奥美濃・揖斐川支流・品谷中ノ又谷
- GPS
- --:--
- 距離
- 4.3km
- 登り
- 1,093m
- 下り
- 361m
コースタイム
シタ谷14:40-16:00冠山平-17:00冠山峠
天候 | ずっと小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
R417経由 冠山峠、塚白椿トンネル出口に駐車場あり |
コース状況/ 危険箇所等 |
地形図には「中ツ又」との明記がある谷。 冠山峠の福井側には設置型ゲートがあり、閉まっていると越境できない。また岐阜側林道も通行止めになっている場合もあり、事前に下調べが必要。 |
写真
感想
国道417号線の冠山峠のゲートが閉まっているとの情報を得て、一日目はゲートからおおよそ10kmの林道を歩いて岐阜側、揖斐川支流の品谷出合にある駐車場まで歩く計画だった。
土曜日、メンバーと共に冠山峠に行くと、ゲートが開放され、岐阜側からも入れるとのこと。事前の情報がまったくあてにならず、一泊装備を担いでの林道歩きは徒労になるとのことで今日はこのまま引き返し、パッキングも日帰り装備に切り換えて出直すこととした。
というわけで土曜日は早く家に戻ったので、メンバーにオレの手料理を振る舞うことに(笑)
さて翌朝は仕切り直しで再び冠山峠へ。車が通れるとのことで今度は二台で向かい、一台を冠山峠へ、もう一台を品谷出合にある駐車場に置くことにした。
小雨の舞う浮かない天気だったが、二人とも愚痴をこぼすこともなく出発。シタ谷を越えてしばらく行ったところで荒れ放題の林道に這い上がり、それを使って中ノ又谷へと向かった。
この中ノ又谷に入渓したのは、遠い昔の23年前。当時は山岳会に入会したばかり血気盛んな頃で、「この谷は手強い」という仲間の言葉を聞いて闘志が燃え、やっつけ気分たっぷりの単独で入渓したのだったが、その甘い意気込みは見事に打ち砕かれ、様々な自己のミスも重なって沢中でとうとう時間切れ、遭難一歩手前になるという苦い経験が残っていた。今回はその雪辱戦ではないが、当時の未熟な自分がどのような遡行をしていて、そして今ならどう切り抜けるのかを確かめる、自分にとってはそんな意味も含めた遡行計画でもあった。
今回はやはり前回とは違い、積極的にロープを延ばすことができた。
確かに前回は単独のため捲きに終始する遡行ではあったが、手元にある当時の記録文を辿ると、「現れる滝がどれも登れず、そのたびにしばらく戻っては岸壁を避けて草付きを這い上がる。しかしこれがかなり悪い…云々」とある。
今回は滝一本を除いてすべて直登を試みることができた。当時の自分とは目の付け所が大きく違っているということを再確認するのだった。
中ノ又谷の核心帯の滝は一本はどうしてもルートが見いだせなかったものの、他の滝はどれも登ることができる。またどの滝も部分一手が際どいものの、逆にその一手がこなせれば、あとはほぼ楽勝と思っていい。とは言え、途中のランニング工作など、ロープワークが的確に行われないと時間を浪費するのは必至である。とくに人数が多いとこの点は軽視できない。昔の記録の通り、捲きも相当苦労する感じなので、軽率な気持ちで入渓すると時間切れとなるかもしれない。それと異論のある者もいるかもしれないが、オレたちは積極的に小型トランシーバーを使っている。これを使えば、互いの行動が常につぶさに見える。また届かぬ互いのコールで不安に陥ることもほとんどない。今回も幾つかの場面でこの利器が威力を発揮、終始スムースな行動ができた。
しかし今回はパートナーのH子がよく頑張ってくれたのが何よりありがたかった。彼女はオレのフォローをしっかりと努め、セカンドとしての役割をお手本通りにこなしてくれた。登攀では、この互いの呼吸が合わないと相当苦労する。もたもたされてはこちらのテンションは下がるし、第一時間がどんどん押してくるだけである。
彼女は健脚ではないので後半のペースはガタ落ちだったが、それでも音を上げずに彼女なりに頑張っていた。その姿勢が見ている端からもよく感じられた。結果、そのおかげで明るいうちに下山することができた。この彼女の頑張りと努力は、例え二人のパーティーであっても、大きく評価できることだと思っている。
山において、よいパートナーというのは相手を意識して思いやる人間のことではなく、自分に責任を持ち、そして自分に負けない強い精神を維持できる人間のことであると、オレはつくづく思うのだった。
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