庚申山・鋸山・皇海山縦走・コウシンソウとハクサンイチゲの山旅
- GPS
- 30:29
- 距離
- 29.9km
- 登り
- 3,182m
- 下り
- 2,472m
コースタイム
6月20日:4:30山荘出発-5:43庚申山−6:36駒掛山−7:58剣ノ山(ハクサンイチゲ)−8:20鋸山−9:14不動沢のコルー10:12皇海山10:24−10:55コルー11:51鋸山−13:45駒掛山−14:02庚申山−15:05庚申山荘−15:35出発−16:19一の鳥居登山口ー16:25MTB回収・出発−17:05原向駅
天候 | 6月19日:曇、20日:曇時々晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
お山巡りは危険とされているが、岩場に慣れていればさほど危険な箇所はない。コースの記録を研究して道に迷うわないように注意すべき。踏み後を見失いやすい箇所有。鋸山に向かう尾根は6月のコウシンソウの時期、他の花も多く咲いている。イワカガミ、イワザクラ、キバナノコマノツメ、シャクナゲ、シロヤシオなどのほかに剣ノ山付近の岩場の陰にハクサンイチゲも見られた。 |
写真
感想
庚申山・鋸尾根・皇海山MTB花ハイク
梅雨の合間、庚申山のコウシンソウが開花しているという情報を得て、訪ねてみることにした。土曜日は雨がちなので日曜日に出発、月曜日に皇海山までいって見る予定。
北千住駅でいつものボトルを忘れてきたことに気づき、あわててペットボトルでスポーツドリンク二種を購入。今日はいつもの通洞でなく、一つ前の原向で下車。始発で出て北千住で東武伊勢崎線に乗り換え、大田駅で赤城線までMTBを持って走って乗り換えるといういつものやり方で9時20分ころ原向に。トイレを済ませMTBを準備して9時半に出発。銀山平に向かう林道庚申線まではさほどの登りでなかった。
林道に入ってからもはじめは傾斜はさほどでない。次第に傾斜を強めていくが、7−11k/hくらいで進めた。山アジサイが沿道に咲き、撮影。出発から15分くらいで庚申ダム事務所を通過。10時ころ、小滝の里通過、銀山平まであと1.3km。続けて小滝鉱跡、精錬所、選鉱所あと、鉱夫浴場跡などを通過。
10時19分猿田彦神社、21分銀山平公園、22分、69丁目の丁石を見つける。25分庚申の湯かじか荘通過、 ゲートに出る。すでに多くの車が駐車している。私を途中で追い抜いた車もあり、ハイカーが出発の準備をしていた。ここまで一時間。歩くより30分早い。ゲートを超えて10時半、行動食を補給して再出発。舗装道路が終わり、一の鳥居まで2.5km。銀山平1.3kmの表示。苦しいダートの登りを頑張り、10時48分、天狗の投石通過、それからはダートの傾斜がきつくなり、また大石が多く、登り難いので押しが多くなる。20分ほど苦しい押しに耐え、最後は少し乗車して11時20分、登山口。
MTBをデポしようと駐車場に出たら、MTBや折りたたみ自転車など数台がすでに停めてあった。
11時22分出発、荷物がズシリと重い。水場を確認しながらゆっくり進む。ゲートで準備していたハイカー氏に抜かれた。荷物が軽そう。30分くらいで百丁目の丁石通過、12時5分過ぎ、出発から40分で鏡岩に出でた。さらに夫婦蛙、仁王門を通過、12時47分、猿田彦神社跡の分岐に出た。数組のハイカーが休憩していた。ここはお山回りや庚申山、山荘などへのハイカーの通り道。通行が多い。1時ころ山荘到着。荷物を置いて昼食準備。お湯を沸かして味噌汁を沸かし、弁当の半分を食べた。半分は明日用。私の一泊登山の方程式。二時前、軽装でカメラと水、行動食を持って出発。
猿田彦神社跡分岐まで戻り、宇都宮大学の嶺峰山荘脇からお山回りコースに入る。入口で間違った。戻って正しい道を発見。ぐんぐん高度を稼ぐ。ガスが多く出て来た。尾根のような場所に出るとシロヤシオがまだ散り残っていた。シロヤシオの草原から14時10分過ぎ、岩場に差し掛かった。最初の岩場ではイワザクラは咲いていたが、コウシンソウはない。
14時20分、大きな岩が林立する場所で最初のコウシンソウ。表側にはほんの数輪、単独で咲いていたが、裏側に回ると別のハイカーのザックが置いてある。この先に多くの群落があるらしい。下から上ってきた別のハイカー(夫婦?)も写真を撮り始めた。裏側に回ると大きな岩にコウシンソウとサクラソウがびっしりついている。イワハタザオも開花していた。オリンパスペンでたくさんの写真を撮った。上のほうにへばりついている大きな群落も望遠レンズで撮った。30分近く、100枚近い写真を撮り、2時46分過ぎ、出発。イワザクラ、イワキンバイ、サラサドウダン、ハンショウヅル、シャクナゲなどの花を眺めながら林立する岩山を登ったり下ったり、狭いところを鉄梯子や鎖、ロープなので行ったりきたりを繰り返し、なかなか抜けられない。見覚えのある鉄梯子などを上るとこれも見覚えのある岩山の上に出た。両方が切れ落ちている細長い岩場の上の道が途切れている。どこに道があるのか、キョロキョロすると岩の切れ込み乗せ間合いところに鎖が見えた。鉄梯子がそこにあり、ここが出口。3時26分にようやくめがね岩。小休憩して水と行動食を補給し、15分くらいで庚申山との分岐にようやく到達。そこから鉄梯子などのある急なくだりを一気に下山し、16時過ぎに山荘に戻った。戻ると山荘前の休憩所に6人くらいの二組のハイカーが休憩中。いったん山荘に戻って荷物を置き、中にいるご夫婦と少し話をする。ややり今日泊って、明日皇海山を予定。外の二組は今日行ってきて一組は六林班を経由、しかし笹薮が深く大変だったらしい。もう一組は昨年同じことで苦しまされ、今回は六林班に回らず、そのまま鋸尾根を往復したようだ。私も降りていって二組の話を伺った。なんとか笹薮を突破した三人も相当疲れ果てた様子。最近、そこで遭難者も出て、刈り払いの要請が出ているが、まだできていないらしい。GPSも深い藪の中ではあまり役に立ちそうもない。三人の目でふみ後を追いながら赤テープを探し、なんとか切り抜けたらしい。山荘の黒板にも、刈り払いがまだできていないので、藪がひどく、勧められない旨の注意書きがあった。
山荘に戻り、着替えとぬれた下着類を干し、寝床を準備。今日は一階の布団がやや湿り気味なので、二階に布団をしいておいた。決行冷えるので後から掛け布団と毛布を足した。ここは持ってきた寝袋は不要だった。
食事の準備をしながら再び、その夫婦と明日の話に。またもう一組もやってきて、三組がテーブルで食事の支度。最後の二人は足尾から備前楯山を経て庚申山荘まで来た。関東ふれあいの道を中心に歩いているという。高山が体に合わないのでふれあいの道をほとんど歩いたという。私はご飯(えびピラフ)のほかにレトルトビーフカレーと牛丼を温め、お二人にもおすそ分け。明日はやはりリスクを避けて鋸尾根往復になりそう。別の二人は明日庚申山・お山回りなので、少しアドバイスをした。コースの距離は短いのに意外とわかりにくく、意外性のあるコース取り、時間が思った以上にかかるのが特徴。皇海に行く老夫婦は茨城から車できている。ご主人はさまざまな山を歩くベテランで海外の山も計画を立てて参加者を募って山行ツアーを企画したりしている行動派。たたヘビースモーカーで肺炎で二度危ない目にあったと奥さんが渋い顔だが、ご主人は死んでもタバコは止めそうもない。食事の後明日の準備。弁当箱にコンビに弁当の残りと缶詰の魚の残りをつめ、水やカメラ、地図、GPS、雨具などを用意して備えた。山荘の外にはすごいバイオトイレができている。自家発電で電気もつき、すごい音がしているが、それもタイマーがあるらしく、8時前に消えた。ご主人のほうがバルコニーでタバコを吸うので一本いただき、1年ぶりの喫煙。やはり私はタバコが嫌いでない。鹿も時々現れ、じっと山荘の住人を見つめている。明日は早いので床についた。雨は降り出しそうもなかった。
庚申山・鋸山・皇海山MTB花ハイク(2)
昨晩、いつもより遅くまで起きていたーーご主人と話が弾んだためだが、9時には寝ていたはず。しかしおきたのは3時過ぎ、あわてて起き出して朝ごはんを準備。その合間に着替えて二階の布団を片付け、食事を済ませて準備が整うとすでに4時半、30分遅れた。ご夫婦はその後起きてきて、私が出てすぐ後、追いかけるように出発されたよう。下から上ってくる音がしている。5時半ころ、庚申山山頂直下の岩の裏にあるコウシンソウを撮影しているうちにお二人が追い抜いていった。
5時43分、山頂に出ると二人の姿はない。すぐその先の展望台に向かうとお二人が皇海山、鋸山を見ながら話をしていた。薬師岳と鋸の位置などを確認していた。ここから3人の道中が始まる。6時4分、御岳山、6時28分、駒掛山、36分、渓雲岳、薬師岳7時5分、ご主人は途中で、息が切れて苦しそうだったが、本来はベテランで足も速い。技術経験は私以上だろう。ただタバコのすいすぎによる肺炎の影響だろうかーー。しかしこれからご主人も奥さんも頑張ってけして予定より大幅に遅れることはなかった。大変だったと思うがーー。シャクナゲの中を抜け、ミツバオウレンが咲き乱れるすばらしいやせ尾根を進む。7時半、白山、ここから「蟻地獄」と呼ばれる鉄梯子と鎖を使った断崖の登り降りが続く。周辺ではイワカガミが咲いている。ここから鋸山の先までイワカガミとミツバオウレンの群落が断続的に続く。さらにキバナノコマノツメも現れる。さらに7時58分、剣ノ山の手前の右の断崖側の岩陰に見慣れぬ白い花を見つけた。ご主人に尋ねるとハクサンイチゲだという。素晴らしい!ハクサンイチゲも見られるのか!すごい尾根だ残念ながら岩場の陰に咲いているので撮影がうまくできない。岩場に身を乗り出して撮影するが、だめだった。鉄梯子、鎖で垂直に近い絶壁を下れば登るの繰り返しで鋸山に近づいてゆく。花畑と絶壁の繰り返しの中、8時20分過ぎ、鋸山(1998m)に到達。振り返れば鋸尾根のすごい絶壁が見え、これを超えてきたのだという感慨。向こう側には皇海山が大きく見える。問題の六林班峠方面も見えるがどこが峠か判断つかない。とうとうここまで来た。ご夫婦は疲れはあるものの、まだまだやる気十分。しばらく水分と行動食を補給して休んで8時半前に出発。不動沢のコルまで標高差150m近く下る。相変わらず花畑が素晴らしい。しかしコルに近づくと植生が変わって笹原状。岩稜地帯の高山植物は陰を潜める。9時14分、コルの到着。いきなり他のハイカーが現れた。皇海山の最短ルートである群馬側の皇海橋からのハイカーだ。聞くと一時間でここまでこれるという。庚申山から北というと驚いていた。しかし鋸尾根は高山植物が素晴らしく、歩きがいのある価値ある尾根だ。
小休止の後、笹とコメツガ、ダケカンバの混じるシラビソ林などの草原と森林の中を黙々と進み、二三回の小休止だけで10時12分、山頂に出た。山頂手前で名物の鹿の頭の骨が置かれていた。花はミツバオウレンとミヤマカタバミ以外はほとんど見かけなかった。ついにやりました!ご夫婦も感激、感慨ひとしお。私がいなければ途中でくじけて、ここまで来れなかった、と感謝された。山でこんなに感謝されるとは思っても見なかったが、うれしかった。ここで昼食。昨夜用意した弁当をすべて平らげ、バナナと国産グレープフルーツを少し食べて、鋭気を養った。山頂はハエなどの虫がすごく、すぐに下山開始。10時55分、不動沢ノコル、ここから鋸山への登り返しがひとつの難関だが、急斜面をひたすら登る。木の幹や根っこにつかまりながら標高を稼ぎ、最後は岩場の急登で11時51分、鋸山に戻る。ここまでまったく順調。予定通り。ご夫婦も達成感で気力充実。問題なさそう。薬師岳までの岩場をクリアすれば、安心できる。早朝の予想と違って晴れ間が出て水が余計に必要になったため、水が足りるかどうかだけが大きな問題。不動沢のコルで下方来たハイカーに尋ねると急坂を下までくだらないと水が得られそうもないようだ。他は六林班峠まで出ないと得られない。しかしここまでくれば何とかなりそう。まだ少し水も残している。
11時59分、剣ヶ山、12時34分、白山、12時42分、イワザクラの谷、12時45分、薬師岳、13時22分、駒掛山、13時45分、御岳、14時2分、庚申山。御岳の辺りで奥様がもうここまで来たらどうにでもなるので、先に行ってくださいといわれて先に進む。それでもお山回り分岐の少し下で、残りの食料を食べていたら追いつかれそうになり、山荘の少し上の水場で水を補給していたら追い越された。ご夫婦は元気でよかった。相当な体力の持ち主。
山荘に3時過ぎに到着。こちらは山荘内で食事を準備して、帰りの準備をしている間にご夫婦は外で簡単に食事を済ませ、私より先に下山。私はかなり脱水気味で、カップヌードルにお汁粉、スープに残りのカレーなど片付けて、帰り支度。山荘には私以外にもうひとつのザック、今日下から登ってきた女性のもの、一人で泊るらしい。鋸尾根の花を楽しみにしているそうだ。雨が降らなければ皇海山まで行くらしい。しかし六林班峠の笹薮情報は知らなかったらしく、感謝された。3時34分過ぎ、出発。下山開始。ひたすら下山、ご夫婦を追いかけるもつかまらず、鏡岩を経て登山口まで45分。4時19分到着で、ここでご夫婦の後姿を見る。MTBを準備して、荷物を整理して出発。すると山荘で見かけた数人のご一行が林道を下っていた。挨拶して通り過ぎると、自転車を置いていた人だと話をされる。さらにその下でご夫婦に追いつき、お礼を相互に言ってお先に。はじめはダートで慎重に下り、舗装路に出てからはスピードを増す。一人下山中のハイカーを追い抜く。挨拶し、皇海山までいったのか、と尋ねられ、そうだと答えると尊敬のまなざし。今日は疲れたが晴れやかな気分、一気にゲートまで下り、さらに駅に向かって時速5−60kmで爆走。なんとか5時前に原向駅に到着、MTBをたたんで、帰りの時刻表を携帯で調べる。17時26分の電車に乗り、相老で30分以上特急を待たねばならないが仕方ない。もう体力は限界。相老に18時30分過ぎにつき、特急券を購入し、改札の外を見ると食べ物やがある。ここでビールを飲んで待つことに。ビールとつまみ(冷奴)で525円、良心的!。特急と千代田線乗り継ぎ、帰宅は10時すぎ。足尾は遠いのだ。時間的には会津に行くのと変わらない。しかしよい山旅をしたと満足できる。あのご夫婦、無事に茨城まで帰れたかな?
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する