ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 2567942
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

白峰南嶺(北部周回)。久々に南プスの洗礼を受けた

2020年09月14日(月) 〜 2020年09月15日(火)
 - 拍手
体力度
8
2〜3泊以上が適当
GPS
17:56
距離
24.4km
登り
2,676m
下り
2,640m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
13:06
休憩
1:01
合計
14:07
3:13
113
5:06
5:07
49
5:56
6:05
133
8:18
99
9:57
10:17
10
10:27
10:43
87
12:10
40
12:50
12:57
90
14:27
14:35
26
15:01
139
2日目
山行
3:16
休憩
0:09
合計
3:25
6:48
108
8:58
9:07
26
9:33
18
9:51
10
10:01
7
10:13
ゴール地点
天候 9月14日:朝ガス、昼前から晴れ
9月15日:晴れ、稜線は雲
過去天気図(気象庁) 2020年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
葛西IC 23:40頃 → 甲府南IC → 奈良田 2:30頃着

奈良田温泉までは対向車を気にするような狭い林道ではなく、普通の道で行けるのがありがたい

駐車場は笹山ダイレクト尾根の取り付きへ向かう吊橋の道路反対側。護岸工事関係者のプレハブ小屋が立っているが、登山者が駐車しても問題なし。無料。10台くらい

駐車場奥の崖側に駐車しないよう看板あり。出立準備中に本当に自然落石があった。数センチ大の小石だったが、カラカラと音を立てていくつか落ちてきたので、できるだけ道路に近いところに移動して駐車した
コース状況/
危険箇所等
登山ポストは気が付かなかった。私はいつも通りコンパスでネット提出

<笹山ダイレクト尾根>
駐車場から水場入口:
長い吊橋を渡る。さほど揺れない。渡った先を左方向へ。少し林道を進むとダム施設手前で右方向の登山道へ進む(黄色い看板あり)
パイプ製手すりの急登をつづら折りに登る。つづら折りが終わったらそのまま登山道を進む。赤いリボンを見落とさないように

私は真っ暗の中、ヘッデンで2時間程登り、つづら折りの先で道迷い。登山道わきにある太い木の幹に、幅10−15センチくらいの白いテープが巻いてあった。てっきり道しるべだと思い込み、そのまま白テープを追い、倒木や伐採された木が横たわる急斜面に入り込み、所々四つ這いになりながら右往左往して登った。気が付くと、あたりの木にはあちこち白テープが巻いてあり、違う目的のテープと気づく。インポートしたGPS軌跡を頼りに復帰を目指すも、この方も道迷いをしていたようでなかなか復帰できず。レコのオレンジのドット軌跡へと進むとごく普通の登山道に復帰した。くれぐれも私の軌跡を使わないように

水場入口から笹山南峰:
合間にやや緩やかな部分があるが、基本的に急登が続く。1900m付近と2300m付近に2−3張りの幕営跡がある。その間だったと記憶するが、一張りの幕営跡もあった
2300m付近からは木が細くなる。樹間の幅が狭くなり、大きいザックだと通過時に引っ掛かるようになる。ダイレクト尾根は急登ではあるが、明るい視界の効くときに登れば、道迷いや危険個所はない
最後まで急登でポッコリと山頂に出る。てっぺん禿げのような山頂で2−3張りの幕営跡がある。周囲は樹林があり、眺望は良くない

<白峰南嶺>
笹山南峰から広河内岳:
笹山南峰から北峰、北峰から白河内岳、白河内岳から大籠岳へと小刻みに下ったり登ったりの繰り返しだが、基本は少しづつ標高を上げる。南峰、北峰、白河内の山頂からはいったん樹林帯に潜り込むが、リボンはある。樹林帯を抜けると岩のゴーロ帯を進むが、黄色や白のペンキやケルンを頼りに進む。岩は比較的しっかり安定している。ダイレクト尾根急登やピークの縦走後の広河内岳への登りは足にこたえる

広河内岳から大門沢分岐:
山頂にあるペンキの矢印に従って下り口に進む。下った後に小ピークを2つ越えていく。フタコブラクダのような最後のピークを越えたら、大門沢下降点がすぐ先に見える。尾根伝いではなく、右側斜面を下りトラバースするように分岐へ進む。

笹山南峰から広河内岳までの稜線歩きがこのコースのハイライト。ここの展望が得られないと、ひたすら樹林帯の登り下りの苦行のような山歩きになるので、天気のチェックを念入りに!

<大門沢ルート>
大門沢分岐から大門沢小屋:
最初はハイマツやナナカマドの間を下りていくが、途中から急な岩の下りになる。段差も大きく、登山道には石や岩も多い。先行者や登ってくる登山者を直撃するので、落石させないよう注意すること。その後には、左の大門沢側が崩落した部分を通過する。注意して通過すれば危険ということはない

大門沢小屋から駐車場:
最初は沢沿いに進む。危なっかし気な橋の渡渉が3回ほどある。沢沿いの大きな石や岩の上を通過する部分もあるので、バランスを崩さないように。沢沿いの岩場から、沢から離れて高巻するように登山道が分かれるので、沢沿いの岩を進むことに気を取られ、分岐を見落とさないように

高巻の最高点まで進むと、登山道は一転して里山や奥多摩の登山道のように、樹林を抜ける気持ちの良い土の道の下降に変わる。その後、再び沢に近づくと渡渉が繰り返し出てくる。早川水系発電所取水口の吊橋は揺れる
少し先に砂防工事用の立派なコンクリート製の橋があるが、登山者は通れないので、橋の下をくぐって河原の工事車両用の道を進み、最後の渡渉をする。渡れそうな場所を選んで渡り、工事用の橋を渡った先の道へ復帰する。復帰すると同時に登山道は左側に下ることになる。

そのすぐ先でほとんど揺れない吊橋を渡れば登山道はほぼ終わり、林道歩きに変わる。第一ダムの大沢門ゲート先で奈良田と広河原を結ぶ車道に出る。大きなダンプカーが頻繁に通るので要注意。工事関係の交通整理のおじさんに、駐車場まで道路の左側を歩くよう求められた

<山小屋情報>
大門沢小屋は、今シーズン営業していない。ただし、避難小屋、テン場、水場は無料で開放されている。チップ制トイレも利用できる(古式ゆかしいタイプ)
https://www.daimonzawa.com/news/22.html

避難小屋は本棟と同じような大きさで、2mのソーシャルディスタンスを取りながら、10人程度がゆったり寝られるほどの広さ

大門沢小屋にはヤマネが出没するとネットで見たので、食材などはZiplocに入れてザックに収納し、しっかり蓋を閉じて寝たが、私が就寝中に頭をごそごそやられた。虫かと思って手で払いのけると、ネズミのような鳴き声が聞こえ、姿を消した。以降は、テン泊用LEDランプを点けっぱなしにして寝たら、再び現れることはなかった(ネズミかもと思ったが、ネットで鳴き声を調べたらヤマネに間違いない。小さい電気をつけただけで、二度と出てこない臆病さからもヤマネと思われる)
その他周辺情報 コンビニ:
甲府南ICを下りて140号線を走るとメジャーなコンビニが数軒。
140号で富士川を渡らず、そのまま直進すると、道なりに富士川を渡る橋に出る。渡った先にローソンがあり、富士川街道をしばらく先に進むとセブンがある。これが最後。身延町まで進んでしまうと何もない

日帰り温泉:
駐車場から車で1分のところに以下の二つがある
https://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/tour/spot/spa/narada.html

町営奈良田の里温泉(女帝の湯)
550円。9−17時。TEL 0556-48-2552。食事処併設
お寺の前の駐車場に車を止め、坂道を歩いて登る。アルカリ性の温泉でヌルヌルとして気持ちいい。源泉かけ流し。内風呂2つ。暖かい浴槽と隣接して少しぬるめの浴槽がある。登山後にはちょうど良い
入浴後、昼飯に山菜そばを食べた。冷たい湧水で締めたそばと冷たいつゆが美味しかった

七不思議の湯 白根館
女帝の湯の真下の道路沿いにある。源泉かけ流し。アルカリ性硫黄泉。透明、グリーン、白濁と変化するらしい。1000円。10時30分-16時00分(最終受付15時30分)。TEL 0556-48-2711。旅館だったが、現在は旅館をやめて日帰り温泉のみ
駐車場を早朝3時すぎに出発。道路を渡り、吊橋の取り付きへと進む
駐車場を早朝3時すぎに出発。道路を渡り、吊橋の取り付きへと進む
ヘッデンではちょっと先までしか見えない。黙々と進むが、一番手のせいか、腕に蜘蛛の巣がいくつも引っかかる
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ヘッデンではちょっと先までしか見えない。黙々と進むが、一番手のせいか、腕に蜘蛛の巣がいくつも引っかかる
吊橋を渡って左手に進むと、ダム施設手前の看板のポールに、「笹山→」の小さな黄色い看板がある。この先でパイプの手すりのある急登が始まる
吊橋を渡って左手に進むと、ダム施設手前の看板のポールに、「笹山→」の小さな黄色い看板がある。この先でパイプの手すりのある急登が始まる
駐車場から800mほど黙々と登り、水場入口まできた。水場まではトラバース気味に往復20分とある。途中道迷いしながらも予定した時間で到達。水の消費も少ない
駐車場から800mほど黙々と登り、水場入口まできた。水場まではトラバース気味に往復20分とある。途中道迷いしながらも予定した時間で到達。水の消費も少ない
水場への道にはリボンがたくさん。このペースならビバーク用の水を補給しなくても大門沢小屋まで行けると判断。(約3Lでスタート。小屋到着時点で1Lほど残っていた)
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水場への道にはリボンがたくさん。このペースならビバーク用の水を補給しなくても大門沢小屋まで行けると判断。(約3Lでスタート。小屋到着時点で1Lほど残っていた)
きれいなダケカンバの林の登山道になった。天気予報と異なり、登りはじめから周囲はガスで木々の間からの眺めもない
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きれいなダケカンバの林の登山道になった。天気予報と異なり、登りはじめから周囲はガスで木々の間からの眺めもない
いつしか針葉樹の林に変わっていた。シラビソだろうか
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いつしか針葉樹の林に変わっていた。シラビソだろうか
青空が顔をのぞかせた。白峰南嶺の尾根に出るまでに雲が取れることを祈る
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青空が顔をのぞかせた。白峰南嶺の尾根に出るまでに雲が取れることを祈る
笹山南峰の直下。再びダケカンバも混ざってきた
笹山南峰の直下。再びダケカンバも混ざってきた
樹林帯からポッコリと笹山南峰の山頂に出た。私の頭がそうなりつつあるてっぺん禿げのような山頂だ。雲は取れてすっかり青空だが、樹林が眺望を遮る
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樹林帯からポッコリと笹山南峰の山頂に出た。私の頭がそうなりつつあるてっぺん禿げのような山頂だ。雲は取れてすっかり青空だが、樹林が眺望を遮る
山頂には幕営跡が3つほど
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山頂には幕営跡が3つほど
こちらが伝付峠への道。マニアックなルートで、あまり人も入っていなさそう
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こちらが伝付峠への道。マニアックなルートで、あまり人も入っていなさそう
これから進む方面の山々が断続的に沸き上がるガスから姿を見せそうで見せない
これから進む方面の山々が断続的に沸き上がるガスから姿を見せそうで見せない
塩見岳はくっきり見える!
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塩見岳はくっきり見える!
塩見から蝙蝠岳への稜線も見える。あの尾根、いつか再訪したい
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塩見から蝙蝠岳への稜線も見える。あの尾根、いつか再訪したい
南峰からは一旦樹林帯に潜り込んで登り返す。10分ほどで視界の開けた笹山北峰(黒河内岳)につく。本日の第一の目的。百高山85座目(レコ上74座目)
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南峰からは一旦樹林帯に潜り込んで登り返す。10分ほどで視界の開けた笹山北峰(黒河内岳)につく。本日の第一の目的。百高山85座目(レコ上74座目)
塩見岳から蝙蝠岳への稜線がくっきり
塩見岳から蝙蝠岳への稜線がくっきり
蝙蝠岳のアップ。あの山頂からの眺めは秀逸だ
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蝙蝠岳のアップ。あの山頂からの眺めは秀逸だ
蝙蝠岳の左手に荒川三山。その左奥に上河内岳が見える
蝙蝠岳の左手に荒川三山。その左奥に上河内岳が見える
仙塩尾根の奥に中アの稜線
仙塩尾根の奥に中アの稜線
富士山方面はずっとこんな感じで雲が湧いていた
富士山方面はずっとこんな感じで雲が湧いていた
笹山南峰を振り返る。向こうの方が高く見えてしまう
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笹山南峰を振り返る。向こうの方が高く見えてしまう
クロマメノキかな。草紅葉が始まってます
クロマメノキかな。草紅葉が始まってます
ウラシマツツジも紅葉していた。白河内岳の山頂方面。左山腹の岩ゴーロ帯を進む
ウラシマツツジも紅葉していた。白河内岳の山頂方面。左山腹の岩ゴーロ帯を進む
白河内岳。名前の通り、山頂標の名前も白くなってしまっている
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白河内岳。名前の通り、山頂標の名前も白くなってしまっている
これから進む大籠岳と広河内岳。その奥に農鳥岳。鳳凰山は雲に隠れている
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これから進む大籠岳と広河内岳。その奥に農鳥岳。鳳凰山は雲に隠れている
蝙蝠尾根とその奥に前小河内岳と小河内岳の頭が見える。右の高いのが塩見岳で蝙蝠尾根の左奥は荒川三山
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蝙蝠尾根とその奥に前小河内岳と小河内岳の頭が見える。右の高いのが塩見岳で蝙蝠尾根の左奥は荒川三山
大籠岳。二つ目の目的。百高山86座目(レコ上75座目)。こちらの山頂標も白河内岳と同じく読めない
大籠岳。二つ目の目的。百高山86座目(レコ上75座目)。こちらの山頂標も白河内岳と同じく読めない
塩見岳から右へ延びる仙塩尾根。こちらもぜひ再訪したい
塩見岳から右へ延びる仙塩尾根。こちらもぜひ再訪したい
左手前が広河内岳の稜線。奥に農鳥岳。目を凝らすと大門沢分岐点も見える
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左手前が広河内岳の稜線。奥に農鳥岳。目を凝らすと大門沢分岐点も見える
広河内岳への登りがきつい。山頂標も見えているけど足が動かない
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広河内岳への登りがきつい。山頂標も見えているけど足が動かない
やっと3つ目の目的の広河内岳に到着。百高山87座目(レコ上76座目)。すでに午後2時半。ここからCTで2時間半の下りが待っている。暗くなる前に大門沢小屋にたどり着けるか・・・
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やっと3つ目の目的の広河内岳に到着。百高山87座目(レコ上76座目)。すでに午後2時半。ここからCTで2時間半の下りが待っている。暗くなる前に大門沢小屋にたどり着けるか・・・
塩見岳の上方や後方にも雲が出てきた。今日は予報とちょっと違う。にわか雨などに降られたくない。急ごう
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塩見岳の上方や後方にも雲が出てきた。今日は予報とちょっと違う。にわか雨などに降られたくない。急ごう
最後に歩いてきた尾根を眺める。こちらも相変わらず雲が湧き続けている
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最後に歩いてきた尾根を眺める。こちらも相変わらず雲が湧き続けている
仙塩尾根が近い。一番奥は中アの山並み。真ん中の尾根は何だっけ?
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仙塩尾根が近い。一番奥は中アの山並み。真ん中の尾根は何だっけ?
大門沢下降点までは下るだけかと思っていたら、小さなコブをいくつか越えていくようだ。この時点で下降点から空身で農鳥岳をピストンするオプションをあきらめた。心も体力も時間的余裕もない
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大門沢下降点までは下るだけかと思っていたら、小さなコブをいくつか越えていくようだ。この時点で下降点から空身で農鳥岳をピストンするオプションをあきらめた。心も体力も時間的余裕もない
やっとこさ大門沢下降点の分岐。ここの吹き曝しで幕営する人がいるけど、広河内岳方面へふたこぶラクダのようなピークを一つ越えると、ハイマツ帯の陰に静かで整地された幕営跡が2−3ある
やっとこさ大門沢下降点の分岐。ここの吹き曝しで幕営する人がいるけど、広河内岳方面へふたこぶラクダのようなピークを一つ越えると、ハイマツ帯の陰に静かで整地された幕営跡が2−3ある
下降開始。ナナカマドの実。葉はまだ色づき始めていない。この先しばらくすると、大門沢の悪路が本性を現す
下降開始。ナナカマドの実。葉はまだ色づき始めていない。この先しばらくすると、大門沢の悪路が本性を現す
崩壊した沢の斜面が見渡せるところまで下りてきた。下降開始からすでに1時間半経過。6年前の50代後半にここを下りた時は、大門沢の小屋まで1時間半で下りたのに・・。まだ若かったということか?
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崩壊した沢の斜面が見渡せるところまで下りてきた。下降開始からすでに1時間半経過。6年前の50代後半にここを下りた時は、大門沢の小屋まで1時間半で下りたのに・・。まだ若かったということか?
キツリフネソウ。小屋近くまで下りるとまだ秋の花が咲いている
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キツリフネソウ。小屋近くまで下りるとまだ秋の花が咲いている
渡渉。汗ぐっしょりなので、よほど上半身裸になって汗をぬぐおうかと思ったが、小屋まであと一頑張り
渡渉。汗ぐっしょりなので、よほど上半身裸になって汗をぬぐおうかと思ったが、小屋まであと一頑張り
やれやれ、明るいうちに到着。午後5時20分。今の私には下降点から2時間20分が精一杯。幸いなことに今夜は期待通り貸し切りだ。鹿のピィー、ピィーという鳴き声が響き渡っていた
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やれやれ、明るいうちに到着。午後5時20分。今の私には下降点から2時間20分が精一杯。幸いなことに今夜は期待通り貸し切りだ。鹿のピィー、ピィーという鳴き声が響き渡っていた
水場は利用可能。ありがたい。早速、小屋下の沢に下りて、裸になって汗をぬぐい全部着替えた。シャンプー、石鹸はないけど、随分さっぱりした
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水場は利用可能。ありがたい。早速、小屋下の沢に下りて、裸になって汗をぬぐい全部着替えた。シャンプー、石鹸はないけど、随分さっぱりした
小屋前から富士山が見えた。稜線からはずっと雲に隠れて見えなかったのに最後のご褒美
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小屋前から富士山が見えた。稜線からはずっと雲に隠れて見えなかったのに最後のご褒美
富士山のアップ。この後、持参の焼酎とつまみで気持ちよくなり、尾西の五目ご飯は食べずに即寝てしまう。そして夜中にヤマネが現れて頭をゴソゴソやられた(笑)
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富士山のアップ。この後、持参の焼酎とつまみで気持ちよくなり、尾西の五目ご飯は食べずに即寝てしまう。そして夜中にヤマネが現れて頭をゴソゴソやられた(笑)
翌朝、ゆっくり朝食を取って出立。シシウドがきれいに咲いていた
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翌朝、ゆっくり朝食を取って出立。シシウドがきれいに咲いていた
トリカブトは小屋周辺に一杯咲いていた
トリカブトは小屋周辺に一杯咲いていた
壊れた木製の橋。真ん中あたりから横に伸びる倒木を綱渡りのように歩くか、端まで行って2本目の倒木を歩くか
壊れた木製の橋。真ん中あたりから横に伸びる倒木を綱渡りのように歩くか、端まで行って2本目の倒木を歩くか
渡ってきて振り返る。結局、落ちても浅そうな2つ目の奥の倒木(この写真では手前)を使った。両方ともロープが張ってある
渡ってきて振り返る。結局、落ちても浅そうな2つ目の奥の倒木(この写真では手前)を使った。両方ともロープが張ってある
次も斜めになった橋。平均台のようにバランスを取って
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次も斜めになった橋。平均台のようにバランスを取って
沢沿いの岩歩きから登山道は沢を離れて高巻するように進む
沢沿いの岩歩きから登山道は沢を離れて高巻するように進む
高巻の最高点を過ぎると、奥多摩のような膝に優しい下りの登山道に変わる。少し下って振り返る
高巻の最高点を過ぎると、奥多摩のような膝に優しい下りの登山道に変わる。少し下って振り返る
気持ちの良い下りだ。大門沢上部の岩の悪路とは大違い
気持ちの良い下りだ。大門沢上部の岩の悪路とは大違い
カエデなどの落葉樹の木々。紅葉の頃はさぞかし綺麗だろうな
カエデなどの落葉樹の木々。紅葉の頃はさぞかし綺麗だろうな
ここはジグザグに劇下り。途中から右側へトラバースする
ここはジグザグに劇下り。途中から右側へトラバースする
この橋は容易に通過
この橋は容易に通過
ここの下りはしっかりお助けロープを握った
ここの下りはしっかりお助けロープを握った
再び沢の高さまで下りてきた
再び沢の高さまで下りてきた
もう釣り人の世界だ
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もう釣り人の世界だ
鳳凰山の中道にある御座石に似た岩
鳳凰山の中道にある御座石に似た岩
石の上を渡渉。この少し上の岩の上を通過することもできる
石の上を渡渉。この少し上の岩の上を通過することもできる
ダム取水口手前の吊橋。そこそこ揺れる
ダム取水口手前の吊橋。そこそこ揺れる
取水口。とても澄んだきれいな水。飛び込みたくなるくらいだ
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取水口。とても澄んだきれいな水。飛び込みたくなるくらいだ
この橋はいつから通れるのだろう。橋の下をくぐって行く
この橋はいつから通れるのだろう。橋の下をくぐって行く
くぐってこちら側に来ると、高巻する登山道もある。橋の下をくぐった方が早い
くぐってこちら側に来ると、高巻する登山道もある。橋の下をくぐった方が早い
くぐってきた道を進み、越えられそうなところを渡渉
くぐってきた道を進み、越えられそうなところを渡渉
私が渡渉してきたところ。場所を選べば渡渉はやさしい。この後、通せんぼの橋を渡ってきた道まで上がると、またすぐに下りる登山道がある
私が渡渉してきたところ。場所を選べば渡渉はやさしい。この後、通せんぼの橋を渡ってきた道まで上がると、またすぐに下りる登山道がある
こちらの吊橋はほとんど揺れない
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こちらの吊橋はほとんど揺れない
登山者用の休憩所。登山届Boxもある。ここから舗装の林道歩き。駐車場まで約4キロ
登山者用の休憩所。登山届Boxもある。ここから舗装の林道歩き。駐車場まで約4キロ
このあたりも豪雨でやられたところ
このあたりも豪雨でやられたところ
ゲートまでやってきた。5−6台は駐車できる
ゲートまでやってきた。5−6台は駐車できる
ゲートの先に奈良田と広河原を結ぶ道路に出る。工事のダンプカーが頻繁に通る。交通整理のおじさんがポイントごとにいる。道路の左側を歩くように指示された
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ゲートの先に奈良田と広河原を結ぶ道路に出る。工事のダンプカーが頻繁に通る。交通整理のおじさんがポイントごとにいる。道路の左側を歩くように指示された
道路に出たところの橋から沢を振り返る定番写真
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道路に出たところの橋から沢を振り返る定番写真
この登山者用駐車場は、今は工事の資材などの置き場に使われている
この登山者用駐車場は、今は工事の資材などの置き場に使われている
奈良田の里温泉の駐車場。ここから左へ坂道を上がると女帝の湯。私の車はもう少し先の駐車場
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奈良田の里温泉の駐車場。ここから左へ坂道を上がると女帝の湯。私の車はもう少し先の駐車場
最初に渡った出発点の吊橋が見えてきた
最初に渡った出発点の吊橋が見えてきた
以前はここの駐車場に停めて白峰三山に出かけたが、私有地だったんだ。今は駐車禁止。
以前はここの駐車場に停めて白峰三山に出かけたが、私有地だったんだ。今は駐車禁止。
結構長い吊橋だったんだな。前日の早朝はヘッデンの光が届く先までしか見えなかった
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結構長い吊橋だったんだな。前日の早朝はヘッデンの光が届く先までしか見えなかった
駐車場に戻ってきた。道路と並行に停めた最後部の車がマイカー。なぜこんな停め方をしたかというと
駐車場に戻ってきた。道路と並行に停めた最後部の車がマイカー。なぜこんな停め方をしたかというと
崖側は落石するとの看板。真っ暗な中、出発準備をしていたら、本当に数センチの石がいくつかカラカラと落ちてきて、車をできるだけ崖から離した
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崖側は落石するとの看板。真っ暗な中、出発準備をしていたら、本当に数センチの石がいくつかカラカラと落ちてきて、車をできるだけ崖から離した
念のため出発点の吊橋を撮影。この橋も長い割にはさほど揺れなかった。まずまずの天候に恵まれ、計画通り歩き通すことができた。感謝感謝!
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念のため出発点の吊橋を撮影。この橋も長い割にはさほど揺れなかった。まずまずの天候に恵まれ、計画通り歩き通すことができた。感謝感謝!

感想

白峰南嶺、今シーズンの南プスで入山できる山域の一つ。標高差のあるタフな山だ。前夜、荷造りした後に、やっぱりやめようかと悩む

笹山ダイレクト尾根とはよく名付けたもので、まさにその名の通りの急登。ここをツェルト泊装備を担いで上がれるかが最大の迷いだった。かといって、軽装にしても日帰り周回できるか不安

逆回りも考えたが、利用可能な大門沢小屋の位置が中途半端になる。一日目は楽だが、二日目がきつい。やはりダイレクト尾根から周回するしかなさそうだと腹を括る

本音でいえば、逆回りして大門沢ルートを登りで使う方が下りよりも楽なように思う。一方、笹山ダイレクト尾根は、登山道は急ながらも比較的歩きやすいことから、下りで使った方が楽ではないかと思う。最後まで迷ったあげくにダイレクト尾根に向かった

山頂直下までの長い樹林帯歩きや1900mという標高差(黒戸の2200mよりはまし)、北アとはレベルの違う登山道の手入れ具合など、久しぶりに南プスの試練を味わったが、結果は何とか計画通りに周回することができ、今は達成感に満ちている

さて大門沢小屋のヤマネ事件。数年前だったか、宿泊した登山者が枕元に翌朝用のおにぎりを置いておいたら、かじられたとのこと。小屋のご主人が「ヤマネが時々現れるのでその仕業だろう」というやり取りをネットで見ていたので、食材についてはZiplocでしっかり封をしてザックに仕舞い込み用心していたのだが、まさか自分の頭をモソモソされるとは・・。

きっと汗臭い私の頭が臭って、クンクンしに来たのだろう。虫かと思って思わず手で払いのけると、ネズミのような鳴き声がした。翌日ネットでヤマネの鳴き声を検索して音声確認すると、まさに前夜に聞いた鳴き声。LEDランプを点けっぱなしにしたら、その後は現れなかった。ネズミより臆病で用心深いヤマネらしい。ネズミだったらまたチョロチョロしただろう

翌朝、朝食を食べていると、今度は首筋で何やら動く。手で払うと床に落ちたのはコオロギだった。こちらは捕まえて小屋の外に出した。色々ありますな。まぁ、ネズミやゴキブリでなくて何より、というところか

今回のコース、他のやり方を考えるとすれば、しっかりテントと水を担いで稜線で幕営するか(国立公園内で本当はダメか?)、日帰りの軽装にして一気に周回するか、難しい選択だ。元々は、大門沢を上がって農鳥小屋に宿泊し、2日目に稜線を歩き笹山ダイレクト尾根を下るという計画だった。コロナのせいで今回の計画にしたという次第だ

百高山ハント、残っているのは簡単に登らせてもらえない、あるいはアクセスしづらい山が少なくない。まずは、手を付けやすい山からクリアしていきたい。今シーズン中にカウントダウンできるところまで到達できたらと画策している

余談ながら、来シーズンに北海道の大雪山系の縦走や知床の羅臼を歩く際のヒグマ対策用に携帯ラジオを購入した。今回はその試用を兼ねた。平日はほとんど誰にも会わないこの山域なので、それなりの音量で音楽をかけても迷惑になることはない。結果は上々だった。日記にこの携帯ラジオの紹介をアップしておいた
https://www.yamareco.com/modules/diary/85406-detail-219519


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コメント

念願成就
前から計画されてたルート、踏破お疲れさまでした。
稜線の展望まずまずでなによりです。
農鳥で刻めないとなると勢い、このプランが妥当そうですね。
稜線での幕営は水の歩荷で機動力そがれますから。

避難小屋って言いきっていいですかね、もうちょっと冷え込んでくると木の収縮音がポルターガイストのようにけたたましくて驚いた経験があります。
ヤマネや虫がいようが屋根の下で寝られるのは安心感が違いますね。

農鳥オヤジが言うには南嶺、結構熊出るようです。
広河内から池ノ沢へ続くゴーロでも見たって話聞きますし、私は南嶺の稜線ずっと南のオシャリ岳辺りで熊会いました。
2020/9/16 12:50
Re: 念願成就
トムさんの白峰南嶺のレコをお気に入り登録したころは、単純にいつか白峰三山の延長を歩いてみようかと思っていました

その後、百高山を意識するようになり、この稜線を歩く必要がでてきて決行しました
一回の山行で3つをゲットできるコースは残り少なくなってきているので、大変なコースではあるものの、お得なコースであることに間違いないです

ここからさらに南嶺を南へ進むかと問われれば、ちょっと考え込んでしまいます
笹山南峰山頂から伝付峠への入り口を見ただけで怯みました
今の私には足を踏み込むタフさはないです(トムさんは凄いですよ)

今シーズンまた天候に恵まれれば、室堂を基点にこれまで取りこぼしてきた3つを回りたいとと思っています
こっちは人が多いので、熊など気にせず、のほほんと歩けそうです(笑)
2020/9/16 21:27
1泊2日、お疲れさまでした
今年は南アルプスはほぼ全滅と思っていましたが、探せば色々あるものですね。
百高山とはいえ、渋い選択です(私が知らないだけで、一般的なものでしょうか??)。
静かな山歩きだったんでしょうね。
以前にもやり取りしましたが、避難小屋泊をしたことがないのですが、使うと行動範囲が広がりそうです。

この4連休は当初予報と異なり、それなりに天気が持ちそうですね。
仕事疲れで、初日の今日は行けずじまいでした。
明日からの予定を組んだのですが、テント場はどこも予約いっぱいのようで。そりゃそうですね。
明日から日帰りピストンを2日続けてやろうかと思っています。
2020/9/19 16:41
Re: 1泊2日、お疲れさまでした
eurekapapaさん、コメントありがとうございます

白峰南嶺はもともと渋い山域で、白峰三山巡りする人は多いのですが、こちらに足を延ばす人は少なく、普段から静かなエリアです
初日は日帰り周回のご年配の方お一人に抜かれ、大門沢の下りで登ってきたカップル1組とスライド、二日目は大門沢を上がってくるソロ3人とスライドしただけです

シルバーウィークは北アなど北部の山は天気が割とよさそうです
涸沢のテン場は予約不要ですよ。混むかもしれませんが、小屋よりはずっと良いでしょう
日帰り2日続けてとのこと、ぜひ満喫してきてください
2020/9/19 19:19
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