岡山県瀬戸内市&備前市 伊坂峠〜西大平山〜伊部南大窯跡



- GPS
- 03:51
- 距離
- 7.6km
- 登り
- 457m
- 下り
- 458m
コースタイム
- 山行
- 3:29
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 3:51
歩行距離7.5km、歩行時間3時間30分、歩行数14,000歩、消費カロリー1,950Kcal
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
分岐がいくつかありますが、大抵は鉄塔巡視路入口です。伊坂峠<写真01>西側の鉄塔巡視路入口からしばらくは、小石がゴロゴロして滑りやすく、少し急なので下りは要注意です。縦走路はシダの間の細道が断続的に続き、ザラついた滑りやすい土道ですが、気を付ければ大丈夫です。伊部(いんべ)南大窯跡<写真30〜34>からは、砂利道やアスファルト道です。 なお、伊坂峠<写真01>の西側にある鉄塔巡視路入口には、西大平山登山口まで1.2kmの道標があります。峠から北東200m程にある登山口は、岩盤に突き刺さったパイプから水が流れているすぐ右ですが、登山口プレートがなくなって赤いビニールテープだけになっていました。知らなければスルーしてしまうかもしれません。谷沿いを登ると瀬戸内&備前市境に合流し、320m峰に出ますが、途中に沢沿いの急な岩場があるので、今回のように鉄塔巡視路からのほうが登りやすいでしょう。 伊坂峠<写真01>の西側にある鉄塔巡視路入口から西大平山<写真11>までは、途中まで小石がゴロゴロして滑りやすくなっていますが、すぐに歩きやすくなります。 伊坂峠<写真01>の西側にある鉄塔巡視路入口からは、小石がゴロゴロした細道が続きました。標高140m辺りは、上から転がり落ちてきた石が積もったようになっていますが、上りは普通に歩けます。イワガサ<写真05>撮影地点を過ぎると、小石はかなりましになり、そのうちなくなりました。 標高295m辺りに道標のない分岐があり、左(北西)のほうが道が広くきれいでしたが、直進して赤いビニールテープのある細道に入りました。どちらも瀬戸内&備前市境尾根に合流するようですが、直進のほうが近道です。 市境尾根に合流すると、西大平山<写真11>までは平坦な石埋まり道です。 西大平山<写真11>から龍王山頂上<写真17>を経て伊部(いんべ)南大窯跡<写真30〜34>までは、鉄塔巡視路との分岐がいくつかありますが、迷うことはないでしょう。シダの間の細道が断続的に続き、基本、ザラついた滑りやすい土道ですが、気を付ければ大丈夫です。たまに石が埋まっていますが、足元は見えます。ただし、シダが足に当たることが多いので、マダニ対策はしておいたほうがいいでしょう。一部、少し急なアップダウンがあります。 瀬戸内&備前市境の320m峰には道標があり、直進は途中までほぼ市境通りに進んで谷沿いに下り、伊坂峠から北東200m程の登山口に出ます。一方、左折すると龍王山<写真17>方面縦走路です。 龍王山頂上<写真17>東の鞍部を過ぎ、標高230m辺りはT字路で左に進みました。右は鉄塔巡視路で下山池<写真49>方面に下りそうです。 西大平山<写真20>撮影地点から少し進むと、標高220mを切る手前に分岐がありました。右(東)の鉄塔巡視路も下山池<写真49>に下るのかもしれません。 |
その他周辺情報 | 備前市伊部(いんべ)は備前焼のメッカです。毎年、第3土日(2020年は10月17日(土)〜18日(日)予定)にはJR伊部駅周辺で「備前焼祭り」が開催され、全国からたくさんの人が訪れます。 |
写真
伊坂峠は瀬戸内市と備前市の境に位置します。南東に東大平山、北西に西大平山があり、西大平山に向かいました。石仏はとても大事にされており、年末にお世話しておられる方にお会いしたことがあります。
&ケヤマハンノキ?の実
ケヤマハンノキらしき松かさ状の果穂が気になりましたが、ここ以外では見つかりませんでした。動画も撮りました。今回はアスファルト道の法面や登山道で多数のモチツツジが見られました。
両性花で雄性期から雌性期へと変化していきます。花弁は円形のお碗状で5枚、雄しべは20個、雌しべは先で3つになります。葉には柔らかな毛があり、縁にはよく見なければわからない小さな鋸歯があります。ここからたまに直径1cm前後の白い花が見られました。
イブキシモツケに似ていますが、葉の先端はより丸みを帯びます。また、岡山県ではイブキシモツケは中部に分布するそうです。花の直径は1cm少々でした。ここを過ぎると、小石ゴロゴロの滑りやすい道は少し歩きやすくなりました。
瀬戸内市邑久(おく)町と長船(おさふね)町の境にある甲山(こうやま)が見えました。低山ですが単独峰だけに存在感がありました。古来より信仰の対象の山で、周辺には磐座(いわくら)や古墳群があります。
アカマツの花は4月の終わり頃から5月のはじめにかけ、大量の花粉を放出します。ザックがあたって花粉を舞い散らせてしまいましたが、子孫繁栄に貢献できたでしょうか。この周辺は石がところどころ埋まっていました。
5月になってもまだ一部の木が咲き残っていました。体長1cm程の小さなハチがいたので動画も撮りました。標高295m辺りに道標のない分岐があり、左(北西)のほうが道が広くきれいでしたが、直進して赤いビニールテープのある細道に入りました。どちらも瀬戸内&備前市境尾根に合流するようですが、直進のほうが近道です。
江戸時代に大阪堂島の米相場を各地に伝えるため、旗振り通信を行った場所とされています。約1里から4里の高台ごとに中継場所があり、米相場を旗振りで伝えていました。上のケルンは後世のものです。
ここも展望はありませんが、少し開けてヤマツツジに囲まれていました。鮮やかだったので動画も撮りました。ヤマツツジの花の色は写真のような朱色が基本ですが、まれに白や淡い紫がかったピンク色もあるそうです。ここを過ぎると、たまに石が埋まったシダの間の細道が断続的に続き、少し急なアップダウンもありました。
灰を染色の触媒に用いたことから黒灰の名がつけられました。直径1cm程の小さな白い花には突き出た多数の雄しべに隠れるように5枚の花弁があり、サワフタギなどの同じハイノキ科に属する木によく似ていますが、葉はつるつるで浅い鋸歯があります。満開で見応えがあったので動画も撮りました。瀬戸内&備前市境の320m峰には道標があり、直進は途中までほぼ市境通りに進んで谷沿いに下り、伊坂峠北東の登山口に出ます。左折して縦走路に入りました。
直進する道の左(北側)に細い踏み跡があったので、そちらに進んでみると、低い石積みの上に鳥の巣箱のような大きさの祠がありました。龍王山の近くだけに雨乞いの跡でしょうか?踏み跡をそのまま進むと、道に合流しました。
瀬戸内海沿岸を中心に各地にあり、山名は、水・雨をもたらす八大竜王を山頂に祀り雨乞いを行ったことに由来しています。岡山県南部だけでも21座(全国ダントツ)、地図上の地名にはないものも多数あります。
標高263mの頂上ですが、展望は効かず、通過点のように思えます。最初このプレートに気が付かずにスルーしてしまいました(*_*;前回の山名プレートや木の枝に空き缶を刺した目印はなくなっていました。東の鞍部を過ぎ、標高230m辺りはT字路で左に進みました。右は鉄塔巡視路で下山池<写真49>方面に下りそうです。
ここから急に開けて東側が時々見えるようになりました。空も見え、日差しが明るく、足元は滑りやすいザラついた土道が伊部(いんべ)南大窯跡<写真30〜34>手前まで続きます。この地点からは、中央に片上湾、その向こうに富田(とだ)松山、右手前に笹尾山が見えました。それぞれ海と周辺の山の絶景が見られる山です。
西大平山<写真11>から榧原(かやはら)山<写真21〜23>までの稜線は滑りやすくはなっていますが、気を付ければ大丈夫です。総じてなだらかで歩きやすいので、いくつかある南北の登山口へ下山するよりも楽です。少し進むと、標高220mを切る手前に分岐がありました。右(東)の鉄塔巡視路も下山池<写真49>に下るのでしょうか。
頂上三角点「伊部」
道標はありませんが、北に延びる道に入るとすぐです。標高209.6mの頂上三角点<点名:伊部(いんべ)>があります。開けた頂上で360度パノラマ展望を楽しめます。
標高180mを過ぎるとザラついた滑りやすい土道は終わり、歩きやすい土道になりました。シオカラトンボのメスやハンミョウに逃げられながら下ると、植栽の平戸ツツジが咲いていました。今日はモチツツジ<写真02,50>、ヤマツツジ<写真13>、コバノミツバツツジ<写真10>に加えて平戸ツツジまで見ることができました!(^^)!
ヤブデマリの花(ガク咲き)が、すべて装飾花(手まり咲き)になったものです。これも植栽でちょうど満開でした。動画には飛んでいる虫たちが映っていますが、すべてコアオハナムグリ(<写真46>左下)のようです。
備前焼の廃棄物の山(物原)となぜか物原(ものはら)の中で育っていたマツバウンラン越しに右に不老山、左に医王山が見えました。備前焼のメッカ伊部(いんべ)でしか見られないシーンです。この少し東から、物原や東窯跡、不老山から医王山を動画に撮りました。
昔は子亀がミドリガメとして売られていましたが、2014年1月、環境省はミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)が国内の生態系を脅かす恐れがあるとして特定外来生物に指定し、輸入や飼育を禁止しました。この馬場川の生態系は大丈夫でしょうか⁉なかなか警戒心が強いようで、近づくと次々に水に飛び込み、動画には2匹しか映りませんでした。この少し西で飛び去るアオサギ<写真37>を動画に撮りました。
カメムシには草食と肉食の2種類がいます。サシガメ科に属するアカサシガメは肉食性で、頭部の前方に伸びた「ゾウの鼻」のような口を虫に突き刺して体液を吸います。人間を襲うことはありませんが、捕まえると刺されることがあり、痛いそうです。
岡山県新見市を基準産地として、小泉秀雄氏が新種としたものです。シロバナタンポポと比べると、頭花は小さく、花の中心部はより黄色く見えます。花の付け根の上にある淡い赤紫色の総苞外片は反り返らず、角状突起と呼ばれる先端の角ばった部分がありませんでした。葉は三角形を重ねたような形です。これはキビシロタンポポで間違いないでしょう。
2000年代に入る頃から急速に増え始めた帰化植物です。カタバミに似ていますが、茎が立ち上がり放射状に伸びるのが特徴です。また、葉は閉じ気味でより密につきます。我が家の敷地内にもよく生えてきます。
ハナムグリ2種
中国や台湾原産ですが、なぜか「ナニワ」の名がついています。直径7cm程の大きな花には芳香があり、コアオハナムグリ(左)とナミハナムグリ(右)の2種類のハナムグリが仲良く花粉や蜜を食べていました。動画も撮りました。
野生化したツルニチニチソウが群生していました。花の直径は5cm前後で、日陰や寒さにもそこそこ強いようです。我が家の裏に生えてきたのは、ほったらかしでしたが、雪をかぶっても枯れることなく、そこら中に蔓を伸ばして花を咲かせていました。
モチツツジの花に頭を突っ込んでお食事中のクマバチの姿を動画にも撮りました。岡山弁でクマンバチというのは、オオスズメバチのことです。クマバチは草食でおとなしく、怖がらせたりしない限りは滅多に刺しません。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
GW2回目の山行は瀬戸内市と備前市にまたがる山域で行いました。通常も人に会うことはほとんどありませんが、今回もコース上、誰一人会うことはありませんでした。そのため、自然や史跡をゆっくりと見てまわることができました(*^^*)
出発点としたのは備前市と瀬戸内市の境にあたる伊坂峠<写真01>です。周辺は7,000万年以上前(白亜紀やジュラ紀)の地層が見られます。そのうち、この辺りでビゼンリュウ(仮称)の化石が見つかるかもしれません。
この山域はルートを変えて何度か訪問しています。
2016年1月7日https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-792631.html
2017年12月30日https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1345412.html
今回は伊坂峠の西側にある鉄塔巡視路入口から登りました。地形図上にはない歩きやすい道が続きますが、人が滅多に来ないせいか、多数のクモの巣&イモムシやダニトラップが待ち受けているので、障害物を上手に避けながら進む必要があります。下山後、連れのズボンにイモムシとタカサゴキララマダニのメスの成虫が1匹ずつしがみついていました(*_*;
西大平山と龍王山の山頂は展望は効きませんが、榧原(かやはら)山や尾根上にビュースポットがいくつかあり、海を臨めました。ここは何度か訪問していますが、時季が異なれば、新鮮な気持ちで楽しめます。今回はモチツツジがたくさん咲いていました。また、写真や動画でも紹介していますが、多種多様な白い花が印象的でした。
榧原(かやはら)山を下りると、伊部(いんべ)南大窯跡に出てきました。JR伊部駅の南にあり、備前陶器窯跡のなかでも真っ先(昭和34年)に国の史跡に指定されました。榧原(かやはら)山麓にある備前焼を焼いた室町時代から江戸時代の共同窯で、3基の窯(東側窯跡、中央窯跡、西側窯跡)と巨大な物原(ものはら)からなっています。(伊部南大窯跡周辺地形図<写真30>参照)
物原とは備前焼の不良品・破損品を廃棄したもので、大窯跡周辺にたくさんの廃棄物が山のように積まれています。南大窯では一回の焼成で作られる製品の数は34000〜35000個で、それらを作るのに15000〜16000貫(約56〜60トン)の薪が使われたと考えられています。特に東側窯跡<写真31,33>は全長53.8m、全幅3〜5m、傾斜角度17度の半地下式の登り窯で単房の窯としては国内で最大規模です。
ちなみに、毎年恒例の備前焼祭りは、様々な窯元や作家の焼き物約40万点が2割引程で購入出来る人気の陶器市で、2日間で約10万人もの備前焼ファンが訪れます。今年は10月17日(土)〜18日(日)の予定です。無事開催されることを願っています。
帰宅すると、我が家の庭の暖地サクランボの実が赤くなっていることに気が付きました<写真52>。例年より遅れていますが、過去最高の豊作のようです。ヒヨドリなどのサクランボ大好き野鳥たちは、気づかれたら追い払われると思っているらしく、黙って食べて帰っていきます。6日頃から食べごろになったらしく、周辺に食べ散らかした跡がありました。
基本は早い者勝ちなのですが、連れには勝てると思っているらしく、一人一粒の勘定で収穫していると、頭上で入れ代わり立ち代わり鳴きわめきます(-_-;)手のひらを広げて見せると、「ふーん、意外と少食なんだね」と許してくれるのですが、毎年、怒声を浴びせられるのにうんざりした連れは、近年は彼らが蹴落としてしまった完熟の実を拾っています。もちろん、目ざといアリンコ様たちにも気づかれていない落ちたてほやほやに限りますが。今年も、我々の口に入るのは一粒だけになりそうです(-_-;)
いろいろありましたが、季節は確実に移ろい、初夏の陽気になりました。これからも周辺の生き物のみなさんにパワーをもらいながら、一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。
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