山行記録: ドウの天井(1333m)

コースタイム

５月28日：川浦渓谷→内啣谷（うちばみだに）出会い林道終点発（7:30)→箱洞出会い銚子滝往復(8:00-20)→箱洞→ドウの天井(11:30-13:00)→日河原洞出会い(16:00)→林道終点(16:15)

天候	晴れ
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コース状況／危険箇所等	【ルート】川浦渓谷→箱洞→ドウの天井→日河原洞→川浦渓谷川浦渓谷から西ヶ洞の大釜まで遡行した３日後、今度は箱洞を目指す。初夏は川浦だ。板取川、川浦（かおれ）渓谷の核心部を高まく林道を終点まで。内啣谷（うちばみだに）出会いの終点まで出来たてホヤホヤの舗装道路の行き止まりには大きなトンネルが。西ヶ洞のダムは建設延期にしたのに、こっちは続いているようだ。本流左岸に渡る高い橋の脇から100ｍほど固定ロープを伝い、河原に降りる。今日は最高の高気圧だ。初夏の光が新緑を照らし、水のしぶきを光らせる。狭い剃刀の切り跡のような板取川中流を越えると、穏やかな流れになるのだ。箱洞出会いから銚子洞の銚子滝を見に往復する。15mほどの垂直の滝だ。季節のせいか、沢全体が苔むしている。箱洞をドウの天井へ登る。3～4ｍの滝がいくつか出てくるほか、特にアクセントの無い沢だ。早々とガレの伏流になり、今ひとつの印象。源流の藪こぎは笹も無く楽勝。途中左門岳などを振り返り見る。山頂東のコルに出ると、稜線の南側には出来たてホヤホヤの舗装道路が！。山頂直下の数百mほどは木目模様のコンクリートの遊歩道風階段が山頂まで続き、盛り土をした山頂にはコンクリの柵、金属浮き彫りの展望案内板、花壇まである。この無垢の大自然の中に花壇とは皮肉だ。西ヶ洞源流にダムを作った電力会社がここまで道を延ばしてわざわざ公園を作ったのだ。無念だ。川浦第一の渓谷、西ヶ洞からの遡行をダムで閉ざしたばかりか、山頂にこんな侮辱を・・・。ドウの天井は地形図に山名こそないものの、板取源流右岸の最高峰だ。今西錦司の命名とも言われている。日河原洞源流は少々骨太の笹藪をこいで急な斜面をブッシュつかんで沢床へ降り立つ。ナメと小滝が間断なく続く、美しく飽きない沢。滝は大きなものはほとんどないので微妙なクライムダウンもザイル出さず。標高730あたりの屈曲点に35ｍほどのこの沢最大の滝、右岸のブッシュから25m懸垂。途中のテラスからはブッシュつかんで微妙に降りる。もう核心は終わったと軽口をたたいていると、その後のゴルジュ状地形が数百メートルにわたってガチャガチャに崩れた雪渓。緊張感もどる。くぐって、乗って、飛び降りるを繰り返す。本流出会いの手前に突然工事現場現る。林道終点にあったトンネルがここに通じていた。堰堤でもなく、何かの土台を作っている。きれいな作業服をきちんと着た十人ほどの電力会社の人たちが作業を見学していた。ほどなく本流に戻るとまた苔の多いしっとりした雰囲気になる。はかなく、あやうく、尊い風景だ。橋の下で遡行を終え、車に戻る。松原君に送ってもらって板取川、長良川沿いを走る。名鉄美濃町線の新関駅前の中華食堂でなんと350円のラーメンを食べる。昔の価格、昔の味だ。

macchan90
奥美濃・板取川支流箱洞～ドウの天井～日河原洞
05.28
パーティー；米山、俺
　5/28　入渓(730)ドウの天井(1130~1245)入渓地(1620)[快晴]
　西ヶ洞の三日後に、またしても米氏と川浦渓谷へ。彼のためにと取っておいたこの山行のこのラインで。海ノ溝と、本流ゴルジュを残して川浦の塗絵もほぼ完了。あとは時間の問題だ。
　さて、今回の山行、箱洞は３、４ｍの滝が有ったのみで内容乏しく、ドウの天井が見る影もない現状としてはとてもお薦めできる沢ではない（右俣を乗り越し、明神洞に繋ぐがいい。前述の長屋氏によれば明神谷は、霊気溢れる驚き谷！らしい）。彼の地の惨状に、米氏は大いに残念そうな表情だった。その頂上からは穂高や乗鞍、我が心の山オンタケサンが遠望できたのは救いだった。舗装道路利用で滑り込んだ日河原洞は、小谷ながら意外にも骨のある谷で、３５ｍ滝ではちゃっかり懸垂をさせられたし、ちょっとした廊下には、雪渓が架かり潜らされもした。
　見送った新関駅前の中華料理屋の３５０円ラーメンの発見は、今山行の拾いものだった。

2008/9/26 21:30