ダイトレ(紀見峠駅〜越ヶ滝分岐〜岩湧山三合目〜根古峰〜岩湧山〜滝畑)
- GPS
- 13:07
- 距離
- 11.1km
- 登り
- 613m
- 下り
- 958m
コースタイム
【ダイトレを歩く人のためのサイトを立ち上げました!】
●ダイトレ Solo Walking Guide http://kupi-fw.com/wp/daitore/
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09:00 紀見峠駅
09:52 越ケ滝分岐
10:40 岩湧山三合目
11:04 根古峰
12:14 五ツ辻
12:52 岩湧山(昼食)13:40
14:50 カキザコ
15:17 新関屋橋
15:27 滝畑ダムバス停
天候 | 雲り |
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過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
【帰】滝畑ダム-河内長野駅駅(南海コミュニティバス) |
コース状況/ 危険箇所等 |
越ヶ滝分岐から岩湧山三合目に向かう途中で、幅の広い林道から左の丸太階段を上るところに道標の無い分岐があります。調子に乗って林道を歩いていると左側の丸太階段を見逃すので注意してください。この丸太階段取り付きから岩湧山三合目まで急な登りが続きます。 ダイトレはしっかりと整備された道なので、危険な個所や迷うようなところはありません。根古峰からアシ谷を通って天見におりる下山ルート、五ツ辻からとも谷を通る下山ルート、いわわきの道、きゅうざかの道、岩湧山から滝畑に向かう途中にある鉄塔75の関電道、すべての分岐点に黄色の小さな木片にマジック書きされた道標がありますので、わかると思います。 |
写真
感想
【プロローグ】
昨年の秋から少しづつ歩いてきたダイトレもいよいよ残り少なくなった。人によっては2日程度で全行程を走破してしまう方もおられるようだが、体力的にも、精神的にもそんなタフさを持ち合わせていない俺は、なんとなく惜しむような気持ちもあって全ルートを細かく区切りながらたっぷりと時間をかけてダイトレを歩いている。
さて、本日は後半戦のメインイベントである岩湧山に登る。東の横綱が「金剛山」だとしたら西の横綱はやはりこの「岩湧山」だろう。紀見峠を挟んで東に不動の横綱「金剛山」、華やかな大関「葛城山」、地味だが玄人好みの関脇「岩橋山」、女子供に人気のある小結「二上山」、変化技の多い序の口「屯鶴峯」といったところか。それに対して、西は横綱「岩湧山」と前頭「槇尾山」の二人だけしかいない。ウーム、ちょっと勝負になりそうに無いなあ。いっそのこと和泉葛城山と滝畑ダムの力も借りるか、滝畑ダムはなんか強そうだし・・・
【紀見峠駅〜越ケ滝分岐〜岩湧山三合目】
紀見峠駅から岩湧山に登るには、大きく二つのルートがある。紀見峠からダイトレに入り、ボ谷ノ池を通るルートと、根古川沿いを歩き越ケ滝分岐からダイトレに登るルートである。両方とも岩湧山三合目で合流してそこから頂上を目指す。距離的には紀見峠からダイトレに入るルートのほうが少し長いような気がするが、越ケ滝分岐ルートは越ケ滝分岐から岩湧山三合目までかなり急な登りがある。
9時ちょうどに紀見峠駅を出発、駅を出てすぐ左の道を歩き、踏み切りを越えて家々を縫うように連なっている道を歩いていくと、左手に高さ3メートル程の四角い煙突のような構造物が川の傍に立っているのが見える。その時は何だか分からなかったのだが、後で調べると紀伊見温泉の源泉であった。右手には南海高野線のトンネルが見える。そこから少し行くと「金剛生駒紀泉国定公園」とかかれた立派な表示板、ここから根古川に沿って越ケ滝方面へ向う。
途中、対岸にかなり大きな山崩れの跡と見られる所が2箇所もあった。川にまで土砂が溢れ、川の水はその上を流れているようだ。そこからさらに行くと右手に大きな鉄塔、左手に小さな小屋が見える、避難所だろうか。越ケ滝キャンプ場と書かれた看板のある分岐地点はもうすぐだ。
越ケ滝分岐で根古川と離れ、右の道を行くとすぐ左手に2度目の鉄塔、ここから登り道が続く。グワシグワシと歩いていくと、途中でセメント道が切れて、杉林の中の土道となり、さらに行くと左手に丸太階段のある分岐に出合う。ここの分岐には道標が無いのでなんとなくそのまま真っ直ぐ土道を行ってしまいそうになるが、ここは左の丸太階段を登る。
ここから岩湧山三合目までは急な登りが続き、一気に汗をかく。途中、道をふさぐように木が倒れてあり、その下を潜るようにして通るような所もあるが、総じて危険な箇所はあまり無い。最後の丸太階段を登ると岩湧山三合目に着く。
【岩湧山三合目〜根古峰】
岩湧山三合目から根古峰は、すぐのところだ。但し、今回は少し注意して歩かなければならない、というのも根古峰にはダイトレプレートがあり、この根古峰のプレートはとても分かり難いところにあるらしいのだ。事前にネットで調べたところによると、このプレートは「根古峰」の表示板のところには無く、道中にポツンとあるようで、進行方向によっては草で隠れて見えないこともあるらしい。また、「根古峰の表示板より東に130mダイトレ道北側」との記載もあり、根古峰に着く手前辺りから目を皿のようにして、右側を注視していたのだが、これが全く見つからないのだ。見過ごしたのかと思い、根古峰に着いたら再度逆戻りして、今度は両側を舐めるように見ながら歩いたのだが、やっぱり見つけることはできない。そんなふうに30分近くその辺りをウロウロし、流石にもう諦めようと思っていたら、前から家族連れが歩いてきたので、ダイトレプレートのことを聞いてみた。すると、どうやら問題のプレートは根古峰の表示板の手前ではなく、表示板の先にあるとの事らしい。ウーム、どうやら「根古峰の表示板より東に130m」ではなく、「西に130m」らしいのだ。ウーム、まあ、ネットの情報にはこういうこともよくある。基本的に利用者側の自己責任なので仕方が無いのだ。根古峰ダイトレプレートは家族連れの言った通り、根古峰表示板を少しいった右側に、ポツンと置かれておりました。
【根古峰〜五ツ辻】
根古峰で随分時間を潰してしまった。先を急ごう。
山と高原の地図では五ツ辻迄の間に「阿弥陀山分岐」という分岐地点があるらしいのだが、それらしい分岐点に「阿弥陀山分岐」の表示は無い。まあ、紛らわしい分岐点には「岩湧山」の道標があるので、阿弥陀山分岐がどこか分からなくても道に迷うことは無いのだが、地図を見ながら自分がどの辺りを歩いているのかは知りたいところだ。大きな分岐が2箇所あったので、最初が「阿弥陀山分岐」、その後が「五ツ辻」だと勝手に想像し、「五ツ辻」を過ぎたからもう少しだ、と思って歩いていたら、目の前に「五ツ辻」の表示板が現れてガクッとした。
五ツ辻は山の中の少し寂しげなところだ。十字路になっているが、左の道は大きな柵がこしらえてあり、立ち入ることができないようになっている。
(さぞかし危険な道なのだろうな・・・)
そう思いながら、歩き始めようとしたら、その辺りで何かガサガサと音がする。びっくりして振り向くと、マウンテンバイクを押したライダーがその柵を乗り越えようとしているところだった。これには仰天した。
(どれだけ険しい道を自転車で来たのだ・・・)
そう思ったのだが、後で地図を見るとその近くまで林道が走っており、多分、彼はその林道を走ってきたのだろう、とすると、先ほどの柵はただの車止めかもしれない。
【五ツ辻〜岩湧山山頂】
五ツ辻を過ぎて少し行くと妙に人が多いところに下りた。いわわきの道分岐地点である。ここからいわわきの道を下ったところに駐車場があり、そこに車を停めた家族連れがわんさかと登ってくるのだ。
さらに行くと右側に廃屋のようなコンクリート作りの建物が見える。何やと思ったら展望台と書いてあった。ただ、正直言ってここからは杉の木が邪魔で、まともに展望などできない。ゴーストホテルのような様相を醸し出し、ちょっと不気味ですらある。横目で見ながらさっさとその場を後にした。
急坂の道の分岐を過ぎ、急な下りを降りていくと、木々を通してログハウス風のきれいな建物が見える。(まさか土産物屋か?)と思ったら立派なトイレでした。
ここから岩湧山山頂はすぐそこだ。見晴らしのよい丘のようなところを登っていく。後ろを眺めると今まで登ってきた山、金剛山、葛城山、二上山などがパノラマのように佇んでいるのが見える。
岩湧山山頂に到達する。なんと眺めがよいのだろう。金剛山の国見城跡など比べ物にならない程の絶景だ。左下のほうに目を遣ると滝畑ダムの青い湖面が見える。1時間後には、あの辺りにいるのだ。
山頂では登山客がみんな昼飯を食っている。俺もザックからカップヌードルリフィルを取り出して食器にゴロンと入れ、サーモスに入れていた湯をかけてふたをすると、3、4分で食べごろの固さのラーメンができあがった。今までカップ麺をそのままザックに入れて持ってきていたのだが、何かとかさ張るし、食べた後の空の器の処置にも困っていたのだが、このカップヌードルリフィルというのはなかなか便利なしろものだ。今後の山行きには、必須アイテムとなるだろう。飯を食った後、レンズを換えて山頂からの写真を「これでもか」という程撮影し、ゆっくりと下山した。
【岩湧山山頂〜滝畑ダムバス停】
下山というのが何となく不毛な行為に思えるのは俺だけであろうか。頂上に立つことだけが目的では無い事は良く分かっているのだが、やはり、下山には惰性の感情が先に立つ。登りと同じぐらいのモチベーションで下山できたら、といつも思うのだが、時間だけを気にしてしまい、あまり記憶のないまま、知らぬ間に下山口に到達していた、ということがよくあるのだ。
さて、そんな下山道であるが、今回、2箇所ばかり特筆すべきところを上げてみたい。
一つ目は下山道脇に咲く山ツツジの群れだ。見頃は少し過ぎていたようだが、緑色の中に突然飛び込んでくる紫色の花はとても美しい。二つ目は水場で鳴く山ガエルである。カキザコから滝畑ダムの間に水場があり、姿は見えないが数引きのカエルがそこで合奏のように鳴いているのだ。
そこからさらに下っていくと舗装道路に出るので、その道を横切って、標識通り山道を下っていくとトイレの裏側に出る。滝畑ダイトレプレートは、トイレの前、ダイトレ表示板のすぐ下にあった。ここからバス停までは10分ぐらいか、川原でキャンプしている若者たちを道路の上から見ながら、ゆっくりとバス停まで歩いて行った。
【エピローグ】
あまり書きたくないのだが、俺が乗った滝畑ダム16:13発バスの出発前に乗客と運転手との間でちょっとしたトラブルがあった。先にバス停に並んでいた乗客はバスが来たので乗り込んでいたのだが、そのバスの運転手が、「この後、河内長野駅直通の臨時バスが出ます。そのバスはこのバスより先に出発します」と言ったので、後から乗り込んでいた乗客達はぞろぞろとそちらのバスに移動した。気に食わなかったのが、先に乗り込んでいた乗客たちである。一人の登山客が「段取が悪い、何故乗り込む前にそのことを知らせないのだ!」と血相変えて運転手に怒鳴っているのだ。運転手の方も「その連絡は今受けたのだ!そこまで言われる筋合いは無い!」とこちらも頭に血が上っている状態である。
けど、はっきり言うが、列の一番先頭に並んでいたのは、この俺だったのだけどね。割りを食ったということで言えば、俺が一番割りを食った訳だ。だけど、もともとこのバスに乗る予定だったのだし、別に出発時間が遅れるでもなく、定刻通り16:13に出るのであれば、先に臨時バスが出ようが出まいが関係無いと思うのだが、何であんなに怒るのだろう。
運転手に怒鳴っていたその人も、数時間前には俺と同じように岩湧山のピークに立ってあの素晴らしい景色を見ていたはずだと思う。その時の優しい気持ちを何故持ち続けられないのだろうか。
帰りのバスの中から見た岩湧山は少しだけ悲しそうに見えた。
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