焼岳から西穂高独標越え 今夏の集大成
- GPS
- 17:37
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 1,875m
- 下り
- 1,393m
コースタイム
- 山行
- 7:47
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 10:12
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ロープウェイで下山後、中の湯の車を回収。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
中の湯登山口からは湿気が多くぬかるむ。 焼岳前後は石がごろごろ危険。ヘルメット着用推奨 焼岳小屋から西穂山荘までの縦走路は樹林におおわれ、前日の雨でぬかるみ多数。 西穂山荘からピラミッドピークまでは登山者が多くすれ違いに気をつかう。 |
その他周辺情報 | ひらゆの森温泉に入浴(500円) 露天風呂の数が多く広くて楽しい。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
調理器具
ライター
地図(地形図)
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ヘルメット
|
---|
感想
前書き
7月8月、今年はたくさんの山に登った。その最後を飾るのが、北アルプスの小屋泊だ。たまたま7月に焼岳を登ったが、今度はそこを起点に西穂高を目指す、北アルプスの主稜線を縦走する。そして北アルプスの盟主、穂高連峰の一角に手をかける意欲的なルートだ。しかもおいしいことにロープウェイを使い下りの負担を軽減。不安だったのは天気はもちろんのこと空振をともなう地震で活発化が懸念される焼岳だ。前回のぼり下山後すぐに地震が起きたようだが、今回も8月21日に観測。念のため、西穂高でもかぶる予定があるのでヘルメットを全行程かぶれるように全員分を確保して臨んだ。
1日目
焼岳登山
東京を8時にでて、鍋平園地で車2台で集合し、片方に乗り込み安房峠の焼岳登山口へ。2時間の仮眠(楽しみと不安で全然眠れなかったが…)ののち、4:30に入山。前回と同じ時間帯だったので暗くても先を知っている安心感。しかも天気は良さそうだ、森の中でもすぐに足元が見えるようになり、木がなくなり開けた広場では焼岳のモルゲンロートが。やがて噴気漂う焼岳核心部へ。メンバーは初めての火山接近を体験するものを多く、これから移り変わる北アルプスの風景の中で、強めの第一インパクトを楽しむ。自分もつい一か月前にここにいたが、やはりその威容に息をのむ。何度きても感動するだろう。前回はこの山頂から雨だったが、今回は曇りでとどまってくれて、軍艦のような巨大な焼岳の山容を下りでもみることができた。
焼岳小屋〜西穂山荘への縦走路
焼岳小屋では上高地の反対側に進んでいく。小屋越しの焼岳も絵になる。そしてここからは未知の道。地図で入念に確認し、西穂山荘まで5つのピークがあると自分の中で設定。長い森の道なのでどこか目印をきめて進むと少しは気が楽になるかと思い。
焼岳小屋から巻道で樹林の稜線にでて、割谷山(これを2個目のピークとした)手前の2229m標までが、岩と土交じりで、急で荒れており、振り返ってみれば一番きつかった。割谷山をまき、気持ちいい森ではあるが、前日の雨でぬかるみ気味のだらっとした道を過ぎると中間の池(この先を第3ピークとした)。ここで昼食。メンバーは疲労困憊気味だが、食事で若干回復。さらに、池の先の稜線からしばらく見えなかった穂高連峰がドンと現れ、かなり近づいてきたことがわかった。ここで一同の気分が一新。2181mのピークを越え、登りに入る。きぬがさの池を右手眼下に最後の登り、丘程度の起伏ながら、疲れた体にはとどめ。ヘロヘロになりながら上高地分岐を越えると、道は一気にやさしくなり、西穂山荘へ到着。夕食の5時半までの数時間の充実感。焼岳登山と主稜線の縦走という日帰り登山ではできない豪華な1日だった。西穂山荘は初めての小屋泊の人にも丁寧に案内してくれるし、設備もきれい、本のコーナーも充実、あっという間に消灯時間が近づいた。明日のアルプス感を最高に味わえる岩稜が楽しみでまた眠れぬ夜はすぐ明けた。
2日目
日の出
3:30起床。4:15には丸山にむけて軽装で登山開始。前日のオーナーの気象予報ではご来光はガス次第となっていたが、ガスは少なめ。丸山の手前の好展望地で日の出をまつ。東側の雲が気になるが、次第に赤くなる。地平線からの日の出は見えなかったが、代わりに前穂高と明神の間からピカッと太陽が顔を出す。ダイヤモンド穂高だ。その前の刻一刻とかわる西側の空、西穂高・焼岳のモルゲンロートも息をのむ。すばらしいトワイライトを堪能し、いったん小屋へ。朝食後、不要な荷物をサブザックにまとめ、装備を整え、西穂高へといよいよ進む。
ピラミッドピークへ
明るい道を上々の気分で丸山をあっさり通過。青い空に雲、動きの速いガスが穂高連峰の景色を飽きさせない。独標手前の急登はさすがに前日の疲労と睡眠不足で息を切らされたものの、高度を上げてからの絶景で一気に疲れを忘れる。独標直下の岩場は多少緊張したもののすぐに独標に到着。笠ヶ岳方面の岐阜県アルプス、穂高連峰の核心部、西穂高へのギザギザ稜線、焼岳からたどった稜線と西穂山荘、360度の展望は素晴らしかった。しかしギザギザの稜線、これをみて一同怖くなった。というよりも集中力が続くか不安になった。おそらく全員西穂高岳の頂上まではいけるだろう。問題は戻りだ。登りより下りの岩場は神経を使う。それがここから往復3時間。うーん…ということで判断基準を8峰のピラミッドピーク、4峰のチャンピオン、ここで戻るかを協議しようということで先に進む。
独標までは初心者okといわれているが、たしかに拠り所のある岩場。しかし独標から先はやせ尾根や足のかけ場に困る斜めに切り立つ岩をはじめ、難易度が変わった気がする。楽しいが、帰りのこともよぎる。10峰・9峰を越え、ついに形の整ったピラミッドピークに。景観は変わった、独標が足元に。しかしそれ以上に西穂高がまだまだ上に…。一同で決断。もう十分、ここまで。これだけの天気と景色に恵まれ、いい意味で気持ちが切れたというか充足したというか…この8峰までで3分の1、この2倍岩場があると思うと、やはり戻りが心配。全会一致で引き揚げた。そのかわり独標とピラミッドピークでは考えられないくらい長い時間、絶景を堪能できた!!
帰路
決断は正しかった。そう思わざるえないほど、独標は混雑していた。すれ違いは困難を極め、独標までの急登ですら、ロープウェイから続々と登ってくる日帰り組とのすれ違いで待ち時間が発生。これが昼をすぎたらもっと混雑するだろう。おまけにガスがしつこくとどまるようになってきた。まぁ登れなかったことへの合理化かもしれないが、引き返したことへの後悔はメンバーにはなかったと思う。大満足で山荘へ戻り、名物のラーメンを食べ、余裕の下山。ロープウェイも中途半端な時間ということで空いており、だんだんと近づく下界を楽しんだ。
車を回収後、名湯平湯温泉を楽しみ、もう一台も回収し、関東へ帰還。
天気に恵まれ最高の縦走となった。焼岳への再訪、稜線の縦走、そして岩稜帯、北アルプスの魅力をあますところなく味わえた、この夏の集大成となった。
また行こう、そして形を変えて。もう一度西穂高へアタックするもよし、季節を変えてもよい。ちょっとコースを変えてもきっとまた感動するだろう。まだ見ぬ北アルプスの別の顔が私たちをまっている。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する