大菩薩嶺、初めての2000mだったが膝痛がでて四苦八苦
- GPS
- 08:43
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 1,480m
- 下り
- 1,473m
コースタイム
10:00 丸川峠
11:25 大菩薩嶺
12:34 大菩薩峠
13:06 発
14:38 ロッジ長部衛
16:39 大菩薩峠登山口バス停
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
丸川峠より先は残雪が残り凍結箇所多し。アイゼンなど必須。ぬかるみも多し。 |
写真
感想
<テーマ>
高尾山から徐々に山歩きエリアを広げていくのが今年の小生のテーマだ。次に行きたい山として少し前から狙っていたのが大菩薩嶺。自宅からも結構手近で見晴らしがよさそう。高さもこの前行った鷹ノ巣山よりワンランク高い。小生にとって歩いて上るはじめての2000m超えでもあります。
<道すじ>
手近といっても甲府の手前、JR塩山駅からバスに乗る。5:18の高尾行きに乗って高尾で松本行きに乗り換える。高尾発が6:14でまだ乗客も多くない。4人掛けの席をひとりで占領して車窓を眺める。早起きで睡眠不足、もうひと眠りと眠ろうとするがやはり少し心がはやって眠れない。通勤電車では20分でもきっちり眠って目が覚めるのに、山登りを前にするとうまく行かない。もっと慣れると余裕が出るんだろうが。
塩山駅は初めて降りる駅だ。なんとなく田舎のさびしい駅を想像していたが、降りてみるときれいに整備された新しい印象の駅前、下りた目の前にすでに大菩薩行きのバスが止っていた。乗り込むとまもなく出発、乗客は私を入れて3人である。20分ちょっとで終点の大菩薩峠登山口についた。料金は均一300円で始発から終点まででこれならずいぶん安いような気がした。
バス停から車道を登山口に向かって歩く。バスで一緒だった2人も同じ方に歩き出したがひとりは着いて直ぐ歩き出されたので、最後に歩き出した小生は少し前に出たもう一人の若い人の背中を見ながら進んでいった。しかしこの彼、歩きが早くそのうち道も曲がって見えなくなった。ところが少し進んだところでふと気が付くとさっきの彼が後ろにいる。あれっ、と思って話しかけた。すると彼は自分が何をしているか、さわやかに説明してくれた。それによると、彼はスパルタで名高い有名校の生徒さんで、全校生徒参加の恒例の山行の下見に来たという。そのため危険箇所などをチェックしながら歩くので、さっきもどこかに立ち寄って後ろに回ったようだ。彼自身も今年高三で山岳部員だそうである。しっかりしているな、と思いながらペースの速い彼を見送った。
<丸川峠まで>
20分ほどで駐車場に付いた。車がずいぶん出ているし、タクシーでも2台続けて乗り付けてきた。ここはシーズンは山の中腹まで車で上がれるが、今はこの駐車場の横のゲートが閉まっていて、車はここまで。もうほぼ満車に近かった。あとで写真を見るとここに丸川峠は左、という道標が立っていたが、人がたくさんいて気づかず地図を見るともう少し先だと思いゲートを通って直進してしまう。少し進んで気が付いて戻って駐車場の奥に入って一旦下がる方の道に進む。
そこからは林道で沢に沿って歩く。4、500m歩いたところに登り口があってそこからは登山道に。この登り口から丸川峠までが結構な急坂。ちょっとぬかるんでたのでスパッツをつけていると追い抜いていかれた人がいた。その人を目指して後ろからあるいていったが2、30分歩いた辺りで息が切れてきて見送ってしまう。その先には岩の隙間をよじ登っていくようなところもあり、「ここを下るのは厭だな」、と思っていた。すると上のほうから女姓の明るい声が聞こえてきて、見上げると女性二人が走るように降りてくる。おっ、と思うまもなく前の女性が滑って目の前でしりもちをついた。あらら、と思ったがはじけるように立ち上がって明るく笑っている。聞くと昨日小菅から登って縦走し山の上で一泊して下っているところだそうで。元気であかるくてなかなかに美しい山ガールさん2人だった。
急な登りが一段落してゆるやかな登りになった少し先に青い建物が見えてきたので、あれが丸川荘かと草原の一本道のようなところを進む。ここまでほぼ2時間、雪はほとんどなかった。丸川荘は営業されていたようで、コーヒーがおいしいと読んだ記憶がありちょっと心惹かれたが、初めての山でゆっくりする気持ちにならず少し休んで出発した。
<山頂まで>
峠の反対側から登ってきた若いカップルがいたが向こう側は雪がずっと積もっていたという。かわいそうに女性の方がアイゼンを片方落としたそうで私が来た方は雪がなかったといったら、そちらに降りようかな、といっておられた。しかしそのあとやっぱり登ることにされたが、片方だけではだいぶ苦戦されたと思う。不思議なもので、丸川荘から先は直ぐ雪道となり、山頂までほとんど途切れない雪と氷の道となった。丸川荘を出て直ぐ愛用のチェーンスパイクをつけて登っていった。道は最初はほとんど雪が解けて凍った氷道、。そんなに硬くないのでチェーンスパイクがもってこいである。丸川荘の前の坂ではだいぶへばっていたが、少し休んで登りも緩やかになったので気持ちよく登っていった。
丸川荘が標高1600mくらいでそこから大菩薩嶺頂上まで400mちょっとだが、小生は今まで自分の足で1700mくらいより上の山に登ったことがない。低レベルながら自己最高の高さに登ると思うと、なんとなく緊張した。心配だったのは、空気が薄くなって苦しいんじゃないかということ。夏に毎年長野の川上村に行くが、そこの標高が1400mちょっと。一緒に行くみんなは平気なのに小生だけいつもぜいぜい言っているようで、空気取り入れ機能が弱いのではないかとひそかに思っている。さてどうだろううか?
上がっていくと氷道から固まった雪道に変わっていった。穴のあいているところを見ると30cmぐらいあるところもある。左側が結構深い谷になっているところを横切るところが何箇所かあり、滑らないようにスパイクをガツガツと踏みしめて歩いた。
高度が上がってきたところで時々木の間から視界が少し開けるところもあった。南アルプスがちらりと見える。今回の目的のひとつは南アルプスを甲府盆地越しに見る、というものなので期待が膨らむところだ。しかし、丸川荘から1時間ちょっと歩いてiPhonのGPSの高度が1900mを越えた辺りで大分へばってきた。もうちょっと、と思うんだが、なかなか足が進まない。腹も急に空いてきたようで、バテたな、と思った。そこへ上からトレランの若者が颯爽と走ってくる。「すごいですね。アイゼン無しですか?」「ええ、なんとか。」といってさわやかに笑う。お気をつけて、と見送ったが飛ぶように降りていく。
けっこうへろへろになりながら11:25に大菩薩嶺山頂到着。2056mの頂上である。生まれてはじめての2000mクリアだが山頂は10m四方ぐらいで回りを木々に囲まれた小空間で見晴らしはない。そうは聞いていたもののちょっと残念。ベンチもないので昼飯も食べにくいのでミニドーナッツ2つ食べてとりあえず急場をしのぐ。ミニドーナッツの袋が風船のように膨らんでいる。やはり気圧は低いんだ。気温はちょうど0度。ただ心配した息苦しさはあまり感じない。
<見晴らしのいい尾根から大菩薩峠へ>
山頂から大菩薩峠方向に下ると直ぐに視界が開ける。ここから先はなぜか木があまり生えていない。この辺りで反対から登って来た人に何人かすれ違った。山頂直ぐに会った人は、「エー、これが山頂ですかあ」とがっかりしていた。
少し降りたところに雷岩という展望台のような石の山があった。大勢登って記念写真など撮っている。上に立ってみると270度くらい視界が広がる。残念ながら快晴ではあるものの春霞で遠くは白っぽくなって見通せない。目当ての南アルプスも前衛が朧に見えるだけだが、それでもなかなか雄大な景色。ただやはり風が強く吹きっ晒されていると寒い寒い。指を出す手袋をしていたが指の感覚がなくなりそうだった。
そこからは賽の河原という鞍部まで緩やかな下り。凍った雪と溶けた泥と大ぶりの石か転がってちょっと歩きにくいが景色はすばらしい。「大菩薩峠」という超長編小説はめくったこともないが、そんな大河小説の舞台にふさわしい絵になる山だと思う。
賽の河原には小屋があったのでここで昼メシを食べようかと思ったが残念ながら閉まっていた。そのそばを結構ひっきりなしに逆向きに登る人が過ぎていく。時計回りは少数派のようだ。賽の河原からひとつ小山を超えたところが大菩薩峠。小山の上から見下ろすと良く写真にある「介山荘」の建物が見える。しかし介山荘につくと営業していなかった。
<上日川峠に向けて>
介山荘あたりからいくつかのロッジでうまそうなものが有ればつまんでいくのもいいな、と思っていたが、お休みである。仕方なくそばにあった雪を被っていないベンチで昼食。今日は少しでも軽くと思って鍋を持たずカップヌードルに。おにぎりとパンを食べコーヒー飲んでPM1:05、さーて下山だ。
おなかもふくらみ休憩もとった。あとは下るだけ、ということで元気に下山、のはずだが、歩き出した途端にアレ、である。さっきまで何ともなかったのに左の膝が痛い。道は雪に覆われているがゆるやかな下りで幅もある本当に良く整備されたジープなら上がれそうな道。しかし左膝の痛みが徐々にひどくなってくる。ストックを2本出したが段々ストックにすがるようになってくる。
思い起こせば先週高尾山に行ったときも下りで左ひざが痛くなった。そのときはそんなに長くもなかったのでそんなこともあるか、ぐらいで気にしていなかった。そのあと日常生活では何もなかったので気にもしていなかったが、こんなところで再度出てくるとは。慢性的に痛んでいるのだろうか。
そこから歩くと左ひざが痛くなるばかり。特に下りが急なところは痛みがひどくなる。本来ならとても楽しそうな道だが、苦しみの下山となった。まだここから1000m近くくだらなければならない。下りきれるだろうか、と心配になった。ロッジ長兵衛のある上日川峠まで下って止って膝をさする膝をもむ、を繰り返した。1時間30分かかってロッジ長兵衛にたどり着く。
<車道を下る>
ロッジ長兵衛は結構大きな設備のようなのでそこ行けば何か対策が取れるかもしれないと思って下っていたが、残念ながらここも閉まっていて人がいない。バスや相乗りタクシーの案内もあるが5月から11月までのようだ。タクシー会社に電話したがやはり駐車場横のゲートが閉まっていていけないとのことだ。さてどうするか?
普通の登山道を下るのが当たり前だが、下調べしたコース案内ではこれまでよりここからの下りが傾斜がきつくなる。これまでのゆるい下りでも膝が悲鳴を上げているのにこれ以上の負荷が懸けられるか?まだ標高では500m以上もくだらなければならない。最悪途中で動けなくなるかもしれない。もうひとつの選択肢はここまで来ている車道を歩くこと。これなら斜度はゆるく膝への負担は軽そうだ。しかし、地図で見るとほぼまっすぐになっている登山道に比べて、距離が何倍になるのか、と思うほど蛇行している。時間は相当食うだろう。何時にふもとへ着けるのかちょっと良く分からない。
思案六方してるとひとり下ってきた人がいる。マスクをされていて良く分からないが同年輩ぐらいと思った。バスの話などしているうちに、「膝が痛いんでどうしようかと思ってるんですよ」といったら、「私も最近はストック使わないと駄目になりました」とおっしゃる。そうこうするうちに車道で行く決心が付き、それでは、と登山口の分岐点でお別れした。
車道を選んだのは、車道なら万一さらに膝が悪化して動けなくなったらさすがにゲートを開けて救助を呼べるだろうという考えがあった。実際歩き始めてやはりこれが正解だったと思った。下りが緩やかで痛みが急速に小さくなりほぼ通常のスピードで歩けるようになった。まあ、いつかは着くであろうとぷらぷら歩いていったが、さすがに長い。曲がっても曲がってもなかなか高度が下がらない。もういい加減来たかとGPSを見るとまだ3分の一も来ていない、といったことを繰り返して、テクテクテクテク降りていった。結局ゲートを過ぎてバス停に4:39に着くまで上日川峠から2時間近くかかった。バスは5時台にあった記憶があり、だいぶ待って帰りは遅くなるなと思っていた。
ところがバス停に近づくと「塩山駅」と書いたバスが走っているのが見える。あわてて、「待って、待って」と追いかけたが良く見ると今バス停に着いたところ。バス停に行くとさっきのマスクの方が、「ああ、間に合いましたね」といって迎えてくれた。バスはこの後直ぐに出たのでほぼジャストオンタイムである。
マスクの方と一緒にバスに乗り話しながら塩山駅に着いた。この方も中央線で千葉からこられたそうだ。ホームに入るとちょうどスーパービュー山梨という列車が時間が少し遅れてちょうど入ってくるという。普通料金で乗れる特急のようなもので三鷹まで一本でしかも千葉行きだ。バスにぎりぎり乗れてラッキーラッキーというところ。
しかもこの列車なんと2階建て。2階の席に向かい合わせに座り三鷹までマスクの方と様々話を聞かしていただき、楽しく過ごさせていただいた。学生時代からの山のベテランで、山のこと、道具のこと、家族のこと、自転車のことなど楽しい話が盛りだくさんでした。ありがとうございました。次回もどこかでお会いできれば。
膝痛に苦しめられほろにがい2000mデビューだったが、実りも多い山歩きだった。膝対策も練りながら次回のトライのプランを作りたい。
初めまして!
自分が約30年位前に、初めての単独行をした山です。
その時以来、大菩薩嶺には登っていませんが
そろそろ、もう一度行こうかな・・と思っている山です
その時は、丹波山村の方面へ下山して、
寂しく、とぼとぼと林道を歩いていると
営林署の方が、バス停まで乗せて頂いた ことの有る
思い出深い山でした 。
コメントありがとうございます。
私は最近になって山歩きを初めたので様々新鮮なんですが、ここはいい山だな、と思いました。中年初心者なので体のあちこち励ましながら登ることになりますが、続けてもうちょっと体力つけたいな、と思っています。
よろしくご指導ください。
決して怪しい者ではありません。前歯の治療中の為かなり情けない顔であり、花粉症と言う事もありマスクを手放せません。電車の中ではいろいろなお話をうかかがい時間が経つのを忘れるぐらいでした。ただ、私の話し方が悪かったのですが、学校卒業後は山から遠ざかっており学校も北海道だったので本州の山はほとんど知りません。多分OKchan さんと同じぐらいのキャリアです。
先日など「その目出帽、バラクバラってメーカーなんですか?」などとやってしまいました。ハイ、じじいでございます。
PSすいかマラソンの締め切りを1ヶ月まちがえてしまい今年は参加出来ませんでした。
いろいろ楽しい話を聞かせていただきありがとうございました。ヤマレコでまたお会いできてとてもうれしいです。odakaさんとは足回りが違いすぎるのでご一緒は難しそうですが、これからもいろいろ教えてください。
よろしくお願いします。マラソンは残念だったですね。
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