緊急事態宣言も終わり…飯豊連峰（大��尾根〜石転び）周回
kakichoco
- GPS
- 56:00
- 距離
- 29.4km
- 登り
- 2,537m
- 下り
- 2,525m
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- 山行
- 9:11
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 10:08
| 天候 | 6/22 曇り /23 曇り /24 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2020年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
・ダイグラ尾根上部で雪のトラバース箇所ありました。（積雪量・時期次第） ・まだヒメサユリも咲いてませんでした。 ・稜線上で水場を確認できたのは梅花皮小屋、本山と小屋の間で旧玄山道からくる ふみ跡を降りた雪渓の雪解け水（地下を通っていないのであまりおいしくない） ・稜線は御西から梅花皮岳までの間、9割弱雪上歩行。ガス時は夏道と思われる個 所を外さず歩いてください。 ・石転び雪渓は門内沢出合で雪切れのため、夏のトラバース道でした。また、音も なく大人のこぶし大の落石が通過していきました。 |
| その他周辺情報 | 国民宿舎梅花皮荘で入浴、久々に大きな風呂で入浴したなぁ |
写真
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このピンクって下界にあります？
玄山道の水場？というか融雪水付近から
夏道外さないように気を使って歩いたので時間かかりましたが、
梅花皮小屋着きました。
やっと晴れた。門内方面。
ここからスキーで石転びに落とすらしいけど、チャレンジしてみたい。
飯豊川本流洗濯沢出合の河原が見えた。
いつかは遡行してみたい。
感想
緊急事態宣言…一体なんて事が起こったのか。自分の職業柄、保菌している人と接触する可能性が大きい。いわゆる不特定多数ということだ。さらに首都圏在住、通勤も電車で1時間強、在宅もなし…感染してないなんてどこに保証があるのか。世間ではおうち時間などと言っていたが、山に行かない以外は何ら生活リズムは変わっていなかった。GW後の宣言解除があっても『まぁ、今年は雪も少なかったし』とモヤモヤする気分を押さえつけ『なんとか警察』とかうんぬんかんぬんのこともあるし、本当にじっと生活していた。ようやく全国的にお許しが出た感じになり、開幕戦と決めていた私の大好きな『飯豊連峰』に向かった。
ドライブすら出かけていなかったため、往路は東北道から米沢経由（ここも高速がが伸びてらくちんに）で小国入りし、復路は胎内市から五泉市を抜け栃尾を経由し、小出から湯沢、そしていつもの下道で帰宅するプランとした。新潟県経由の方が圧倒的に遠いと思っていたが、なんと20キロ程度しか変わらないというのに驚いた。
6/22
21日の21時くらいに家を出発、眠気に勝てない自分が引っ張って道の駅飯豊まで頑張れた。2時半着。でもその反動が出て、眠いながらの運転で天狗平に着いて出発準備。急がないと今日の登りはダイグラ尾根だ。9時過ぎに出発、おおむね10時間あれば何とかなるだろうと見込んで急いで出発する。温見平までの林道ですれ違った人に聞けば、石転び雪渓は門内出合で終了となっているとのこと。そしてまさかの『あれ？吊橋板入ってたっけ？』😨情報収集不足、ま、どうにかするさと桧山沢へ向かう。もう少し新緑の美しいときに来たかったが、それでもなおこの緑の森は美しい。出合いに来てみれば布板が入っていたので一安心。
わかっているもののものすごい登り…というか飯豊全体の稜線までの登りはどれも急で、どこの尾根も同じだと思う。ブナやナラの林の中をグイグイ登ってゆく。途中下りの人から稜線の水情報、ルートの状況を聞けば、いつも通りカイラギ以外は雪の中で、本山と小屋の間で旧玄山道と思われる踏み跡を下ると雪田のところに大量に流れていると聞いた。それと宝珠山に近くなると雪の上を登るようになりアイゼンを使ったとも言っていた。休場の峰で休憩するもいつもの羽虫が大量に舞っており、落ち着いて休めない。尾根上部で姫様が出てくるがすべてつぼみだったのが残念、アップダウンも少なくなり大又沢側にルートが出てくると雪面が現れ始める。ブッシュとの境を歩いて登るが、宝珠山の肩の先でガスのため谷の深さがわからず、どのくらい落ちてしまうの不安だったので一度アイゼンを着用した。
もう間もなく山頂かな？と思っていたが、そう思ってしまった心が御前坂で疲れに追い打ちをかけた。疲れて立ち止まると素晴らしい夕焼けとなっており、日本海も見えた。山頂に着くと、この山域で最も好きな景色に目を奪われた。いただいた情報の通り給水し、本山小屋へ向かった。19時半でもかなり明るかったが、だんだん風とガスが出てきて明日以降の天気に不安を覚えた。
6/23
天気は霧雨で気温高い。ラジオを聞いていると下界の天気は良くなるらしい。出パすると風はなくなったがガスは取れず。時計の電池が切れてしまったので高度がまるで分らない。この時期の平日飯豊は登山道もほぼ貸し切り、何の景色も見られないことから花を愛でながら歩く。メインはハクサンイチゲとウスユキソウだった。雪は少ないと思っていたが稜線上はそんなこともなく、ガスが濃く夏道と思われるところを外さぬように、道が雪で埋まると雪と草原のコンタクトラインを歩き、次の夏道を見つけるという感じで歩いた。
なんとなく御西を通過し、ガスの中から小屋が突然湧いて出てきた。このところここに来ると大日岳はガスの中、往復は今回も割愛とした。少し長めの休憩中、小屋の日誌を読んでいると、なんと2年前に我が社を定年退職したTさんが記入した文を発見。誘ってくれればお付き合いしたのにと思いながら、世間の狭さを感じる一瞬だった。再びガスの中を出発、基本一番高いところを真っすぐというイメージだったけれど、途中思いのほか尾根が入り込んでいるためコンパスで確認は必要だった。梅花皮小屋まで8割雪上歩行、夏道は東側がほとんどなので基本雪堤の上を稜線を左に見ながら歩くことになる。気温は高めで足がとられるためアイゼンを着用して歩いた。
クサイグラ尾根が稜線に合わさるところは少し注意しないと引き込まれるかな？さらに平坦だったところが、いきなり雪面トラバースになったりと地形に変化が出てくる。ここも谷がどのくらい深いのかわからないので再アイゼンとなる。なんせ今年は30年近くはいた一本締めアイゼンから、簡単に着装できるタイプに買い替えることができたので全く苦でもない。御手洗ノ池もそれらしいところを通ったが雪でよくわからなかった。
結局、烏帽子頂上直下まで雪堤の上を歩いた。本当なら稜遊漫歩の区間なんだろうけれど、梅花皮岳の下りでようやく見晴らしがよくなり小屋が確認でき、一人テントを設営しているのが見えた。いつもより行動時間は短めでも、今回は飯豊で泊まりたいというのが趣旨。水もじゃんじゃん出てるし、久々のカイラギ泊とした。飯豊川本流の洗濯沢出合付近の河原が見え、『いつかはクラウン（古っ）』ではないが『いつかは飯豊川本流』との思いを新たにした。一旦ガスは晴れかかったが、結局夕方は再びガスに包まれてしまった。明日は晴れるんだろうか？
6/24
夜聞いていたラジオと携帯の天気予報は晴れの一点。今日は下道帰宅ということもあって自分にしては早めの行動とする。北股岳Pからの展望は最高の一言。相変わらず御西・大日は滝雲の中だったが、その他の方面はすこぶる良好だ。エブリ方面の稜線の山並み、北東側斜面の雪渓と緑のコントラスト、朝日との陰影…久々に山の景色を堪能した感じである。一日ここにいてもいいなぁという誘惑にかられながら小屋に戻る。
昨日見えなかった石転び雪渓も下まで完全に見下ろせた。スキーならあっという間だろう距離もコースタイムでは2時間近くかかる。中の島は露出しているが、雪渓を適当に降りる。上部3分の1くらいのところでたまたま稜線を振り返った時に、3mくらい離れたところをこぶし大の落石が無音の猛スピードで通過していった。さすが石転び雪渓！本石転び沢出合でアイゼン脱装、歩幅が楽になった。例年ならあり得ないらしいが、門内沢出合で雪渓はなくなっていた。右岸のピンクテープから雪が解けたばかりの河原を歩き、門内沢出合で残ったSBを左岸にわたる。この雪渓を登ったのは20年以上前で、まるで夏道の記憶がない。対岸の踏み跡チックを少し登ったところで大休止。
イタドリの生えた大岩の河原を下っていけばいいんだよな程度に思っていたが、これが大きな間違い。沢沿いに少し下ると眼下に崩壊雪渓と岸壁で通過は不能の様だった。ここにきてしくじった…一旦休憩地点まで戻り、再びSBに乗って達着地点を確認した。おそらくこれだという踏み跡に入るとまたイタドリに囲まれる。左岸の山の傾斜際に残雪があり、とりあえずそこまで行ってみようかと歩いていると、はっきりした踏み跡を発見した。もっと門内沢寄りを進めばよかったみたいだ。
ここからはこれでもかという片斜面のトラバース道となる。危なそうなところは補助ロープが設定してあるが、崩壊雪渓の上部を通過するところはロープもなく、赤い露岩のぬめったバンドで、山靴がまるで食ってない感じだった。木の根もやや湿り気味で安易に足を出すと滑ることこの上ない。雨が降ってなくてよかった。すれ違った小国山岳会の方に『足元見づらいから気を付けて』という言葉をいただいた。
以前の記憶に残っていたのはトラバースが長かったことくらい。滝沢出合からしばらくで大きく左岸を巻いてゆくようになると水場。水場もルートの一段下で湧き出していた、というかここが『うまい水』だったのか？ブナの直径がだんだん大きくなるころ堰堤が現れ、その先で林道に出た。温水平は本当に最高だとあらためて感じた。ハルゼミのなく巨木に囲まれた林道をトボトボと歩きゲートに到着、ドライブ風の女性2人にゲートから先のことを聞かれたとき、下界に戻ってきたのを感じたのと同時にせめてお風呂に入った後に話したかったという羞恥心も感じた。
なぜかアリが大量侵入した車に乗ると、ベタベタになった体を飯豊山荘の水道で若干流し、国民宿舎の風呂へと急いだ。下山後の風呂ってこんなに最高だったんだということもあらためて感じた。今後いろいろな施設で首都圏の人は煙たがられることになるだろうと思うと、ホワイトボードなどの筆談セットをもってゆけば迷惑をかけることないかなとか、つまらないことを考えてしまう。
この後、胎内市を通り五頭・下田・川内山塊の麓を通りながら、地図帳メインでカーナビは補助利用しながら下道ロングドライブで帰宅の途に就いた。ドライブも楽しかったな。いろいろなことをあらためて感じる山行だった。山っていいなぁ…
でも、まさかこんなに梅雨が長くなるとは…夏山JOYはいずこ？
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