岡山県鏡野町 真庭市境〜不溜山〜乗幸山〜ブナの森〜新道〜作業道



- GPS
- 06:30
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 953m
- 下り
- 958m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 6:29
歩行距離15km、歩行時間6時間、歩行数26,200歩、消費カロリー3,090Kcal
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
スタート&ゴール地点から不溜山(たまらずがせん)登山口<写真26>までは作業道、ブナの森(乗幸山西の標高1,170m峰)から乗幸山(のりさちやま)頂上<写真40>までは登山道です。両者を結ぶ道のみ、根曲がり竹(チシマザサ)のヤブコギがあります。それ以外はほとんどかき分けなくても歩けます。 スタート&ゴール地点から不溜山(たまらずがせん)登山口<写真26>までの作業道は、ほとんどかき分けなくても歩けます。 最初は境界尾根からのアプローチができないかを確認しました。もう少し西の真庭市側になんとなく取り付けそうなポイントがありましたが、途中から根曲がり竹のヤブコギになる可能性もあったため、復路で試すことにし、往路は南東方向に延びている作業道を進みました。 道の真ん中にススキ、小さな杉やヒノキが生えている箇所がありますが、かき分けることはほとんどありません。また、たまに小石がゴロゴロしたガレ場や、道の端に大きな落石がありました。現在は歩くのに支障はなく、人が継続的にこの道を歩くことで、しばらくは利用できそうです。 この日は水たまりやぬかるみはわずかでしたが、雨天や大雨後は水が流れそうなので避けたほうがいいでしょう。 ブナの森(乗幸山西の標高1,170m峰)から乗幸山(のりさちやま)頂上<写真40>までの登山道は、以前は一部に切られた根曲がり竹が散乱して滑りやすかったのですが、今回は気になりませんでした。不溜山(たまらずがせん)登山口<写真26>から不溜山頂上<写真28〜30>までは、基本、根曲がり竹の間の細道で、前方と足元は見えます。 作業道と登山道は普通に歩けますが、両者を結ぶ道は根曲がり竹のヤブコギになります。 作業道から登山道に向かう道は、道標<写真15>のすぐ右に丸太と土の階段があり、本来は南南西の不溜山(たまらずがせん)&乗幸山(のりさちやま)登山道側分岐<写真41>に向かいます。崩れやすい斜面に切ってあるステップはすぐになくなり、根曲がり竹をかき分けていると南に逸れてしまいました(-_-;)幸い、それほど密ではなくまっすぐ生えており、手で押し広げても跳ね返りがあまり強くなく、根曲がり竹のヤブコギとしてはかなりマシなレベルでした。 なお、不溜山&乗幸山登山道側分岐<写真41>も、写真のとおり、根曲がり竹のヤブに突っ込まなければならないようでした(-_-;) ブナの森(乗幸山西の標高1,170m峰)から標高1,030mの新道&作業道分岐までは、根曲がり竹のヤブを切り拓いた木の間道です。 下山は、ブナの森から真庭(まにわ)市&鏡野町の境沿いに歩く予定でした。標高1,170mを少し過ぎ、富栄山(ふえいざん)への登山道が南西に向かい始める辺りでテープのない所から適当に入りました。もう少し南西に入り口があったのかもしれません。 根曲がり竹はまばらで多少かき分ける必要がありましたが、すぐに新道が南北に延びているのに出合い右折、北上しました。かぶさってくる根曲がり竹を押し上げるのはすぐに終わりましたが、足元に切られた根曲がり竹が散乱した木の間道がずっと続きました。傾斜は緩やかで滑らずにすみ、ピンクテープを追ってどんどん下れました。 ふと気づくと、予定していた北西ではなく、北東に進んでいましたが、そのまま歩き、標高1,030mで往路で歩いた作業道に出合いました。往路で少し見上げる高さにピンクテープがあったのを思い出しました。 なお、北西に進み真庭(まにわ)市&鏡野町の境界尾根に出合う道はもう少し西だったようです。 |
その他周辺情報 | 乗幸山(のりさちやま)<写真40>南西の富栄山(ふえいざん)登山口近くにある「のとろ原キャンプ場」の敷地内に「のとろ温泉 天空の湯」があります。同施設内のお食事処「のとろ館」で食事も可能です。 なお、来年3月までの予定でシャワー補修工事が行われていますが、工事関係車両などに気を付けて利用可能だそうです。 |
写真
フキバッタの仲間には珍しく、翅の長いバッタです。イネ科の葉を食べるバッタ類が多い中で、彼らは双子葉類の葉を食べ、鮮やかな緑色の体色になります。岡山県では中国山地で見られます。
腹部は上から見ると縦縞模様があり、先端が横に膨らむのでわかりやすいです。彼らサナエトンボの仲間は、枝先にとまることはなく、葉や石の上など平らな場所にベタリととまる習性があります。岡山県のレッドデータブックでは、情報不足となっていますが、この日は3回も見られました(*^^*)
サトキマダラヒカゲによく似ていますが、後翅裏側の蛇の目模様の黒い部分の大きさにあまり差がないなどの違いがあります。チョウですが、花にはあまり寄り付かず、山道を歩いている人間の汗に寄ってくることもあります。
いわゆる赤トンボの仲間で、オスは成熟すると腹部のみ赤くなります。ナツアカネとは違い、胸部の黒条の真ん中の1本の先端が先細りになります。岡山県のレッドデータブック2020では情報不足になっていますが、避暑で高い所に上がってくるので、夏には標高1,000m超の山頂周辺でよく見られます。しばらくにらめっこです(*^^*)完敗しました(*_*;その様子を動画にも撮りました。BGMはソウシチョウの地鳴きです。
春と秋によく見られますが、この倒木にはかなり生育していました。時に一晩に5〜6cmも生育し、黒色と灰色の層状になるので、わきあがる雲に見立てられています。動画のBGMはソウシチョウのさえずりです。
歩きながら糞をするので、点在することが多いのですが、ため糞状態になっているのは、水の流れによって集まったのだと思われます。作業道沿いはたまに水が流れている箇所があり、道にもところどころ小さな水たまりやぬかるみがありました。
オスの腹部の先端はサソリのように渦巻き型になります。シリアゲムシの仲間は2億数千万年前の化石が発見されており、完全変態(サナギを経て成虫になる)の昆虫の中では、蝶と蛾の先祖に当たるとも言える原始的な昆虫で「生きている化石」と呼ばれています。ヤマトシリアゲなど翅の模様に個体差がある種類もあり、見分けるのはなかなか難しいです。
標高1,050m前後にトラバース道が続きます。直接乗幸山(のりさちやま)頂上<写真40>に登れるルートがないかどうか探しましたが厳しそうでした。動画で斜面をズームしてみると、木々が1本1本はっきりと見え、アートのようでした。
ヒカゲチョウ(ナミヒカゲ)に似ていますが、後翅裏側の蛇の目模様の脇を通る黒っぽい筋模様の曲がり具合がきつめです。チョウには珍しく暗いところが好きで、日陰の地面にとまっていたり暗い林内を飛んでいたりすることが多いです。
作業道側分岐
「不溜山 6km先」の標識の右横に乗幸山(のりさちやま)登山道に向かう道があります。復路ではなぜかスルーしてしまい、探しながら戻りました。わかりやすかったのは最初だけで、途中ルートを外して根曲がり竹のヤブコギをしてしまいました(+_+)もっとも、ルート通りでもヤブコギだったようですが(*_*;
ゴイシシジミは日本の蝶の中で唯一、幼虫が完全な肉食性で、ササなどに付くササコナフキツノアブラムシなどのアブラムシのみを食べます。動画ではササコナフキツノアブラムシが動くシーンも見られます。
萼に包まれた果実がホオズキによく似ているところからその名が付きましたが、ホオズキとは違い赤くはなりません。水が染み出ているようなところ(カエルが生息しているところ)に生えています。この作業道はたまに水たまりがあり、生育にはちょうどいいのでしょう。
ミヤマカラスアゲハ夏型♂
ある蝶の会が行った「美しい蝶のコンテスト」で女性にもっとも人気があったのがこのミヤマカラスアゲハだったといわれています。光の加減で青や緑に輝き、オスはこのように、前翅の表側に黒い部分があります。たくさんいたので、動画に撮りましたが、メス<写真32>のほうが多かったようです。
背中線は内側に「く」の字に曲がり、指先は丸みを帯びます。特に兵庫県との県境に近い後山山系では、4〜5月にキュー、ゴッゴッゴッと地中から鳴き声が聞こえてくるように思えます。鏡野町にも生息しているのは、先週知りました。このカエルも岡山県では準絶滅危惧種に指定されています。
ぶら下がるオニヤンマ♂
一時的にアカウシアブ<写真29>&ウシアブ連合軍が逃げたのでゆっくり動画を撮りました。さすが大型肉食昆虫です\(^o^)/ちなみに、昆虫マニアの間では、昆虫界最強トップ3はオオスズメバチ、オオカマキリ、シオヤアブだそうです。どれも我が家の庭に来ます。あんなかわいい顔をして自分の3倍以上の大きさのオニヤンマを襲って食べるシオヤアブって(*_*;
作業道はまだ直進方向に延びていますが、ここで右折しました。「乗幸山登山口まで4km」と書かれていますが、<写真15>の道標と呼応しているのでしょう。ここから不溜山(たまらずがせん)頂上<写真28〜30>まで10分程です。根曲がり竹の間の細道で、前方と足元は見えます。
不溜山頂上より、右端に1149m峰越しにこれから訪れる予定の乗幸山(のりさちやま)<写真40>、左奥にブナの森(乗幸山西の標高1,170m峰)がはっきりと見えました。動画では、最後に下山予定地のブナの森をズームしました。
不溜山(たまらずがせん)頂上近くにいました。後翅の裏側に黒い部分がないのでメスです。動きはありませんでしたが、動画も撮りました。これ以降も何度か見られました。鏡野町と真庭市の山はアサギマダラの宝庫です(*^^*)今後どこに移動するのでしょうか!?
ミヤマカラスアゲハ夏型♀
オス<写真21>とは違い、前翅の表側に黒い部分がありません。カラスアゲハとは違い、翅の明るい部分の幅が一定ですが、この個体はかなりわかりにくく、前翅と後翅の長さがほとんど変わらないことから判断しました。本日はクサギ<写真06>のおかげでミヤマカラスアゲハの観賞会ができました(*^^*)
鳥取県三朝(みささ)町、岡山県鏡野町と真庭市の境界尾根の展望です。中央手前には白髪山(しらすやま)、その奥に津黒山(つぐろせん)、左少し手前に山乗山(やまのりやま)が見えました。動画も撮りました。
ブナの森&富栄山
根曲がり竹のヤブコギで作業道から乗幸山(のりさちやま)<写真40>の南西尾根に出てきた瞬間、パノラマビューが目の前に広がりました。南西方向(中央右)に下りの分岐としたブナの森(乗幸山西の標高1,170m峰)、南南西方向(左奥)にピラミッド型の富栄山(ふえいざん)が見えました。
切り開き道
乗幸山(のりさちやま)<写真40>を南西尾根から見た光景です。根曲がり竹のヤブを見事に切り拓いているので、歩きやすい道が頂上まで続いています。以前は足元に切られた根曲がり竹が散乱して滑りやすかったのですが、今回は気になりませんでした。
「乗幸山」越しに富栄山
標高1,173.1mの乗幸山(のりさちやま)頂上三角点です。富栄山(ふえいざん)が南西方向に見えました。動画も撮りました。頂上はソーシャルディスタンスをとると、2,3人が限度です。
登山道側分岐
乗幸山(のりさちやま)<写真40>と1,136m峰の鞍部が往路で歩いた作業道へ通じる道の入口のようでした。ここに出てくるはずだったのですが、こちら側もどう見ても根曲がり竹のヤブ(-_-;)ここをスルーして1,136m峰をさらに南西に進んだブナの森(乗幸山西の標高1,170m峰)経由で下りることにしました。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex22x(GPSナビゲーター)
虫よけスプレー
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感想
この日は晴天かつ気温は今年最高の予想でしたので、コースの大半が標高1,000m以上の場所を選びました。新しい道ができたそうなので、試してみるのも楽しみでした。
出発点としたのは真庭(まにわ)市と鏡野町の境です。最初は境界尾根からのアプローチができないかを確認しました。もう少し西の真庭市側になんとなく取り付けそうなポイントがありましたが、途中から根曲がり竹(チシマザサ)のヤブコギになる可能性もあったため、復路で試すことにし、往路は南東方向に延びている作業道を進みました。
作業道とはいっても、道の真ん中にススキ、小さな杉や檜が生えていたりします。かき分けることはほとんどありませんでしたが、この先何年も放置していると、自然に戻ってしまう可能性があります。現在は歩くのに支障はなく、人が継続的にこの道を歩くことで、しばらくは利用できそうです。そのうち地元の有志の方々がまた整備してくださるかもしれません。
何よりもこのコースは鹿・蝶・トンボ・鳥の宝庫です。不溜山(たまらずがせん)登山口<写真26>までの約6.5kmは、時期的に花が少なかったかわりに、さまざまな生き物が次々に現れ、楽しませてくれました(*^^*)
コース上には鹿の足跡と糞が無数にあり、実際にたくさんの鹿を目撃しました。人の気配を感じると、ヤブの中を轟音を立てて逃げていき、しばしば驚かされました。残念ながら我々に反応して逃げるのが速く、撮影は無理でした。鹿のソーシャルディスタンスは徹底していました(*_*;
蝶もたくさん舞っていました。
特にクサギの蜜を吸うミヤマカラスアゲハの美しい姿に見とれてなかなか進めませんでした(^^♪
また、アサギマダラも優雅にふわふわと舞っていました。この場所がお気に入りなのか、長期間留まっているようでした。今年は真庭市から鏡野町にかけての山々でアサギマダラをよく見かけました。もしかしたら、日本(中国山地)で羽化した個体なのかもしれません。
トンボの仲間ではアキアカネ、オニヤンマ、ミヤマサナエがたくさん飛んでいました。
この日は標高1,000m辺りでも気温が30℃ほどあったので、アキアカネは麓から避暑で上がってきているのでしょう。頭の動かし方がとても可愛いので、動画でも紹介しています。
オニヤンマは相変わらずパトロール飛行を繰り返していましたが、今回は珍しく、枝先に止まることが多く、撮影することができました!(^^)!また、出発の時からずっとつきまとってきたアカウシアブ&ウシアブ連合軍は、オニヤンマが怖いのか、姿を見かけるところだけは、一時的にいなくなりました。今後、蚊・アブ・蜂除けにオニヤンマのフィギュアを購入しようかと考えています(´・ω・`)ちなみに生きているオニヤンマは平均1,725円ほどのようです。やめて(+_+)
ミヤマサナエは岡山県では確認数が少ないようで、レッドデータブックでは情報不足になっています。初めてでしたが、3回も見られてうれしかったです(^^♪
そして今回、道中ずっと元気に動き回っていた鳥がいました。それはソウシチョウ(相思鳥)という特定外来生物です。標高1,000m前後のササの発達した落葉広葉樹林で繁殖します。色彩が豊かなかわいらしい鳥ですが、日本の生態系に影響を及ぼすものとして、日本の侵略的外来種ワースト100にも指定されています。
鳴き声はずっと聞こえているのですが、一瞬しか姿を見せず、撮影には失敗しましたが、その鳴き声は動画でBGMとして流れています。
作業道と登山道は普通に歩けますが、両者を結ぶ道は根曲がり竹に要注意でした(*_*;
作業道から登山道に向かう道は、道標<写真15>のすぐ右に丸太と土の階段があり、南南西の不溜山(たまらずがせん)&乗幸山(のりさちやま)登山道側分岐<写真41>に向かうはずが、崩れやすい斜面に切ってあるステップはすぐになくなり、根曲がり竹をかき分けていると南に逸れてしまいました(-_-;)なお、不溜山&乗幸山登山道側分岐<写真41>も、写真のとおり、根曲がり竹のヤブに突っ込まなければならないようでした(-_-;)
下山は、乗幸山(のりさちやま)と富栄山(ふえいざん)の間にあるブナの森から真庭(まにわ)市&鏡野町の境沿いに歩く予定でした。根曲がり竹のまばらな箇所に入ると、多少かき分ける必要がありましたが、すぐに新道に出ました。ふと気づくと、予定していた北西ではなく、北東に進んでいましたが、そのまま歩き、往路で歩いた作業道に出合いました。往路で少し見上げる高さにピンクテープがあり、不思議に思ったのを思い出しました。
真庭(まにわ)市と鏡野町の境界尾根歩きはお預けになりましたが、下りが苦手な連れがかなりペースダウンしそうだったので、今回はこれでよかったです。
同じ山域の大空山や富栄山(ふえいざん)は登山者が増えてきましたが、乗幸山(のりさちやま)や不溜山(たまらずがせん)方面はごく少数です。今回は動物にはたくさん会いましたが、登山者には誰一人会うことがありませんでした。おかげで、動物たちが安心して作業道に現れ、さまざまな活動を垣間見せてくれました(*^^*)
コースの大半が標高1,000m以上で猛暑が避けられたかわりに、アカウシアブ&ウシアブ連合軍には最後までつきまとわれましたが、根曲がり竹のヤブコギはかなりマシなレベルで新しい道も歩け、充実した盆休み山行となりました\(^o^)/
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