木曽駒ヶ岳
- GPS
- 02:03
- 距離
- 5.7km
- 登り
- 529m
- 下り
- 512m
天候 | 2日=日中・晴れ時々曇り、夜・曇り時々雨 3日=日中・晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
菅の台からバスでロープウェイ・しらび平駅へ ロープウェイで千畳敷駅(帰路も同様) |
コース状況/ 危険箇所等 |
宝剣岳は経験の浅い方や岩場の経験がない方は避けるべきだと感じた(そのように表示もしてある)。 しかし、実際には明らかに経験不足(あるいは認識不足)と思われる方が見受けられ、見ていて危険だなと感じた。登り始めてから後悔されている方もいらっしゃいましたのでご認識下さい。 このような状況はロープウェイを利用して少しがんばれば乗越浄土まで比較的に手軽に登れることも影響していると思われる。 |
写真
感想
10月から11月末までの2ヶ月間は休みをほぼ全て自由に使う事ができる。
よってこの2ヶ月間は山行計画にアタマを悩ませることになる。
9月の西穂高ハイキング後、いやそれ以前から初めの山行はどこにするのかをずっと考えていた。
行程は1泊2日で予備日なし。
候補として「雲取山」、「愛鷹連峰」、「奥秩父のどこか縦走」、「北八ヶ岳」などが挙がったが、
その時は「八ヶ岳」に最も傾いていたと思う。
しかし、天候がどうも芳しくなく、数日前になっても通過する台風の影響もあり、
なかなか確度の高い予報が出ない。色々見ていると選択肢にある山域は
いずれにしても良くいない見通しのようだ。
谷川連峰など他の山域を調べるもののやはり天候は良くない見通し。
「まぁ、それも山歩きだ」と半ば諦めかけていたところに木曽駒ヶ岳のレコが目に留まる。
中を見てみると荒々しく逞しい山容に華やかな紅葉がすばらしく、是非行ってみたいと思った。
調べると天候はまずまずのようだ。しかも、エスケープとしてロープウェイもありのんびりもできそうだ。
結局、天候が良さそうだということと初めてではあるがロープウェイという
エスケープルートがある安心感もあり、木曽駒ヶ岳に行くことを決めた。
当初は北御所登山口から山頂を目指すつもりで準備していたが、
なぜか山の前は業務が多忙になってしまい、またしても朝起きることが出来なかった。
よって、菅の台からバス、そしてロープウェイを乗り継いで千畳敷からの登山となった。
天気も良く、紅葉も鮮やか。とても気持ちよく乗越浄土に到着。
うぅむ。すばらしい眺望。すばらしい山容。すばらしい紅葉。
そして気持ちよさそうな稜線。伊那前岳に続く稜線だ。
その稜線を進んで振り返ると宝剣岳を頂点とした険しい稜線が一望でき壮観。
岩のねずみ、緑、黄、朱が入り交じった何とも言えない迫力の容姿だ。
稜線上は少し風があるが穏やかで日が当たるとかなり暑かった。
防寒対策を万全にと考えた装備も日中は一切不要だった。
昼を過ぎる頃、雲が湧いてきたため伊那前岳の少し手前で稜線を引き返し、
中岳を超え40分ほどで幕営地の駒ヶ岳頂上山荘に到着した。
この時点で13時前と少し早いが、すぐ上に見えるはずの駒ヶ岳山頂はガスに巻かれており
この日はこのまま幕営、昼飯を食って夕日の時間までのんびりすることとした。
ふと気が付くと17時ごろ。
外に出て駒ヶ岳西側にある巻き道の方へ。西の空を見てみるが少しのすき間を除いて
雲が視界を覆っており期待していた夕日は望めそうもないという状況。
それでも谷底のガスが湧いては消えを繰り返す様は見ていて飽きない。
たまに大きく濃いガスが稜線まで登ってきたり。
そんな景色をぼーっと眺めていると、雲のすき間から遠くを照らす光が見えた。
ほんの少ししか見えないが幻想的な光線と光と影のグラデーション。
急いで三脚とカメラを取りに行き西の空に向けて構えた。
ちなみに、すでに登山者は姿を消し私1人。
山荘入口にはビラが貼られ予約は入っていないとのこと。どうも幕営者も私1人のようだ。
そんな状況の中、1人ぽつんと根気よく西の空を眺め続けた。
もちろん防寒装備が役に立ったことは言うまでもない。
冷たい風に吹かれながらしばらく眺めていると、ガスが晴れては覆いを繰り返し始め、
繰り返す内に晴れの比率が増えてくるようになった。
そして、そんなに長く、また広範囲ではないが、日が沈む方向の雲が取れて
幾筋もの光の筋が見えてくるようになった。
息を呑む光と影のコントラストとグラデーション。
西の低い空は燃えているが見上げるとまだ青い空が覗いている。
日が沈んで光に赤みが増してくると目の前の雲もさらに取れてきた。
ただ、微妙な位置で太陽を隠す雲は動じず、その雲がより幻想的な雰囲気を醸している。
根気よく待った甲斐があったというもの。よかった。
そうしていると留守にしていた小屋番さんが現れて幕営代の集金に。
小屋番さんによるとやっぱり私1人のようだ。
そうこうしている間に日も落ちて晩飯の用意。
天気予報は一旦下り坂ということだったので星空は期待せず飯食って休むことにした。
予報では12m程度の風が吹き、雨もパラつくという。12mは結構な風だ。
こうなると星空は難しいか。あるいは変わりやすい山の天気、流れる雲の間隙をついて
星空が現れるか。
日が完全に暮れると周囲は霧に包まれた。それでも満月から数日経っただけの
大きな月が頭上にいるため割と明るい。灯りがなくても大体どこに何があるかは見える。
そんな中ウトウトとし少し眠った。
目をさますとテント内がさらに明るく、完全に周囲が見える。
入口を少し開けて外を見上げると雲が流れ、明るい月と星が輝いていた。
風はまだ穏やかだ。
外に出ていくつかの方向の空を撮影し再び眠りにつこうと横になったが、徐々に風が強まり
その風がテントを煽る。時折、雨もテントをたたく。
そんな中で翌日の予定を考えながら眠りについた。
朝、テントの入口を少し開けて駒ヶ岳の山頂を見るとうっすらとガスに巻かれていた。
よく見るとそのガスも流れ、時折頂上がはっきりと見える。
周囲にガスはなくどうやら視界は開けているようだ。
時間は6時前。
ザックに三脚とカメラを入れて山頂に向かった。
駒ヶ岳山頂での視界は開けていた。誰もいない。
天気は、晴れ間も見えるが全体としては曇り。高曇りだ。
どこまでも続く雲海が山頂と下界を隔てているが、北西側は下界が見えている。
山頂を乗り越えようと沸き上がるガスの流れ、滝のように流れ落ちる滝雲、遠くにうっすら見える光芒。
様々な自然現象は本当にすばらしく、いくら見ていても飽きることはない。
昨晩考えたこの日の予定はこの景観が白紙に戻した。また後で考えよう。
眺望をカメラに収めてから平らな石に腰を落とし、何も考えず周囲の山々をぼーっと眺めていた。
時計を見ると8時前。
腰を上げ下山し、テントへ戻る。すぐに朝飯の準備をして出発の準備。
10時半頃出発し宝剣岳から極楽平へ抜け、そこから千畳敷に下降することにした。
がっつり登山は次回、当初予定していた北御所登山口から登って空木岳を目指そう。
宝剣岳直下、岩をよじ登る。もちろん慎重さが必要だがここから先の岩場はおもしろかった。
そうして極楽平から急勾配を少し下り千畳敷へ。
あー、のんびりした。
ありがとうございました。
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