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Yamareco

記録ID: 1826466
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
京都・北摂

魚谷山

2019年05月03日(金) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
08:17
距離
14.7km
登り
1,060m
下り
1,010m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
7:50
休憩
0:30
合計
8:20
9:40
60
スタート地点(蛍谷出合)
10:40
10:40
40
P452
11:20
11:20
20
P601
11:40
11:40
30
尾根下降点(630m)
12:10
12:10
50
小谷出合
13:00
13:20
160
松尾谷直谷出合
16:00
16:10
10
魚谷山三角点(p.816.2m)
16:20
16:20
70
魚谷峠
17:30
17:30
30
松尾谷直谷出合
18:00
出合橋
 中津川出合橋でタクシー会社に電話したが、配車不可能という返事だった。昨年10月に岩屋橋から呼んだときは大丈夫だったのだが、連休中なので、こんな遠いところまでは来てくれないようだ。しかたがないので、西賀茂車庫まで歩いて帰った。西賀茂車庫に着いたのは20:20頃だった。魚谷山の頂上から西賀茂車庫まで歩きづめで、足が棒のようになった。おくたびれの一日だった。
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2019年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
往路:烏丸北大路8:40発もくもく号
復路:中津川出合橋より徒歩にて西賀茂車庫まで行き、そこから市バスに乗車
コース状況/
危険箇所等
 椿谷西尾根(椿谷と中津川に挟まれた尾根)を通って判官坂(P697)にいくルートは、現在は通行が少ないが、古くから利用されてきた古道のようであり、明瞭な凹状の通路跡が残っている。途中倒木は少なからずあるが、心配していたような昨年の台風の被害は少なく、通行にほとんど障害はない。取り付きの方法は、いくつか考えられるが、椿谷と蛍谷の出合から蛍谷の南側の尾根に取り付くのがもっとも登りやすいと思われる。そこから尾根に入ってしばらく進むと、「判官坂」と記された古い木製の道標がある。さらに、ところどころに木にぶらさげられた赤いテープのマークがあるので迷うこともない。その他、森林管理用の標柱やNHKのテレビケーブル埋設の標柱などもみられる。
 最近の2万5千分の1地形図に記載されている、椿谷西尾根の標高620m附近から北西に直谷に下降する破線路は、踏み跡もなく、完全に消失している。上部の尾根部分は急斜面の下降を強いられる。さらに谷に出会ってからは、台風による倒木が谷を塞いでおり、通行に時間がかかる。また、直谷に出た後、渡渉しなければならない。いろいろ危険があるので、この破線路跡は登下降ともに勧められない。
 魚谷山南尾根(直谷と松尾谷にはさまれた尾根)に道はない。また、標高750m以上の最上部を除くと、人為的な標示やマーキングも一切ない。しかし、登山者が通行していることは確実なので、尾根芯を外さないように注意して登れば大丈夫である。注意すべきは、尾根が曲がりくねっているので、尾根芯の方向転換地点で進むべき方向をよく確認するとよいだろう。この尾根は、北山らしい雰囲気が色濃く残っている素晴らしい尾根であり、細ヶ谷経由のルートが荒れている現在、魚谷山への登路として新たに注目されるようになるかもしれない。南尾根の取り付きは、松尾谷と直谷の出合から植林の中に入り、そのまま尾根に取り付くことができる。
 
椿谷西尾根から直谷へ下降する尾根の末端。この大きな露岩の向こうから急斜面をたどって、ここに下りると、小谷の出合にたどり着く。
椿谷西尾根から直谷へ下降する尾根の末端。この大きな露岩の向こうから急斜面をたどって、ここに下りると、小谷の出合にたどり着く。
小谷は倒木で埋まっており、通過は困難であった。
小谷は倒木で埋まっており、通過は困難であった。
魚谷山南尾根の取り付きにはここから入る。奥に見える尾根に取り付く。
2
魚谷山南尾根の取り付きにはここから入る。奥に見える尾根に取り付く。
上の取り付きを撮影したところから松尾谷上流方面をみた写真。車が駐まっている道路は、松尾谷に向かう林道。
上の取り付きを撮影したところから松尾谷上流方面をみた写真。車が駐まっている道路は、松尾谷に向かう林道。
同じ場所から松尾谷・直谷出合の方角をみる。正面の木立の奥が南尾根の取り付き。
1
同じ場所から松尾谷・直谷出合の方角をみる。正面の木立の奥が南尾根の取り付き。
魚谷南尾根。倒木はあるが、通過の支障になることはない。
魚谷南尾根。倒木はあるが、通過の支障になることはない。
魚谷山南尾根の下部には、人工的な標示は一切なかった。これは唯一みかけたテープ。
魚谷山南尾根の下部には、人工的な標示は一切なかった。これは唯一みかけたテープ。
今日は、花を見る余裕がなかったが、南尾根の上部ではミツバツツジが満開だった。
今日は、花を見る余裕がなかったが、南尾根の上部ではミツバツツジが満開だった。
魚谷山三角点(816.2m)。
2
魚谷山三角点(816.2m)。
魚谷峠から下る松尾谷林道は荒れている。倒木と崖くずれで車の通行は不可能。もはや廃道といってよい。写真は標高400mあたりの路盤消失地点。
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魚谷峠から下る松尾谷林道は荒れている。倒木と崖くずれで車の通行は不可能。もはや廃道といってよい。写真は標高400mあたりの路盤消失地点。
同じ崩壊地点。右手から流れ込む谷の水があふれて道路を流してしまったのだろう。
同じ崩壊地点。右手から流れ込む谷の水があふれて道路を流してしまったのだろう。

感想

 今日の山行は6月1日に予定されている関西支部山行の下見が目的だった。その山行のコースは、もくもく号でおおまがりまで行き、蛍谷出合から椿谷西尾根に取り付き、 P462、P 601を越えて、630mあたりから 直谷に向けて下降し、 直谷・松尾谷出合に出る。出合から魚谷山南尾根を経由して魚谷山に登り、さらに柳谷峠、滝谷峠を経由して貴船山に登り、夜泣峠を経由して二ノ瀬駅へと下りる、欲張りな計画である。
 しかし、昨年秋に2度桟敷岳に行った経験とヤマレコの皆さんの記録を見ていると、台風の被害は甚大で、はたして縦走可能かどうか不安が残る。魚谷山から二ノ瀬までの尾根区間は、私自身歩いたこともあり、ヤマレコの記録を見てもほぼ大丈夫と安心できるが、椿谷西尾根の取り付き部分、椿谷西尾根から直谷への下降路、さらに魚谷山南尾根の状況については、情報がなく、偵察の必要があると思われた。そこで、連休の間に下見に行くことにした。
 未踏部分(大曲りから魚谷山まで)の偵察に主眼をおき、魚谷山から二ノ瀬までの、すでに歩いたことがある部分については、魚谷山への到着時間により、適宜ショートカットすることにした。事前に想定したのは、次のようなケースである。
1.大曲り下車後、螢谷周辺での倒木のため尾根(椿谷西尾根)への取り付きが困難な場合は、バス道を出合橋まで歩き、松尾谷分岐まで中津川林道を歩き、3へ進む。
2.椿谷西尾根に首尾よく乗ることができた場合、標高630m地点からの直谷への下降路が見つかれば、3へ進む。見つからない場合には、判官坂(p697)を経由して樋ノ水峠に出る。時間に余裕があれば、樋ノ水谷を下降して直谷に下り、松尾谷分岐まで行く(3へ進む)。時間がなければ、樋ノ水峠から大岩分岐経由で二ノ瀬駅に下山。
3.松尾谷分岐(直谷松尾谷出合)から松尾谷東尾根(魚谷山南尾根)への取り付きをさがし、うまく乗ることができたら魚谷山をめざす。それができない場合は、樋ノ水谷、樋ノ水峠経由で二ノ瀬に下山。あるいは、時間がなければ、そのまま中津川林道を経由して出合橋まで下山。タクシーをよぶ。
4.魚谷山まで進むことができた場合でも、時間が残されていない場合は、魚谷山から魚谷峠に出て、松尾谷林道経由で中津川出合橋に下山。
5.時間があれば魚谷山から柳谷峠を経由して二ノ瀬にむかうが、途中で必要に応じてショートカットする。可能性としては、芹生峠から車道を貴船口まで歩く。あるいは、滝谷峠から奥貴船橋経由で貴船口まで歩く。
 実際に歩いてみると、1の蛍谷出合から椿谷西尾根に取り付くのは、まったく問題がなかった。植林帯であったにもかかわらず、倒木被害はまったくなく、入り口から古道が尾根に続いていた。マーキングもあり、判官坂まで迷うことなく行くことができそうである。台風被害で長谷からの取り付きが難しくなった現在、判官坂に行くには、この蛍谷出合から入るのが一番よさそうである。
 問題は、2の標高630m地点からの直谷への下降路であった。2万5千分の1地形図には破線路が記されているが、道は消失してしまっている。下降はできるが、急傾斜の下りであるうえ、谷が倒木で埋まっており、通行は危険である。この下降に予想以上に時間がかかってしまった。
 それでも松尾谷・直谷出合には13時すぎに着いたので、予定どおり魚谷山南尾根に取り付くことにした。取り付きはわかりやすく、見つけるのに苦労はいらない。人が通行したあとも残っている。しかし、道があるわけではない。椿谷西尾根にははっきりとした古道の形跡がみられたが、こちらの南尾根にはそんなものはない。また、マーカーやサイン類も、魚谷山山頂近くにならないと、まったくみられない。落ち葉の堆積する尾根をルート・ファインディングしながら進んでいかなければならない。だいたいは細い尾根なので、尾根芯を外さないように歩けば大丈夫だが、時折尾根幅が広くなるところがあり、進行方向の確認を怠らないようにすべきである。
 しかし、逆に言えば、この魚谷山南尾根は京都北山の状態がよく保存されている場所といえる。京都北山に愛着を感じられる方は、一度は登って損はないと思う。
 直谷への下降に時間をくったうえ、南尾根を登るのにも予想よりも時間を要した。歩きやすい尾根とはいえ、道のないところを登るのはやはり時間がかかる。松尾谷・直谷出合から2時間30分かかった計算となる。そのため、魚谷山山頂に着いたのは16時になってしまった。このまま貴船山方面まで行くとなると、山中で日が暮れるので、4を取ることにした。昨年秋に桟敷岳に行って、道に迷い、岩屋橋到着が16時すぎたので、タクシーをよんだことがあった。その時の経験で、中津川出合橋からタクシーで帰れるだろうと思ったのだが、それは甘かった。連休中なので配車不可能だと断られてしまった。
 しかたがないので、京都の町中まで歩いて帰ることにした。出合橋を18時10分すぎに歩き出し、西賀茂車庫に着いたのは20時20分頃だった。くたびれもうけの一日だった。これなら、尾根を芹生峠まで歩いて、貴船口まで出た方がよかったわけである。
 

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コメント

はじめまして
3日は私も魚谷山に登っていたのですが、ニアミスでした。その時は単独行だったのですが、家内に山芍薬を見せるために一昨日、再度魚谷山を訪れたついでに、以前から気になっていたこの南尾根を私も歩いて参りました。感想にかかれておられるように北山らしい自然が残るいいところでしたね。
下りで使うと支尾根に入り込みやすく、私のレコは道迷いの痕跡がありありで恥ずかしいものになってしまいましたが。
それにしても連休中なので配車できないとはつれないですね。西賀茂車庫まで長時間歩行、ご苦労さまでした。
2019/5/13 12:46
Re: はじめまして
 yamaneko0922 さん、こんばんは。コメントありがとうございます。以前から yamaneko0922 さんの山行記録を拝見し、その登山力の高さに感心するとともに、うらやましく思っていました。直接お話する機会が与えられ、よろこんでおります。
 5月3日の記録も拝見しておりました。私が、魚谷山南尾根をのろのろと登っている時に、 yamaneko0922 さんは細ヶ谷を駆け下りておられたのですね。あの時間にあの北山の魚谷山の周辺の空間にいたのは、おそらくわれわれ二人だけだったかもしれません。奇遇ですね。
 魚谷山南尾根は、北山らしいいい尾根です。 北山の魅力をよく知っておられるyamaneko0922 さんに賛同していただいて、意を強くしました。ログを拝見して、下りで最初に支尾根に踏み込まれた箇所は、たしかに迷いやすいところだと思います。私も登りの際に、鞍部から登り着いて、右にいくか左に行くか少し迷いました。ただ、魚谷山の頂上の方角がわかっていたので、支尾根に入ることはなかったですが、下りだと確かにそのまま支尾根に下りてしまっても不思議ではありません。
 記録を拝見して気づいたのですが、南尾根にもマーキングやサインが存在するのですね。私の記録に、かなり上部まで行かないとそういうものはないと書いたのですが、それはまちがいだったようです。ピークハンターさんのサインがあることも写真でわかりました。まったく気がつきませんでした。もっとも、今回にかぎらず、私はピークハンターさんの標示をみつけるのが下手くそで、今まで数えるほどしか見つけていません。
 3年前には、私も連れ合いと二人で、細ヶ谷の山シャクヤクを見に行ったことがあります。今の細ヶ谷の状態だと、連れ合いには難しそうです。なお、今西錦司レリーフのところで、 yamaneko0922 さんが見かけられた団体は、たぶん日本山岳会京都・滋賀支部の「今西錦司レリーフの集い」に参加された方々だと思います。今西錦司は、同支部の創立者ですので、記念行事として毎年おこなわれているようです。
 北山や比良山系のどこかで、またすれちがうかもしれません。どうかよろしくお願いいたします。
2019/5/13 23:29
Re[2]: はじめまして
nagaikazuさん ご丁寧なレスどうも有難うございます。
こちらこそ光栄ではありますが、過分なご評価に歯痒く思わずにはおられません。

>魚谷山南尾根は、北山らしいいい尾根です。
特にp764のあたりがよかったと思いますが、短い区間の間にも林相の変化にも富んでいましたね。新緑の季節に訪れることが出来てよかったと思いますが、秋の様相も気になるところです。

>ピークハンターさんの標示
私も下手くそです。しかもこのp764はかなり平坦なので、どこにピークがあるかGPSがなければわからないですよね。

>今の細ヶ谷の状態だと・・・
もう山芍薬の季節は終わってしまうかと思いますが、もう少しすればかなり通りやすくなっているのではないでしょうか。

>今西錦司レリーフのところで
そうなんですね。教えて頂いて有難うございます。

>北山や比良山系のどこかで
こちらこそ、お遭い出来る機会がありますことを願っております。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
2019/5/14 17:35
プロフィール画像
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