道の駅飛騨白山の目の前の林道を辿り,どん詰まりが写真の登山口。なんと,全く雪がない…。12月に来たときは,林道から積雪があったのに,溶けてしまったようだ。
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道の駅飛騨白山の目の前の林道を辿り,どん詰まりが写真の登山口。なんと,全く雪がない…。12月に来たときは,林道から積雪があったのに,溶けてしまったようだ。
1100mくらいまで登って,やっと雪がつながり出す。全く,春山のような眺めだ。
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1100mくらいまで登って,やっと雪がつながり出す。全く,春山のような眺めだ。
1200m付近は美しいブナの平。
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1200m付近は美しいブナの平。
しかし,雪質が非常に悪く,表面はガチガチ,中はスカスカの悪絶なモナカ雪が続く。踏み込むとガクンと時間差で沈み込む感じで,脚に来るうえに,急登では足場が踏み固まらず,なかなか這い上がれない。これなら新雪のラッセルのほうがまだましだ…。
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しかし,雪質が非常に悪く,表面はガチガチ,中はスカスカの悪絶なモナカ雪が続く。踏み込むとガクンと時間差で沈み込む感じで,脚に来るうえに,急登では足場が踏み固まらず,なかなか這い上がれない。これなら新雪のラッセルのほうがまだましだ…。
長い急登を経てP1624mに出ると,眺めの良い雪尾根となる。
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長い急登を経てP1624mに出ると,眺めの良い雪尾根となる。
右手に遠く,人形山の秀麗な山影が望まれる。
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右手に遠く,人形山の秀麗な山影が望まれる。
左手には幾筋もの岩稜を逆落としにした三方崩山の姿が。指呼の間に見えるが,だまされてはいけない。これがなかなか近づいて来てくれないのである。
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左手には幾筋もの岩稜を逆落としにした三方崩山の姿が。指呼の間に見えるが,だまされてはいけない。これがなかなか近づいて来てくれないのである。
美しい雪尾根を辿っていく。
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美しい雪尾根を辿っていく。
なかなかの急登の連続。
しかし,1月だというのに,3週連続で晴れの白山とは…。もちろん晴れてくれるのは嬉しいが,春山登山のような錯覚に陥ってしまう。
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なかなかの急登の連続。
しかし,1月だというのに,3週連続で晴れの白山とは…。もちろん晴れてくれるのは嬉しいが,春山登山のような錯覚に陥ってしまう。
振り返れば平瀬の集落は既に遙か下,ずいぶん小さくなってしまった。
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振り返れば平瀬の集落は既に遙か下,ずいぶん小さくなってしまった。
大ノマ谷の様子。既にかなりのデブリが出ているようだ。
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大ノマ谷の様子。既にかなりのデブリが出ているようだ。
周囲に広がる山並みを眺めながら,天空に浮かんだような雪稜を越えていく。
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周囲に広がる山並みを眺めながら,天空に浮かんだような雪稜を越えていく。
さて,ナイフリッジが始まった。両側は深い谷に切れ落ちている。
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さて,ナイフリッジが始まった。両側は深い谷に切れ落ちている。
用心してピッケルを出したが,雪が柔らかいため,足元はスノーシューのまま,慎重に通過していく。
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用心してピッケルを出したが,雪が柔らかいため,足元はスノーシューのまま,慎重に通過していく。
左手は大ノマ谷の荒々しい大空間。
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左手は大ノマ谷の荒々しい大空間。
高度感はあるが,それほど難易度が高いわけではない。程よくスリリングで,楽しい区間だ。
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高度感はあるが,それほど難易度が高いわけではない。程よくスリリングで,楽しい区間だ。
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これを越えれば終わりかも,と思ってピークを一つ越えると,さらにまたピークが,というのがひたすら続く。
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これを越えれば終わりかも,と思ってピークを一つ越えると,さらにまたピークが,というのがひたすら続く。
しかも,現れる小ピークはことごとく急峻で,登下降に思わぬ時間がかかる。今日はテント泊装備なので,荷の重さが疲労にさらに拍車をかける。
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しかも,現れる小ピークはことごとく急峻で,登下降に思わぬ時間がかかる。今日はテント泊装備なので,荷の重さが疲労にさらに拍車をかける。
三方崩山…さっきからずっと左手に見えているのに,全然近づいてこない…。
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三方崩山…さっきからずっと左手に見えているのに,全然近づいてこない…。
また一つ小ピークを登り切り,一息ついて振り返ると,北アルプスの真っ白な姿が展開している。
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また一つ小ピークを登り切り,一息ついて振り返ると,北アルプスの真っ白な姿が展開している。
しかし,視線を前方に戻すと,まだまだナイフリッジと小ピークの連続…。
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しかし,視線を前方に戻すと,まだまだナイフリッジと小ピークの連続…。
大ノマ谷の下部が見えた。下のほうは全然雪がつながっていないようだ。スキーで滑り抜けるのはまだまだ難しそうだ。
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大ノマ谷の下部が見えた。下のほうは全然雪がつながっていないようだ。スキーで滑り抜けるのはまだまだ難しそうだ。
ひたすら続くナイフリッジ…。地図上では本当にわずかの距離のはずなのだが,その中にどんだけリッジとピークが詰まってるんだという感覚に襲われる。
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ひたすら続くナイフリッジ…。地図上では本当にわずかの距離のはずなのだが,その中にどんだけリッジとピークが詰まってるんだという感覚に襲われる。
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来し方を振り返る。
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来し方を振り返る。
ようやく小康状態となり,大ノマ谷の源頭部をぐるりと回り込むようにして,三方崩山の山頂に向かう。
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ようやく小康状態となり,大ノマ谷の源頭部をぐるりと回り込むようにして,三方崩山の山頂に向かう。
右手には奥三方岳のたおやかな姿が。
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右手には奥三方岳のたおやかな姿が。
遠く別山の姿も。白すぎて現実感がない。
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遠く別山の姿も。白すぎて現実感がない。
大ノマ谷の源頭部をのぞき込む。吸い込まれそうな眺めだ。スキーで飛び込んだら気持ちよさそうだが,下部はデブリーランドと雪切れで地獄を見るんだろうな…。
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大ノマ谷の源頭部をのぞき込む。吸い込まれそうな眺めだ。スキーで飛び込んだら気持ちよさそうだが,下部はデブリーランドと雪切れで地獄を見るんだろうな…。
三方崩山山頂に到着。標識の類は見当たらなかったが,おそらくここだろう。
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三方崩山山頂に到着。標識の類は見当たらなかったが,おそらくここだろう。
山頂から辿ってきたナイフリッジを眺める。恐ろしく長い稜線だった…。
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山頂から辿ってきたナイフリッジを眺める。恐ろしく長い稜線だった…。
小休憩ののち,奥三方岳に向かう。奥三方岳との間には深いコルがあり,この登り返しでまたひと汗かかされる。しかも,斜面がガチガチにクラストしているため,少し注意が必要。
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小休憩ののち,奥三方岳に向かう。奥三方岳との間には深いコルがあり,この登り返しでまたひと汗かかされる。しかも,斜面がガチガチにクラストしているため,少し注意が必要。
埋まりかけたシラビソのなだらかな尾根を辿る。奥三方岳が近づいてくる。いや,近づいてくるようで,なかなか近づいてこない。地図上ではわずかに見えるのだが,意外に距離がある印象。
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埋まりかけたシラビソのなだらかな尾根を辿る。奥三方岳が近づいてくる。いや,近づいてくるようで,なかなか近づいてこない。地図上ではわずかに見えるのだが,意外に距離がある印象。
奥三方岳山頂に到着。山名板は見当たらなかった。埋まりかけたシラビソに囲まれた,小広いなだらかな山頂だ。ずっと来てみたかったピークだったので,感慨深い。(「奥○○岳」とか,頭に「奥」が付いている山名って,何だか惹かれるものがある。)
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奥三方岳山頂に到着。山名板は見当たらなかった。埋まりかけたシラビソに囲まれた,小広いなだらかな山頂だ。ずっと来てみたかったピークだったので,感慨深い。(「奥○○岳」とか,頭に「奥」が付いている山名って,何だか惹かれるものがある。)
間名古の頭へと続く稜線を眺める。かなりアップダウンがありそうだ。
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間名古の頭へと続く稜線を眺める。かなりアップダウンがありそうだ。
その少し左手には,御前峰と大汝峰の真っ白なお姿も。
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その少し左手には,御前峰と大汝峰の真っ白なお姿も。
悪絶モナカ雪と鋸歯のような雪稜の登下降で思わぬ時間がかかってしまったため,今日はここで幕とする。山頂の片隅にちょっとした窪地を見つけ,風を避けてテントを張るが,そもそもほとんど無風状態。結局ブロックも積まずに,水づくりとキムチ鍋の調理を始めてしまった。食事の後はシュラフに入って文庫本を読みつつ,春山のような静かな夜が深まっていった。
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悪絶モナカ雪と鋸歯のような雪稜の登下降で思わぬ時間がかかってしまったため,今日はここで幕とする。山頂の片隅にちょっとした窪地を見つけ,風を避けてテントを張るが,そもそもほとんど無風状態。結局ブロックも積まずに,水づくりとキムチ鍋の調理を始めてしまった。食事の後はシュラフに入って文庫本を読みつつ,春山のような静かな夜が深まっていった。
翌朝,アラームがなかなか鳴らないな…と不思議に思ってシュラフから顔を出すと,なんと外が明るい。飛び起きて腕時計を見ると,なんと午前7時! 大寝坊だ。ここ最近仕事で寝不足だったのと,厳冬期らしからぬ静かな夜に,11時間もノンストップで熟睡してしまったのだ。たるんどるなぁ…大反省。
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翌朝,アラームがなかなか鳴らないな…と不思議に思ってシュラフから顔を出すと,なんと外が明るい。飛び起きて腕時計を見ると,なんと午前7時! 大寝坊だ。ここ最近仕事で寝不足だったのと,厳冬期らしからぬ静かな夜に,11時間もノンストップで熟睡してしまったのだ。たるんどるなぁ…大反省。
3時半起き5時出発の予定が,7時起き8時半出発という体たらくになってしまったが,このまま帰るのももったいない。この時点では当初予定の間名古の頭は半分諦めていたが,とにかく行けるところまで…ということで,まずはP1980mに向けて下降。ラッセルはないが,モナカで突然もぐったり,ガチガチのクラストが現れたりと,一筋縄ではいかない雪質。
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3時半起き5時出発の予定が,7時起き8時半出発という体たらくになってしまったが,このまま帰るのももったいない。この時点では当初予定の間名古の頭は半分諦めていたが,とにかく行けるところまで…ということで,まずはP1980mに向けて下降。ラッセルはないが,モナカで突然もぐったり,ガチガチのクラストが現れたりと,一筋縄ではいかない雪質。
P1980m(地形図に記載はないが,「鎌ヶ峰」というらしい)は,意外に岩々していて精悍な山容。付属している岩峰がかっこいい。
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P1980m(地形図に記載はないが,「鎌ヶ峰」というらしい)は,意外に岩々していて精悍な山容。付属している岩峰がかっこいい。
P1980m(鎌ヶ峰)山頂。今日も御前峰と大汝峰が見守ってくれている。
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P1980m(鎌ヶ峰)山頂。今日も御前峰と大汝峰が見守ってくれている。
周囲には鋭い岩峰が並んでおり,なかなかアルペンチック。
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周囲には鋭い岩峰が並んでおり,なかなかアルペンチック。
まだ遠い彼方の間名古の頭。上空が次第に晴れ始めた。
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まだ遠い彼方の間名古の頭。上空が次第に晴れ始めた。
鎌ヶ峰からの下降の途中,立派な枝ぶりのカンバの木があった。
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鎌ヶ峰からの下降の途中,立派な枝ぶりのカンバの木があった。
次のピークは稜線上の雪が薄く藪っぽかったため,右手の樹林帯の斜面をトラバース気味に進んだ。
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次のピークは稜線上の雪が薄く藪っぽかったため,右手の樹林帯の斜面をトラバース気味に進んだ。
降りてきた斜面を振り返る。急に広がり始めた青空がまぶしい。
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降りてきた斜面を振り返る。急に広がり始めた青空がまぶしい。
灌木の上に薄く雪が乗ったような不安定なリッジもあり,雪と一緒に谷に転落しないように慎重に乗り越えていく。
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灌木の上に薄く雪が乗ったような不安定なリッジもあり,雪と一緒に谷に転落しないように慎重に乗り越えていく。
P1822m付近の広い尾根。なだらかで気持ちの良い雪原が広がる。
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P1822m付近の広い尾根。なだらかで気持ちの良い雪原が広がる。
間名古の頭が次第に近づいてくる。こうしてみるとなかなか鋭角的な山容で,登高欲をそそられる。
今日は11時間も熟睡したせいか体調がよく,いいペースで進めている。怪我の功名というべきか…。当初予定通り,間名古の頭を目指すことにした。
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間名古の頭が次第に近づいてくる。こうしてみるとなかなか鋭角的な山容で,登高欲をそそられる。
今日は11時間も熟睡したせいか体調がよく,いいペースで進めている。怪我の功名というべきか…。当初予定通り,間名古の頭を目指すことにした。
来し方を振り返る。奥三方岳も既に小さく見える。
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来し方を振り返る。奥三方岳も既に小さく見える。
間名古の頭への最後の登りにかかる。地図上では北縦走路の片隅の,しかも登山道さえ山腹を巻いてパスしてしまっている冴えないピークにしか見えないのだが,こうして見ると立派な独立峰だ。
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間名古の頭への最後の登りにかかる。地図上では北縦走路の片隅の,しかも登山道さえ山腹を巻いてパスしてしまっている冴えないピークにしか見えないのだが,こうして見ると立派な独立峰だ。
真っ白なドームのような山頂へと登高していく。
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真っ白なドームのような山頂へと登高していく。
ちょっとしたナイフリッジを越えて,最後の急登に取りつく。
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ちょっとしたナイフリッジを越えて,最後の急登に取りつく。
一部,かなりの急斜面がある。雪が柔らかかったためスノーシューのまま突っ込んでしまったが,最大傾斜にさしかかったところで後悔。ピッケルを雪面に深く差しつつ,若干傾斜の緩い左手にトラバースするようにして通過した。
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一部,かなりの急斜面がある。雪が柔らかかったためスノーシューのまま突っ込んでしまったが,最大傾斜にさしかかったところで後悔。ピッケルを雪面に深く差しつつ,若干傾斜の緩い左手にトラバースするようにして通過した。
奥三方岳から辿ってきた稜線がはるか下方に見える。
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奥三方岳から辿ってきた稜線がはるか下方に見える。
急登を登り切ると,あとは山頂までなだらかで開放的な雪尾根をウイニングラン。
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急登を登り切ると,あとは山頂までなだらかで開放的な雪尾根をウイニングラン。
と思いきや,本当のピークはさらにその先でした…。今回の山行は,このパターンが多いな。
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と思いきや,本当のピークはさらにその先でした…。今回の山行は,このパターンが多いな。
到着。
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到着。
間名古の頭。
中空に浮かんだ白亜のバルコニー。
御前峰,大汝峰,七倉山,そして楽々新道の稜線が遠近感が狂うくらいにくっきりと良く見えて、逆に現実感が失われそうなほどの大展望。
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間名古の頭。
中空に浮かんだ白亜のバルコニー。
御前峰,大汝峰,七倉山,そして楽々新道の稜線が遠近感が狂うくらいにくっきりと良く見えて、逆に現実感が失われそうなほどの大展望。
北縦走路の美しい稜線が延々と大汝峰へ続いている。
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北縦走路の美しい稜線が延々と大汝峰へ続いている。
こちらは中宮道の稜線。遠くに笈ヶ岳や大笠山も見えている。
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こちらは中宮道の稜線。遠くに笈ヶ岳や大笠山も見えている。
遙か東方の地平線には北アルプスの雄姿。
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遙か東方の地平線には北アルプスの雄姿。
日本海もよく見える。
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日本海もよく見える。
雪をまとった火の御子峰の荒々しい姿も拝することができた。
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雪をまとった火の御子峰の荒々しい姿も拝することができた。
間名古の頭からの展望を存分に楽しんだのち,下山にかかる。
間名古の頭直下の急斜面は,スノーシューを脱いでツボ足で慎重にキックステップを効かせ,クライムダウン。
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間名古の頭からの展望を存分に楽しんだのち,下山にかかる。
間名古の頭直下の急斜面は,スノーシューを脱いでツボ足で慎重にキックステップを効かせ,クライムダウン。
間名古の頭よ,さらば。
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間名古の頭よ,さらば。
そして白山よ,さらば。
下山は往路を忠実に引き返した。悪絶モナカでスノーシューがひっかかり面白いように転んだのと,大寝坊のツケで最後はヘッデン下山になったことを除けば,無事下山。
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そして白山よ,さらば。
下山は往路を忠実に引き返した。悪絶モナカでスノーシューがひっかかり面白いように転んだのと,大寝坊のツケで最後はヘッデン下山になったことを除けば,無事下山。
たいした冒険ですね👍 凄いの一言👍
コメントをいただきありがとうございます。寝る前にきちんとアラームのセットを確かめることの大切さを思い知った山行でした(^^;
KAME32様もかなりのハードルートを1日で回られていてすごいですね! 屋久島のシカは,確かに不思議なくらい全然逃げませんね。
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