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Yamareco

記録ID: 2392127
全員に公開
沢登り
北陸

【越美国境】長トコ谷(焼小屋谷)から笹ヶ峰〜ロボットピーク稜線散歩

2020年06月13日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
7.5km
登り
902m
下り
909m

コースタイム

日帰り
山行
9:30
休憩
0:00
合計
9:30
7:00
40
駐車地
7:40
7:40
140
長トコ谷出合
10:00
10:00
130
焼小屋谷出合
12:10
12:10
70
笹ヶ峰
13:20
13:20
50
夏小屋丸
14:10
14:10
140
ロボットピーク
16:30
駐車地
天候 小雨のち曇り
過去天気図(気象庁) 2020年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
大河内川沿いの林道奥のスペースに駐車(2〜3台駐車可能)
※ 大河内川沿いの林道は,一応普通の乗用車でも奥まで入れるが,途中からダートとなり路面もかなりガタガタなので注意
コース状況/
危険箇所等
【長トコ谷〜焼小屋谷(大河内川)】
・長トコ谷は,林道終点の少し先で大河内川が二俣に分かれた後の右俣のこと(左俣は滝ヶ谷)。15mほどの滝を筆頭にいくつか美しい滝を掛けており,特に左俣の滝ヶ谷と分かれた後すぐの連瀑帯はなかなか立派。ネットではほとんど記録がない谷だが,それなりに地元の方の入渓はあるらしく,滝の巻き道にはところどころ細引きがフィックスしてあったりする。ただ,基本的に両岸が立っており嫌らしい高巻きが多く,注意が必要。
・焼小屋谷は,長トコ谷の左俣支谷(右俣は夏小屋谷)で,笹ヶ峰の山頂付近に直接突き上げる谷。笹ヶ峰は「焼小屋丸」という別名も持っており,この谷の名前が山名の由来なのではないかと思われる(もしくはその逆?)。こちらの谷もネット上ではほとんど記録を見ない谷だが,意外に多くの小滝を掛けている。しかも直登が難しい滝が多く,高巻きも両岸が立っているため決して容易ではない。その代わり,詰めは藪漕ぎなしで楽に笹ヶ峰直下の稜線に出られるので,笹ヶ峰への登路としてなかなか魅力的だと思う。

【笹ヶ峰〜ロボットピーク間稜線】
・基本的に登山道のない藪区間だが,意外に無雪期でも快適に歩ける印象。8割の区間は腰丈くらいの笹原で,稜線沿いに走っている獣道を利用して問題なく通過できる。残りの2割の区間は背丈くらいの笹と灌木のミックスで,奮闘的な藪漕ぎになるが,短いので我慢できる程度(特に,笹ヶ峰のひとつ南のピークと,夏小屋丸の北側は藪が濃い。)。獣道は稜線の東側に走っていることが多いため,できるだけ東側を歩くのがおすすめ。基本的に笹原なので,多くの区間で好展望を得ることができる。

【ロボット尾根】
・ロボットピーク(夏小屋丸と大河内山の間のCa1280mピークの通称)から北西に派生している尾根。1050m〜ロボットピークの区間はかなり藪が濃いが,踏み跡(恐らく獣道)が続いており,それをいかに外さないかがポイント。背丈以上の笹の海のような個所もあるが,そのような場所でも笹の下には踏み跡が続いており,踏み跡を外さなければ藪漕ぎを最小限にできる。ただし,関係ない獣道も多数走っているので,誘い込まれないよう,常に読図して進路を予測しながら歩いたほうが安全。1050mより下部は藪はなく,マーキングもあるため楽に通過できる。
(この尾根を登りに使う場合の登り口…大河内川沿いの林道の駐車地から少しだけ上流方向に歩いたところに「ササガミネ」「白谷山」と書いた手作りの木製看板があり,そこにかかっている角材の橋を渡って尾根に取りつく。ちなみに、この看板を見ると笹ヶ峰まで登山道があるように思えてしまうかもしれないが、明瞭な踏み跡があるのは1050mまでで、それ以降は一般的な感覚から「登山道」と呼べるものは皆無なので注意。)
大河内川沿いの林道の終点から適当に斜面を下って大河内川に入渓。雨の影響で水量が多く,しかも濁りが入っている。もともと小さな谷なので,水量が多くても問題なく遡行していける。
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大河内川沿いの林道の終点から適当に斜面を下って大河内川に入渓。雨の影響で水量が多く,しかも濁りが入っている。もともと小さな谷なので,水量が多くても問題なく遡行していける。
今日遡る予定の長トコ谷や焼小屋谷を含めて,大河内川の記録はほどんどネットで見たことがないので,平凡な谷かと思っていたのだが,いきなり両岸の狭まった連瀑が続き,結構楽しませてくれる。
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今日遡る予定の長トコ谷や焼小屋谷を含めて,大河内川の記録はほどんどネットで見たことがないので,平凡な谷かと思っていたのだが,いきなり両岸の狭まった連瀑が続き,結構楽しませてくれる。
平流区間も周囲の自然林と相まって美しい。水が濁っていなければ,もっときれいだっただろうな…。
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平流区間も周囲の自然林と相まって美しい。水が濁っていなければ,もっときれいだっただろうな…。
二俣に到着。左俣の滝ヶ谷が滝となって出合っているのを横目に見つつ,右俣の長トコ谷に入る。
二俣に到着。左俣の滝ヶ谷が滝となって出合っているのを横目に見つつ,右俣の長トコ谷に入る。
と,すぐに7mほどの滝にぶつかる。増水で白く沸騰したようになっている滝を直登するすべはなく,右手の急な小尾根から巻きにかかる。
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と,すぐに7mほどの滝にぶつかる。増水で白く沸騰したようになっている滝を直登するすべはなく,右手の急な小尾根から巻きにかかる。
高巻きの途中で谷をのぞきこむと,先ほどの7m滝の上にも,15mほどの美しい直瀑がかかっていた。
この滝を越えたところで高巻きを終了するが,谷に戻る箇所が少し嫌らしく,失敗するとこの滝にダイブすることになる。
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高巻きの途中で谷をのぞきこむと,先ほどの7m滝の上にも,15mほどの美しい直瀑がかかっていた。
この滝を越えたところで高巻きを終了するが,谷に戻る箇所が少し嫌らしく,失敗するとこの滝にダイブすることになる。
15m滝を越えたあとも,小滝が断続的に続く。
平水時なら直登できそうな滝も,この水量では巻かざるを得ない箇所が多く,時間がかかった。
2
15m滝を越えたあとも,小滝が断続的に続く。
平水時なら直登できそうな滝も,この水量では巻かざるを得ない箇所が多く,時間がかかった。
なかなか美しい渓の景観が続く。
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なかなか美しい渓の景観が続く。
5mほどのきれいな直瀑。困ったことに,両岸はつるりとした壁で,容易に通過できそうにない。
周囲を観察した後,左岸の急斜面に取りつき,露岩の間のバンドをつないでトラバースしていく。切れ落ちた箇所が続き,なかなかきわどい高巻きとなった。
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5mほどのきれいな直瀑。困ったことに,両岸はつるりとした壁で,容易に通過できそうにない。
周囲を観察した後,左岸の急斜面に取りつき,露岩の間のバンドをつないでトラバースしていく。切れ落ちた箇所が続き,なかなかきわどい高巻きとなった。
谷に戻った後も,白く沸騰したような連瀑が続く。
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谷に戻った後も,白く沸騰したような連瀑が続く。
と,なかなかの迫力の2段の滝が現れた。下段は5m,上段は10mくらいか。左岸の急な草付きから取りつき,滝の落ち口に向かってズルズルの急斜面を灌木頼りにトラバースして抜けた。
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と,なかなかの迫力の2段の滝が現れた。下段は5m,上段は10mくらいか。左岸の急な草付きから取りつき,滝の落ち口に向かってズルズルの急斜面を灌木頼りにトラバースして抜けた。
高巻き中に見た上段の滝10m。この谷は姿の整った滝が多い。
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高巻き中に見た上段の滝10m。この谷は姿の整った滝が多い。
高巻きを終え,緑の窓のような落ち口に降り立った。
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高巻きを終え,緑の窓のような落ち口に降り立った。
少し遡ると左手に焼小屋谷が出合い,そちらに入る。
2
少し遡ると左手に焼小屋谷が出合い,そちらに入る。
焼小屋谷に入ると急に水量が少なくなったため,やっと終盤かとほっとしたが,それもつかの間,5mほどの小滝の連瀑が始まり慌てさせられる。
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焼小屋谷に入ると急に水量が少なくなったため,やっと終盤かとほっとしたが,それもつかの間,5mほどの小滝の連瀑が始まり慌てさせられる。
しかも,つるっとしていて簡単に直登できない滝が多く,高巻くしかないのだが,この高巻きも両岸が切り立っていて結構悪い。しかも藪が濃く,高巻きするたびに激しい藪漕ぎとなる。小さな谷の割には,通過に時間がかかる印象だ。
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しかも,つるっとしていて簡単に直登できない滝が多く,高巻くしかないのだが,この高巻きも両岸が切り立っていて結構悪い。しかも藪が濃く,高巻きするたびに激しい藪漕ぎとなる。小さな谷の割には,通過に時間がかかる印象だ。
この2段の滝は,1段目はひっかかっていた流木を使って直登。2段目はホールドがなく行き詰ったため,左手のボロ壁を登って灌木帯に逃げ,高巻いた。
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この2段の滝は,1段目はひっかかっていた流木を使って直登。2段目はホールドがなく行き詰ったため,左手のボロ壁を登って灌木帯に逃げ,高巻いた。
この後も小滝多数。
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この後も小滝多数。
やっと奥の二俣。笹ヶ峰山頂へは右へ。
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やっと奥の二俣。笹ヶ峰山頂へは右へ。
もう水切れかな,と思ったところで小滝が現れ出し,直登したり藪を漕いで高巻いたり,滝の小ささに不釣り合いな苦労をして一つ一つ乗り越した。
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もう水切れかな,と思ったところで小滝が現れ出し,直登したり藪を漕いで高巻いたり,滝の小ささに不釣り合いな苦労をして一つ一つ乗り越した。
詰めではきっと強烈な藪漕ぎになるに違いない,と身構えていたのだが,藪漕ぎなしであっけなく稜線に出てしまった。
詰めではきっと強烈な藪漕ぎになるに違いない,と身構えていたのだが,藪漕ぎなしであっけなく稜線に出てしまった。
残念ながら小雨が降り続いており,ガスに包まれて展望はない。今日は午後から雨が止むらしいので,少しでもガスが取れてくれるといいのだが…。
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残念ながら小雨が降り続いており,ガスに包まれて展望はない。今日は午後から雨が止むらしいので,少しでもガスが取れてくれるといいのだが…。
胸までの笹薮を漕いで,すぐそこにあるはずの笹ヶ峰山頂に向かう。稜線上ではウグイス,奥美濃側の谷からはコマドリやカッコウの鳴き声が聞こえてくる。
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胸までの笹薮を漕いで,すぐそこにあるはずの笹ヶ峰山頂に向かう。稜線上ではウグイス,奥美濃側の谷からはコマドリやカッコウの鳴き声が聞こえてくる。
えーと,このあたりが笹ヶ峰のピークのはずなのだが…見えるのは一面の笹薮のみ。三角点がどこにあるのか皆目見当がつかない。
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えーと,このあたりが笹ヶ峰のピークのはずなのだが…見えるのは一面の笹薮のみ。三角点がどこにあるのか皆目見当がつかない。
三角点の捜索開始。意外に広いピークを,がさがさ藪を分けて歩き回る。途中,小さな池があるのを発見し,ちょっとびっくりした。
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三角点の捜索開始。意外に広いピークを,がさがさ藪を分けて歩き回る。途中,小さな池があるのを発見し,ちょっとびっくりした。
しかし,探しているのは池ではなく,三角点…。両手で藪をかき分けてそれこそ血眼になって探し回るが,なかなか見つからない…。
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しかし,探しているのは池ではなく,三角点…。両手で藪をかき分けてそれこそ血眼になって探し回るが,なかなか見つからない…。
10分経過…。いまだ見つからず。
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10分経過…。いまだ見つからず。
と,急に小さな切り開きにぽっかりと飛び出し,その中央に紛うかたなき三角点を発見。見つかるときはあっけなく見つかるから奇妙なものだ。ガスっていたせいもあるが、探し当てるまでに10分かかってしまった…。
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と,急に小さな切り開きにぽっかりと飛び出し,その中央に紛うかたなき三角点を発見。見つかるときはあっけなく見つかるから奇妙なものだ。ガスっていたせいもあるが、探し当てるまでに10分かかってしまった…。
三等でいらっしゃいました。
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三等でいらっしゃいました。
積雪期は360°の展望地である笹ヶ峰も,この時期は笹と灌木の藪に囲まれて,意外に展望はよくない(まあ,もし展望がよかったとしても,この天気では何も見えないだろうが…)。
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積雪期は360°の展望地である笹ヶ峰も,この時期は笹と灌木の藪に囲まれて,意外に展望はよくない(まあ,もし展望がよかったとしても,この天気では何も見えないだろうが…)。
三角点を撫でて名残を惜しんだ後,再び笹薮を漕いで稜線を南へ。当初計画では焼小屋谷か夏小屋谷を下降するつもりだったのだが,増水で濁った谷を下ることにあまり魅力を感じなかったのと,無雪期の越美国境稜線の様子を見てみたいという好奇心が勝ち,ロボットピークまで稜線を縦走し,ロボット尾根経由で下山することにした。
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三角点を撫でて名残を惜しんだ後,再び笹薮を漕いで稜線を南へ。当初計画では焼小屋谷か夏小屋谷を下降するつもりだったのだが,増水で濁った谷を下ることにあまり魅力を感じなかったのと,無雪期の越美国境稜線の様子を見てみたいという好奇心が勝ち,ロボットピークまで稜線を縦走し,ロボット尾根経由で下山することにした。
越美国境稜線はすさまじい藪のイメージしかなかったのだが,写真のように膝〜腰丈くらいの笹原に獣道が走っている区間が多く,予想外の快適さに驚いてしまった。
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越美国境稜線はすさまじい藪のイメージしかなかったのだが,写真のように膝〜腰丈くらいの笹原に獣道が走っている区間が多く,予想外の快適さに驚いてしまった。
時々,写真のように灌木交じりの濃い藪が現れ,奮闘的な藪漕ぎになるが,こうした区間は割と短いため,それほど問題にはならない。
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時々,写真のように灌木交じりの濃い藪が現れ,奮闘的な藪漕ぎになるが,こうした区間は割と短いため,それほど問題にはならない。
獣道は結構はっきりしており,ぱっと見,登山道のように見えるくらい。
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獣道は結構はっきりしており,ぱっと見,登山道のように見えるくらい。
夏小屋丸への登りに差し掛かると,急に藪が濃くなり,一時的にちょっとした藪漕ぎに。
夏小屋丸への登りに差し掛かると,急に藪が濃くなり,一時的にちょっとした藪漕ぎに。
笹薮を漕ぐ手を休めて顔を上げると,いつの間にかガスが晴れ始めており,切れ切れの雲をまとった奥美濃の黒い山並みが眼前に広がった。
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笹薮を漕ぐ手を休めて顔を上げると,いつの間にかガスが晴れ始めており,切れ切れの雲をまとった奥美濃の黒い山並みが眼前に広がった。
振り返ると,ここまで辿ってきた笹の稜線も霧の中から現れ出ていた。奥のピークが笹ヶ峰。
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振り返ると,ここまで辿ってきた笹の稜線も霧の中から現れ出ていた。奥のピークが笹ヶ峰。
福井側の山々も霧の間から姿を現し始めた。
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福井側の山々も霧の間から姿を現し始めた。
夏小屋丸(P1294m)に到着。夏小屋丸は小広い笹原となっており,ほぼ360°の展望がほしいままである。
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夏小屋丸(P1294m)に到着。夏小屋丸は小広い笹原となっており,ほぼ360°の展望がほしいままである。
行く手の無名ピーク(手前)とロボットピーク(奥)がガスの合間に見渡せた。
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行く手の無名ピーク(手前)とロボットピーク(奥)がガスの合間に見渡せた。
さらにガスが晴れ,奥に大河内山と三周ヶ岳の姿も現れた。気持ちの良い稜線の眺めだ。
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さらにガスが晴れ,奥に大河内山と三周ヶ岳の姿も現れた。気持ちの良い稜線の眺めだ。
振り返れば笹ヶ峰の姿。
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振り返れば笹ヶ峰の姿。
不動山方面はまだガスをかぶっており,見えそうで見えない。
不動山方面はまだガスをかぶっており,見えそうで見えない。
夏小屋丸を後にし,稜線をさらに南へ。美しい笹原の稜線が続き,無雪期もなかなか捨てたもんじゃないな,と思ってしまった。
夏小屋丸を後にし,稜線をさらに南へ。美しい笹原の稜線が続き,無雪期もなかなか捨てたもんじゃないな,と思ってしまった。
腰丈くらいの笹原に歩きやすい獣道が続き,眺めも良く,快適な稜線漫歩が続く。もしかしたら無雪期の越美国境稜線縦走も夢ではないかも?(美濃又丸から三周ヶ岳にかけての激藪をどうするか,という問題は残るが…)
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腰丈くらいの笹原に歩きやすい獣道が続き,眺めも良く,快適な稜線漫歩が続く。もしかしたら無雪期の越美国境稜線縦走も夢ではないかも?(美濃又丸から三周ヶ岳にかけての激藪をどうするか,という問題は残るが…)
天気の変わり目特有の,刻々と変化するガスと山々の景観を眼下に稜線を辿っていく。
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天気の変わり目特有の,刻々と変化するガスと山々の景観を眼下に稜線を辿っていく。
途中,前方の獣道を2頭のシカが移動していくのを見つけた(カメラのズームが貧弱なので,これが限界…)。やはりこの稜線に走っている踏み跡は,人の踏み跡ではなく,獣道のようだ。
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途中,前方の獣道を2頭のシカが移動していくのを見つけた(カメラのズームが貧弱なので,これが限界…)。やはりこの稜線に走っている踏み跡は,人の踏み跡ではなく,獣道のようだ。
一面の笹の海が続き,壮観の一言。「笹ヶ峰」とはよく言ったものだ。
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一面の笹の海が続き,壮観の一言。「笹ヶ峰」とはよく言ったものだ。
左手には,昨年11月に不動山に登った際に遡下降した励谷の深く切れ込んだ源頭部が望めた。
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左手には,昨年11月に不動山に登った際に遡下降した励谷の深く切れ込んだ源頭部が望めた。
もうすぐロボットピーク。この辺りは笹の背も低く,特に歩きやすく,眺めも良い。この頃になると,雨も止み始めた。
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もうすぐロボットピーク。この辺りは笹の背も低く,特に歩きやすく,眺めも良い。この頃になると,雨も止み始めた。
途中,バイケイソウの群落があり,斜面に白い花を点々と咲かせていた。
途中,バイケイソウの群落があり,斜面に白い花を点々と咲かせていた。
ちなみに,下のほうの斜面に黄色い花も咲いており,あれはなんだろう?と確認もせずに通り過ぎてしまったのだが,後でよく考えたらニッコウキスゲだったかもしれない。写真を撮りに行けばよかった。
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ちなみに,下のほうの斜面に黄色い花も咲いており,あれはなんだろう?と確認もせずに通り過ぎてしまったのだが,後でよく考えたらニッコウキスゲだったかもしれない。写真を撮りに行けばよかった。
奥美濃側もガスが取れ始め,やっと不動山(写真中央)の姿を望むことができた。
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奥美濃側もガスが取れ始め,やっと不動山(写真中央)の姿を望むことができた。
ロボットピーク着。このピークも,笹の背が低く,ほぼ360°に近い展望を楽しむことができる。写真奥はこれまで歩いてきた稜線。
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ロボットピーク着。このピークも,笹の背が低く,ほぼ360°に近い展望を楽しむことができる。写真奥はこれまで歩いてきた稜線。
昔,このピークに設置されていたロボット雨量計の残骸(と思われる)。
昔,このピークに設置されていたロボット雨量計の残骸(と思われる)。
福井の山々。
沢で汲んできた冷たい水とパンで昼食にしながら眺めを楽しんだのち,ロボット尾根を辿って下山にかかる。手前に見えている尾根がこれから下山するロボット尾根。奥に広がる雲海の山々が美しい。
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沢で汲んできた冷たい水とパンで昼食にしながら眺めを楽しんだのち,ロボット尾根を辿って下山にかかる。手前に見えている尾根がこれから下山するロボット尾根。奥に広がる雲海の山々が美しい。
ロボット尾根は全体的に藪がかなり濃く,写真のように一部背丈を越える笹薮が続く箇所もあるが,足元には踏み跡(おそらく獣道)が続いており,それを外さないければ,激しい藪漕ぎは避けることができる。
ロボット尾根は全体的に藪がかなり濃く,写真のように一部背丈を越える笹薮が続く箇所もあるが,足元には踏み跡(おそらく獣道)が続いており,それを外さないければ,激しい藪漕ぎは避けることができる。
ギンリョウソウ。
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ギンリョウソウ。
はるか頭上の木の枝に,「展望台地」というプレートが。積雪期にはまさに気持ちの良い展望台となるこの尾根も,無雪期の今では,濃い藪に囲まれて全く展望は得られない。何だか奇妙な感じだ。
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はるか頭上の木の枝に,「展望台地」というプレートが。積雪期にはまさに気持ちの良い展望台となるこの尾根も,無雪期の今では,濃い藪に囲まれて全く展望は得られない。何だか奇妙な感じだ。
ロボット尾根を下り切り,写真の小橋を渡って大河内川を渡る。
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ロボット尾根を下り切り,写真の小橋を渡って大河内川を渡る。
橋の上から,今日の遡行で楽しませてもらった大河内川に別れの挨拶。ここから見ると穏やかな流れにしか見えず,この上流に厳しい連瀑帯があるとは全く想像もつかない眺めだ。
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橋の上から,今日の遡行で楽しませてもらった大河内川に別れの挨拶。ここから見ると穏やかな流れにしか見えず,この上流に厳しい連瀑帯があるとは全く想像もつかない眺めだ。
大河内川沿いの林道に出た。無事山行終了。
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大河内川沿いの林道に出た。無事山行終了。

装備

備考 ・フェルトソール沢足袋使用
・ロープは携行したが不使用(高巻きは懸垂下降なしで可能でした)

感想

 梅雨入り,そして雨の土曜日。さすがに大きな谷は増水で危険なので,なるべく小さな谷を…ということで,前から広野ダムの奥に広がる山を登る度に気になっていた日野川の奥の大河内川源流の沢(長トコ谷,焼小屋谷)を遡行してみることにした。越美国境の藪の秘峰である笹ヶ峰も過去に積雪期に登ったことはあるが,無雪期はまだ登ったことがなかったため,セットで楽しむことにした。
 長トコ谷と焼小屋谷は,ネットではほとんど記録を見ない谷のため(地元山岳会の会報などにはきっと載っているのだろうが,残念ながら手元に資料がなかった),平凡な谷かもしれないとあまり期待していなかったのだが,実際入ってみると滝が数多くあらわれ,しかも形の美しい直瀑が多く,雨による増水も相まってなかなか迫力もあり,思った以上に変化があって楽しい沢だった。両岸が切り立っているため結構渋い高巻きもあり,小さな谷の割には意外に遡行に時間がかかり,小気味よい手ごたえのある沢だった。
 笹ヶ峰では,藪とガスの中で苦労して探し当てた三角点の他にも,小さな池を見つけてちょっとびっくりした。また,夏小屋沢(この沢は,おそらく,夏小屋丸の山名の由来なのでは?)を下降する当初計画を変更して,越美国境稜線をロボットピークまで歩いてみることにしたが,この区間の稜線は無雪期も予想以上の快適さで歩けることが分かり,個人的に嬉しい発見だった(無雪期は濃い藪でまともに歩けたものではないと思い込んでいたので…)。緑の笹の絨毯に覆われた稜線が延々と続く美しい景観はまさに「笹ヶ峰」の名にふさわしく,また右手に福井の山々,左手に奥美濃の峰々をつぶさに眺めることができ,この界隈の越美国境稜線は,無雪期もなかなか捨てがたい魅力があると気づかされた一日だった。

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コメント

滝ヶ谷から笹ヶ峰、ロボットへ
先一昨年はロボット往復、一昨年はナガトコ谷溯行は滝の直登に手こずり撤退。昨年9月に滝ヶ谷を溯行して笹ヶ峰北峰に登頂。山頂の東でツエルトビバーク。翌朝激藪をこいで登頂。ロボット経由で下山。残雪期も良かったが、沢からの登頂も感動した。貴殿の記録は手に取るように分かる。私が参考にしたのは地元の人が著した『屏風山脈の旅』です。
2020/10/19 0:17
Re: 滝ヶ谷から笹ヶ峰、ロボットへ
 お返事が遅くなってしまい,大変申し訳ございません。コメントいただきありがとうございます。この山域は沢も藪漕ぎも雪山も本当に楽しいですね。私も今度は長トコ谷のシンノ谷や滝ヶ谷にも行ってみたいと思っています。「屏風山脈の旅」は恥ずかしながらまだ手にしたことがないので,参考にさせていただきます。
2020/10/20 22:12
プロフィール画像
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