鍋割山系南陵ギフチョウ探索〜白笹うどん


- GPS
- 05:50
- 距離
- 8.3km
- 登り
- 991m
- 下り
- 968m
コースタイム
06:45 二俣
07:05 西山林道終点 07:20
08:00 後沢乗越
09:20 鍋割山頂<朝食> 10:22
10:55 後沢乗越
11:15 栗ノ木洞
11:25 櫟山 11:40
12:15 県民の森駐車場
天候 | 快晴〜霧〜曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
残雪・泥濘なし 危険箇所なし |
写真
感想
例によって、10kg歩荷トレの他に、今回は2つの目的を持って鍋割山へ向かった。
その2つとは、
【1】丹沢純系ギフチョウ生息の可能性を探索すること。
【2】県民の森駐車場〜東名秦野中井IC間で気になっていた麺処を実食すること。
【0】10kg歩荷
西山林道終点に着くが、草野号パジェロがまだ着ていない。
2L水ペットボトルを6本歩荷しようかと思ってザックを整理していたら、パジェロ登場。ガソリンタンクはなかったが、米5kgと各種飲み物缶・ペットボトル約7kgで代用。
今日のメインテーマであるギフチョウのことを草野さんに聞いてみた。
(K=草野氏、A=私)
K「30数年来、ずっと見たいと思っていたんだけれど、ギフチョウ見た事無いです。」
A「藤野の石砂山にはいるんですけど、あそこのは富士川系や新潟のギフを放蝶した末裔で、丹沢系じゃないんです。」
A「でも、食草のカンアオイやランオウアオイは特に山向こうの寄沢水系に多いみたいなんです。ひょっとしたら生き延びてくれてるかなって思って。」
K「ランヨウアオイはこの辺にも前はいっぱいあってね、僕もギフチョウがいたら食べてくれるんじゃないかと思ってたんだけど、あっという間にランヨウアオイが無くなっちゃった。」
A「今日は発生約1週間後(石砂山の発生から予測)、20度近い気温になって4日目、前日が雨、ピーカンと、オスが尾根に飛んでくる絶好の条件なので、もし尾根の西面のどこかで発生していたら、今日こそはお目にかかれるのではないかと・・・」
A「じゃあ、『乗越』8時頃からゆっくり登るのでお先に。」
(しかし、「この辺にもランヨウアオイがいっぱいあった」って、蝶屋でない限り、ランヨウアオイなんていう草すら同定もできまいに・・・やはり、草野氏はただ者ではなかった。恐るべし。)
【1】
すっかり諦めていた丹沢純系ギフ探索だったが、下記のサイトを昨秋見つけて火がついた。
『丹沢周辺のギフチョウ,その傾向と対策』
http://www007.upp.so-net.ne.jp/G13/btflytxt/gifu-1.html
8.松田町、10.もしかしたら
これに触発され、寄〜寄沢から鍋割山南陵に広がる鍋割山稜西斜面のどこかに、ギフチョウの食草であるカントウカンアオイ、ランヨウアオイの群生地があって、人の目を逃れて代々丹沢純系のギフチョウが命を繋いでいるとしたら・・・と以前から想像をたくましくしていたのだ。
未踏の斜面を捜索するのは蛭もいることだしタイヘン、ということで、ギフチョウ♂が羽化数日後に、沢伝いに登って尾根で日光浴する習性を利用し、とりあえず、寄沢〜鍋割山南陵間に発生した♂が南陵の尾根に登ってくることを期待して歩いてみることにしたのだ。
いつもより相当ゆっくり、しかも下をあまり見ないで前や後の蝶影を見逃すまいと、必死に登る。
富士川系(静岡県芝川町、山梨県南部町など)、新潟県栃尾・見附の山稜のギフ生息地だったら、絶対に飛び出してくるのに、と思われるような、翅を広げて日光浴するのに最適な尾根の平坦部(擬似ピーク)がいくつもあるが、結果的にギフに限らず蝶影なし。
鍋割山頂なんかも、八ヶ岳だったらヒメギフチョウがわんさか遊んでいるような標高・地形・温度なのに、一頭の蝶もいない。
頂上で草野さんを待つ間、富士山の撮影をしようと構えていたら、アレヨアレヨといううちに谷からガスが上がって、一面霧となってしまった。
20分ぐらい待ったであろうか、草野氏到着。今日は荷が特別重かった様子。私の担いだ米や飲み物もそうだが、もうじき行われる宿泊イベントのお客さん用にいつもより沢山荷上げをする必要があるのではないかと思われた。
鍋焼きうどんが出来るまで、しばし蝶談義。
K「40年前に初めてネパール行った時にね、蝶採りたくっていっぱい捕虫網持っていったんですよ。」
A「ネパールだったら高山蝶ですか?」
K「いや、山じゃなくて下の方では、フタオチョウが集団で吸水してるのを手で捕まえることができたりしました。」
A「ネパールにいるんですか!日本では沖縄本島だけしかいないのに。」
K「あと、『アポロ』(アポロウスバシロチョウのこと)採りたくって、白い蝶片っ端から採って持ってきたけど、結局『アポロ』は入ってなかった(笑)。」
A「すごい体験ですね〜」
K「ギフチョウは今頃なんですね。ミドリシジミはいつ頃ですか?」
A「6月頃です。梅雨とオーバーラップします。」
K「ヒサマツミドリは見たことありますか?」
A「とんでもない、見た事無いです。」
K「マニアは食草のウラジロガシの木そのものを切り倒して持ってっちゃったりするそうですね。」
A「困ったものです。アイノミドリとかフジミドリとかは簡単に見れますよ。」
K「メスアカミドリはどうですか?」
A「メスアカも普通種です。」
〜
K「この山頂にはよくシータテハとかスミナガシとか来ますよ。あとアサギマダラは多い。」
A「シーですか?エルじゃなくって?」
K「確かにシーの方です。」
A「スミナガシまでいるとなると、アカタテハやヒメアカタテハもいるんじゃないですか?」
K「アカタテハは見たことないけど、ヒメアカタテハはいますね。それと最近ツマグロヒョウモンが増えました。」
A「元々毒蝶のカバマダラに擬態している南方の蝶ですが、カバマダラのいない北の方にどんどん進出していて、今や関東では普通種ですよ。」
K「あと、僕はねえ、オオムラサキを見たことないんですよ。」
〜
正直びっくりした。
私は昔蝶屋だったこともあって、ある程度の基礎知識をもって話せるが、まさか草野さんがこんなに蝶のことをお詳しいとは思わなかった。やはり唯の「歩荷重量自慢の小屋主」ではなかったということだろう。
A「9時〜12時がギフが尾根で遊ぶゴールデンタイムなので、ゆっくり尾根を下りていきます。今日は櫟山まで行くつもりなので、ごちそうさまでした。」
K「もし、ギフチョウいたら教えて下さいね。」
鍋割山南山稜をゆっくり下るが、ギフどころか、コツバメ、ヒメシロ、ミヤマセリ、越冬型のキタテハ、テング、ヤマキもいない。
栗ノ木洞を経て櫟山到着。
ここで初めて越冬タテハ2頭(ヒオドシとキタテハ)を確認。
谷から杉林が続いてきて、頂上付近で途切れて草原になっている。いかにもいそうな環境ではないか。マメザクラは3分咲きで地表には今まで見られなかったスミレもあり、ギフチョウの吸蜜に最適だ。
今日の探索の結果、今後1週間〜10日の間に、櫟山山頂で見張れば一番ギフチョウに遭遇する確率が高いことが判った。
鍋割山南陵尾根伝いには、カンアオイもランヨウアオイも皆無だったので、寄沢流域から尾根に登ってくる♂を、櫟山山頂を中心に確認する作業が一番手っ取り早いと思われた。
(石砂山のギフチョウ発生状況については、下記の方々の投稿を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
YatsuJuninさん
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-180409.html
krkdxさん
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-180383.html)
【2】
県民の森から街に戻っていく途中で、四十八瀬川を渡る橋がある。
その橋の手前に、前から気になる『丹沢そば』の案内表記がある。今日は実食してみようと尋ねるが、あいにく休業日。
では、2ndチョイスということで、東名インターに向かう途中、「白笹観音」の交差点で左折。案内表記に従って、「白笹うどん」に到着。
店の方に伺うと、2種類のうどんがあり、太麺の方は北海道や長野の国産小麦粉使った、標準的なうどん。細麺の方が秦野で採れる小麦で挽いた地粉うどん、とのこと。
製法は、さぬきうどんのように玉を一日寝かせるようなことはしないというので、埼玉の武蔵野うどんに近いやり方のよう。
「地粉のごまだれうどん」をいただくが、噛みごたえのある硬さのうどんを噛むと小麦の香りが口いっぱい広がり、実に美味。
鍋割山荘の鍋焼きうどんは、勿論標高1000m以上の日本チャンピオンだが、秦野には平地にこんな美味しいうどん屋さんがあったことも確認できた。
遅い朝食、遅い昼食ともうどんになったが、まったく違和感なく完食。
今度は太麺の方を食べてみなくては。
私は最近虫沢古道でカントウカンアオイの繁殖している場所を見つけました。 環境的には石砂山と非常に似ています。高度は480m地点です。 繁殖の密度は石砂山の半分くらいで、場所的にはかなり限定されています。
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