記録ID: 214143
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
[花鳥風月と戯れて珠玉の稜線散歩]笠ヶ岳(新穂高温泉からのピストン/笠新道ルート)
2012年08月08日(水) [日帰り]


- GPS
- 14:20
- 距離
- 22.3km
- 登り
- 2,104m
- 下り
- 2,104m
コースタイム
3:30 新穂高温泉BT
4:30 笠新道入口
5:29 標高1,800m地点 5:38
5:53 標高1,920m地点
6:14 標高2,100m地点
6:35 標高2,200m地点
7:40 杓子平
9:23 抜戸岳分岐
10:45 笠ヶ岳山荘 10:50
11:00 笠ヶ岳山頂 12:00
12:10 笠ヶ岳山荘 12:27
14:00 抜戸岳分岐
15:10 杓子平 15:23
16:14 標高2,200m地点
16:31 標高2,100m地点
16:47 標高1,920m地点
16:59 標高1,800m地点 17:05
17:53 笠新道入口 18:00
18:50 新穂高温泉BT
4:30 笠新道入口
5:29 標高1,800m地点 5:38
5:53 標高1,920m地点
6:14 標高2,100m地点
6:35 標高2,200m地点
7:40 杓子平
9:23 抜戸岳分岐
10:45 笠ヶ岳山荘 10:50
11:00 笠ヶ岳山頂 12:00
12:10 笠ヶ岳山荘 12:27
14:00 抜戸岳分岐
15:10 杓子平 15:23
16:14 標高2,200m地点
16:31 標高2,100m地点
16:47 標高1,920m地点
16:59 標高1,800m地点 17:05
17:53 笠新道入口 18:00
18:50 新穂高温泉BT
天候 | ☆快晴☆ 正午を境にガスが出たが天気の崩れはなし |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
松本ICから平湯温泉までR158 平湯温泉から栃尾までR471 栃尾から新穂高温泉(登山者用無料駐車場)まで岐阜県道475号 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山口について◆ ・登山者用無料駐車場が深山荘の対岸、新穂高温泉バスターミナルの約700m手前にあります ・トイレは新穂高温泉バスターミナルにあります ・登山指導所は取り壊されて更地になっていました(2012年8月8日現在) ・登山ポストは林道入口にあります ・笠新道入口に水場があります(24時間利用可) ◆登山道について◆ 休日出勤が続いてほとんど山に行けなかった6月の代休がようやく取れましたが、ウィークデーの1日のみ。 天気予報と相談した結果、飛騨まで遠出しました。 前回が不調に終わったため、無理は禁物と師匠にも釘を刺されていたのですが、今後を見越してそれなりに歩いておきたいという思いがありました。 そこで、長丁場の縦走ではなく一座のみで完結できるところということで、かねてより機会をうかがっていた笠ヶ岳に行くことに決定。 今回使える日は一日しかありませんので、前日は定時で仕事を切り上げ、自宅で仮眠。 手早くパッキングを済ませ、あわただしく出発します。 新穂高温泉に到着したのは深夜1時。 平日とはいえ、ハイシーズンのため登山者用無料駐車場は2段目まで満車でした。 最下段の空きスペースに車を滑り込ませ、再び仮眠。 身支度ののち、3時10分頃に駐車場を出発します。 新穂高温泉BTから右俣林道に進路を取り、真っ暗の中、ヘッデンを点けて歩きます。 月夜でしたので意外と明るく、歩きやすいです。 月に暈がかかっていたので天気の悪化が心配でしたが、結果的に杞憂に終わりました。 それにしても、寒いこと。 車の温度計ではなんと11℃で、吐く息が白いのに驚きました。 中崎橋を過ぎ、笠新道入口に到着。 いよいよ、ここからが本番です。 いきなり急登ですが、ペースを落とさないようにゆっくり歩きます。 スタート直後から、京都から訪れたというテント泊の大学生3人組と付かず離れず進みました。 結局彼らとは、山頂までほぼ同じペースで進むことになりました。 日の出とともに周囲が明るくなり、槍穂の稜線が見え始めます。 5時半頃だったでしょうか、モーター音が聞こえました。 ロープウェーが動き出したようです。 時を同じくして、夜明けを待っていたヘリが荷揚げのために飛び始めます。 ここ笠新道には、標高100m毎に標識があります。 ペース配分の目安になろうかと思います。 日が高くなり、周囲の樹木の背丈が低くなるにつれ、蒲田川の対岸の峰々の全貌が明らかになってきます。 西穂山荘の右側に霞沢岳が見え始めると、あと一息。 急登を登り切って少し下ると杓子平へ。 突如、目の前に絶景が飛び込んできました。 笠ヶ岳とそれに続く稜線。 手前にはところどころ雪を抱いた、箱庭のようなカールが広がります。 色とりどりのお花が咲き乱れて、うっとりするくらい美しい風景を前に、しばし時間も忘れて見惚れてしまいました。 ここからは、カールの縁を抜戸岳の稜線に向けて歩を進めます。 それにしても、お花のなんて多いこと。 白、黄色、赤など、色とりどりのお花があちこちから語りかけてくるようです。 カールの底から稜線まではこれまた急登でとても苦しかったのですが、どれほど疲れた身体が癒されたことでしょうか。 稜線に出ると、北側の展望が開けます。 黒部五郎岳や薬師岳、剱岳や立山などふるさとの山々。 水晶岳や鷲羽岳、野口五郎岳といった裏銀座の山々や雲ノ平も。 相変わらず、東側には槍穂の稜線。乗鞍岳、焼岳、御嶽山。 南アルプスや富士山もクッキリ見えました。 ここで弓折乗越や双六岳方面への道を分け、いよいよ笠ヶ岳へ。 360℃の絶景に囲まれ、珠玉の稜線を進みます。 何度か小ピークを越えて、最後のガレ場を登り切ると笠ヶ岳山荘に到着。 10分程で山頂へ。 先客はお一人で、山頂は間もなく到着した先程の若者たちも合流して5人のみで、ゆったりと展望を楽しむことができました。 正午を境にガスが出て来たのを合図に、下山を開始しました。 途中で山荘に立ち寄りながら、来た時と同じ道を戻ります。 ガスはあっという間に周囲を包み、下山途中はほとんど展望はありませんでしたが、心は達成感で満たされていました。 杓子平から先は、結構歩きにくくて難儀しました。 登りではそれほど辛さは感じなかったのですが… 笠新道の核心は、下りにこそあったのかもしれません。 とにもかくにも、明るいうちに無事下山することができました。 総行動時間14時間30分。歩行距離約22km。 天候に恵まれ、最高の山旅を楽しむことができました。 下山後は、ひがくの湯へ。 20時まで営業時間が延長されていたおかげで、ギリギリ間に合いました。 http://shinhotaka.com/higaku.html |
写真
感想
◆心憎い演出で際立つ名優の魅力◆
杓子平で突如目の前に広がった絶景には、本当に驚きました。
あまりの美しさに言葉を失い、茫然とその場に立ち尽くすしかありませんでした。
山と同じくらい、そこに至る道に興味がある私は、はたと気が付きました。
これは、笠新道を整備した方々の意図的な作為ではないかと。
なんとも心憎い演出ではありませんか!
今まで、笠ヶ岳に対しては周囲の山々からは一線を画し、独自路線を歩むバイプレーヤーのようだという印象を持っていました。
しかし、その近くに身を置いたとき、他の追随を許さない主役級の存在感に圧倒されることになりました。
花と緑と雪に彩られながら、なおかつそれに負けないくらいのパワーを確かに感じました。
それに加え、杓子平のあの演出です。
あんな風に出逢ってしまったが最後、笠ヶ岳に惚れないはずがありませんから。
とかく笠新道の辛さに注目が集まりがちですが、本当の笠ヶ岳の魅力は、やはり実際に足を運んでみないと分からないものです。
笠ヶ岳と、笠新道の整備に尽力された方々に、改めて心からの賛辞を贈ります。
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コメント
この記録に関連する登山ルート
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍 [2日]
笠ヶ岳/笠新道ルート/新穂高温泉起点杓子平抜戸岳分岐笠ヶ岳山荘経由
利用交通機関:
車・バイク、 電車・バス
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
はじめましてです。あいごえといいます。
先月私も3泊4日の締めに笠ヶ岳に行って来ました。
山頂からの景色、笠ヶ岳への稜線、杓子平からの眺めには
かなり期待していたのですがlynx1218さんほどは満喫
することができませんでしたので、うらやましい限りです。
あいごえ
杓子平であの笠に続く稜線がドーンと見えた時は
まさに感動ですよね。
そーいえば、私は杓子平が
雪に埋もれている早い時期にしかいってないので
緑豊かで花盛りな時にもいってみたくなりました。
aigoeさん、はじめまして。
コメントありがとうございます♪
見てよし、登ってよし、展望よしの三拍子揃った山はそうそうないのでしょうが、出会ってしまいました
山の魅力を100%満喫されるのであれば、やはり晴天が一番かと思われます。
機会がありましたらぜひ、再訪なさってくださいね
raichouさん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
杓子平の美しさ、迫力あふれる笠ヶ岳を目の前にしたとき、その場に茫然と立ち尽くすしかありませんでした。
今までの自分は、登ることにエネルギーの大半を傾注していたような気がしますが、これからは山を「感じる」姿勢を大切にしたいと思います
それくらい、今回の山行はインパクトがありました。
笠ヶ岳は、「飛騨の名峰」と称えられるにふさわしい堂々たる立派な山です。
本当に来てよかった
raichouさんも次はぜひ、花と緑の季節においでになってみてくださいね!
lynx1218さん こんばんは
まさに言葉はいらない御山ですね
個人的に様々な思い入れのある山で
登ってよし、眺めてよし、眺められてよしの
名峰中の名峰ですね
若かりし頃、笠ヶ岳山荘から見た
穂高が真っ赤に染まった光景は…感動したことを思いださせて戴きました。ありがとうございました
naotosasさん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
山容が秀逸なのはもちろんのこと、登る過程が楽しいと感じさせてくれるお山でした
お花、展望、色彩や地形のひとつひとつが心に響いてきました。
槍穂の稜線から昇る朝日も美しいことでしょうね
いつか私も仰いでみたいです
lynx1218さん、お疲れ様でした!
ターニングポイントになったとの事ですが、絶好のタイミングで登った事が勝因でしょうね
沢山の花の写真が物語っていますよ
北に行くと、どこからも確認できる笠ヶ岳
裏を返せば眺望は想像に難くないですよね
言葉にならないのも頷けます
オマケに黒部五郎小屋まで見えるとは
白出沢へのコメがありましたが、このルートを日帰りするなんて、十分lynxさんもヘン○イの域に到達していると思われますが
そういう意味でも覚醒されてきてますねぇ(失礼
次なる一手が楽しみです
massyさん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
確かに、菅笠に例えられるその印象的な山容は、北アのほぼどこにいても望むことが出来るんですよね。
お花や鳥、山の生き物たちが最も生き生きとしている季節に訪れることが出来て、本当に感無量です
それにしても、白出沢は迫力がありますね。
そそり立っていると表現してもオーバーではないですね
思ったほど雪が多くなかったので、行けそうかな〜なんてついつい思っちゃいました
次は…
lynx1218さんこんばんは。
先日はレコへのコメントありがとうございました
別の山ですがlynxさんと同じ日に登り同じ月を見ていたんですね
しかも個人的に笠ヶ岳という名前に共感をもち8日に登る候補に入っていたので笠ヶ岳を選べばlynxさんにお会いできたと思うと何だか不思議です。
笠ヶ岳は大変なイメージがあったので私には難しいだろうとやめたのですがぜひいつか登って憎い演出を味わってみたいと思いました!
これからも文写真ともlynxさんならではの素敵なレコ楽しみにしています
heberekeさん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
同じ時に同じ月を見ていたなんて、なんだかロマンチックですね
そういえば、あの日は出発してからしばらくは月明かりの中を歩きました。
ナイトハイクでも不思議と怖いと感じなかったのは、月に見守られていたからなのかもしれません
笠新道は標高差も距離もあって確かに大変ですが、三股から蝶ヶ岳への急登を登れる方だったら大丈夫ですよ。
道は整備が行き届いていて鎖場など危険なところもないので、安心していらしてください
これからだと、秋のお花や草紅葉も綺麗だと思います。
ぜひ、杓子平からの絶景を堪能してみてくださいね
こんにちは。今回は体調万全で良かったですね
8・9日と日本海側が高気圧に覆われていたので、どち
らかで劔岳、もう一日は笠ヶ岳か薬師岳という案も
あったのですが、赤石・荒川にしちゃいました。
こんなに天気が良かったのなら、そちらでも良かったかな
白出沢、すんごい傾斜ですな
それをピストンしちゃうヘン○イがいらっしゃるんですね〜(笑)
前穂リベンジの時に使ってみようかな
nucchiさん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
前回は体調不良でご心配をお掛けして申し訳ありませんでした。
なんとか元気になりつつあります
あの日はどこもいいお天気でしたね。
確かにどこを登ろうか迷うところでしたが、nucchiさんは赤石山脈で正解だったと思います。
だって、あのレコはnucchiさんにしか書けませんもの。
余人をもって代え難いというか
そういえば、山頂への稜線からは南南アの山々も姿を見せてくれました。
昨年登った聖岳が見えた時は、涙が出そうになりました
今週の雨を境に秋になりそうな気配を感じます。
白出沢を登るならこれからがいい季節ですよ。
ちなみに、白出沢はちゃんとした登山道(昭文社の地図でも実線)ですので、安心して苦行を楽しみにいらしてくださいね
lynx1218さん、こんにちは。
レコの数がとても多くて、ようやくこちらに辿り着きました。
遅いコメントですみません。
笠ヶ岳、やっぱりいい山ですよね
昨年、笠新道を登りましたが、杓子平や稜線からの絶景が素晴らしすぎて、
私もすっかりファンになってしまいました
杓子平は、何かこう、山に包み込まれているような感じで。
とても幸せな気持ちになったのを覚えています。
笠新道もクリヤ谷も正直キツイルートですが、絶対に登る価値ありですよね。
それから白出沢、笠方面から見ると、やっぱり凄い急傾斜に見えますよね
(実際そうなのだと思いますが)
こちらもいつか行ってみたいと思います
cirrusさん、こんにちは。
コメントありがとうございます♪
昨年秋のcirrusさんの笠ヶ岳レコで拝見した白出沢の斜度が鮮烈に記憶に残っていて、ぜひとも自分の目で確かめたいと考えていました
そんなところで目に飛び込んできたヤマケイ8月号の白出沢の写真が、引き金となったような気がします。
いつかはと温めていたアイデアを、生命の躍動感溢れるこの季節に実現することができて、感無量です
>杓子平は、何かこう、山に包み込まれているような感じで。
>とても幸せな気持ちになったのを覚えています。
山に包み込まれるような幸せ―確かに私も感じました。
まさに、これを求めて山に向かうのかもしれませんね。
思いだすとまた、あのときの幸せな気持ちが甦ってくるようです
日帰りとは凄いですね
BRAVIAさん、こんにちは。
こちらこそ、はじめまして。
プロフィール写真はもしや…みくりが池ですね!
地元の人間としてはうれしい限りです。
ありがとうございます♪
ご覧の通り、私の山行はほとんどが日帰りです。
ただ、これには理由がありまして、時間と先立つものがないがゆえの泣く泣くの結果でして…
ただ、それならそうで限られた時間内でどれだけ納得のいく結果を残せるか努力はしているつもりです。
歩くのが遅いのであまりご参考にはならないかもしれませんが、ひとつの例としてご覧いただければ幸いです。
BRAVIAさんの9月の縦走も楽しみにしています。
今回と同様に天候に恵まれますよう、祈っております
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