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Yamareco

記録ID: 209056
全員に公開
ハイキング
八幡平・岩手山・秋田駒

秘密の花園 裏岩手縦走路を乳頭温泉郷へ(八幡平〜畚岳〜諸桧岳〜嶮岨森〜大深岳〜関東森〜曲崎山〜大白森)

2012年07月21日(土) 〜 2012年07月22日(日)
 - 拍手
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
25:15
距離
41.2km
登り
1,674m
下り
2,428m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

7/21(sat)
11:50 八幡平バス停
12:20 八幡平山頂
12:35 八幡平バス停
12:55 裏岩手縦走コース入口
13:15 畚岳
14:05 諸桧岳
14:30 石沼
15:30 嶮岨森
休憩
15:40 出発
16:10 大深山荘
16:40 三ツ石-八瀬森分岐
17:40 P1283
18:20 関東森
18:45 八瀬森山荘〈泊〉

7/22(sun)
05:30 八瀬森山荘
07:10 曲崎山
07:55 大沢森
08:30 P999
08:40 ルートミスに気づき引き返す
09:05 P999復帰
09:35 大白森避難小屋
10:25 大白森
10:55 小白森山
11:15 鶴の湯分岐
11:17 P1101
休憩
11:45 出発
12:10 P1063. 4
12:25 蟹場分岐
13:00 蟹場温泉
天候 7/21(土)曇り時々晴れ
7/22(日)曇りのち晴れ
過去天気図(気象庁) 2012年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
田沢湖駅から八幡平まで羽後交通のバスを利用
09:20 田沢湖駅
11:36 八幡平頂上

乳頭温泉郷から田沢湖駅まで羽後交通のバスを利用(一時間に一本)
14:30 乳頭温泉
15:17 田沢湖駅
http://www.ugokotsu.co.jp/ug/rosen/rosenmei.html#03
コース状況/
危険箇所等
◆八幡平周辺は遊歩道がきれいに整備されていて、観光地感覚で散策を楽しめる。
◆畚岳〜大深岳まではなだらかな稜線を歩きながら、点在する池沼やオオシラビソの森の風景を堪能できる。登山道はしっかりと刈り払いされていて歩きやすい。
◆[八瀬森ー三ツ石分岐]〜P1233までは秘密の花園。やや薮漕ぎするがニッコウキスゲの群落に会える。道は泥濘多し。
◆関東森〜大白森山荘は深い森。基本的に倒木や軽い藪漕ぎの連続。泥濘多し。スパッツ着用でも草に付着した朝露で靴が浸水する。
◆大沢森から先、P999付近で南西方向の尾根に誘導されるので注意。ピンクリボンが有るが、薮で全然道らしくないのでコンパスやGPSを活用することをおすすめする。
◆大白森〜蟹場温泉はよく整備された登山道。

下山後は乳頭温泉郷へ。
今回立ち寄った蟹場温泉は日帰り9:00〜16:30 500yen.
http://www.nyuto-onsenkyo.com/
JR田沢湖駅からバスに揺られて二時間半。
ようやく八幡平に到着。
ぼちぼち歩きはじめることにする。
JR田沢湖駅からバスに揺られて二時間半。
ようやく八幡平に到着。
ぼちぼち歩きはじめることにする。
"ようこそ八幡平へ"
なんて言ってたように見えた
ミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科)
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"ようこそ八幡平へ"
なんて言ってたように見えた
ミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科)
テラスで昼食を採っている人たちが多かった。
テラスで昼食を採っている人たちが多かった。
八幡平山頂は観光地な気分。
僕の装備が少し大袈裟に見えるのか、
"あらま、クマ鈴なんて付けちゃって"
なんて声がどこからともなく聴こえてくる(笑)
2012年07月24日 20:42撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
1
7/24 20:42
八幡平山頂は観光地な気分。
僕の装備が少し大袈裟に見えるのか、
"あらま、クマ鈴なんて付けちゃって"
なんて声がどこからともなく聴こえてくる(笑)
場違いな感じがしてきたので、そそくさと退散しま〜す。
* ̄(エ) ̄)ノ出てきても知らないからね。
2012年07月24日 20:17撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
7/24 20:17
場違いな感じがしてきたので、そそくさと退散しま〜す。
* ̄(エ) ̄)ノ出てきても知らないからね。
気を取り直して畚岳1577.8へ向かう。
気を取り直して畚岳1577.8へ向かう。
登山口まで少し舗装路歩き。
振り返ると天気が良い。
登山口まで少し舗装路歩き。
振り返ると天気が良い。
登山口には立派な『裏岩手縦走コース』の案内板があった。
今回歩くS字ルートを目で追ってみる。
諸桧岳(モロビダケ)
大深岳(オオブカダケ)
八瀬森山荘(ハッセモリ)
どう読むのか悩んでいたが、これで解決。
※ただし、『東北の避難小屋150』では八瀬森(ヤセモリ)となっている。
登山口には立派な『裏岩手縦走コース』の案内板があった。
今回歩くS字ルートを目で追ってみる。
諸桧岳(モロビダケ)
大深岳(オオブカダケ)
八瀬森山荘(ハッセモリ)
どう読むのか悩んでいたが、これで解決。
※ただし、『東北の避難小屋150』では八瀬森(ヤセモリ)となっている。
まずは畚岳から行きますか。
まずは畚岳から行きますか。
畚岳山頂より樹海ラインを俯瞰する。
畚岳山頂より樹海ラインを俯瞰する。
畚岳からの下り。
オオシラビソの森が広がる。
これぞ八幡平的風景かも。
3
オオシラビソの森が広がる。
これぞ八幡平的風景かも。
白い骨みたいな木が怪しい雰囲気を醸し出している‥
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白い骨みたいな木が怪しい雰囲気を醸し出している‥
ワタスゲ(カヤツリグサ科)
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ワタスゲ(カヤツリグサ科)
モミジカラマツ(キンポウゲ科)
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モミジカラマツ(キンポウゲ科)
諸桧岳山頂1516
2012年07月24日 11:06撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
7/24 11:06
諸桧岳山頂1516
山頂と言っても、こんなにゆる〜い登山道が続く。
2012年07月24日 20:18撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
7/24 20:18
山頂と言っても、こんなにゆる〜い登山道が続く。
ゴゼンタチバナ(ミズキ科)
ゴゼンタチバナ(ミズキ科)
池沼に白い花が点在している。
よーく見たら‥
2012年07月24日 20:19撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:19
池沼に白い花が点在している。
よーく見たら‥
ミツガシワ(ミツガシワ科)
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ミツガシワ(ミツガシワ科)
ハクサンシャジン(キキョウ科)
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ハクサンシャジン(キキョウ科)
トウゲブキ(キク科)
P1481から見えるきれいな形の池沼。
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P1481から見えるきれいな形の池沼。
鞍部から嶮岨森1448.2を見上げる。
東側の切れ落ち方はハンパじゃないのね。
鞍部から嶮岨森1448.2を見上げる。
東側の切れ落ち方はハンパじゃないのね。
クルマユリ(ユリ科)
オニアザミ(キク科)
嶮岨森の鋭角な頂。
西側の眺望はいまいちかも‥
西側の眺望はいまいちかも‥
稜線上は強い風が吹き抜けるが、前方に見える鏡沼は波ひとつ立っていない。
"鏡"ってだけのことはある。
稜線上は強い風が吹き抜けるが、前方に見える鏡沼は波ひとつ立っていない。
"鏡"ってだけのことはある。
ハクサンシャクナゲ(ツツジ科)
ハクサンシャクナゲ(ツツジ科)
大深山荘に到着。
中に人が居たので、ちょっと覗いてみただけ。
時間と体力にまだ余裕があったので、今日は八瀬森山荘まで行ってみることにした。
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大深山荘に到着。
中に人が居たので、ちょっと覗いてみただけ。
時間と体力にまだ余裕があったので、今日は八瀬森山荘まで行ってみることにした。
ちょっと期待はずれだった大深岳1541の山頂。
眺望はまったく無し。
ちょっと期待はずれだった大深岳1541の山頂。
眺望はまったく無し。
ここが三ツ石山荘と八瀬森の分岐。
三ツ石山荘までは4.7kmだけど、八瀬森方面は距離数が書かれていない。
嫌な予感‥
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ここが三ツ石山荘と八瀬森の分岐。
三ツ石山荘までは4.7kmだけど、八瀬森方面は距離数が書かれていない。
嫌な予感‥
予感的中!
人がほとんど歩かないのか、薮漕ぎのはじまり。
2012年07月24日 20:19撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:19
予感的中!
人がほとんど歩かないのか、薮漕ぎのはじまり。
でも薮を抜けると、そこには楽園が広がっていた。
2012年07月24日 20:20撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:20
でも薮を抜けると、そこには楽園が広がっていた。
こんな見事なお花畑に誰もいないのだ。
2012年07月24日 20:20撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:20
こんな見事なお花畑に誰もいないのだ。
高層湿原に咲き誇るニッコウキスゲ。
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高層湿原に咲き誇るニッコウキスゲ。
この風景、秋田駒に負けてないかも。
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この風景、秋田駒に負けてないかも。
見渡すかぎりの
2012年07月24日 20:21撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:21
見渡すかぎりの
ニッコウキスゲの
2012年07月24日 20:21撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:21
ニッコウキスゲの
お花畑に
2012年07月24日 20:22撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:22
お花畑に
心躍る [[heart]]
2012年07月24日 20:23撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:23
心躍る [[heart]]
ヤブは薮でもこんなウキウキするヤヴならOK!
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ヤブは薮でもこんなウキウキするヤヴならOK!
僕はこの場所を勝手に”秘密の花園”と呼ぶことにした。
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僕はこの場所を勝手に”秘密の花園”と呼ぶことにした。
名残惜しんで秘密の花園を振り返る。
また来るよ‥
2
名残惜しんで秘密の花園を振り返る。
また来るよ‥
美しき薮漕ぎかな。
そして草原を駆け抜けるよろこび。
1
そして草原を駆け抜けるよろこび。
最後のサイゴにまたまた出てきてくれた。
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最後のサイゴにまたまた出てきてくれた。
サンカヨウ(メギ科)
そろそろ森に光が届かなくなってきた。
関東森P1154
そろそろ森に光が届かなくなってきた。
関東森P1154
相変わらず鬱蒼とした薮漕ぎが続く。
ミズバショウの藪漕ぎは贅沢すぎないか?(困った)
1
相変わらず鬱蒼とした薮漕ぎが続く。
ミズバショウの藪漕ぎは贅沢すぎないか?(困った)
倒木もありまくり。
2012年07月24日 20:23撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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倒木もありまくり。
深い森を抜けて、再び湿原に出た所で空を仰いだ。
山荘は近い。
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深い森を抜けて、再び湿原に出た所で空を仰いだ。
山荘は近い。
日の入り前に八瀬森山荘に着いた。
1
日の入り前に八瀬森山荘に着いた。
小屋の周囲には大きなフキが生えている。
こういうフキを見ると秋田に帰ってきたという感じがする。
ちなみにストックの長さは115cm
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小屋の周囲には大きなフキが生えている。
こういうフキを見ると秋田に帰ってきたという感じがする。
ちなみにストックの長さは115cm
小屋の中は暗いので、入り口にでんと座り込んで夕食にした。
森が闇に包まれたら寝るだけだ。
(つ∀-)オヤスミー
小屋の中は暗いので、入り口にでんと座り込んで夕食にした。
森が闇に包まれたら寝るだけだ。
(つ∀-)オヤスミー
翌朝、出かける前に撮った八瀬森山荘の内部。
トイレは二階にある。
翌朝、出かける前に撮った八瀬森山荘の内部。
トイレは二階にある。
広くていい小屋だった。
また来るよ。
ちなみに水場は歩いてすぐの湿原の端に有り。
広くていい小屋だった。
また来るよ。
ちなみに水場は歩いてすぐの湿原の端に有り。
* ̄(エ) ̄)ノ←かもね
濃霧に包まれている。
霧が木々の葉に当たって時折ぼつぼつと水滴が落ちてくる。
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濃霧に包まれている。
霧が木々の葉に当たって時折ぼつぼつと水滴が落ちてくる。
曲崎山を登る途中で振り返ると、雲海が広がっていた。
僕は雲海の深い底に沈んでいたんだ。
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曲崎山を登る途中で振り返ると、雲海が広がっていた。
僕は雲海の深い底に沈んでいたんだ。
秋田駒ヶ岳は天空に浮かぶ島みたいだ。
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秋田駒ヶ岳は天空に浮かぶ島みたいだ。
手前は小畚〜P1448.1〜三ツ石山だろうか。
後ろは岩手山?
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手前は小畚〜P1448.1〜三ツ石山だろうか。
後ろは岩手山?
曲崎山山頂1333.8m
ここまでの登りがこの縦走路最大の急傾斜かも。
標識、破壊されているけどやっぱり、
* ̄(エ) ̄)ノ←だよね
2012年07月24日 20:24撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
7/24 20:24
曲崎山山頂1333.8m
ここまでの登りがこの縦走路最大の急傾斜かも。
標識、破壊されているけどやっぱり、
* ̄(エ) ̄)ノ←だよね
曲崎山を下りはじめると正面に秋田駒ヶ岳が見えてきた。
そしてジメジメした深い雲海の底にまた沈んで行くのだ。
やれやれ。
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曲崎山を下りはじめると正面に秋田駒ヶ岳が見えてきた。
そしてジメジメした深い雲海の底にまた沈んで行くのだ。
やれやれ。
またジメジメしてきたよ〜
2012年07月24日 20:24撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:24
またジメジメしてきたよ〜
大沢森1178m
ここもやられてる
* ̄(エ) ̄)ノ←この方だろう
2012年07月24日 20:25撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
7/24 20:25
大沢森1178m
ここもやられてる
* ̄(エ) ̄)ノ←この方だろう
雲海の底。
ドロドロでジメジメの藪漕ぎになってきた。
雲海の底。
ドロドロでジメジメの藪漕ぎになってきた。
見上げると、きれいなんだけど。
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見上げると、きれいなんだけど。
ヤマアジサイ
実はこの花に目を奪われてルートミスに気がついた。
P999から南西に伸びるかなり急傾斜の尾根をいつのまにか下っていたのだ。
地図上ではかなりゆるい道が続くはずなのに。
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ヤマアジサイ
実はこの花に目を奪われてルートミスに気がついた。
P999から南西に伸びるかなり急傾斜の尾根をいつのまにか下っていたのだ。
地図上ではかなりゆるい道が続くはずなのに。
とりあえず、P999まで登り返して分岐らしき道がないか探してみた。
そして見つけたのがこの写真の場所。
僕は右方向にまっすぐ進んでルートを外れた。
正解の縦走路は写真の左方向に鋭角に入って行く。
2012年07月24日 20:25撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:25
とりあえず、P999まで登り返して分岐らしき道がないか探してみた。
そして見つけたのがこの写真の場所。
僕は右方向にまっすぐ進んでルートを外れた。
正解の縦走路は写真の左方向に鋭角に入って行く。
やっぱり、薮だね。
こんなの道と思わないよね。
やっぱり、薮だね。
こんなの道と思わないよね。
ちょっとしたパズルでも解くような感覚で深い森を抜けたら、大白森避難小屋に到着。
2012年07月24日 20:26撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
7/24 20:26
ちょっとしたパズルでも解くような感覚で深い森を抜けたら、大白森避難小屋に到着。
コンパクトな感じの小屋。
1
コンパクトな感じの小屋。
一階は談話スペースといった感じだろうか。
一階は談話スペースといった感じだろうか。
二階は4〜5人が限度かも。
小さい頃憧れた秘密基地みたいな小屋。
2
二階は4〜5人が限度かも。
小さい頃憧れた秘密基地みたいな小屋。
水場は歩いてすぐのところ。
水場は歩いてすぐのところ。
深い森を抜けると、大白森の広大な高層湿原に出た。
2012年07月24日 20:26撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:26
深い森を抜けると、大白森の広大な高層湿原に出た。
振り返る。
雲海とはおさらばさ。
2012年07月24日 20:27撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
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7/24 20:27
振り返る。
雲海とはおさらばさ。
ちょっとだけニッコウキスゲ。
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ちょっとだけニッコウキスゲ。
見渡す限りの湿原。
2012年07月24日 20:28撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
4
7/24 20:28
見渡す限りの湿原。
きもちいいぞ〜
鶴の湯分岐。
2012年07月24日 20:28撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
7/24 20:28
鶴の湯分岐。
樹林から田沢湖が見えた。
2012年07月24日 20:29撮影 by  NIKON D300, NIKON CORPORATION
7/24 20:29
樹林から田沢湖が見えた。
蟹場温泉で汗を流した。
おしまい。
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蟹場温泉で汗を流した。
おしまい。
撮影機器:

感想

八幡平を歩くならどういうルートを辿るか、長い間考えていたことだった。八幡平山頂付近の喧噪を離れ、誰もいない裏岩手の深い森を抜けて行く。このルートの魅力は連続して現れる高層湿原、そして何と言っても一目見たら泊まりたくなる小屋の存在があるだろう。

大深岳を過ぎて分岐を八瀬森方面に折れると、P1420からP1233にかけてニッコウキスゲの群落に出迎えられる。この素晴らしい風景をどれだけの人が知っているのかと思う。それほど歩かれた形跡の乏しい道が続いている。

湿原が終わり深い森に入って行くとパッと視界がひらけて湿原がまた現れる。その湿原を通り抜けて、森の中に入ると八瀬森山荘はある。見晴らしも日当りも全然良くないのだが、深い森の中で鳥の声に耳をすませて静かに身を置いてみたいと思うなら、いい小屋だ。

八瀬森から先、曲崎山に差し掛かるとようやく登山らしくなってくる。結構な急登なのだ。眼下には見事な雲海が広がり、秋田駒ヶ岳や乳頭山が見える。雲海の底を抜けてカラッとした空気に包まれるのだが、曲崎山を下ると再びしめじめした雲の中に入ってしまう。このじめじめ感は大白森に抜けるまで続く。

大白森の高層湿原に出ると、太陽が眩しく一気に気温が上がってきた。劇的な環境の変化に体が着いて行かない。大白森から先に進むと、鶴の湯や蟹場温泉から登ってきたと思われる人たちとすれ違ったが、ドロドロで汗まみれの僕はどんなふうに見られていたのだろうか。賑やかな八幡平から歩き始めて、こちらも負けじと賑やかな乳頭へとやってきたのだ。多くの人はあのニッコウキスゲの湿原や、雲海の底に沈む深い森の山小屋のことは知らないだろう。でも多くの人が足を踏み入れない領域があってもいいよねと思う。秘密の花園のひとつやふたつ、隠し持っているくらいがいいのだ。

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コメント

秘密の花園・・・
ヤマレコで掲載の少ない大深〜曲崎〜大白森の縦走、tooleさんが見せてくれるだろうと思ってましたよ
それにしても速いです

深い森に広大な湿原、そして秘密の花園・・いい山旅になりましたね
2012/7/26 18:15
秘密の花園…
こんばんは☆

こんなところも歩けるんですねぇ!
私には縁もなさそうですが、レコを見ているだけでワクワクします
誰もいない秘密の花園…
でも、主* ̄(エ) ̄)ノは見ていたかもしれませんね
2012/7/26 19:18
単独行者
ご一緒したときから思っていたけれど、ソロが似合うと思う。若いからまだまだ遠くまで歩いていける。テーマにこだわらず、オールラウンドに一杯歩くといいと思う。日の当たらない人のいない雲底だけでなく、メジャーな道を堂々とロングで歩いていくのもいいね。
若さが羨ましいとつくづく思いました。

怪我大丈夫かな?お返事はいいからね。
2012/7/26 20:05
kamadamさん☆
ヤマレコにも健脚な方々が大勢いらっしゃいますが、ここを歩いた記録はあんまりないんですよね
やはりアクセスの不便さですかね  
スタート時間がバスの到着時刻に左右されますし、帰りも終バスに間に合わなければなりませんから。

40km歩いても標高差がそれほどでもないので、けっこう速いペースで歩けました。
それでも気温と湿度の落差で後半はバテ気味だったんですよ

今回の山旅は新しい宝物を見つけた様な嬉しい気持ちになりました
2012/7/26 20:20
Springさん☆
Springさんには秘密の花園にご案内したいのですが、藪漕ぎは似合わない様な気がします
きれいな物(場所)には刺(を越えなければならない)がある、いい例でしょうか。

そうですね〜
大深岳から先の核心部では誰にも会いませんでしたが、いろんな気配は不思議とあるんです
例えば暗闇の山小屋の屋根をガサガサ動く音。
おそらく鳥だと思いますが、受け取り方によっては幽霊の仕業と思われる方も居るかもしれません

もちろん* ̄(エ) ̄)ノ←この方は居るでしょう。
僕のことをそっと見ているんです
2012/7/26 20:43
kiyoshiさん☆
僕はご一緒した時からkiyoshiさんのことを人の心を見抜く力のスゴい人だなと思っていましたよ。
優しい瞳に隠れたその洞察力にはかないません

僕は単独行が基本で普通のことだし、そもそも僕に似合っていると思っています。
どうしてなのか?
深く考えて僕なりの答えは出ていますが、ここではコメントしません。
今度一緒に歩くときにでも語れたらいいです。

怪我は時間が解決してくれます
ありがとうございます。

追伸
「りらく」の冬虎毛の記事読みましたよ。
秋田の書店にも置いてありました。
小屋を同じ場所に再建しても何年もつかというくだりには僕もなんだか納得したのでした
2012/7/26 21:03
tooleさんらしい
tooleさんらしい山行、そして感想

こんな素敵な山行ができるtooleさんが羨ましいです

お怪我、早く完治しますように
2012/7/27 20:49
timothyさん☆
今日一日休んでいたら、だいぶ体が戻ってきた感じがします
明日から少しずつリハビリして行こうと思います。

timothyさんは休日はどちらでしょうね
暑い日が続いています
お気を付けてお出かけください。
2012/7/27 21:26
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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