といし山〜三峠山〜草尾峠
- GPS
- 04:52
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 936m
- 下り
- 986m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
下山は立木駅に |
コース状況/ 危険箇所等 |
といし山〜三峠山は尾根上に薄い踏み跡あり、藪はなく歩きやすい 三峠山〜草尾峠は尾根筋は荒れている 草尾峠から北に下る古道はイワヒメワラビの藪に埋もれてはいるが道筋は明瞭 |
写真
感想
この日は家内が車を使う予定があるので公共交通機関を使っての山行となる。京都の丹波地方は山陰本線を使ってアプローチ出来る山が少なくないのが有難い。以前、丹波高地の空山に登ったとき長老ヶ岳の左手に三峠山が大きな山容を広げていたのを思い出し、といし山から三峠山へと縦走することにする。ところで三峠は「みとけ」と読むが、知らなければそうは読めない難読地名だろう。
山陰本線を園部で福知山行きに乗り換えると、途端に車窓風景は鄙びた感じになる。珍しく車掌が検札に来る。どうやら福知山から先では交通系のカードは使えないということを知らずに京都から交通系の電子カードで乗車している乗客が少なくないようだ。
下山駅で下車すると府道26号を辿り、青々とした田圃が広がる長閑な田園風景の中を歩く。質美に向かうこの道は質美街道と呼ばれるらしい。道路脇には赤紫や青紫の色とりどりの紫陽花の花が咲いている。質美川の手前で質美街道を離れ、といし山の山麓の北久保の集落に向かう。このといし山は登山道が通じているわけではないが、里山なので昔から人がよく登っていた筈である。山頂からp391を経てJRのトンネルをめがけて南東に伸びるなだらかな尾根に目星をつける。
北久保の集落の奥で目指す尾根の手前に獣避けのフェンスが見える。フェンスの扉を開けて、広い道を登るとすぐに小さな祠がある尾根の末端に辿り着く。広い道はそのまま雑木林の尾根を登ってゆく。尾根からはすぐ真下に質美川にかかるジオラマのような橋梁が見える。まもなくもう一つの祠と大きな石碑が現れる。広い道はここで終わるが、尾根伝いには細い道が続いているようだ。
p391ピークの手前で道は不明瞭になるが尾根筋の踏み跡を辿ってピークに登る。ピークから先にも歩きやすい踏み跡が続いている。尾根の南側には伐採地が続いている。伐採斜面が尾根の近くまで登ってくるので斜面を上から覗いてみる。斜面の南には展望が大きく広がり、雨石山、八ヶ尾山、多紀アルプスといった丹波篠山の山々が見える。
伐採斜面が終わると尾根は痩せ尾根の急登となる。尾根には随所に岩場が現れるが、その度に背後に展望が広がり、彼方には愛宕山が見える。岩場の岩にはほとんどの岩に層状の模様が見える。層状チャートの岩石のようだ。空気は蒸し暑いが、尾根上は終始、涼しい風が吹いている。しばしの急登を登りきるとといし山の山頂に到着する。
といし山の山頂の周囲には薄い扁平な岩石が多い。砥石になる石なのだろう。すす東の空山の近くにもといし山があり、京都の右京区にもといし山がある。といし山というのは良質の砥石が産出したことに山名が由来するのだろう。
といし山の西峰には小さいながらも急峻な鞍部を越えて西峰に登り返すことになるが、ここからはなだらかな尾根が続く。といし山の西のピークca490mからは北側に広い伐採斜面が広がる。西側には三峠山が見える。有難いことに自然林の尾根が続く・・・と思っているとp510の手前で檜の植林が南側から斜面を登ってくる。ピークへの登りは植林と自然林の境界を登ることになる。
p510から先は尾根を緩やかに下る。p485手前の鞍部に至ると高木が多くなり、広い尾根上には広々とした樹林が広がる。p485を過ぎると、p552にかけて細尾根を緩やかに登る。ピークを過ぎて、なだらかな尾根を進むと、P539の手前、北側に伐採斜面が広がり、谷の背後に再び長老ヶ岳を展望する。
p539をすぎると、三峠山から東に伸びる稜線に向かって自然林と伐採斜面との境界を登っていくことになる。それなりの急登なのだが、好展望を眺めながらの登りなので、登りのしんどさを感じない。振り返るとといし山から辿ってきた尾根を展望することが出来る。といし山の彼方には愛宕山のシルエットが見える。
稜線に出るとそのすぐ北側には林道が見える。ここでも尾根上は下生のない快適な自然林が続くので林道を歩くまでもないと思って機嫌良く歩いていいると、うまい話は長続きはしないものである。三峠山の手前で再び殺風景な植林地になるので、林道に降りる。
内田嘉弘氏の本によると三峠山の北側で林道の最高地点から北側に眺望が広がっていたとの記述があるが、今やすっかり成長した植林の樹々が眺望を遮ってしまっている。さて再び林道から三峠山に登ろう、林道の法面から植林に上がる場所を探すがなかなか見当たらない。なんとか登れる場所を探して植林に登るとすぐにピンク・テープが現れたので、取り付く場所は正しかったのだろうと思われるが、この法面を登る場所を探すのは容易ではない。
山頂は眺望のない檜の植林の中の殺風景な場所だ。山頂からはイワヒメワラビの繁茂する谷を下って山頂の西側で再び林道に出る。次のピークp610にはPH氏のプレートも何もない場所だということはdrpepperさんのレコで掌握してはいたが、次の草尾峠にかけて林道は尾根から離れた北斜面をかなり蛇行しながら進んでゆくので尾根筋を歩きたいところだ。尾根に上がる場所を探すが、林道のすぐ上には防獣ネットが張られており尾根に上がる場所がなかなか見出せない。ようやく防獣ネットが途切れて、尾根に上がることが出来たのはp610のすぐ手前であった。
ピークまでは植林の斜面を快適に登ることが出来たが、ピークから尾根を西に辿ろとしたところ、尾根上は多くの倒木でかなり荒れている。尾根の南側に地図にはない林道が見えるので、林道に降りるべく緩やかな尾根を下る。ところが、この目論見が甘かった。林道の法面が高すぎて、林道に着地する場所が見当たらない。仕方がないので林道の法面の上をトラバースして小さなコルに出ると小さな谷を渡って草尾峠への尾根に乗り直す。先ほどの林道は草尾峠ではなく南の方に進んでいくようで、結局は林道に降りなく良かってのだが、ここは尾根筋を辿った方が良かったようだ。
しかし草尾峠が近づくにつれて尾根上はかなり荒れており、藪化している。しかし、ここも尾根のすぐ北川の林道には法面が高くて全く下降できそうない。草尾峠にたどり着くと峠を横切る古道に降りる踏み跡があり、無事、峠の祠の前に出ることが出来る。祠の中は内田嘉弘氏の本に記されているように何もない。中に収められていた地蔵を誰かが持ち去ったという噂があるらしいが、そうでなけば無くなることはないだろう。
次の七谷峠まで足を延ばす可能性も考えたが、車道歩きが長くなるので、この草尾峠から降りることにする。林道の北側には峠に登る古道が見えたので、古道を辿る。古道はイワヒメワラビの下に埋もれているが、道の形は明瞭だ。古道を辿って九十九折に斜面を下る。
やがて沢沿いを下るようになると苔むした林道に出る。林道の脇では岩の間から清水が脇き出している箇所があり、清水で喉を潤すとペットボトルの水を入れ替える。林道が唐突に終わり、獣避けのフェンスを開けて府道に出る。空にはすっかり青空が広がっている。田圃の脇を歩いて真新しい府道450号線に出ると立木の駅までは1kmほどの距離だ。しかし、アスファルトの上を歩くこの1kmがなんとも暑く感じられる。
立木駅に到着するとそう長いこと待たずに山陰本線の列車が到着する時間だったので良かったが、自動販売機もない殺風景なところで1時間におよそ一本の列車を長時間待つのは耐え難いところだ。跨線橋を渡ってホームにたどり着くと意外な先客がいた。シマヘビのようだ。私の到来に驚いたのかすぐにホームの裏手の草叢の中に姿をくらましてしまうのだった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
といし山の取り付きは
北久保の北側の尾根が良かったのですね。
二つの祠、見たかったです
このあたりの電車は
バスみたいなシステムで知らないと戸惑いますね
drpepperさん コメント有難うございます。それから毎度のPHPの補修整備も。
>といし山の取り付きは
基本的には里山なので最も登りやすそうな尾根に昔から人が登ったルートがあるのではないかと思って取り付いてみました。
>このあたりの電車は
最近は交通系ICカードが使えないバスは珍しいでしょうね。JRもワンマンにICカードを導入するのはそう難しくはないのでしょうが、問題は乗客がICカードを入手するのが難しいのかもしれませんね。
drpepperさんが行かれた時には電車に乗れるのであれば山家まで行かれる計画だったんですね。私も折を見つけて歩いてみたいとは思いますが、是非、歩かれなかった区間の完踏を。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する