春埜山〜大日山縦走(静岡百山二座)〜季節風に震えて〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.6km
- 登り
- 1,021m
- 下り
- 1,022m
コースタイム
天候 | 晴れ・風強し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
[復路]平松峠=野守ノ池=島田=吉田町 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■道の状況 <春埜山> ・平松峠〜林道終点は問題がないが、林道終点〜登山道入り口まで林道を暫く歩き△647.3北方コルから再び登山道に入る場所に指導標がなく、一瞬迷う。逆コースでも登山道から△647.3北方コルで林道に出て、尾根上を△647.3に行ったらいいのか、右から来る林道を行ったらいいのかわからない点が注意点。(もちろん右の林道に行けばよい)逆コースの場合、なお林道は右向こうから来て左下に抜けていくものに加え、コルから△647.3の東側に伸びる林道も造成中である。(自分は往復コースだったので問題なかったが) ・鳥居沢山南峰〜北峰〜林道出合は問題なし。 ・春埜山直下の無線中継所のところ、指導標がない。中継所左側のフミアトをたどれば春埜山の頂上三角点に導かれる。 <大日山> ・平松峠から少し森町側に歩くと林道分岐。 ・そこから金剛院まで林道歩き。 ・金剛院を過ぎて林道を少し行くと、朽ちた道標があって、そこが大日山入口。 ・フミアトははっきりしているが細い。また伐採後の枝が積み重なっていてハッキリしない場所もごく一部だがある。よく道をみること。 ・急登しばしで緩傾斜になり左手の高みの尾根に出る。 ・そこからは、尾根上を行く。頂上手前のコブ上には小祠がある。 ・頂上は、北半分が植林帯。南半分が自然林で美しい。表示板がある。テントも張れるスペースあり。このコース、ところどころにテープがあるが、初心者だけでは避けた方がよい。 ■歩数:28170歩 ■静岡百山:73座登頂 |
写真
感想
昨日の雨ヶ岳のラッセルの疲れからか、ぐっすり一晩眠りました。今日はゆっくり休もうか?と思っていましたが、思いきって春埜山・大日山に行ってみることとしました。この静岡百山二山は平松峠をはさんで対峙していて、春埜山が奥ゆかしい女房なら、大日山はどっしりと構えた亭主といった風情です。
島田から大井川を遡り、河跡湖ともいわれる野守ノ池を眼下に収めて、家山川を上流へと入っていきます。こんな高いところに?と思わせる市尾集落を過ぎると、すれ違いが困難な道が続きますが、幸い対向車は来ず、そのまま小さな平松峠へと導かれました。峠は、樹林に覆われて東屋と3〜4台が停められる駐車スペースがあります。まずは春埜山に向かいますが、東海自然歩道になっていて指導標も完備しています。
それにしても昨日とうってかわって強い風が吹いています。周囲の森が大きな唸りをあげていて恐ろしいほどです。北日本に非常に強い寒気が入り込み、低気圧が通過して吹き出しが強くなっているんだそうです。銚子では27.2mの最大瞬間風速を記録しましたし、青森県酸ヶ湯では過去最高の521センチもの積雪、ここ静岡でも”咆えている”という形容がぴったりに風が暴れています。
最初の△647.3のピークは左側から巻きます。△647.3から西に張り出している尾根のところで林道の終点に出会います。あたりは、まさに伐採の真っ最中といった感じです。しばらく林道を歩き△647.3とその北のコブとの鞍部から再び山径にはいります。林道はそのまま東山腹を巻きながらあとで出会うことになります。この入口のところ指導標がありませんが、構わず山に入ります。すぐに道はハッキリし、西に・674を張り出しているコブのすぐ北で先ほどの林道が右手から上がってきます。この林道との出合には逆方向に東海自然歩道の表示があります。
また、ここは林道が南西・西・北に派生し、まさに”林道銀座”、山の中のスクランブル交差点です。それ以外にも北西にも打ち捨てられた林道もどきがあります。その間の歩道を指導標に従い北上します。すぐ下にはミツマタの花がもう少しで咲こうとしていました。まさに春が待ち遠しいですね。すぐに樹林帯の道になりゆっくりとしかし着実に250mの標高差を稼ぎます。左側に造林小屋を見ると急になり、大きく歩道が北北西から北北東に変わるとやがて鳥居沢山南峰(△931.4)で、テーブルがありますが、展望はありません。
歩道上に石標がありますが、それは三角点ではなく、三角点は道の右端に4つの守り石に囲まれてあります。四等です。ここにあがってくる途中でひとりのかたが下ってくるのに出会いました。こんな日にも歩いている人がいるんだなーとおもい嬉しくなりました。やはり単独行で歩いているって自由だけどどこか寂しいですよね。南峰を出ると左の山腹を巻くようになりますが、直進する道もあるので行ってみるといいでしょう。というのもガレが発達してそれを避けるように道がついているのですが、そのガレのために富士山の景色がよく見えました。もちろんガレには気を付けて、落ちたら命がありません。
すぐに登りになり鳥居沢山北峰。940mの等高線が囲んでいますから、本日の最高地点です。あいかわらず展望はありません。頂上は狭く、ここで道は左に直角に曲がります。直進方向にもフミアトはあるようで、テープがありますが、紛らわしいですよね。そこからは急に尾根がやせて登り下りが激しくなります。900mの等高線狭く囲んでいるところに奥ノ院があります。いよいよ風が強く山全体が咆哮しています。下って行くと右下に林道が見えるようになりそこに一気に下ります。未舗装の林道を下るとやがて右から来る舗装の林道になり、その地点で尾根を切って左(すなわち南山腹)に伸びる林道も分かれます(ちなみにその南山腹の林道の入口は通行止めでした)。
しばらく舗装した林道を進み、・870を南から巻いて登ると大光寺の山門に着きます。それを尻目にさらに南西に進むと大きく林道が右に下り始めますがそこに背の高い春埜山無線中継所があります。何の指導標もありませんが、左手にフミアトが延びています。それをたどるとすぐに春埜山の頂上でした。二等三角点がポツンと植林帯の中に鎮座している取り留めのない頂上です。ここが本当に静岡百山の中のひとつとして選定されているのがいいのか?と思わずにはいられないようなピークです。
帰りは往路を忠実に戻ります。無線中継局は強風にものすごい音を立てています。大光寺に立ち寄りました。養老二年、行基の開山。「行基図」という古地図を地理の授業で習ったことを思い出しました。人の気配はありません。強風で境内の林がゴーゴーいう中、ひとりでの参拝です。面白いのは正殿を守る狛犬(こまいぬ)が、ライオンのような重鎮ではなく、痩せたイヌのようなオオカミでした。どうもこのお寺さん、畠を荒らすタヌキやウサギを獲ってくれるオオカミの信仰を集めたらしくその縁でそのような狛犬になっていると思いました。境内には立派な春埜杉もあり必見です。
帰りは鳥居沢山の南峰で一人、下りに二人の登山者と出会いました。こんな風の日、こんな低山でも意外に多くの人が登っていることに驚きました。峠に到着する直前で同じ方向に向かう袋井から来られた方と出合い、一緒に峠まで歩きました。
いつも静岡の山を登っているそうで「北アルプスは行ったことがない」とか。南アルプスファンクラブの会員で、先日の沢口山の遭難のときも遭難者の捜索に参加されたそうです。スマホで地形図をダウンロードして自分の地点を確認されていました。道のない山もお好きなようで、ヤマは登りはよいが下りの尾根を探すのは難しいいと言っていました。さすがわかっていらっしゃいます!
「やまめの里」に向かうその方と峠でお別れして、自分は大日山に向かいます。まだ2時台だというのに冬の陽はすでに傾き、風は強く自分的にはあまり盛り上がりません。すぐに山門となりそのまま林道を行き寺をすぎると荒れた林道になります。どこが登山道かなぁと思いつつ歩を進めると、朽ちた木に大日山登山道入口と書いてありました。細くたよりなげな道が斜面をかけあがっており、それをたどります。急な斜面を標高差50m強登ると一旦平地に出て左の高みを目指します。 あがったところが大日山から東に伸びた尾根の一角でそこから尾根伝いに頂上まで行きます。3つ目のコブは短いですが地形図で見るより急な登りで頂上には小祠があります。やがて平坦になり頂上ですが、北半分は植林帯。南半分は自然林で午後の弱くなった斜光が注いでいます。そこでコーヒーを飲み、ラーメンを食べて本日初めてゆっくりしました。
帰りはそのまま平松峠へと戻りました。今日は、東京マラソンも行われ34000人もの人が東京を駆け巡りました。自分が一生懸命になれるナニかがあるってとてもいいことですネ。
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