湯俣温泉


- GPS
- 08:33
- 距離
- 27.8km
- 登り
- 851m
- 下り
- 1,043m
コースタイム
- 山行
- 8:19
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 8:31
天候 | 曇り時々晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
晴嵐荘までは危険な箇所はない。フラットな遊歩道。 晴嵐荘からは、河原歩き。温泉までたどり着くためには、渡渉あり。 グラフ終盤で標高が跳ね上がっているのは、トンネル通過時のGPSエラーだと思われる。 温泉付近で2時間近く(GPSウォッチをハズして)遊んでいたので、コースタイムの休憩時間はおかしいとだろう(歩いた時間は正味6時間ほどだと思う)。 |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
感想
温泉は好きじゃない。
まずはあの「温泉の臭い」が嫌いだ。
「硫黄の匂い♡」
とか言ってる奴に言っておきたいが、硫黄は無臭だ。
あのニオイは硫化水素。教科書的には「腐卵臭」と習う。
高校の化学の実験で、硫化水素を発生させた。あの授業(と刺激臭の二酸化窒素を発生させた授業)だけは忘れられない。
たまに硫化水素で自殺する人がいるが、冗談じゃない。硫化水素を嗅がされるくらいなら、死んだ方がマシだ(違。
ニオイは我慢しよう。登山したら、自分自身のニオイの方がたまんないんだし。
下山後に温泉で汗を流すことが好きな人は多い。
この気持ちは分かる。
温泉に入って
「うぅ〜、生き返る!」
で、はじめて登山が完結するんだという気持ちはすごくよく分かる。
完結するなら構わない。
風呂入って、ビール飲んで、寝る。
サイコーじゃないか。
でも、ぼくの登山はたいてい、下山後にクルマの長時間運転が待っている。温泉に入ったら疲れがどっと出て、運転どころじゃなくなってしまう。
完全自動運転が実現したら、温泉に入るよ。
それまでは、自宅で気兼ねなく風呂に入って、そのままだらしなく寝る方が、ぼくは好きだ。
というわけで、この度の友人からの
「湯俣温泉に行かない?」
という誘いにも、取り立てて惹かれるものがあったわけではない。
「温泉なんて、奥さんと行けば良いじゃないか」
って。
それでもまあ一応調べてみるか、と。
「なんだこりゃ。おもしろそうじゃん」
つーワケで、行ってまいりました。
いやこれはですね、行ってみる価値はありますよ。
まずは水の色。
高瀬ダムのエメラルドグリーンは、ある所からスカイブルーへ。
湯俣温泉付近は、白濁した水たまりと、黒い水の流れ。
こんなの今までに見たことがない。
温泉での「入浴」もね。
誰もいないのを良いことに、50手前のオッサン2人が素っ裸で
「うわっ冷たーあちちちっ」
つって。
川は冷たい水が流れていて、温泉からは熱湯が噴き出している。
ちょうど良いところなんて、そうそうない。
ほどよい湯加減かと、ちょっと油断すると、熱湯が噴き出してくるのだ。
♪A CHI CHI A CHI 燃えてるんだろうか
♪もう A CHI CHI A CHI 感じたんだろうか
Oh Yeah !
つーか、
Oh You !(お湯)
バカバカしいけど、めっちゃ楽しかった。
皆さんにも、是非一度訪れてもらいたい場所だ。
訪れるにあたり、唯一の問題点が、アプローチ。
晴嵐荘付近からは河原歩きになるが、かつて「伊藤新道」と呼ばれたその道は、すでに廃道となって久しい。
一箇所、巨石にしがみつきながら回り込む必要があって、ここがぼくには恐怖。
以前にも書いたことがあるけれど、恐怖の感じ方は人それぞれ。
同じように滑落を恐れるのであっても、単純な高さに恐怖する人もいれば、ぼくなどは滑落の可能性に恐怖する。
大キレットではまったく恐怖心は感じなかったが、この湯俣温泉で岩にしがみつきつつ足が1ミリ滑っただけで、震えるほどの恐怖を感じてしまう。仮に落ちても、おそらくケガもせず、びしょ濡れになるだけだったにしても。
また、温泉にたどり着くには、渡渉せねばならない。
ちょうど伊藤新道を下りてきたという猛者の方がいて、アドバイスをもらう。
濡れずに渡れる場所はないこと。登山靴ではムリなので、靴下で渡るべきだということ。
なんとかたどり着くことが出来ました。ありがとうございました。
高瀬ダムから晴嵐荘までの間は、本来の道が崩落している場所が数ヶ所あるが、いずれも迂回路があり、その点は問題ない。
それ以外の部分は完璧に整備されていて歩きやすい。ほぼフラットで、登山道と言うよりは遊歩道。
とは言え、距離はかなりあるので、疲れる。
問題は、七倉山荘から高瀬ダムの間。
往路は、待機しているタクシーに乗るべきだろう(約2,400円)。
帰路をどうするか。高瀬ダムからタクシーを呼ぶと、タクシーの到着までに1時間以上かかる。歩けば1時間。我々は歩いたが、これが想像以上に大変だった。
高瀬ダムの斜面を九十九折りで下る。九十九折りとは言っても、一本調子の下り。しかもなかなかの勾配。足首が痛い。
下り終えると、今度はトンネルの連続。トンネルの中で十数台になるだろうか、大型ダンプとすれ違うのも、かなりストレス。
高瀬ダムから七倉山荘まで、全線コンクリートによる舗装路(ちゃんと憶えてはいないが、アスファルトの箇所はなかったと思う)。
コンクリートの舗装路が、こんなに足裏にダメージをもたらすとは知らなかった。
渡渉したことも理由かも知れないが、足の裏に水ぶくれが出来ていた。
どうも痛いと思ったよ。
個人的には、先月の二泊三日の裏銀座縦走よりも大きいなダメージ。疲労感。
裏銀座縦走の時に見下ろした、谷底を歩くというのも感慨深かった。
非常にバカバカしく、ダメージも大きかったけれど、でも、ぼく自身の私的な登山史に残すべき、印象深い一日でした。
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