東京23区グレイトトラバース？〜23区最低地点から最高峰山頂を経て最高地点へひと筆書き
Gregory1969
体力度について
- GPS
- 08:14
- 距離
- 34.4km
- 登り
- 107m
- 下り
- 66m
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| 過去天気図（気象庁） | 2020年07月の天気図 |
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【登山準備】
以下の論考は、東京23区の最低地点から最高地点までをトラバースするという目的のため、開始地点と終了地点、およびその間の経路について検討したものである。
※以下の記述は、東京「23区内」についての検討であり、「東京都」のそれではないことに注意
■東京23区最低地点
東京23区最低地点の同定には、東京都建設局が作成した水準基標測量成果表（基準日平成31年1月1日）[1] を用いた。同文献によると、江東区北砂四丁目の北砂四丁目住宅前が東京23区内にある最も低い基標であり、これより、代表地点を本付近にある北砂四丁目バス停とした。同文献によれば、本地点付近は東京湾平均海水面から約マイナス3mであるとされている。
なお、一般人が立ち入ることのできる人工構造物を含めた最低地点は、地下鉄大江戸線六本木駅の1番線ホーム（地下42.3m）または、原則として徒歩での進入ができない場所まで含めると、首都高中央環状線の山手トンネル南品川換気塔付近（地下約55m）であると思われるが、詳細は未確認である。
■東京23区最高地点
「最高地点」を論じる場合、単に標高の最高地点をとる場合と、山頂の標高のうち最も高いものをとる場合の2つの立場が考えられる。
前者の場合、東京平野部は全体として西から東に向かって高度が減ずる地勢であるため、標高の最高地点は23区の西端付近にあるものと推定される。文献 [1] によると、練馬区関町北四丁目の石神井高校内（標高約54m） が東京23区内にある最も高い基標であることから、本高校敷地境界に近い石神井高校東バス停を代表地点に選んだ。*
後者の場合、東京23区の最高峰は新宿区戸山二丁目の戸山公園内にある箱根山であるとされ、山頂にある水準点の標高は44.6mである。ただしこの箱根山は、江戸時代初期に作庭された尾張徳川家屋敷の庭園内に盛土された築山である [2] ため、自然地形における最高峰ではない。
自然地形での山に限った場合、港区愛宕一丁目にある愛宕神社を擁する愛宕山が最高峰であり、標高は25.7mであるとされる [3]。
なお、一般人が立ち入ることのできる人工構造物を含めた最高地点は、東京スカイツリー内の東京スカイツリー天望回廊（地上451.2m）[4] であろう。
* 電子地形図を用いた独自調査により、最高地点を練馬区関町南四丁目の南西境界付近（標高約57m）とする研究がある（例えば、<URL:http://ikimonotuusin.com/doc/438.htm> ）。観測地点が疎である水準基標を用いた本論考に比べ、メートル単位での電子地形図を参照した当該研究はより正しい最高地点を同定している可能性が高い。しかし、用いられた電子地形図および表示ソフトウェアの出典が明らかでなく、したがってその標高の計測または表示の精度が不明である点と、同定された場所がそれぞれ関町北四丁目と関町南四丁目という近隣地域であることから、今回は、公的機関による高精度の計測かつ適正な計測値の管理が期待される水準基標による方法を選んだ。
■登山ルートの設定
以上の考察より、東京23区の最低地点から最高地点へのトラバースを検討した結果、江東区北砂の北砂四丁目バス停を起点とし、練馬区関町の石神井高校東バス停を終点とする経路が妥当であると考えた。
さらに、経路途中で愛宕神社と箱根山も通過することとし、自然地形および人工地形の両最高峰をも制覇することのできる、誠に贅沢な登山ルートを設定することができた。
■参考文献
[1] 東京都建設局ホームページ <URL:https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/tech/start/03-jyouhou/suijun/suijun.html> >> 水準基標測量成果表 基準日平成31年1月1日
[2] 東京都公園協会ホームページ >> 戸山公園 <URL:https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/view002.html>
[3] 愛宕神社ホームページ >> 愛宕神社トリビア <URL:https://www.atago-jinja.com/sp/trivia/>
[4] 東京スカイツリーホームページ >> フロアガイド >> 東京スカイツリー天望回廊 <URL: http://www.tokyo-skytree.jp/floor/2nd/>
※公的機関が発行する文献ならびに、施設・土地の管理者が提供する文献に限って示した
【登山終了後】
「練馬区南西端説」を知ってしまった以上、ここを通過しないわけには行くまい。自ら設定した終了地点である石神井高校東バス停到着前に、立ち寄ることにした。
登山終了後、GPSルート記録をもとに地理院地図で標高を確認すると、果たして練馬区南西端が57.5m、石神井高校東バス停が53.9mと出た…
こうなったら次は、地理院地図のオリジナルデータから機械的に最低地点、最高地点を求めて再挑戦してみたいものである。
（了)
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