涸沢から北穂高(装備忘れて南稜往復のみ)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 33.2km
- 登り
- 1,601m
- 下り
- 1,586m
コースタイム
沢渡(5:00〜7:00)〜上高地(7:30)〜明神(8:20〜8:30)〜徳沢(9:05〜9:15)〜横尾(9:55〜10:15)〜
迂回路・本谷道併せ(11:05〜11:10)〜涸沢カール(12:30)〜涸沢小屋(13:00〜13:40)〜
北穂沢・南稜取り付き(14:40)〜涸沢小屋(15:40〜)(21:00寝)
11/5
涸沢小屋(8:20)〜本谷橋(9:20〜9:30)〜横尾(10:20〜10:40)〜徳沢(11:30〜11:45)〜明神
(12:25〜12:45)〜河童橋(13:25〜13:40)〜バスターミナル(13:50〜 )
天候 | 晴れ |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
涸沢の今年の紅葉見頃は10月上旬〜中旬であったらしい。 |
写真
感想
【 古い記録だが当時のメモに従って整理する 】
今年こそ紅葉の時期に来たかったが、仕事の都合でダメなった。しかし、初冬の穂高を見たいので連休を
利用して出掛ける事にした。
今年三度目の上高地だ。初夏の蝶ヶ岳、初秋の奥穂高岳、に次いで初冬の北穂高岳だ。
季節の移り変わりが楽しみだ。 いつもの23:46発「きそ」で名古屋を出る。
11月4日
雪の季節に北アルプスへ向かうのは初めてなので不安でもあるが、装備を慎重にして出発する。
朝の松本駅は寒い。今年一番の冷え込みらしい。
着込んで一番列車を待つが、タクシー相乗りの誘いがあったのでタクシーと決める。
星が瞬く闇の中を快調に走っていた車が停車した。ここは沢渡になるが、先日の土砂崩れで
七時までゲートが開かないらしい。
これで今日の内に北穂小屋までという思惑は外れた。しかたがないので車の中で仮眠を取る。
目覚めると朝陽が輝き、谷間を染める紅葉がきれいだ。
凍てついた道を車は走り出し、釜トンネルを抜けるとOH! ワンダフル!
大正池の上に新雪輝く穂高連峰が、雲ひとつ無い青空の下に広がっていり。
初めて仰ぐ景観だ。
車を降りると身震いする寒さだ。空気がピーンと引き締まっているようだ。
入山届けを記入し、身体を充分にほぐして歩き出す。
カチカチに凍ったザレの道を河童橋に出ると、まるで絵葉書に見るような穂高の稜線が輝く。
岳沢がまるでカールのように広がって見える。
ここでゆっくり身支度を整えて行く。
小梨平の樹林もすっかり葉を落とし、いかにも寒々としている。
人気の無い梓川左岸を行くが寒気が強く、頬が痛くそして手も冷たい。
葉を落とした明神は妙に広く感じる。雪のせいで流れの激しい梓川を見ながら徳沢園に到着。
テントを撤収する人、食事をする人の間をベンチに向かい小休止とする。
雲ひとつ無い晴天の中、陽当りの良いベンチで穂高を眺めての休憩は少し長くなった。
徳沢から樹林の道を小さく登降しながら行くと、中洲の黄葉が鮮やかな横尾に到着。
慶応尾根の向こう側に前穂高岳を見ながら熱いお茶をすする。
新雪の白、樹林の黄、紅葉と山が今年最後の化粧をしているようだ。
横尾谷の河原へ出ると、そそり立つ屏風岩と北穂高が並んで眺められる。
陽が豊富に当たるテント場を過ぎ、横尾谷にかかる丸木橋を渡り右岸の迂回路へ入るとそろそろ
雪が現れる。屏風岩に沿って回り込む頃になるとすっかり雪の道となり、踏み跡も無い。
新雪で楽しい気分になるが、ガラ岩に積もった雪なのでスリップに注意して行く。
そろそろ横尾谷が眼下に見られるようになると、正面には奥穂高も見えてくる。
小休止を取るが、疲れが早い。横尾までのハイペースがオーバーペースになったのかな?。
いつものように自分のペースに乗り切れない。
谷の底の岩道に変わり、本谷からの道を併せると雪が踏み固められ危ない。
疲れた脚を一歩一歩慎重に進める。樹林から灌木に変わるとまもなく涸沢だ。
足元の雪は20cmほどの積雪か。色とりどりのテントの間をぬってカールの中を行く。
三方を雪の砦に囲まれたカールを、北穂高岳を頭上に見て左へ折れるとやっと涸沢小屋だ。
陽もそろそろ奥穂高に近づいてきたので、手早く食事をしなければ間に合わないが、
疲れたのでその気が起きない。
ゆっくり休んだ後、風を避け餅入りラーメンで腹を満たし北穂高へ向かう。
スパッツを着け、アイゼンを探したが無い!!。忘れた!
行ける所まで行こう。
小屋裏のコブ状の尾根を左へ回り込んで、東稜と南稜の間の北穂沢に入る。
雪はもうシャーベット状だ。電光型に沢を登って行くが、苦しい登りだ。
傾斜はさほどでもないが、とにかく苦しい。
北穂沢を左手の南稜へトラバースする所まで来たが、頭上を見上げるとまだまだ先だ。
陽はまもなく西へ沈もうとしており、足元の雪はクラスト状になってきた。
アイゼンが無ければこれ以上は無理と判断して、ここで断念して戻る。
振り返ると北尾根と屏風岩の間奥には、南アルプスの連嶺も望まれる。
残念だがしかたがないな。・・・・キックも弱々しく下って行く。
小屋の手続きをして2階へ上がる。
暖まったので外で、夕食の用意を始めるが、正面の前穂高山頂で今日最後の陽光が消えた。
ランプの灯りで夕食を摂り、熱いコーヒーをすすって二階へ戻る。
今日はとにかく疲れた。
11月5日
6時半に目覚めた頃にはもう小屋の人気は少なかった。
窓のそとは昨日より雲は多いが今日もいい天気だ。北穂高へは行けないのでゆっくりする。
奥穂高の岩壁が朝陽に輝く頃に小屋を出る。
東大天井〜横通岳付近はのんびりした感じに見え、まるで穏やかな春のようだ。
涸沢カールを味わいながらゆっくり下ることにする。
雪がまだゆるんでいないので要注意だ。
横尾本谷沿いのコースは露岩が凍って危険なので迂回路へ逃げればよかったが、分岐を
過ぎてしまった。やっとの思いで本谷橋まで辿り着く。 河原で一息いれる。
後は本谷左岸についた樹林コースを枯葉を踏みながら行く。
山腹にからんだコースから河原へ降り、岩小舎を見送るとササの中へ。
振り返ると今日も北穂高岳が良く眺められる。
横尾谷を左へ回りこむと横尾大橋となって横尾になる。
後はのんびりと初冬の陽を浴びながら上高地へ歩けばいい。
疲れはしたが、雪の穂高に囲まれて満足な山行であった。
河童橋からの眺めは今年の見納めにふさわしく、焼岳も大正池も、青空の下にゆったりと見えた。
ウトウトして目を覚ますと、バスは梓川沿いの野麦街道に入って、谷間の紅葉・黄葉・緑葉と
今回のフィナーレにはふさわしい眺めであった。
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