朽木市場から【鷹ヶ峰】山毛欅の巨樹に出逢いに🌳南風とミストシャワーの長い長い尾根歩き🌿
- GPS
- 05:35
- 距離
- 14.4km
- 登り
- 843m
- 下り
- 829m
コースタイム
天候 | 晴れ/曇り/小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
道の駅くつき新本陣に駐車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
○往路は快適な尾根道。一般登山道。 ○帰路はバリエーション尾根道。ブッシュや倒木は少なく歩き易い。踏み跡は薄く枝尾根への迷い込みには注意が必要。 |
その他周辺情報 | 近くに、くつき温泉てんくう |
写真
感想
奥比良の名峰・蛇谷ヶ峰の、安曇川を挟んだちょうど西側に鷹ヶ峰という山がある。
白倉岳三山から烏帽子岳を越えた北側の稜線上にあるが、その立派で素敵な名前とは裏腹に特徴の無い地味な印象の山である。
しかし、この峰の山頂には山毛欅の巨樹が聳え立っている。そしてそれはまるで神が宿っているかの如き存在感なのである。
今日はその山毛欅の樹に逢いに行きたいと思う。
鷹ヶ峰へは朽木大野の桑野橋の登山口からダイレクトに登るルートがあるのだが、今回は朽木市場の登山口から、東山、行者山、三角点のある雲洞谷山(うとだにやま)、大彦峠を経る稜線ルートで目指すことにした。
朽木市場の道の駅くつき新本陣に車を停め、中学校の裏手を通り過ぎると大木と祠がある登山口がある。7.8分ほど登ると明護坂の峠である。
登山口からここまで、ジメジメした暗い道だった。前回の山行で吸血鬼にやられたので早速ヤマビルチェックをする。すると既に一匹ズボンの膝上まで這い上がってきていた。油断も隙も無い。スキンベープ であの世に逝っていただき、さらにスキンベープ を下半身に振りかける。
明護坂からはひたすらに尾根歩きが続くことになる。まずは東山、行者山を通過する。
台風が九州地方に近づいている影響で、空は晴れたり曇ったりだったのだが、三角点のある雲洞谷山を過ぎたあたりから深いミストに包まれ始めた。
もともと好展望が期待できるルートでは無いのだが、霧の為まったく眺望を得ることが出来ない。
大彦峠へ一旦下る途中に高圧送電線の鉄塔地が幾つかあり、樹林が伐採されており本来なら見晴らしの良さそうな場所でも周囲の景色はガスに霞んでいる。
林道と出合う大彦谷峠から鷹ヶ峰へは一気に急坂を登ってゆく。風が強くなってきた。
やがて大きめの山毛欅の樹が目立ち始めたかと思った途端に鷹ヶ峰の山頂へ飛び出した。
巨大な山毛欅が聳え立っている。8ケ月ぶりだろうか。
立派だ。見事である。神が宿っているかのようだ。というより、この山毛欅の樹そのものが神様に思える。
しばし神の樹を眺めながら持参したお握りと菓子パンを齧る。
風は強まり霧がミストシャワーのように素肌に降り注ぐ。冷たく涼しく心地よい。
帰路は山頂からの尾根を一旦東へ向かい、朽木大野の桑野橋への登山道へ下るルートを右に見ながら北進し、大彦谷の右岸尾根を辿る。
天気は時折り晴れ間が覗いたり、雨が降り出したりの繰り返しだ。
道はバリエーションではあるが、ブッシュは無く倒木など障害物も殆ど無い。踏み跡は薄いが尾根芯を外すことなく進んでゆく。途中2回ほど枝尾根へ間違って入りそうになった。GPSなどルートを掌握できるものが必要だろう。
上岩瀬の集落の田園地帯に着地したのだが、獣避けゲートを開けて出て、そのまま真っ直ぐに進んでも国道367号へ出ることができなかった。
民家のある方へと大きく迂回を強いられる。
仕方なくトボトボ歩いて国道へ向かう途中に、池らしきものがあった。
ちょうど軽トラックの男性が何やら作業をされている。そして私が通り過ぎようとすると声をかけられる。
「何処の山へ行って来たんや?」
山の話をした後、池の話になる。池に近づくと餌を貰えると思った鯉たちが一斉にこちらへ寄って集まってくる。大きなものもいれば小さいのもいる。かなりの数だ。男性が餌を撒き始めると鯉はバシャバシャと音を立てながら争うように競って食べる。
「オモロイやろ〜、けどな、すぐに飽きよるんや」とニヤリとされる男性。笑顔が可愛い。
池はもともとは田圃で、先代がここだけ池にしたらしいのだが、「他は皆なワシんとこのや!」と目の前のたわわに稲穂が実った田圃を指差される。
台風が過ぎてから稲刈りをされるらしい。周囲の田圃は既に収穫を終えられているので遅いのでは無いかと思った。「遅い方が旨い米になるんですね!」と申し上げると、男性はニヤリと笑みを浮かべ、
「食ってみるか?コシヒカリや。炊き立てのメシがあるぞ」と御自宅と思しき民家を指差される。
腹は減っていたが流石に頂戴するわけにもいかないので丁重にお断りして辞する。
「9/10過ぎに刈るさかいな、月末ぐらいにまた来いよ!新米、分けたるさかいに。」
月末ぐらいに再度この付近の山へ訪れるか、悩んでいるところである(笑)。
コメント
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ウリさん、こんにちは。
日曜日の天気は大丈夫でした? 愛宕行きを計画しておりましたが、台風に備えての作業があるのと天気も心配で結局自宅ワークでした。
未踏のお山のご案内ありがとうございます。プランは立ててあるんですけどね。いい感じの尾根と稜線歩きができるんですね。
得意のチャリデポスタイルで、今回歩かれたルートとウリさんが冬に行かれたここの南側 烏帽子岳・白倉岳を含めて歩こうかと。
上手いこと行きしなに白倉岳登山口にチャリデポして道の駅まで車で下がると、チャリ移動が下り坂なので快適かと。犬の駅のゴールデンレトリーバーにも会いたいし〜 でもそのルート 大小合わせてピーク越えが20以上あるんですよね…
ウリさんの東山辺りのバリルート足跡を早速カシミール3Dに登山道追記です。その際に発見がありましたわ。「行者山」ってP571じゃないんですね。私はP571に「行者山」って追記しておりました。
地形図記載の岩瀬への登山道から外れ、東山への稜線の標高501mのピークのようです。
山レコの説明にも勘違いしていました。「標高点571mの北東(約500m)のピークが行者山です」だって。
話戻って、下山後のコーラって美味しいですよね。買いそびられたとのこと。停電でコンビニ閉店?? まあ珍しい。
道の駅「くつき新本陣」には寄られました? 1月に蛇谷ヶ峰からの下山時に寄りましたが「道の駅で温かいものを食べよう」という思惑は見事粉砕。お土産が売ってあるだけの道の駅みたいですが、1月だからかな? ローソンでおでん買えばよかったし〜
いつも脱線コメントすみません _(._.)_
ののさん、こんにちは。
いつもコメント有難うございます。
昨日は特に北の方は午前中お天気もちそうでしたので、朽木あたりで山を考えました。
以前から気になっていた尾根を歩いて、1月の白倉三山のコースに繋げようと。
歩き易い良い尾根でした。お考えのように鷹ヶ峰から南側、烏帽子岳、白倉三山と合わせて歩けばいいルートになりますね。ただし全体的に眺望には期待出来ませんよ。長い長い尾根歩きの途中で山毛欅や樅木、白倉中岳の台杉などの巨木に出逢えるルートですね。
朽木栃生に下山したらデポしたチャリでチャリチャリ〜ですね!ほぼほぼ下り坂ですかね。
栃生の下山口にはガードレールがあったと思いますのでワイヤーロックして繋いでおけそうですよ。
行者山の件、有難うございます。確かにP501が行者山ですね。変更しておきました。
1月に逢った桑野橋近くのドックランの可愛いレトリバー君ですが、その後2回は見かけませんでした。いつも居てる子じゃないのかな。
お隣の駐車場&トイレは、この付近の山歩きには便利に利用できますし助かりますね。
朽木市場あたりの昨日の停電は何だったのでしょう。雷が発生していたわけでもなく。
おかげでレジが使えなくなった理由でローソンが急遽閉店。下山後のコーラ楽しみにしてたのに〜😂しかしコーラって癖になりますよね。登山のたんびに飲みたくなります。
道の駅の自販機で購入!って思ったら、当然自販機の電源も落ちてたのでした〜
鷹ヶ峰は訪れたことがないのですが、霧の中を歩くのが良さそうなところですね。
この日、うりさんが朽木から登り始めた頃、ほぼ同じ時刻に朽木を通り、私達は美浜の山に登っておりました。比良の南のあたりは雲が低く垂れ込めていましたが、朽木のあたりは雲が高く、すっかれ晴れ渡っていましたね。山行先を蛇谷ヶ峰に変えようかと思ったほどです。
帰りは13時半頃に再び朽木を通ったのですが、蛇谷ヶ峰の山頂部にはすっかり雲がかかって、直前に雨が降ったようでした。うりさんが#42の写真を撮ってからさほど時間は経ってはいないとは思いますが、この日は明らかに天気がかなり不安定でしたからね。
私達が通った時も停電のせいで山神橋のところで交通整理をしていました。R367のトンネルも全て真っ暗になっていましたから広範囲に停電になっていたようですね。
私たちは朽木のお米が好きで、つい先週、百里ヶ岳に行く前に「新本陣」に寄り道して新米を10kg購入したところでした。お米を分けてくださろうという奇特な人に出会うとは。
ヤマネコさん、コメント有難うございます。
しかも拙い文章を最後まで読んでいただき恐縮です。
数多くの山毛欅の巨樹をご覧になってこられたヤマネコさんからしますと、もしかしたら大したことは無いのかも知れませんが、鷹ヶ峰山頂の山毛欅は中々の存在感です。1月に初めて見たときは圧倒されました。
しかし残念ながらこの峰を挟んで昨日歩いた稜線から南側の烏帽子岳・白倉三山にかけて、好展望を得られるポイントが少ないですので、仰るように霧の幻想的な森の風景の中をシットリと歩くのが良いルートかも知れませんね。
昨日は台風の影響で変わりやすい天候でしたね。この地より北部の美浜方面は多少穏やかだったでしょうか?
山頂での強風と小雨模様が嘘のように下山が近づくと晴れ間が見えてきました。青空の蛇谷ヶ峰の写真は12時過ぎに撮ったものです。12:50に撮った道の駅での写真も青空なのですが、このあと大津へ車を走らせる途中、葛川あたりで土砂降りの雨に遭いました。ヤマネコさんのお話からすると、この雨もすぐに止んだのでしょう。
葛川の国道沿いでコカコーラの自販機を見つけたので、雨の中コインを握りしめ走り寄ったのですが、やはり自販機に電気は来ておりませんでした(笑)。
私の何処を気に入ってくださったのか、鯉の池のお父さんがやたらと親切に接して下さったので驚きです。
お米については相当な自信をお持ちなのでしょうね。敢えて収穫を遅らせて刈り取った稲穂は、もしかしたら昔ながらに天日干しされるのかも。一年前の古米でも旨いでしょうね。
「いつもは何処の米を食べてるんや?」とお聞きになられたので、実家のある近江八幡の米です、と申し上げたところ、
「そりゃあ、水が違うわな、ここら(朽木)とは。」と誇らしげに言いながら、背後の山を指差しておられたのでした。
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