編笠山、のろし場、西岳、季節はずれの新雪に楽しくもハードな雪山登山
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- GPS
- 09:31
- 距離
- 15.1km
- 登り
- 1,494m
- 下り
- 1,491m
コースタイム
6:50駐車場-10:25編笠山10:40-11:05青年小屋-11:55のろし場12:25-12:45青年小屋-14:10西岳-16:15駐車場
(16:20駐車場-16:35自宅)
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス | 富士見高原ゴルフ場駐車場 |
コース状況/ 危険箇所等 |
昨日降った雨は、標高2000m以上では雪に変わったようで、予想外の積雪で道が消え、かつ、ラッセルも多数でした。 |
写真
感想
インフルエンザで1週間ほど寝たきりとなり、山に行くのは1ヶ月ぶりです。本日は足慣らしに編笠山に行きたいと思います。でも編笠山だけでは午前中で終わってしまうので、西岳、さらにギボシや権現は無理ですが、のろし場ぐらいまで足を伸ばしたいと思います。病み上がりとはいえ、先週京都で3日歩いたし大丈夫でしょう、と思っていたら予想外にハードでした。
● 麓にて
天気予報は晴れですが、朝、自宅は霧に包まれ山は見えません。でも、このような時、だいたい山は晴れていますので、喜び勇んで家を出ます。富士見高原に着くと、予想通り晴れていますが、西岳と編笠山を見てびっくり。標高2000m以上は雪が積もっています。昨日の雨が山では雪だったとは予想外でした。本当なら、編笠山は厳寒期に登りたかったので雪山はwelcomeではあるのですが、春山と思って来たので、冬の手袋も服ももって来てないしワカンも持ってません。家に取りに帰ろうか迷いましたが、日中は気温も上がるだろうし、戻ると30分以上のロスとなるので、このまま行きます。
● 編笠山登り
登山口はこの冬、妙に整備されたのですが、どうもハイキングコースの整備の一環のようです。1ヶ月前にはなかった、順路の札が多数配置されています。スキー場リフトで上がり、創造の森を散策、盃流し、不動清水、スキー場駐車場、というコースのようです。私も冬によく歩くコースです。
いつもは、最初から心拍数140ぐらいで600-700m/Hの速度で飛ばすのですが、今日は心拍数130で500m/Hで登ります。これ以上はしんどく感じます。ブランクと病み上がりのためでしょう。気温は1℃。
編笠山は、1900mの急登が始まるところの坂が予想通り凍り付いて10本爪が必須でした。去年4本爪で難儀しました。2100mからは積雪も多くなりプチラッセル状態、ややしんどくなってきます。2300mからは完全に新雪の冬山状態、道は分らないわ、ラッセルがあるは、踏み抜くわで、とてもハードに。それでもなんとか岩場到着。岩場の雪、落とし穴を踏み抜くかと思ったのですが、予想以上にしっかりしており、踏み抜きはほとんどなしで歩けました。頂上に近づくと吹き溜まりでプチラッセルありましたが。気温-1℃。人気のない編笠山で一人、トレースのない雪山を登るのは、楽しくもあり、寂しくもあり、しんどくもあります。
● 編笠山頂上から青年小屋へ
頂上も一人でした。ただ、観音平から来て帰ったアイゼンの跡があります。先客が一人いたようです。まわりは雪景色が広がっています。富士山、南アルプス、中央アルプス、御岳、北アルプス、八ヶ岳の峰峰、が360度広がります。疲れましたが、すばらしい雪景色に、よっしゃー、と元気がでます。さて、景色を眺めた後、青年小屋に行こうか考えます。ここまで結構体力使ったので、このまま帰るという選択肢もありなのですが、1時前にはついてしまう。今日は一日楽しみたいので、やはり、青年小屋に向かいます。トレースがありませんのでややビビリますが、思い切ってがんがんラッセルしてゆきます。もし、西岳へ行くコースがトレースがなかったら、自分のラッセル跡を戻るつもりで、登りやすいよう跡をつけます。下の雪はそこそこ固くさほど埋まりませんが、時々膝上や腰まで埋まります。
青年小屋付近は坪足だと膝上から腰ラッセルです。これは西岳無理かなと思っていたところ、ちょうど西岳から来た単独の方が来ました。ワカンなしでも行けるとの話です。この方のトレースもあるので、なんとかなるでしょう。また、この方は編笠山経由で富士見高原に戻るそうなので、私の付けたトレースもお役にたてそうです。
● 青年小屋からのろし場へ
ということで、西岳ルートは行けそうなことを確認の上、予定どおりのろし場へ向かいます。でも、トレースは新雪に埋まっているので、まず入り口を探すのも苦労しました。また、ここからは編笠山以上にトレースも薄いので、かなりラッセルを強いられます。しんどい。夏なら多分20分程度で行けるのろし場まで50分かかりましたが、果てしなく遠く感じました。のろし場到着時には、へろへろ状態です。
冬にはじめてくるのろし場で雪景色を楽しみます。西ギボシが目の前にそそり立っています。ギボシと権現は、夏に何度も来てますが、やっぱ冬は難易度が高そうですね。装備、技術、体力が揃ってないと危険そうです。万が一、立場川側に滑落すると死にますね。ここでお昼も食べます。山専ボトルのお湯でカップラーメンです。1週間前に買った山専ボトルは本日山デビューです。毎日会社にお茶を持ってゆきますが、山専ボトルは夕方まで熱いです。他のボトルでは夕方はぬるくなりますが。沸かしたての熱湯には劣りますが、問題なくラーメンができました。なお、昼になり、気温は5℃。風もなく、とても暖かいです。春山だ!
● のろし場から西岳へ
のろし場から青年小屋へ降り、乙女の水に向かいます。1Lの水は使い切ったので、当てにしていたのですが、水場が雪に埋まり影も形もありません。しまった。水を入れてきたペットボトルに雪を詰め、溶けるのを待ちますが、これはあまりできません。あと、ラーメンの残り汁もペットボトルに入れてきたのですが、これに雪を入れます。残り汁は温かいので雪は溶けます。そのままではしょっぱすぎますが、雪で塩分濃度を下げると、ラーメン味のポカリスエットという感じで、ないよりはいいでしょう。0.2Lほど作り、不動清水までこれをちびちび飲んでつなぎました。
青年小屋から西岳の木の雪が陽気で溶け、木から水滴が沢山落ちてきます。小雨なみです。ちょうどカッパは持ってきたので、カッパ上着とザックカバーをつけます。ゴム手袋も欲しかったが置いてきた。のろし場で体力を使いきってしまったので、西岳までゆっくりゆっくり登ります。トレースはありますが、つぼ足トレースで時々踏み抜くので楽な道ではないです。青年小屋から1時間半かかりました。疲れた身には、この道もとてもハード。
● 西岳下山
西岳では、自分撮りする気力もありません。また、のろし場から頭痛がしています。軽い高山病です。近頃なかったのですが、ブランクがありでたのでしょう。写真を数枚撮り、下山します。直下の岩場で3人のパーティに会いました。頂上にストックをわすれた方がいて1人頂上に戻ってきます。今回、お会いした方は、計4名でした。西岳の登山道は、結構人が通るので、一番しっかりしています。下りだし、楽だ!、2000m地点まで降りると、ほぼ雪もなくなります。ここで10本爪を脱ぎます。しかし、濡れた枯葉がすべるので、不動清水までは4本爪を装着。去年の同時期、下りで濡れた枯葉で何度もすべり、手に軽い怪我をしました。2000mから1800mまで、鹿が沢山います。写真がとれるほどは近づけませんが、白いお尻を見せて逃げてゆくのに10頭程度会いました。親子の鹿も複数。そういえば、車で来る途中、蕎麦屋のおっこと亭の道沿いでも、親子の鹿に会いました。鹿だらけ。ぐんぐん下りて、不動清水について0.5L一気に水分補給、助かりました。駐車場に着くと、綺麗な甲斐駒が出迎えてくれました。
● まとめ、他
本日は予想外の新雪でしたが、雪山歩きを楽しめ、編笠山から360℃の雪景色を楽しめ、冬ののろし場にも初めて行き、天気もよく顔が日焼けした(やっぱ春ですね)、久しぶりの楽しい、でもハードな雪山登山でした。人の少ない雪山はしんどかったです。新雪のラッセル、腰までの踏み抜きで、体力は使い切り、翌日は久しぶりに軽い筋肉痛となりました。
あと、このエリアは夏は歩き慣れた道ですが、新雪で道が消えたり、雪で地面がかさ上げされると、迷いやすく、SONYの山ナビNV-U37は心強いパートナーでした。夏の実績あるGPSルートをインポートしておき、現在地がそのコースから外れていないか何度か確認しました。山歩きのみならず、先週の京都旅行での車と歩き、名古屋での息子のアパート探しや引越し、でNV-U37大活躍です。NV-U37はとても役に立つ道具です。
いつもお世話になっております。
毎回教えて君で申し訳ありません。
GPSルートをインポートっていうのが、全くやり方がわかりません。
更に歩いた軌跡を表示する方法があるのでしょうか?
時間が空いた時で結構ですので、教えていただいたらありがたいです。
● インポート
私の去年8月の日記、”NV-U37レポート9、GPXルートのインポート”
http://www.yamareco.com/modules/diary/16057-detail-23279
をご参照ください。
● 走行軌跡
通常の地図で、設定−設定−地図表示−走行軌跡−ONで開始します。OFFすると終了。走行軌跡の消去を選ぶと消去。
20秒間隔ぐらいで1つ水色の丸点を打ってゆきます。車でも歩行でも、通常の地図でも1/25000地図でも、それぞれ切り替えても消えません。車だと結構間隔空きますが、歩行で1/25000地図では丸が重なります。8時間を越える水色は消えてゆきます。max8時間。ついでに、GPSログは1本max12時間。なぜか自転車では軌跡を打ってくれませんでした。たぶんソフトのバグ。
● (ついでに)目的地までの距離表示
1/25000地図で、行きたい場所を中央に表示させ、下の”ナビ”から”ここへ行く”を押すと、目的地となり水平距離が左上に表示されます。
なお、目的地は、事前にマークとして登録しておいて、メニュー−行き先−マークでマークを目的地をすることができます。(通常のカーナビモードでの目的地設定と同じ)
GPSでの現在位置表示、GPSログの他で、私が山で使う機能は上記だけです。不明点ありましたら、また、コメントください。
こんばんは!
本日早速教えていただいたようにやってみました。
すべての問題が解決しました!バッチリです。
アウトドア地図のメニューからは、設定ができない項目があり、そこで止まっていたのが私がつまづいていた原因でした。
これだけの機能が使えるようになりましたので、かなり同機種には満足しています。また出かけるのが楽しみになりますね!
ところで、先日の登山で3時間半を増槽バッテリーでまかないました。本日は車での営業中に、どの程度航続距離(時間)がもつか試してみました。およそ4時間ほど使用し、夕方に残量が空になりました。
そうしますと、やはり約7時間が2700mAhの一定の目安でしょうか。
当面はこれで間に合いそうです
本当に助かります。ありがとうございました。
DSAさん、おはようございます。
アウトドア地図からは、使えないメニューが多いですね。このような、余計なお世話的な設計はよく見ますが、通常地図でメニュー操作する一手間かければいいだけなので、今はなれました。
増槽バッテリーで7時間持ちましたか。本体含めると13時間程度いけそうですね。報告ありがとうございます。
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