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Yamareco

記録ID: 2329791
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
妙高・戸隠・雨飾

雨飾山(過去レコです)。

2003年08月10日(日) 〜 2003年08月11日(月)
情報量の目安: A
都道府県 新潟県 長野県
 - 拍手
onisan その他1人
GPS
32:00
距離
7.6km
登り
972m
下り
972m
天候 晴れ。
過去天気図(気象庁) 2003年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
 小谷温泉の山田旅館に前泊しました。
コース状況/
危険箇所等
 それなりに注意が必要です。
前日、鎌池に寄りました。
2003年08月10日 14:18撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
2
8/10 14:18
前日、鎌池に寄りました。
記念に。
2003年08月10日 14:30撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
3
8/10 14:30
記念に。
山田旅館で。
2003年08月10日 15:15撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
3
8/10 15:15
山田旅館で。
翌朝、出発。
2003年08月11日 05:32撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
2
8/11 5:32
翌朝、出発。
2003年08月11日 06:41撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
1
8/11 6:41
雪渓を渡ります。
2003年08月11日 06:53撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
2
8/11 6:53
雪渓を渡ります。
2003年08月11日 06:53撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
2
8/11 6:53
2003年08月11日 07:02撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
2
8/11 7:02
ジーゾブだそうです。
2003年08月11日 07:46撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
3
8/11 7:46
ジーゾブだそうです。
2003年08月11日 08:04撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
1
8/11 8:04
山頂で。
2003年08月11日 09:10撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
3
8/11 9:10
山頂で。
2003年08月11日 10:01撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
3
8/11 10:01
2003年08月11日 11:46撮影 by  FinePix2700, FUJIFILM
4
8/11 11:46
撮影機器:

感想

 Sさんと次ぎ一緒に行く山は何処にしようかと話している時に浮かんだのがこの山である。Sさんの推薦であるが、「あまかざりやま」というその響きの良さと、深田久弥が記した「ついに私は久恋の頂きに立った」という文章から、ひとりでに想像がかき立てられていた。平成15年8月10日、中央道の多治見インターでSさんと待ち合わせ、長野道を豊科インターでおり、国道148号線を北上した。生憎の天気で北アルプス、後立山連峰は雲の中で景色を楽しむ事は出来なかった。木崎湖、青木湖、八方尾根のゲレンデを左に見て小谷村に入り、栂池、白馬乗鞍のスキー場をかすめ姫川沿いに走り、長いトンネルを出た所で左折し、県道114号線に入った。中谷川に沿って走り、本日の宿である小谷温泉の山田旅館に着いた。まだ時間も早いので、雨飾山登山口の偵察も兼ねてさらに奥の鎌池に寄って行く事にした。澄んだ池の水面から湧き立つもやが情景を演出し、幾分ロマンティックな気分にひたりながら池の周りを散策した。池の周りはブナの林で、紅葉の頃はさぞかし綺麗になるものと思われた。山田旅館に戻り、早速先日買って来た生酒「谷川岳」を空け、温泉に入りすぐ夕食となった。小谷温泉の幾つかある旅館のうち何故山田旅館を選んだのかとSさんに聞くと、「昔、長野の病院で働いていた時にICUで一緒に働いていた看護婦さんが、小谷温泉の出身で山田という名前であったので一度泊まってみたかった」との事であった。面白そうな話しで、もう少し酒を勧めればその先の話しも出そうであったが、それ以上の詮索はしなかった。明日の天気予報は午前中は曇りで昼から雨との事なので、朝4時頃起きて早く出発しようと云うと、Sさんはそんなに早く起きられないという。わたしが起こしてやるから大丈夫だと云って9時前には眠ってしまった。
 翌朝5時、Sさんに呼び起こされて目を覚まし出発した。登山口はキャンプ場の入り口にあり、その手前の広い駐車場に車をとめた。5時50分、登山口に入るとすぐ下りとなり、水芭蕉の大きな葉っぱが茂る沼地に出た。よく整備された木道を10分程歩くといよいよ本格的な登山道となった。根っ子のはった急坂をジグザグに登って行くと、いつもの如くSさんとの距離は離れそうになるが、Sさんも先に行く人達の歩調に合わせてゆっくりと登って呉れる。ブナの大木に遮られ、日射しも周囲の展望もない中を汗をかきかき、動悸も激しくなるのを押さえるべくゆっくりと登った。荒菅沢まで30分という標識に励まされ、休憩をとる人達を尻目に先に進むと坂は緩やかとなる。ぬかるんだ道を倒木に乗って渡り、崩れ落ちてはっきりとした道が無い右下がりの斜面を恐る恐る渡り終え、しばらくすると下りとなる。長い下りの途中からは荒菅沢の雪渓が目に入り元気が出て来るが、坂は急でおまけに木製の階段は崩れ落ちており、滑らないよう注意しながら慎重に下りる事になる。荒菅沢は山の中によくあるチョロチョロと水の流れるような沢ではなく、広々とした沢全体が雪渓におおわれている。左程の標高でも無く、8月の夏真っ盛りというのにこの雪渓、聞きしに勝る日本海気候の豪雪地帯である。荒菅沢の奥深く、雪渓がとぎれた山裾の上方には荒々しい岸壁がそそり立ち、その上に雨飾山が急峻にそそり立つ。果たしてあんな所に登れるのかしらと一瞬とまどいが生じるが、谷川岳でも素人が登れるルートがあるのだからと元気を奮い立たせる。雪渓におおわれた広い沢を、そろりそろりと向こう岸まで渡り、ロープにしがみついて登山道に這い上がる。登山道から見る雪渓の端は、下側がとけて薄っぺらい舞台状になっており、今にも崩れ落ちんばかりである。再び林の中の急登が続き、7時20分、行き違う事が出来る程の幅となった登山道でザックを下ろして休憩をとる。再び急登をよたよた登って行くと中学生らしき一団が勢い良く我々を追い越して行く。我彼の違いを見せつけられ、「急いで転んで怪我しても知らねえよ」と胸の中でつぶやく。ひとしきり林の中の急坂を登ると辺りの木々は低くなって視界が開け、行く手に茶色い急な尾根が現れる。滑りやすい土砂状の急坂をロープを頼りに登ると、今度は狭い尾根の岩を這いつくばってよじ登る事になる。この頃になると登山道には色々な高山植物が目立ち始め、佐野さんは花の写真を撮るのに忙しい。これは○○、これは××と説明して呉れるがわたしはしんどくて花の名前どころの騒ぎでは無い。急坂で一服していると目の前にクルミ大の実と花がなっており、その名前をSさんに尋ねても知らないと云う。後から登ってみた中年男性が「これはジイソブである」と関西弁で教えて呉れ、この花はオスで始めて見たと喜んでいた。花にもオスとメスの違いがあるらしい。急坂を登りきると高原状の「笹平」が開け、あたり一面今が盛りのお花畑である。ミヤマコゴメグサ、ミヤマシオガマ、トメシオガマ、マルバタケブキ、ハクサンフウロ、ハクサンイチゲ、ハクサンシャジン、トリカブト、ミネウスユキソウなど、色とりどりの花が咲く中を歩き、涼しい風に吹かれてわたしもようやく花を楽しむ余裕が出て来た。Sさんは関西弁の男性と花の名前についてディスカッションしながら、時には優越感を抱き、自分の知らない花の名前を教えられると悔しそうになったり、同好の士ではあるが火花を散らしていた。頂上の手前は再び急登となり、9時20分、ハアハア云いながら辿り着いた雨飾山北峰はガスがかかり、「久恋の頂き」のイメージは全く無かった。おまけに霧が衣服を濡らし、新潟県側から吹き上げる強い風が急速に体感温度を下げた。夏とは云え2000mの高山では平地より12度低く、おまけに風、あわてて雨具を取り出して着込んだ。羅漢上人が担ぎ上げたという石仏をバックに記念写真を撮り、目の前の南峰に移った。南峰は風も弱く、小さな山頂に多くの人が座り込み、食事をしたりお喋りをしていた。深田久弥は「全ての頂には憩いがある」とも記しているが、本日の雨飾山の頂は例外だったのであろう、早々と頂上を後にした。見事なお花畑を見下ろしながら急坂を下り、笹平を取り残した花の写真を撮りながら歩き終わると、あとは険しい下りの連続である。ハシゴや岩場は登りと同じ向きで下り、急坂はロープにしがみつき、時にはお尻を使い、何度も滑って冷や汗混じりの汗をたっぷりかきながらの下山であった。雪渓を見下ろす登山道で雨具を脱ぎ、たっぷり水を飲んで休憩をとって元気を取り戻した。雪渓を渡り登りきったブナ林の中で再び休憩をとり、折角持って来て使わないのも虚しいのでSさんがコーヒーを沸かした。時折、ブナの葉を優しくたたく小雨の音が聞こえるが、再び雨具を着る事は無く山を下りた。登山道が終わり沼地に出た所でまたまた休憩をとり、それから15分で駐車場に帰り着いた。登りは3時間半、下りは3時間弱、結構しんどい山ではあったが、見事な高山植物がしんどさを帳消しにして呉れた。
 山田旅館で汗を流しすっきりしてから、白馬の道の駅で購入した桃と、無事登りとげた満足感をみやげに帰宅した。次女はまだ出産しておらず家に居て、わたしの満足感などどうでも良い女4人(妻と次女とその娘と長女の娘)は喜んで桃を食べて呉れた。

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