甲斐駒ケ岳【過去レコ】
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.2km
- 登り
- 1,138m
- 下り
- 1,120m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇りのち小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
甲府ターミナルホテル泊 登山者プラン4,000円位(ミネラルウォーター付き) 甲府〜広河原 バス2,000円位×往復 広河原〜北沢峠 バス750円だっけ?×往復 長衛荘(現こもれび山荘)泊 素泊まり6,000円位? |
コース状況/ 危険箇所等 |
直登コースは面白いよ |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
( ̄∀ ̄)
過去レコ第6弾は、
日記や月刊いもねぇで何度も語りながら
やはりレコとしても残したかった、思ひ出の甲斐駒ケ岳。
次回は黒戸尾根で登り七丈小屋テン泊、
そして下って北沢峠もしくは仙水小屋でバタンキューテン泊を
目論んでいたところなのですが、来年には叶うといいな。
待ちきれないので、前回の思い出を残しておきます。
朝4時20分のバスに乗るため甲府ターミナルホテルに前泊。
たまたま立山ヒルクライムがテレビでやっていて観たのだが、
何と!この時に初めて『モンベル』が日本の会社だと知ったという
衝撃の事実が当日の日記に書いてありました…。
(なんかアウトドアメーカーって全部欧米の印象でw)
この日のバスの混雑はさほどではなかったようで
私は2台目のバスに座り、3台目のバスは空のまま連なって広河原へ。
北沢峠行きのバスはまだ40分ほど先だったらしいが、
余裕こいてトイレ行ったりしてないでちゃんと並んでおけば、
混雑による臨時便のおかげで予定より早く到着できたのに…
そんなことを言っても後の祭り。
まさかあんなことになるなんて、まだ知る由もなかったのである。
とはいえ自分の体力に自信のなかった私は
甲斐駒ナメたらアカンとばかりに最初からストックを使用。
この日は何故か体調でも悪かったのか、しょっぱなからバテ気味だった。
登山者は多く(と言ってもここ数年ほどではないが)熊の恐怖は皆無。
仙水小屋を過ぎて道が明るくなると、
石に書かれたマークやリボンを見落としがちで道がよくわからなくなりながらも
方向が合ってりゃ問題ないので順調に仙水峠に到着。
少し休憩するも、ここから「頂上まで3時間」の標識に、即出発を決意。
しかし、とにかくペースが上がらない。
なんとか駒津峰に到着すると、腕をケガした女性がヘリ救助中。
救助隊員がロープで下りて来て、女性を確保し一緒にロープで上がってゆく。
その様子を大勢の登山者が撮影していて、かくいう私もしっかり撮影。
そんなことしてるヒマは、ほんとはないのに…。
この辺から、今まで抜きつ抜かれつしていたバテ気味の女性と彼氏、
中学生ぐらいの男の子と母親の親子連れに差をつけられていく私。
ほんとに、何歩か歩いてちょっと休む、を繰り返すていたらく。
こんなにのろかったことは未だかつてない。
もしかしてシャリバテだったのだろうか…?
まぁ歩いてればいつかは着くと思いながらも、
バスの時間を考えると12時には下山を開始しないと間に合わない。
しかし昨年登った仙丈ケ岳は余裕だったから、ここも何だかんだ言っても
終わってみれば全然時間が余ったぜというオチではないかと
甘く考えていたフシがある。
登りは直登コースを選び、若干渋滞していたのもあって、
どのみちペースを上げられないルートだから
休み休み楽しく順調に登ることが出来た。
ガスってきたけど眺めも良くて、気分もアゲアゲである。
しかし、核心部を過ぎてなだらかな登りになると、
またしても歩みが進まなくなった私。
山頂まで、あと少しなのに…。
もうお昼になっちゃった、下山しないとヤバイかも。
でももう少し、あとちょっと。急げばすぐに山頂に着く。
だが急げないまま、亀のようにノロノロと休み休み歩いて、なんとか山頂。
知らないおじさんに「おつかれさま」と言われましたw
でも「直登コース登ってきたの?すごいね」と褒められていい気分(←子供かよ?)
すっかりガスってしまったが無理やりいなりずしを食べて元気を出し、
下りは巻き道コースをゆきます。
が、意外と急で怖がる私に、通りすがりの人が見かねてアドバイスをくれる。
登りの時には私に負けず劣らずバテていたカップルの女性も、
下りは平気そうでスイスイと、あっという間に見えなくなってしまいました。
緊張しながらストックを使ってゆっくりゆっくり、下る私。
道の途中ですねたように立ち止まっている若い女性、
「ずっとそこにいる気か!」と怒鳴っている旦那らしき若い男性とその子供、
私と同じで奥さん疲れちゃったのかなと苦笑しながら通り過ぎました。
しかしそれなりにのんきだったのは、この辺まででした。
この後雨がパラついて来て、きりのいい場所で私もレインウェアを着ます。
雨だからとみんな急いだのか、いつの間にか人影もまばらになって、
薄暗いしとっても怖くなってしまいました。
しかも、目印の六方石まで思ってた以上に時間がかかってしまい、
「下りは登りより早いはず」と思い込んでいた私に衝撃が走り…
焦りや恐怖で足がガクガクです(TДT)コワイヨー
ヤバイ。マジでヤバイ。バスにも間に合わないかも…。
ここから若干登り返す形となり、疲れてるせいもあって
コースタイムの2倍ぐらい時間がかかってしまった。
やっと駒津峰に着くと、登りと同じ仙水峠ルートの方が
道迷いの心配もなく時間が読みやすいかもと思いつつ、
地図上では双児山ルートの方が、10分早い。
ちょうど久々に会った親子連れが双児山方面を下って行ったので、
あわててついてゆきます!
が、あっという間に見えなくなってしまいました…。
ウワーン(TДT)コワイヨー
マニアワナイヨー(;ノД<)ヤバイヨー
また登り返して双児山に到着した時が、一番雨がひどかったかも。
樹林のおかげでそんなに濡れるわけじゃないけど、薄暗くて道がわからん。
どうしよう、時間がないのに…と焦っていると、
ちょうどいいところにおじさんが来たので道を教えてもらい、
「気をつけてね」と言われて何故か少しホッとしながら下山を続けます。
もう時間を確認するヒマもない(腕時計はなく携帯だから)
大丈夫、大丈夫。間に合う、間に合う。
なんとかなる!絶対なんとかなる!
信じるものは救われる!
「北沢峠まで15分」の標識にギリギリかな、と思いつつ
おばさん二人組が前を歩いていたので
「すいません、先に行かせてください」と頼んで通してもらい、
競歩と小走りの中間ぐらいの感じで頑張って頑張って頑張って…
見えて来た北沢峠のベンチには、人が誰もいなかった。
OH, MY GOD!!!
行ってしまった…。
時間を確認すると、最終バスは4時。今の時間は4時20分過ぎでした。
長衛荘の前で談笑する、泊まり客の登山者たち。
やっちまった、私、やっちまった…。
明日は月曜日、会社が始まります。
しかも小屋は予約制、どうすんですか私・・・。
広河原までならたぶん8kmぐらい?(10kmだと思う)
歩けない距離ではない。
広河原まで行けばタクシー呼べるかも…(※呼べませン)
さっき追い抜いたおばさん二人組が歩いていたので、
もしかしてこの人達も広河原まで歩くのかも?(←そんなバカな)
と思い、
「すいません、どこに行くンですか?」と聞いてみたら
「テン場です」とアッサリ言われ、
そりゃそうだ、バカだな私…(;ノД<)もう絶望しかない
夏とはいえ、空はどんどん暗くなってゆきます。
意を決して「本日の宿泊は予約のみです」と厳しく書かれた看板を横目に、
長衛荘(現こもれび山荘)の扉を開けました。
受付は若い女性で、少し安心しながら「今日泊まれますか」と質問。
女性は奥の男性スタッフに確認して、OKとのこと。
いちおう「広河原まで行けばタクシー呼べますか」と聞いてみたが
「呼べるけどゲートが閉まるので不可能」と男性スタッフ。
私よりずっと若いけど、怒ってるように冷たい口調。
バスに乗り遅れたしょうもない中年登山者代表の私には苦い薬でした…。
食事付きにも出来たみたいだけどいたたまれず素泊まりに。
昼に食べきれなかったいなりずしとおにぎりを食べて
二階の寝床ですぐに横になりました。
一階の食堂からは、オーナーさんの厳しい話が聞こえてきます。
「小屋番の人間が口を揃えて言うのは、中高年の方が常識がないということ。
人の意見を聞かない。若いつもりでいる。無謀な登山はやめましょう。
早く出て早く着くことを心がけましょう」
涙が出そうでした…。
翌朝。3時過ぎから出発する人達でザワザワ。
私はバスで帰るだけなのでゆっくりしますが、
素泊まりの人も無料だった味噌汁を飲んだりけっこう図々しい私。
しかしスタッフさんが邪魔そうに掃除を始めたので(無理もないが)
ビリから三番目ぐらいに遅く山荘を出て
外のベンチでバスを待ちます。
ヒマなので北岳見晴らし台を見に行き、一番のバスで広河原へ。
広河原から甲府に向かう途中でやっと携帯が通じたので
午前中休む旨を会社にメールし、ひとまず安心して一眠り。
特急あずさではプレミアムスイーツセットなんか食べながら
昼過ぎに会社に到着(←風呂入ってないのはナイショ)
同僚はみな私が遭難したのかと思ったみたいですが
とにかく、仕事に支障がなくて良かったです…。
私にとって生涯忘れられない、ダメダメ登山の思い出です。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する