背振山系)小爪峠〜猟師岩山〜矢筈峠(夜間登坂・テント泊縦走)


- GPS
- 24:50
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 1,261m
- 下り
- 1,260m
コースタイム
2日目)12:25小爪峠スタート-12:45猟師岩山-12:55猟師岩山尾根西端ピーク(休憩15分)-13:30鬼ヶ鼻岩横通過-13:55椎葉峠東(休憩20分)-15:00唐人の舞手前東端ピーク(休憩20分)-15:55矢筈峠-17:00作業林道出会(休憩10分)-17:35車谷登山口-17:55大井出橋
天候 | 1日目)曇り/小雨 2日目)薄曇り〜晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
帰)車谷登山口から大井出橋まで徒歩 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・湯の野バス停から小爪谷登山口への道は狭く不便なのと、周回ルートがとれるので、車谷登山口の手前辺りに駐車するのがおすすめ。小爪谷へ20分以内に連絡できるらしいが、間違って湯の野バス亭まで降りてしまい、残念ながら今回正確なルートを確認できず。 おそらく車谷登山口から通行止めになっているスーパー林道を東へ歩けば、小爪谷登山口から10分ちょっとで到達する林道出会い地点へスムースに行けるのでは?と思われる。 ・小爪峠ルートは、最初は頼もしげな登山道らしい感じだが、一回目の沢渡り後は植林間の小道風。2回目の沢渡りで、道と思われるところは4〜5mも進むとジャングルのようになっていて全く分からない。しっかり防御しておかないと傷だらけになる。 沢を横切ったままに進むと、目印テープが時折あるので(旧道のものもあるので注意)、見落とさないように。それからはシダや茨その他をかき分けながら、何度も沢渡りで道が分かり難い。 崩落も多く、ロープを頼るが、このロープを結んだ木も近いうち倒れると思われる。ナタや鋸、ロープなんかを持っていった方が良いとまで思える。 また途中、まったく登山ルートとは思えない感じの、空沢のガレ場をたどるところが続くので、道ロストかと不安になる。 昔は、一貫して沢の上部をきれいな登山道が続いていたらしいが、今はあっちこっちで崩落しており、何度も沢を渡るのと、その沢からの再取付箇所も崩落しているので、とにかく初めてや雨季は要注意。 ・小爪〜矢筈峠までは、前半は岩場や急登の多い興味深い縦走路。後半はハイキングにもよい、気持ちの良い縦走路。詳細は前回の山行記録に記載。 ・矢筈峠からのくだりは、前回、初コース&夜間だったので、非常に荒れて危険な感じがしたが、あちこちの倒木やある程度の崩落箇所はあるが、逆に人の通りも少なく。水と緑にあふれた自然美が美しいと感じさせるコース。中間地点の林道出会いから上は沢や空沢のガレ場、ザレ場、倒木などを乗り越えるそこそこの急登。すべりと足場がザレ&岩なのでスピードは出せない。 林道より下は、いかにも中・低山の登山道といった感じ。超ハイスピードも可能だが、ちょっとでも滑ったり、バランスを崩すと谷へ転落!!という狭いところも数箇所あるので注意。 小爪峠コースは、プチ冒険好きにはおすすめ。ただし、天候のよい、明るい内に。初めての場合は万一のための装備も忘れずに。 |
写真
感想
今回は、平々凡々な1泊軽登山になると思っていた。
しかし、「天」はそんなこと許してくれようなお人良しでは無かった、いや天だから、正確には「お天良し」だろう。
天はやっぱり“お天気屋さん”なのだ。
せっかく復帰した山行も、3週間行かず&行けず。体調も悪化したままずっと悪かったし、片付けや仕事もあったし… どうせ梅雨時期だし…
が、土曜の午後1時過ぎ。「やっぱり行こう!」「やっぱり泊まり!!」「4時からは登れる。」「登ればきっと具合も良くなる」「7時前には夕食&ビールだっ!」てなことで、いざ、スーパーやホームセンターに買物&パッキング。
が、やはりこういった事には案外時間がかかるものだ。
ガソリンも入れなきゃいけないし、ビールも買わなきゃいけないし…で、車谷の手前の大井出橋という所にあたりを付けて車で到着したのが17時過ぎ。山の方はと見やれば“どんよりどよどよ…”。まあ、梅雨だもの。
いざ小爪谷登山口へプチトラバ! と出発。やはりプチな峠越えて小さな神社を横に見て、じちゃじちゃする山道を越えてゆくと果たして。人家だ!小爪だ!しかし…。あれれー?どこかで見たような車道が…。
なんと湯の野のバス停じゃないか!「何じゃこりゃ〜っ!」。仕方ないので、それから小爪峠登山口へ向かうも、何本も道は分かれていてよう分からん! 折りよくいた道端の老婆に、言葉が通じるか分からなかったが、尋ねてみると、「まっすぐ行って一軒屋の先じゃ。気をつけて行きなっせ!」と教えてくれた。ありがとう、小爪谷のお婆よ。。。
ようよう登山口に辿りついたのは6時過ぎ、森の中はもう結構暗い。気を取り直してスパッツ装着!いざ出発!
前回の背振縦走時、小爪は結構荒れていた…との話を聞いていたが、なんだ、いい感じジャン! 小・中の岩の配置と、絶妙の登り具合。楽しめそうだ。
と思ったとたん、すぐにスーパー林道と出う。だぶん車谷の通行止めの出ている無駄に立派な道に違いない。なぜか案内版に「峠まで100分」だと。増えているじゃね〜か!
いい感じの登山道を、(カラ)意気軒昂に進むと初の沢渡り。砂防ダムへ登り、サイドの擁壁を蟻の門渡りで越えると、今度はなんだか、山菜取りのおばちゃんが通るような道が続き、急に暗くなってきたことと混ざって少々モチベーション下がる。
2度目の沢渡りの手前から少々道が荒れだした。やっぱり…。
ヌルヌル岩の沢を渡ってみたものの、あれれ…、道が…。
対岸に道の入り口と思えるのは2箇所あるのだが、どちらも4mも進むと完全ジャングル!。沢の倒木を越えて行ってみても×。戻って別の沢へも行ったが×。また沢に戻って、ジャングルを突き進むもその先が登山道とは思えずまた戻って×。
相当うろうろ探し回って、もう既に8時を回って真っ暗。疲れもたまって、この時期なので沢の岩が超ヌルヌルのところに、やっぱり足をとられた。 四つんばいになってもスベる。いつもはコンタクトなのに、今日は眼鏡だったのもいけなかった。スッテンコロリンで腕が眼鏡に、眼鏡は鼻に、鼻血がドバーッ!! こんな大出血したの何年振りだ〜ッ!
とにかく顔を何度も洗って血も止まり、仕方なく?再スタート。これしかないと決めてジャングルへ突き進む。茨がザックに、半袖の腕に絡みつく。倒木が引っかかる。全く見えない足元は急に窪んだり岩があったり、傾斜だったり、とにかくもうヨロヨロ。
そんな状態を続けた結果、テープ発見!が古い感じ。とにかく勘で進み続けると、もうないだろうと思っていた沢渡り。それからは何度も沢渡りで、天候と自分の発する息と蒸気でライトも白くけむり、よく見えないため、ルートもなかなか分からない。あっち行ってこっち行ってを繰り返し、滑りまくり。
沢渡りして反対側の尾根側に取り付くときは、崩壊しているので、木の根やロープで登る。途中、完全に空沢のガレ場で、どう考えてもルートとは思えないような場所があって、あちこち探してさまよい10時、11時と過ぎてゆく。諦めてビバークしようかとも思ったが、再度狙いをつけた方向にトライ!と、なんかルートらしくなってきたではないか! やったー!!!
それからもあちこち崩壊して荒れていたが、なんとなく、先日、小爪峠で水汲みの折に見た尾根筋のが持つ雰囲気に通じる感じ。
0時半を回ろうかという頃、なんと「小爪峠10分」の案内板が。最初の林道以来、初の案内板だ。もう言われなくても、誰でも分かる! ふざけやがって。
が、実際は、沢も土の多いグチョグチョ沢で、尾根への取り付きは何処も崩落していて、結構大変だ。
で、小爪峠到着はなんと深夜1時。行動時間8時間近く! こんなの復帰後初めてだゾーッ! もうくたびれた。なにが7時前には夕方食事&ビールだ。もう何も食べたくない。
とブツブツいいながらも、それじゃさびしいので、ビール&食事。寝たのは4時だった。
が、身体の悪いせいで神経に来ているのだろう。なかなか眠れず、うつらうつらのまま、テント内が暑くなって起き出したらまだ8時。もう少し寝たかったので、無理やり1時間弱仮眠。その間通過者の足音3人ほど。
翌朝はうす曇ながら晴れ間が出るとやたらと日差が熱い。疲れた身体でゆっくり縮営して、12半前に出発。
猟師岩山の稜線の西端のピークは改めてすごいな〜と思った。東京から300名山をハントしているという人と会ったが、すごいな〜と同意見。(“鬼ヶ小鼻岩”と呼びたい)。しかしなんと、小爪から猟師岩山まで健康な人と同タイムの20分で行けたことにはびっくりした。
それからも黙々と椎葉峠(西)までオンタイム!。昨夜、あまりに疲れたので椎葉峠から降ろうと思って休憩後、十歩程くだりだしたが、思い返し、矢筈峠まで行くことに。
昨日とは打って変わって天候が回復し、本当に気持ちのよい風のなか歩けた。椎葉峠から上りきった唐人の舞の手前の張り出した尾根のところはあまりに気持ちよく、そのまま泊まりたいと思ったほどだ。
前回、初めて&夜間の登りだけだった矢筈峠ルートは、昼間なら全く危険なことはなかった。ある程度荒れているところもあったり、足場が悪い沢のガレ場も続いたりするが、それだけに人の往来が少ない、水と緑に溢れた美しい所だった。(もちろん雨季は要注意)。
(矢筈峠からの降り口、舗装道の直下ザレ場が急速に荒れている原因のひとつは、舗装道に雨水用の溝があり、その排水を塩ビパイプで矢筈峠へ落としているのだが、その塩ビパイプが折れてしまっているので、雨天時にだだモレ状態のためだと思われる。早く工事して、きちんと導水してね)
乾いた喉を谷川の水で潤しながら、案外速いタイムで無地下山となったが、車谷登山口から、大井出橋までがやたらと遠かった。カチカチの靴だったので、重量装備の舗装道は泣きたくなったよ〜。。
ちなみに、行きは車谷から通行止めになっているスーパー林道を行けば快適だったのだろう。
とにかく、これまで以上に冒険登山、いやサバイバル登山となった。
登り時、健康な人の2倍前後はかかるのだが、今回はなんと3倍! つまり2時間以上はさ迷い回ったことになる。全行程も実際にはプラス2kmくらいあったのかもしてない。だって2時間以上さまよっていたんだもの(泣)
今回の教訓。
・ひと〜つ、ヌルヌル対策を講じなければなりませぬ!
・ひと〜つ、ナタ・ノコ・スコップ・ロープを携行せねばなりませぬ!
・ひと〜つ、エマージェンシーヴィヴィー&ツェルトを用意せねばなりませぬ!
・ひと〜つ、突然の鼻血につめ込むティッシュを用意しておかねばなりませぬ!
要は、とにかく疲れた
ほんとにくたびれた。と、舌の根も乾かぬうちに、お盆頃に御前・釈迦に“天の川&流れ星の下で酒を飲む”登山に行きたいな〜なんて考えているオレの名前は、そう「外戸扉男!(あうとどあお)」チャンチャン♪。
コメント
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先日から毎度の夜間山行お疲れさまでした〜。
いや〜、夜中の1時まで・・よくやられますな〜
と、言いながら楽しく拝見させて頂きました〜
次回も楽しみにしております
はじめまして、heychanさん。
大変お疲れ様でした、heychanさんが小爪峠から
登られている時に出会って立ち話をした者です。
(テントの中で足音を聞かれた一人です。)
夜中に登られている時、ガスがすごくてLEDランプ
じゃ真っ白で全然見えなかったと言ってありましたよね
無事に下山されてなによりでした
コメント有難うございます。
次はもっと面白く!…なんて企んだわけでなく、
また頑張りますっ!!(何を?)
そうですか、猟師山の降りで
山行記録、参考にさせていただいています。
おかげさまで、なんとか生きて帰って参りました
ぜひまた、尾根でお会いしましょう。あのテント見かけたら叩き起こしてください。コーヒーをお入れします(笑)
・・で、鉈&鋸なんですね〜
凄さぁ〜 113
わしゃ〜昔から、鉈・鋸・スコップの三種の神器(+紐)は
枯れ枝とブルーシートで”カマボコ”型テントなんて作ると、結構快適でしたよ〜
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