甲斐駒ケ岳 降雪後の黒戸尾根 〜七丈小屋で敗退、そう簡単には登らせてくれない〜
- GPS
- 29:40
- 距離
- 14.1km
- 登り
- 1,847m
- 下り
- 1,856m
コースタイム
尾白川渓谷駐車場9:10 - 11:07笹ノ平11:17 - 13:18刃渡り13:30 - 刀利天狗14:02 - 五合目小屋跡15:24 幕営
2月22日
五合目小屋跡6:00 - 7:59七丈小屋 - 9:25五合目小屋跡(テント撤収)10:50 - 11:48刀利天狗12:00 -
13:19笹ノ平13:30 - 尾白川渓谷駐車場14:50
天候 | 2月21日 晴れ 駐車場 0℃ 笹ノ平 −3℃ 刀利天狗 −10℃ 五合目 −13℃ テント内 ∸13℃ 2月22日 晴れ 五合目 −13℃ 七丈小屋 −13℃ 五合目(撤収時)−6℃ 刀利天狗 −9℃ 笹ノ平 −1℃ ※ヤマテン予報(北岳) 2月21日 冬型は次第にやや緩み晴れる。午後は−30℃以下の寒気が入り霧が広がり やすい天気になる。 2月22日 高気圧に緩やかに覆われて晴れるが夜に寒気を伴う上空の気圧の谷が接近 してくる影響で稜線は雲が広がりやすい。 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
町田 → 高尾山IC → 双葉SA → 須玉IC → 尾白川渓谷駐車場 2月22日 尾白川渓谷駐車場 → むかわの湯 → 勝沼IC → 初狩PA → 高尾山IC → 町田 |
コース状況/ 危険箇所等 |
★駐車場〜刃渡り 先行した方(おじさん)のトレースを追ったので少し楽をさせてもらった。 もしおじさんが先行していなければもっと苦労したかもしれない。 笹ノ平までは赤テープが少ないような気がします。 まったくトレースがないときは特に下降時はルートファインディングに困る かも。 笹ノ平〜八丁登りの途中から夏道を外れてトレースがついていた。帰路は 夏道にトレースをつけてきた。 刃渡りまでつぼ足でも大丈夫。 ★刃渡り〜五合目小屋跡 刀利天狗直下のハシゴ、クサリは埋もれていない。急登のため早めに アイゼン装着したほうがいいでしょう。 トレースはかすかに残っている程度。まったくないところもあった。 足の沈み込みは最大で膝くらいまで。 赤テープが頻出するのでルートを見失うことはないだろう。 五合目小屋跡までアイゼン使わず何とかつぼ足でとおした。 ★五合目小屋跡〜七丈小屋 五合目鞍部からすぐの「一番長いハシゴ」はなかば雪に埋もれていました。 安全な登下降のため時間をかけて掘り返しました。 「垂直のハシゴ」は雪に埋もれていません。 そのほかのハシゴはすべて埋もれています。 ロープ、クサリは出ていますので使えます。 七丈小屋手前のトラバースはロープを頼りに。雪が柔らかいので 滑落に注意が必要。 ★七丈小屋〜上部 第二小屋前から積雪量多くトレースなし、ここからラッセル。 テン場から上部樹林帯は推測ですがふつうに腰〜のラッセルは必至でしょう。 八合目から上部、岩場は小屋番のおじさんが言うようにロープが必要なら かなり厳しい状況でしょう。 ★温泉 むかわの湯 入浴料700円(市外者) 駐車場から約20分 ※最寄りの「べるがの湯」は現在、休館中のため入浴出来ません。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
12度目の黒戸尾根はほろ苦いものとなった。
18日の低気圧通過で赤岳と北岳には20〜30cmの降雪予報が出ていた。
そのことは重々承知での山行だった。
2日間で出会った登山者はひとりだけ。
日向山へ行く前に刃渡りまで行くといって先行した。
元気なおじさんだった。
おかげで刃渡りまではトレースを追わせていただき、少し楽をさせてもらった。
そこから先はほぼトレースは消えていた。
今度は自分がトレースをつけなくてはいけない。
時には膝までの沈み込みに思うようにペースがあがらず時間を費やしてしまった。
それでも赤テープが頻繁に出てきたのでルートを見失う心配はなかった。
結局、時間的に七丈小屋までは厳しい状況となり、五合目小屋跡で幕営することに
した。
でもこれが大正解。
実は以前からここでの幕営に関心があったのだがなかなかその機会を得ることが
なかった。
今回、くしくも予定外の幕営になったわけだがひとつ心配があった。
それは風。五合目は風が強いというイメージを持っていた。でも杞憂に終わった。
うまい具合に谷側に吹き溜まりが出来ていて、山の斜面との間にスペースがあった。
そこを整地して設営。周辺では時々風の強い音がしたがそれほどの影響を受けずにすんだ。
この五合目小屋跡は条件さえよければお薦めの幕営地です。
翌日はなかば雪に埋もれた「一番長いハシゴ」を掘り返すことから始まった。
ここで時間を消費して、さらに上部の急峻な登りとラッセルに手こずり七丈小屋
まで2時間もかかってしまった。
そして第二小屋前で厳しい現実を目の当たりにした。
昨年2月上旬にきついラッセルのあげく敗退した。
そのときよりも確実に積雪は多い。
無理はしない。無理して突っ込めばどうなるかよくわかっている。
だから敗退だ。
私が茫然と立ちつくしていたら小屋番のおじさんがやってきて
「上に行くんならロープがないと行っちゃダメだよ」
といって足早に去っていった。
上というのは八合目から上部のこと、ロープは八合目〜九合目の岩場のことを
言っているんだろう。
もっとも既にこの積雪量の多さに戦意を喪失していたので言われるまでもなく
諦めモードだった。
いつだって簡単には登れない。
厳冬期ならなおさらのこと。
そう簡単には登らせてくれない。
でもそれでいいと思う。
昨年の厳冬期に登頂できたのはたまたま条件がよかっただけのこと。
いつもそうではないということだ。
そう自分にいい聞かせながら黒戸尾根をあとにした。
レコよく拝見させていただいています。
>いつだって簡単には登れない。
厳冬期ならなおさらのこと。
そう簡単には登らせてくれない。
でもそれでいいと思う。
昨年の厳冬期に登頂できたのはたまたま条件がよかっただけのこと。
いつもそうではないということだ。
そう自分にいい聞かせながら黒戸尾根をあとにした。
これは自分も同感です。
難しい山になればなるほどそうですよね。
これからもよい山行を楽しみに拝見させていただけるのを楽しみにしております。
昨年はシリウスさんのレコを参考に無事登頂出来ました…ありがとうございましたm(_ _)m…シリウスさん程のガッツある“漢”が登れないなら…とうぶん自分は黒戸尾根やめておきます(≧∇≦)
meta bomanさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
またレコを見ていただいているようで重ねて
ありがとうございます。
昨年はトレースに助けられて登頂しました。
もちろん喜びは大きかったのですが・・・。
一方で自力で登りたいという気持ちもありまして。
次は自分でトレースをつけて登頂したいと思っていました。
でも考えが甘かったですね。
そんなに簡単なことではありません。
厳冬期の黒戸尾根を自力で登る。
挑戦しがいのある目標です。
これからもいろいろ挑戦していきます。
teteteさん、こんばんは。
昨年はteteteさんの登頂に刺激を受けて私も登頂
できたようなものです。ありがとうございました。
それにしても予想を越える積雪でしたよ。
まさか第二小屋であんなに積雪があるとは思ってもいませんでした。
ガッツどころか早々に戦意が萎えました。
今冬はお正月の指の凍傷(軽度)で出遅れました。
もう厳冬期は終わりですが残雪期で巻き返しを図る
つもりです。
ご無事での帰還、なによりでした。
この冬は日本中で記録的大雪だそうですが、甲斐駒の積雪量もただものではなかったようですね。しかも平日の木金だと数日来誰も歩いていない可能性も高く。
トレースがあればしめたものと思う私レベルと違い、「次は自分でトレースをつけて登頂したいと思って」いたとは、やはりsirius様らしいお考え(^^)
それにしてもいつもながら的確な判断での下山。
私なら、山小屋オヤジに言われれば逆に「それほどのことないだろ?」なんて思いかねません。
いや、いちいち私と比べても仕方ないですが・・・。
とにかく山はまだまだ残雪期も長そうで「楽しみはこれからだ!」でもいいじゃないでしょうか。
「捲土重来」期待しております。
私も2週間前に黒戸尾根行きました。
その時とまったく状況が違うことにビックリです。
私のときはトレースありの積雪もさほどなかったので、山頂までなんとか登らせてもらいました。
私も自分でトレースをつけて自力で登頂したいという気持ちが強くて、いつかは何泊かかってもいいんで挑戦したいと思ってます!
お疲れ様でした。
pasocomさん、こんにちは。
確かに降雪直後の黒戸尾根、ましてや平日なんて誰も
入らないですよね。土日ならトレース期待できるし。
私のようなもの好きだけかと思いきや、
おじさんが先行してくれたので少し楽をさせてもらいました。
それにしても積雪量は凄かったです。
一度は自分でトレースをつけて登りたいという思いも
第二小屋前の積雪を見て萎んでしまいました。
小屋番のおじさんの忠告は安全面からすれば当然のことだと思います。
誰も入ってないわけだし。
土日に入った人のレコを見ると実際にはロープは必要なかったらしいですが・・・。
まあ、それはそれでいいかと。
次の機会(来年かな?)には思いを実現させたいです。
そうですね。
まだまだ楽しめますよね。
「楽しみはこれからだ!」で行きますよ。
maedatomoさん、こんにちは。
確か昨年、北鎌尾根のレコで1度コメントを頂いていると思います。
先日、maedatomoさんのレコを拝見しました。
9日、10日はお天気が良かったですよね。
私は赤岳〜天狗岳を楽しく縦走してました。
maedatomoさんも、そして昨年の私もトレースに助けられての登頂でした。
それはそれでとても充実感はありました。
でもこんなもんではないだろうという気持ちがずっと
引っかかっていました。
それを払拭するために自分でトレースをつけて登頂
したいのです。
今回のような状況でも、もう1日あれば何とか登頂できるのではないかと思っています。
ともに来年再挑戦ですね。
今度こそ自力で登頂しましょう。
こんばんは。うわ、すごい雪ですね。
八ヶ岳の稜線にはぜんっぜん雪ないのに。。。
冬の黒戸尾根、私も今年挑戦したかったのですが、行こうと思った日が大雪の日で中止になりました
またそのうちに。がんばっていればそのうち来れるだろうなぁ。と目標の一つとしてとっておいています。
他人のトレースで登らせてもらうのと自分で道を作るのとではだいぶ違いますもんね。
単独で、というのがほんとうにすごいと思います。
s3214さん、こんばんは。
八ツへ行っていたようですね。
tamaoさんのレコ見てたら突然現れたので。
黒戸尾根も山頂に近い上部の方はそんなに雪ないですよ。
駐車場の標高が770mで七丈小屋が2370mくらい。
だいたい行者小屋とおんなじくらいでしょう。
行者小屋周辺も積雪多いけど第二小屋の積雪は凄かった。
あれじゃ仕方ないよね。
行くんならなるべくトレースのあるときがいいですよ。
まだ雪の少ない1月ぐらいがいいですね。
でもsさんはパーティーで行くんだろうからトレースの
有無は関係ないかな。みんなでラッセルすればいいからね。
単独でないと自分を出せないので。
そこにはこだわりたいと思います。
本当にお疲れさまでした。
tamaoさんのときと比較して、
凄い雪です。これは。
私だったら、悔しくて、悶々として、
下山したでしょう。不貞腐れて。
でも、siriusさん、なんてさわやか。
また、挑戦してください。
僕もやります。(もう、春になっちゃうなー)
>単独でないと自分を出せないので。
そこにはこだわりたいと思います。
それこそ、siriusさんですね。
私も、見習いたい。
makasioさん、こんにちは。
びっくりしましたよ。
まさか第二小屋前であれほどとは。
あれでは不貞腐れようがない。(笑)
どうしようもない。
諦めもつきますね。
行くんなら週末がいいです。
トレースが期待できるから。
平日はやめた方がいいよ。絶対に。
ラッセルを楽しみたいなら別だけど・・・。
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