雪山一年生の谷川岳 降雪後の西黒尾根、ラクダのコル手前で撤退(T . T)


- GPS
- 06:50
- 距離
- 5.2km
- 登り
- 774m
- 下り
- 765m
コースタイム
- 山行
- 6:04
- 休憩
- 0:44
- 合計
- 6:48
過去天気図(気象庁) | 2020年03月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
朝方までの降雪でノートレース。 ラクダのコル手前で撤退しました。 樹林帯から雪庇あり、ラクダのコブのナイフリッジは雪庇と反対側ギリギリにトレースつけました。 風で飛ばされた雪の下は一部凍っている箇所もありました。急斜面では特にアイゼンがきちんと効くことを確認しながら進みました。 |
写真
感想
数日前から快晴が期待できる天気図だったので、当初は朝3:00スタート、無謀にも西黒尾根→トマ・オキ→あわよくば一ノ倉岳、茂倉岳→天神尾根経由で田尻尾根下山と欲張ってました。
前日夕方に家を出て最近は高速代けちって一般道の国道17号沿いの「道の駅おおた」で4時間程仮眠。深夜12時過ぎに駐車場のある谷川岳ベースプラザへ向けて出発。
深夜、標高が上がるにつれ風が強くなり雪がちらちら。ベースプラザに着いた頃には本降りの強風で雪煙が舞うほどに。
こりゃ無理だと再び仮眠をとって、幾分おさまった5時過ぎ起きて、どうするか悩みました。
予想以上に積もっていそう。
ラッセル必須。急登痩せ尾根のある西黒尾根を今年始めたばかりの雪山一年生が足を踏み入れるルートではないのでしょう。
ロープウェイが動くのを待って無難に天神尾根なら上手くいけば一ノ倉岳・茂倉岳へのトレースもあるかもしれない。
でもそれでは何となく気持ちが納得いかない。
雪の西黒尾根経由でないとその絶景を見ても満足しない自分が想像出来ました。
西黒尾根で相当時間がかかっても下山でロープウェイを使えば時間の猶予はかなりある。
この時はもう西黒尾根さえ登れれば、あとは山頂からの絶景は私にとっておまけ程度になっていました。
天候も前半の樹林帯なら風の影響はさほど無いだろうということと、天気は回復傾向で午前中には晴れて風もおさまってくる予報だったので、意を決して6時前にスタート。
ベースプラザからの舗装路で意外にも1人分のトレースがついていました。
もしや先行者?と半ば期待しつつも、登山口の先の道路にカメラをぶら下げた男性の足跡でした。^^;
「結構積もりましたね~。登られるんですか⁉」
「あははっ…行けるところまで…(^^;;」
「いや~お気をつけて!」
と言葉を交わしてトレースのない新雪ホヤホヤ、いきなり急登の西黒尾根へ入っていきました。
広い尾根の樹林帯の雪は、風と地形によりだいたい足首~太腿辺りまで。
当然埋もれた古いトレースの上だと沈み込みも僅かですが、そうでないと太腿辺りまで沈むことも。
完全に新雪に覆われているので見た目では古いトレースがどこを通っているのか見分けがつきません。
いちいちGPSで方向を確認しながらあとは勘で。左側の雪庇が怖くて必要以上に樹木の方に沿って進みました。
が、ホントになかなか進みません。
傾斜があるので所によってはお腹の上までくる雪を手で崩し膝で固めたところに脚を乗せる、の繰り返し。
薄着になっても汗だくです。
それでも体力でやってこれるラッセルならまだ良かったのですが、ミスが許されないラクダのコブ辺りの岩場と痩せ尾根が出てきて、はて?何処を通ったらいいのやら。
過去レコを思い出して確か雪庇の張り出した反対側、風上側のすぐ横にトレースを付けていたので一歩ずつ慎重に足場を確認しながら恐々と進みました。
岩場でも雪で隠れていると岩の形状がわかりにくくアイゼンを引っ掛けないよう気をつかいます。
また鎖が無いと冬用グローブでは岩が掴みにくく、手の置き場を考えながらなのでこれまた時間がかかります。
そしてラクダのコル手前でその先を見て脚が止まりました。
立ちはだかる急斜面とその上部には凍って見えるような部分が。
この時点でスタートから既に5時間近く経っていて、夏道での標準CTの約2倍かかっています。
かなり脚の疲労も出てきていました。
確認するとこの先標準CTで1:30、このまま先行者がいない状況ではおそらく3時間はかかることもある。場合によってはそれ以上。
どうしよう、この先迷いました。
でももしかして急斜面に見えて意外とそうでも無いこともある。
凍っているように見える箇所もそこを通るとは限らない。
でももし通過出来なかったら引き返すしかなくなる。
この時点では下山で引き返してもどの位かかるのか読めませんでした。
そして何より進退窮まり焦って滑落する光景をイメージしてしまい、仕方なくコル手前で撤退することに。
この時は全てにおいて安全最優先でいたい心の状態でした。
そして引き返したらわりとすぐ、ナイフリッジの所で前方から単独男性が。
今日初めて会う登山者でした。
私に気づくと同時にその方のすぐ横に張り出した雪庇の一部が崩れてビックリ!大丈夫でしたが…。
その方に撤退してきたことを告げると、じゃあ様子を見てから…と言うことですれ違いました。
それからまたしばらく戻ると2人目の単独男性が。軽く状況を話しお互い「お気をつけて~」とすれ違いました。
今日はこのルートで登ってくる人はいないんじゃないかと思っていただけに、この時初めてもしかしてあのまま進めたかも…と早くも後悔し始めてました。
更に下り樹林帯に入った所で、今度はヘルメットを被った男性4人パーティが休憩していました。
既に正午近くになっていたので、聞くと下山はロープウェイを使うとのこと。
この時ホントにやっぱりもう一度行ってみようかと悩みました。
後からこんなに人が登って来ているとわかっていたらそのまま進んでいたでしょう。
この時で既に撤退してから約2~30分程経ってます。また登り返してさっきほどかからないとはいえラクダのコルまで1時間近くかかってしまう。
この会った3組の方が通過出来たからと言って自分も行けるとは限らない。
でもこのまま下山するのがとてももったいない気がしてきました。
と瞬時に色々なことを天秤にかけ、気持ちは山頂に行きたいのにスタスタと下山する脚を止められないという矛盾。
しかも雪の上の下山は予想以上に早く、結局5時間かかった上りを1時間半足らずで下りて来てしまいました。
12時半過ぎ、駐車場に戻っても今からロープウェイで上ろうかなんてまだ考えている自分。
疲れたけれどまだまだ動ける、動きたい。
でも機械を使って上ったところで満足できないのは目に見えていたので、ここで本当に終わりにすることにしました。
まあ一応初のラッセルとGPS頼りながらもルーファイして自分のトレースを残せたので挑戦した意味はあったと納得させました。
危機管理の上でも、天候がマシだったからあそこまで行けたものの、ホワイトアウトはもちろん、少しでも視界がない状態ではあの痩せ尾根と岩場では即滑落に繋がってただろうとリアルに想像できるようになりました。
やはり実際に経験してみてどういったことが危なくて大変なのかが頭ではなく体感的にわかって良かったです。
今年はもうチャンスがないと思うので、おそらく来年またリベンジします!
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