池口岳から光岳縦走(池口岳直前で敗退)


- GPS
- 14:09
- 距離
- 18.8km
- 登り
- 1,616m
- 下り
- 1,599m
コースタイム
天候 | 初日:快晴 2日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
池口岳ジャンクション直下までは踏み跡は明瞭。いくつか痩せ尾根を通過するが特に危険箇所はなし。ザラ薙に向かう北斜面はアイスバーンになっていた。 |
その他周辺情報 | 遠山郷かぐらの湯 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
ポール
テント(フライ)
テント(ポール)
テント(ペグ)
テント(本体)
テントマット
シェラフ
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---|---|
共同装備 |
バーナー
|
感想
ヤマケイでの紹介記事、その後に安倍奥山行で入手した山と高原地図のルート解説を読んでからずっと気になっていたルートでした。道中に全く水場がないようなので、夏場は無理だと思い、残雪のこの時期を狙って計画を立てましたが、あらゆる面で経験値不足で目標達成は叶いませんでした。
とにかくアプローチに時間がかかるので、金曜日に半休を取っての集合となりました。中央道は快調で、思ったよりも早く飯田市内に入れたのは助かりました。市内のスーパーで行動食などを買い込んで池口岳の登山口を目指します。矢筈トンネルという三遠南信道の一部を利用するのですが、このトンネルは実に面白い経歴を持った道で、以前、自転車で秋葉街道を北上したときに見てから、一度走ってみたいと思ってました。思いに違わず、入り口から出口まで楽しませてもらいました。その後、山深い道を2時間弱走って、登山口に到着。林道の最後はダートになっていますが、それほど凹凸は激しくなく助かりました。プレハブ造りの避難小屋の中はキレイに整理されており、地元の方々の志が伝わります。早々に仮眠を取って翌日に備える夜になりました。
2時半に起き出して身支度を調えます。食事を摂って、荷物を整理してとばたばたしている内に出発予定時刻を少し過ぎてしまいました。最初はヘッデン行動となりますが、登山口取り付き付近は特に危険箇所もなく、落ち着いて歩けば大丈夫。先に待つロングコースに気ばかり焦り、息が切れがちになります。黒薙まではピンクリボンを追えば特に難しいところはありません。夜が明けて視界が開けてくると、左手には荒川三山、右手には深南部の山脈が広がり、何ともテンションが上がります。テント泊装備は肩に食い込みますが、コースタイムよりいくらか速いペースで歩けました。
ザラ薙手前から路面がアイスバーン混じりになりました。尾根自体が西向きなので、日の当たらない斜面が多く、標高を上げるにつれ土と雪、氷の比率が変わっていきます。ザラ薙直前の急登をチェーンスパイクで登りましたが、今思うとここからアイゼンで良かった気がします。ここまでは非常に気分良く歩けて、これは光岳に届くかもと話し合っていましたが、そんなに甘い訳はありませんでした。
積雪深が急激に増えてアイゼンだけでは膝ぐらいまで潜るようになります。先週は奥秩父の単独行で2日間に渡ってラッセルし通しでしたが、今週も遅々として進まない春の踏み抜き地獄となりました。1名、先行した方がいたようで点々と踏み跡は残っていましたが、かなり強い方だったようで歩幅が合わない! 結局、トレースなしで歩くのと変わらない疲労度でだんだんと余裕がなくなります。それまでと打って変わってテンションは急降下。早々に光岳までの縦走は諦める決断を下しました。
何とか2156pに辿り着き、ザックをデポして池口岳登頂を目指す事になりました。念のため、ザックからお助けロープを取り出して持って行ったのですが、これが正解でした。2156pから少し下降して痩せ尾根をトラバースで通過しますが、気温が一気に上がって雪がザラメ状になっています。一歩ずつ踏みしめながら進んでも、気を抜くと足下が崩れて肝を冷やす事の繰り返し。自分の足場を信じられず、緊張は止まるところを知りません。夏道ではロープが掛かっている岩場に着くと、Y田さんは何とかクリアできたのですが、私はどうしてもよじ登る事ができません。先の様子を偵察して頂いたのですが、この後ももっと悪くなりそうとの事で、撤退を決意しました。来た道を戻るのもひと苦労。幸い、しっかりした木があったので、ロープを掛けて手がかりにします。這々の体で2156pに帰り着くと、山頂から下りてくる方が。先行したトレースを付けて頂いた方だったようで、前日に2156pでビバークして池口岳をピストンしてきたそうです。その方も光岳を目指していたそうですが、加加森山方面に全く踏み跡がなく諦めてきたとの事。我々が死ぬ思いで戻ってきた道を飄々と歩いてこられるのを見て、自分はあんなに歩けるようになるのだろうかと思いにふけってしまいました。
テント場に下りたのは14時ごろ。緊張感から解放されて、ようやく笑えるようになりました。今回は撤退の可能性が高かったので、それぞれテントを持参していましたが、何とY田さんのテントははこれが初めてのお外。広々として居心地良さそうでした。昼間では10度近くまで気温が上がり、日没が近付いても全く寒くなかったので、外でのご飯をいただきます。今回は余裕がなくなるだろうと思っていたので、いつも持ち歩いている余計なものを置いておき、ご飯はインスタント中心になってしまいました。その後は各自のテントに戻りましたが、そよ風一つ吹かない本当の静寂。もしかしたら家で寝るよりも熟睡できたかもというぐらいの就寝の途に就きました。
翌朝は寝坊してしまうぐらいぐっすり寝てしまいました。まずはリベンジに向けた水場の偵察に出かけましたが、ここで水を汲むぐらいなら担いだ方がマシというレベルの距離感。ですが、縦走中に水が切れてしまったら頼りになるでしょう。一旦、息を整えた後に一路、下山します。Y田さんは靴擦れしていたそうで、それと気付かずいそいそ下ってしまって申し訳ありませんでした。ほぼコースタイム通りで登山口に到着。遠山郷かぐらの湯に目がけて一目散に車を走らせ、汗を流しました。
目指していたピークは踏めなかったけど、静かな山歩きを堪能し、雪山との向き合い方を考えられた山行になりました。登山を始めて一年も満たない内、色々と経験できたのは今の環境があってこそだと思います。今からリベンジ山行を企図してしまいたくなります。
しばらく冬靴の出番はなさそうですが、まずは無雪期にリベンジし、いつか雪原を歩き通して光岳に立ちたいと思いました。
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