦稜線にあがると大沼周辺が綺麗に見渡せる。前橋かな、市街地もくっきり。しばらく北面のトラバース&稜線歩きを繰り返し、脚の疲れが溜まった頃やっと頂上稜線に出る。ここから左(北)へ数分で黒檜山山頂。ここの眺望もすばらしいが、北へすぐの小ピークは立ち木も少なく絶景が楽しめる。
ここでランチ休憩(いつものシーフードヌードルとお手製おにぎり)のあと、駒ケ岳方面へ。所々雪庇が出ているので慎重に。少し稜線歩きのあと急降下。雪が腐って滑るので爪の短いスノースパイクだと大変そう。ここから駒ケ岳までは気持ちのよい稜線歩きながら、鞍部周辺は風の通りみちだそうで強風が時折ゴーゴーと唸る。広々とした鞍部から振り返ると黒檜山が綺麗に見える。緩やかな登りを行くと駒ヶ岳。山頂は狭いが南東側の見晴らしがよい。そのから先はゆったりした稜線を下ったあと、ビジターセンター側へ急降下。鉄製の階段などもあるが、雪が腐ってズルズルなので歩きづらい。時折凍結箇所もあるが、カチカチの氷というよりシャーベットに水を混ぜて凍らせた感じなのでアイゼンの効きは充分なので不安は無い。
ビジターセンター(大洞)の建物が近ずいてくれば、ほどなく傾斜が緩みその先で車道に飛び出す。鳥居峠まで車道歩き。旧ケーブルカーの山頂駅はサントリーのビアホールになっているようだがこの時期は閉鎖中。
これから気持ち悪い旧ケーブルの急斜面を下るのかと思うとちょっとげんなりするが、気を取り直して下りにかかる。登りで気持ち悪いと思った急斜面のトラバースも、雪と一緒に下るのは大分楽だ。上部は凍結のため それほど沈まないが、100mほど下ると膝上〜股下までのツボ脚。しかしtaka2009さん、よくもこんな斜面をがんばってラッセルしてくれたもんだなぁ、と感謝&敬服だ。
御神水まで下り利平茶屋までのトラバース道を戻る。朝と違って雪が融けているので足首まで沈むことも。途中で雪が減ったのでアイゼンを外す。
テント撤収のあと、森林公園の雪道を足首上まで沈みながら下る。重荷のせいで沈み込みが深くなった気がする。一の鳥居までは車道歩き。昨晩見れなかった周囲の景色を楽しみつつ、バスの時間があるので早足で。利平茶屋入口から1時間15分で一の鳥居到着。バスは自分一人だったので運チャンと話しながら乗っていたらあっという間に水沼駅到着。この辺も放射線の影響が農作物にも出ているようだ。
駅併設の水沼温泉で暖まったあと、缶ビール2本で電車の時間。わたらせ渓谷鉄道の雰囲気のあるディーゼル車に揺られ、「相老」から東武特急りょうもう号(特急料金800円)で帰路につく。
いや、今回は長丁場で疲れた山行だったが、残雪にも間に合い10本爪アイゼンの効果も確認できた。冬もこの時期の安定した日なら3シーズン用テントでも充分使えることも分かった。それにしても、深夜の4時間歩きは疲れた。次はもうちょっとスケジュールに余裕を持たせたいなと思いつつ(いつも思ってるのだが(笑))、北千住まで爆睡した。
(動画アップ3月27日夜。BGM=Se Ilden Lyse(Fire In Your Heart) by シセル・シルシェブー(Sissel Kyrkjebø), 1994, リレハンメル・Olympic主題歌(ノルウエー))(文字が揺れ動くのはご愛敬ということで(笑)。YouTubeの手ぶれ補正を後でかけた結果です)
コメント
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こんばんは、赤城山お疲れ様でした。
水沼から深夜歩かれるとは…
恐れ入りました
私のレコがお役に立てたとは光栄です。
また赤城山を満喫されたようで、何よりです。
積雪期の赤城山は私も今回が初めてですが、
家から近いこともあり、赤城山へは頻繁に出かけています。
今回登られた黒檜、駒ケ岳以外へも機会があれば是非お出かけください。
6月位になると、鍋割、荒山辺りのツツジがお勧めです。
わぁ〜赤城山でも色々なコースがあるのですね
このコースは初めて知りました。凄く新鮮。
廃線跡も通ったのですね!!
この場所は、私のtodoリストに入っています
それにしても、ここの雪の急坂をテン泊装備で登るなんてスゴイ。
でも、とても充実した時間を過ごされた様子が分かりますネ。素晴らしいです
皇海山
赤城山、まだ随分雪深く美しい白銀の世界ですね。
峠からの遠望、黒檜山からの眺望も絶景です
それにしても重荷でしかも病み上がり、
深夜からこれだけの距離を歩かれて…
如何なく健脚ぶりを発揮されてますね
私は金欠という病?のため少し山歩きから遠ざかってましたが
陽気も良くなってきましたのでまた再開したいと思ってます
まもなく4月ですが、赤城山にはまだまだ雪が多いんですね。景色も雄大ですね
しかし、テン泊装備60L?!!スゴイ
しかも前夜から睡眠も少々で雪の積もった山を10時間歩き通し…すご過ぎる
レコから充実な時間を過ごしたことが伝わってきます。
自然の中の写真も素敵なのですが、最後の駅の写真にホッと心が温まるのは、帰る家があるからなんでしょうね
こんばんは。メッセージありがとうございます。
このルートを計画してた矢先にtaka2009さんの利平茶屋ラッセルのレコを拝見し、まだ充分(すぎるくらい)雪があるんだなということと、利平茶屋ルートのコースタイム情報もとても参考になりました。勿論現地では、taka2009さんのツボ足で楽チンさせていただき大感謝です。(その割には時間かかっちゃいましたが。。。)
ケーブル下のツボ足は少し小さな足形(登り方向だけ)もあったので、女性か子供もその後登ったみたいですね。崩れ方が似たような状態だったので、taka2009さんの直後だったのかもしれません。
私も下りで自分の足跡以外は追加されてなかったので、このコースは楽しいのに意外と歩かれてないのかもしれませんね(特にこの時期)。
赤城山は一遍で好きになりました。近くにお住まいなんですね、うらやましいです。
あれ?また絵柄変えましたね
メッセージありがとうございます。赤城山は実はpippiさんに触発されて、何とか電車で行けないかと山レコの記録検索で調べてたのですが、トレランの方とか数人の古い記録しかなく、ケーブル下の雪の深さが問題だったのですが、先週taka2009さんが登られたので、最新の状況(ラッセル付き)とコースタイムなど分かったので安心して行けました。いいコースでしたよ。ケーブル下までは基本的に緩い登りのトラバースなのでゆったり景色眺めながら登れると思います。登山口から鳥居峠まで夏道だと登り65分、下り45分と私のハイキング本に書かれてますね。(雪道でいずれも2倍近くかかっちゃいました・・・)
でも、今回は山麓から歩いたので充実はしてたのですが、正直最後は疲れ果ててました
皇海山は端正な形に見えてましたね。100名山の中でも地味だなーと思ってたのですが私もそのうち行きたくなりました
コメントありがとうございます。
この所、biscuitさんの綺麗な動画拝見できないなー
深夜歩く作戦は実は景色もなく、真っ暗な中犬に吠えられたり、修行僧のようで、あまりお勧めできませんが、翌日の行程短縮にはなったな、と思います。それに、3シーズンテントでもこの時期山で使えることも分かったし。
しかし、今回のは1ヶ月半ぶりなのに強行軍でしたね。昨日から筋肉痛で歩くのが大変になっております
buscuitさんも春めいてきたので、山行開始ですか。また綺麗な動画付きのレコ楽しみにしています。
こんばんは。
いつもレコ読んでもらってありがとうございます。
このところ家の用事が立て込んでて久々の山行だったので勢い余った強行軍を計画してしまいました。新投入の10本爪アイゼンを試したくて、雪がたっぷり残ってて比較的近い赤城山に行くことありきな計画で、結局テント担いで前夜から歩いて。
でも翌日、歩き通せてとてもよかったです。
taka2009さんの先週のレコから大方の情報はいただいてたのですが、実際、ケーブル下の雪は深かったですね。ノートレースだったら私なんか途中でラッセル諦めて帰ってたんじゃないか、と思うくらい。
鳥居峠から下では誰にも会わなかったです。静かなコースがお好きなら利平茶屋はお勧め。反動で帰りのバスの運ちゃんとしゃべくりまくってしまいました。
nako-tamaさんも毎度楽しそうな山行で充実してる感じですね。がんばってください。陰ながら応援しています。
ShuMaeさん こんばんは
凄い山行ですね
「これだけの体力あればフルマラソン軽く走れるんちゃうか〜ShuMaeさん歳いくつだった」って二人で話しました
私は、一度雪の中を歩いてみたいと思っているのですが中々実現できないでいます
終了後の温泉・ビールどれほどの充実感で味わったか うらやましい
メッセージありがとうございます。
いやいや、マラソンは距離が違うしこんなもんじゃないと思います。私の場合は30km歩いたと言っても前夜に12kmかせいでるので、ぶっ通しでは私には難しいと思いますヨ。
とはいえ、今回の強行軍では、終わった後の温泉&ビールは格別でしたね。
雪歩きもこの辺くらいまでなら楽しいので、機会あれば是非
終電からのナイトハイクお疲れ様でした。
この時期にテン泊とは、さすがですね。
しかも10本爪アイゼンまで投入。
雪山装備、本格化してきましたね。
動画も見ました。
黒檜山の山頂でぐるっと360度。
なかなかの絶景ですね。
ShuMaeさんの動画技術、どんどん上がっているような気がします。
あと、水沼駅。
本当にホームに温泉があるんですね。
写真見て驚きました。
ShuMaeさん、こんにちは♪
2日間とはいえ、かなり歩かれましたね〜
つぼ足も大変そう〜(><)
素晴らしい体力です〜
私もそろそろガッツリ行かないとなぁ。。。
動画、「手振れ補正」の効果?揺れる文字、けっこうおもしろいですね〜
メッセージありがとうございます。
夜の山道を歩いてると、なぜかwestmalleさんの深夜縦走もこんな気分で歩いてたのかな、と規模は全く違いますが何度も思い出されました。
赤城山でアイゼンを試したくてちょっと無謀な計画でしたね。冬山はやらない、と決めていたのですが、年末の三つ峠から少し緩んで、これくらいなら大丈夫、爪の数多い方が安全だし、と妙な納得のさせ方になっています(笑)
動画も見てくれてありがとう。
撮影技術アップというより、YouTubeの手振れ補正機能のおかげでブレが少ないからだと思います。おかげで先に入れてた文字がかなり揺れ動いています
水沼駅の温泉は私も感動しました。駅に改札というものがなく、温泉に列車(1両編成です)が乗り付けるのはとても新鮮な感覚でした
コメントありがとうございます。
1ヶ月半ぶりの山行にしては、ちょっと無謀でしたね
動画は「手ブレ補正」で先に入れてた文字が妙に動くでしょ
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