谷川岳 西黒尾根→天神尾根
群馬県
新潟県
Luske
体力度について
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,489m
- 下り
- 1,485m
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8:20白毛門駐車場-8:40ベースプラザ-8:55西黒尾根登山口-10:30ラクダのコブ-10:50ラクダのコル-12:20肩の小屋
【11月10日】
9:00肩の小屋-9:20トマの耳-10:00熊穴沢避難小屋-10:45天神平スキー場-12:00ベースプラザ
| 天候 | 麓は雨 標高1400m以降は雪 山頂は吹雪・・・ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
そこで、今回は白毛門の無料駐車場を利用しました。 土合駅の先にある踏切を越えて2つ目で右折します。(1つ目だったかも…？) 50台位は駐車可。 そこから20分程車道を歩けば、天神ロープウェイ(ベースプラザ)に到着します。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
登りに西黒尾根、下りに天神尾根を利用しました。 天神平からはロープウェイで下山が可能ですが、 今回はロープウェイは利用せず、田尻尾根を歩いて下山しました。 尚、田尻尾根〜土合の区間は雪崩の危険がある為、積雪期は利用されないようです。 積雪期の登山はロープウェイを御利用下さい。 （天神ロープウェイ：片道1200円，往復2000円） ○西黒尾根 ラクダのコブ以降、3つ目の鎖場までは岩場に雪は無く、鎖は利用可。 ラクダのコル(厳剛新道分岐)以降は全域雪道となります。 雪の深さは20�冂�で、岩場全面が雪で覆われており、ルートファインディングが難しい状態となっています。 所々で急斜の岩稜登りを強いられますが、足場やホールドとなる岩は雪に隠れて見えず、 また、雪が薄すぎる為にステップを築く事は出来ません。 今の積雪状況でこの区間を通過するには、アイゼンでの岩稜登攀技術が必要になります。 危険箇所が多く、技術的な面で難しいルート状況である為、キックステップで登れる位に積雪が進むまで、 西黒尾根利用は避けた方が無難だと思います。 小生、今回は登る事は出来ましたが、今の状況で安全に下れるかは自信がありません。 もし今の状況で西黒尾根を下山利用する、とすればロープが必要となるでしょう。 ○山頂付近 肩の小屋〜トマの耳までは膝まで埋まる積雪量。 山頂(オキの耳)へは今回は行きませんでしたが、そちら方面も雪は深そうです。 風が強く、日差しが無かった為、山頂周辺はかなり寒い状況でした。 日中気温は0度、 朝方の小屋内気温：-2℃、外は-4℃ 真冬並みの寒さですので、防寒対策は確実に。 ○天神尾根 熊穴沢避難小屋の手前に切れ落ちた箇所があり、若干雪が付いてます。 しかし、道に沿って鎖が設置されてあるので、慎重に進めば問題ないかと思います。 熊穴沢避難小屋手前から上側は雪道になりますが、特に危険な箇所は無し。 すれ違う登山者を見ると、軽アイゼン、もしくはツボ足が多く見られました。 ○田尻尾根 尾根上の登山道に雪は無く、問題なし。 但し、雨の中の下り利用でしたので、道がぬかるんで滑りやすい。 危険箇所は特にないのでスリップしても尻もちを付く程度ですが、雨天での利用は御注意下さい。 田尻尾根からロープウェイ駅までは林道を歩きますが、 林道の脇には急な斜面が迫っているので、積雪期には雪崩の危険がありそうです。 |
写真
平日なので人影は少なく、車両もまばら。
麓は雨で、山には厚い雲がかかっている。
雨で若干滑りやすくなっているが問題なし。
今年の4月に訪れた時は、ここに立派な雪庇が出来ていた。
4月に登った時は右に巻いて通過した場所だ。
今回は雪は無いので、鎖場を登る。
ここから先は雪道で、今回登山の核心部となった。
急な岩稜登攀。雪が薄いのでキックステップは使えない。
アイゼンの前爪で岩の細かなスタンスを捉えて登る。
このような急斜が多数有り、難しいルート状況である。
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雪が薄いのでキックステップは使えない。
アイゼンの前爪で岩の細かなスタンスを捉えて登る。
このような急斜が多数有り、難しいルート状況である。
10m先位しか見えない。
肩の小屋が見つかった時はほっとした。
なかなか綺麗な小屋だ。
利用者は誰も居らず貸切状態。
さっそく雪を溶かして水作り。
この道は踝程度の雪だけど、ここに出るまでは膝までのラッセル。
なかなか辛い…
行ったところで何も見えないし…
肩の小屋周辺は広尾根なので、迷わぬように注意。
ガスで何も見えないので、もう引き返すつもりらしい。
トレース利用させて頂きます。
傾斜は緩いので、例え埋まったとしても問題ないだろう。
道の左側は鋭く切れ落ちている。
鎖は出ているので通過に問題はないと思うが、凍結したら危ない箇所だ。
みんな雪を見にきたのかな？
山頂方面へ行けば、もっと見れるよ。
最初は登山道に雪があったが、少し下ると雪は無くなった。
ここで駐車しハイキングに出かける。
上はガスってて、少し残念な景色。
それにしてもすごい壁だね。
感想
3連休が取れたので、今回は少し遠くの山へ。
今年の4月にも登った谷川岳へ登山に出かける。
事前に調べたところでは、谷川岳山頂付近はもうすでに雪が降っているとの事。
夏のような日帰り登山は無理だろう、と考えて1泊2日＋予備日1日の日程。
食料3日分＋非常食1日分に冬山装備一式と、かなりの多荷物での登山になった。
（今思えば、食料が多すぎたかも…）
【11月9日(金)】
白毛門駐車場を出発し、雨の中、車道を歩いて西黒尾根登山口に到着。
雨で今一つ盛り上がりに欠ける中、西黒尾根の急斜を登り始めた。
登り始めの樹林帯には雪は無く、通過に困難な箇所は無し。
しかし、ラクダのコルを越えた辺りから、積雪は本格化してくる。
岩場全面に雪が付いており、岩に付けられたマーキングは見えない状態だった。
ここから先は自力で道を探さねばならない。
「日本三大急登」、と言われる西黒尾根だけあって、その勾配は急であり、
両側が切れ落ちている箇所が続く。
雪が付いたルートの通過は難航が予想される。
安易に道を選んでしまえば思わぬ難所に遭遇し、詰んでしまうだろう。
不安を感じつつもアイゼンを装着し、通過にとりかかる。
雪深い4月に訪れた時は、雪庇の通過が難しかった西黒尾根であるが、今回の難所は急斜の直登。
雪が深ければキックステップで足場を築いて登る事が出来るのだが、今の状態で雪面を蹴れば岩に突き当たる。
キックステップは使えない。
足場となる岩は雪の下に隠れており目視出来ず。
アイゼンの前爪で雪の下の岩肌を探り、細かいスタンスを捉えながら登らなければならない。
もし足場のスタンスからアイゼンが外れれば、そのまま谷底まで滑落する。
その為、足場は慎重に選ばなければならず、非常に神経を使う難ルートとなった。
視界も悪く、登るにつれてガスが濃くなって行き、地形の起伏が識別出来なくなりつつある。
ホワイトアウトの一歩手前のような状況だ。
時間はまだあるので、ガスが晴れるのを待つべきか…、判断に悩まされる。
しかし、こういう場合、大抵私は悪い方に物事を考えてしまう。
“ガスが晴れる事は無い、逆に濃くなる方が可能性は高い。”
と考えて、出来るだけ休まずに、視界のあるうちに尾根の終点まで登り詰めた。
西黒尾根を登り終えた途端、風は急に強まり吹雪となる。
風速10〜15mくらいだろうか、厳寒期を思わせる風の強さである。
西黒尾根の登攀でかいた汗が急冷していき、かなりの寒さを感じさせる。
早く山小屋に辿り着きたいところだが、登山道は雪で埋もれて判別不可。
周囲の地形は広尾根で、視界は真っ白なので方向が判らない。
GPS頼りに小屋を捜索する。
小屋周辺は雪が深く、膝までのラッセルを強いられる。
なかなか辛い捜索であったが、やがて肩の小屋を見つけ一安心。
まだ12時、と早い時間であるが、西黒尾根の難ルートに、広尾根での小屋捜索、
と、精神的には十分疲れたので、今日の登山はここで終わりにした。
肩の小屋の休憩室は8畳程の広さで、中には誰も居ない。
今日は平日で、この悪天。
誰も訪れる事はないだろう、と考えて荷物を出して散らかし放題。
広いスペースを一人で活用させて頂く。
それにしても・・・
やる事が無く、暇である。
濡れた衣服を着替え、明日の分までの水作りも終えたが、まだ14時。
寝るまでに相当時間がある。
外は相変わらずの吹雪で何も見えず、小屋から外に出る気にはなれない。
天気さえ良かったら、周囲の景色は絶景だらけで周辺探索で忙しかっただろうに、なぁ…
試しに、スマートフォン(au)の電源入れてみたら、電波が入ってネット可能。
ヤマレコも見れたので、主に谷川岳周辺のレコを拝見させて頂く。
谷川岳の山中にて、谷川岳のレコを見るのはなかなか興味深いものがある。
その気になれば山中から記事を投稿、なんてツィッターっぽい事も出来るかも・・・？
今度やってみようかな。
【11月10日(土)】
4時に起床。
小屋内は寒く、外では相変わらず強風が吹いている。
こんな寒い中、早出する気にはならず、再びシェラフに包まり2度寝する。
次に起きたのは6時。
昨夜は19時には寝ていたので、流石にもうそれ以上寝る気は起きず。
相変わらず天気は悪く、寒いので少し暖かくなってからの出発が良い。
9時に小屋を出発する予定で、のんびり朝食やら掃除などして過ごした。
そして9時、肩の小屋を出発。
まずは谷川岳の双峰の一つであるトマの耳へと向かう。
小屋からトマの耳までは、夏道時間で10分程度であるが、雪が深くて通過は難航。
20分程、膝までの雪をラッセルして到着した。
雪は小降りだが、相変わらず風は強い。
トマの耳からはガスで何も見えず、ただ寒いばかり。
これから、谷川岳山頂であるオキの耳まで行くつもりであったが・・・
この雪の量に悪天候。
苦労して山頂まで行ったところで、眺望は得られないだろう。
山頂までの道は、ただの修行になりそうだ。
今日は行く気になれず、下山する事にした。
下山は天神尾根を利用。
こちらの道は、西黒尾根のような難所はなく、道穏やか。
途中にある天神ザンゲ岩を超えると、一気に風は弱くなり、快適な雪山ハイキングになった。
その辺りから、登ってくる登山者とすれ違うようになり、山頂の状況や麓の状況等を情報交換。
どうやら、麓は昨日と同じく雨らしい。
気が重いね…
熊穴沢小屋からは雪は浅くなり、アイゼンを外して下山する。
11時には天神スキー場に到着。
当初の予定ではここからロープウェイで下山する予定だったが、まだ時間は早いし、
何よりも、ロープウェイ料金1200円が、私には痛い・・・
田尻尾根を歩いて下山する事にした。
田尻尾根は積雪期には通行出来なくなる登山ルートらしいが、まだ尾根から下には雪は無い。
危険箇所は無く、林道にて1か所増水しており踝まで濡れる箇所は有ったが、特に問題無く下山出来た。
下山後、まだ時間があったので一ノ倉方面へ車を走らせ、観光に出かける。
今日は休日で、まだ麓には紅葉が残っている。
その為、天気は悪いものの一ノ蔵沢に続く車道を大勢の観光者が歩いており、
ハイキングを楽しんでいた。
一ノ蔵沢の駐車場に車両を停め、私も観光ハイキングへと出発。
一ノ蔵沢から幽ノ沢方面へは遊歩道が続いており、その道は「クライマーの散歩道」と呼ばれている。
その遊歩道を辿って幽ノ沢まで歩いてみた。
道の端にはボルダリングでも出来そうな岩があり、その岩肌には幾つもの鉄板が打ちつけられている。
その鉄板には谷川岳で命を落としたクライマー達の名前が刻まれてあり、
遭難による死者数が世界一、と言われる谷川岳の「魔の山」の側面を感じさせる。
紅葉の残るこの遊歩道は、谷川岳の大岩壁に挑んだクライマー達の霊廟のようにも思え、
一登山者として考えさせられるものがあった。
こっそり拍手
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初めてのコメント失礼いたします。。。
わたしは翌々の12日に西黒より入山しましたが撤退してきました。。。レポをみてまったくの共感です。私は単独登山だったので同じような感想を抱く方がいて嬉しかったです＾＾無事な山行、お疲れ様でした
御来訪、ありがとうございます
西黒尾根、なかなか厳しいルート状況でしたね。
今年の四月にも同ルートを登っているのですが、その時以上に難しく感じました
sanngopapaさんが訪れた時も、ほぼ同じ状況のようで、御苦労なされた事でしょう。
当方も単独だったので、同じような感想を抱く方がいて嬉しく思います。
無事に下山なされて、何よりです
お互い、安全な登山を心がけたいものですね。
天気が悪く残念でした。
体力的には不完全燃焼でしょうか？
山の上は完全に雪山ですね。
寒さが伝わってきます。
久々にえびの尻尾を見れてうれしいです。
一の倉沢、すごい迫力。
Luskeさんもいつの日か！！
先日、紹介していただいた泉ヶ岳に行ってみましたが
駐車場に着く頃から
気合が足りなかったかな。
Luskeさんを見習わないと！
あらら、残念。。。
仙台近郊は、雨でしたか。
いやいや、見習ってはダメです(笑)
私は趣味が「修行」の変人ですので
確かに今回は、ちょっと歩き足りなかった感がありました。
でも、積雪期はこれくらいが丁度よいかもしれませんね。
精神的には非常に疲れるので、夜は山小屋で熟睡でした。
一ノ倉の大岩壁、山好きとしては憧れるものがありますね〜
しかし、岩登りグレードは、最上級である6級、
日本だけではなく、世界でも最も困難な岩壁の一つであります。
私ごときが登れる岩ではありませぬ
一ノ倉は憧れだけに留めておきます^^;
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