【奥美濃（越美）】「美濃峠」再訪 〜越前・温見集落側の杉ヶ谷から
hillwanderer
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 545m
- 下り
- 535m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 9:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:10
| 天候 | 雨のち晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2020年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
美濃と越前を結ぶ峠道として越美国境稜線上にかつて存在し，現在は廃道となってしまっている美濃峠（別名：徳山峠，越前越，杉の谷峠）。今年10月31日に美濃側の滝尾根の古道を辿ってこの峠（あくまで比定地）を訪れたばかりだが，森本次男「樹林の山旅」（昭和15年刊）には越前側の杉ヶ谷にも美しい渓道があったと記されており，今回は反対側である越前側の温見集落跡から杉ヶ谷を遡り，峠道の痕跡を探った。 ※前回、美濃側の滝尾根から訪問した際の記録はこちらhttps://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2671580.html 【杉ヶ谷】 ・ 滝のほとんどない大人しい谷で，沢登りとしての面白みは薄いが，逆に言えばそれだけ歩きやすい谷ということで，古くから美濃越えの道として使われていたこともうなずける。（枝谷は滝となって出合っているものがいくつかあるが，今回は本流沿いのみ歩いたため全容は不明。） ・ 最初は左岸沿いに林道跡がありそれを辿れる。中流域からは概ね右岸沿いに踏み跡が続いている（獣道にしてはしっかりした平場が続いており，峠道の痕跡なのではないかと思われる）。840m二俣辺りから踏み跡が不明瞭となり，あとは実質的に沢をそのまま詰めるような形になる。 【美濃峠付近（越美国境稜線上）】 ・ 笹薮に覆われているが，藪が薄い箇所もあり，獣道も走っているので，意外に歩ける印象。今回は美濃峠の探索が目的のため，スギクラ手前のコルで引き返したが，そのまま進めばスギクラまでそれほど時間を掛けずに到達できそうな印象だった。 ・ 前回10/31に美濃峠の比定地としたP1167m東側の谷が食い込んだ箇所からさらに東進してみたが，峠道が通っていたとしてもおかしくないような峠状地形がいくつか出てきて，しかも人工的（？）なものとも思われる小さな池もあったりして，美濃峠の候補地がさらに増えてしまった。考察は感想欄で。 |
写真
福井県側の温井集落跡から出発。かつて美濃峠越えの北の起点となった集落だが，昭和30年代後半に全住民が離村して廃村となっている。しかし，ところどころ建物が残っており，山仕事などのため時々戻って来られている方がいらっしゃるようだ。
1
790m付近から東に派生している枝谷（写真欄ラストに添付した地図で言うと，��の枝谷）の出合。5mほどの滝となっており，この奥にも同じくらいの大きさの滝が連なっている。両岸も切り立っている。もともとこの枝谷も美濃峠への登路の候補として考えていたのだが，この様子ではこの枝谷に峠道が通っていたとは考えにくいだろう。
2
斜面にはところどころ大きなトチノキが見られる。この谷は古くから人手が入っていたとみられ（実際，「樹林の山旅」でも木挽き小屋が出てくる），あまり大木は見かけられないのだが，やはり奥に入れば入るほど自然度が高くなり気持ちがいい。
2
920m二俣（写真欄ラストに付けた地図でいうと，�，梁瑤鉢△梁瑤�分かれるところ）。前回10/31にたどり着いた美濃峠の比定地につながっているのは右俣（�，梁堯砲覆里世�，左俣（�△梁堯砲里曚Δ�谷が開けており，行く手の稜線も見えていて，先入観がなければ確実に左俣に入ってしまうだろう。
1
左俣に入りたくなる気持ちを抑えつつ，10/31山行時に辿り着いた美濃峠の比定地につながる右俣に入る。しかし，やはり右俣は狭い谷で，あまり峠道らしい感じがしない。
1
「樹林の山旅」では美濃峠の越前側に「何處か手入れをしたような片づいた感じのするジグザグ道」が付いていたと書かれているのだが，この枝谷は両側の斜面の傾斜が強く，そのような道が付いていたようには見えないのが悩ましいところだ。
1
峠の前はぬかるんだ浅い窪地のような広場となっており，やはり「樹林の山旅」の中に出てくる「何處か湿原を思わせて，乾いた山頂の小池等の残つた平」という美濃峠の描写によく似ている。
1
さて，今日は前回訪問時に気になっていた，稜線上を東へと続く道形らしき痕跡を辿ることにする。古い地形図や，山行記や地誌の付図でも峠道は稜線を少し東側に辿ってから北側の杉ヶ谷に降りるように描かれているので，もしかしたらまだ東側に峠の候補地があるかもしれない。
2
峠状地形のすぐわきには，古い枝打ちの跡が！ 前回訪問時にはこの枝打ちの跡の存在を美濃峠の位置を示す手掛かりの一つとしていたのだが，ここでも同じものを見つけてしまった…。峠の候補地がまた増えてしまったわけだ。
2
この広場の不思議なところは，ぬかるんだ広場の片隅の峠に近いところに2m四方くらいの小さな池（池というよりは水溜まりクラスの大きさだが）があり，奇妙なくらい澄んだ水が溜まっていることだ。
2
そしてこの池，驚いたことに，かなり深い。写真は1m50cmくらいの枝を池に突っ込んでみたところなのだが，深いところで1m近く入ってしまった。2m四方の広さで1mの深さなのだから，すり鉢のような形をしていることになる。こんなに深い窪地が稜線上に自然にできるとは考えにくい気がする。もしかしたら，人の手で掘られたものなのではないだろうか。目的は不明だが，例えば飲み水を得るための水場なのかもしれない。（「樹林の山旅」には，峠近くに小屋掛けの跡があり，水場があったことが記されている。）
2
こんなに深い窪地が稜線上に自然にできるとは考えにくい気がする。もしかしたら，人の手で掘られたものなのではないだろうか。目的は不明だが，例えば飲み水を得るための水場なのかもしれない。（「樹林の山旅」には，峠近くに小屋掛けの跡があり，水場があったことが記されている。）
美濃峠の候補地をもう一つ見つけてしまい，嬉しいのか悩ましいのか分からないながらも，なおも稜線を東へ進む。稜線上は基本的に藪だが，部分的に写真のような立派な道のような窪地が走っているところもある。ここまで立派だと，道というよりは自然地形のような気がしないでもないが，とにかく，この稜線上はかなり複雑な地形をしている。
1
この峠の前にも大きなヌタ場がある。「樹林の山旅」にある「何處か湿原を思はせて、乾いた山頂の小池等の残つた平」という描写に似た風景は、この稜線上では割とどこにでもあり、これだけでは決め手にはならないようだ。
1
この峠状地形の前にも古い枝打ちの跡が…。この枝打ちの主は，どんな目的で枝打ちを残されたのだろう。美濃峠の訪問が目的だとしたら，枝打ちの跡が広範囲に残っているのが不思議だ。
1
スギクラ手前の最低鞍部まで来た…のだが，この鞍部はほとんど峠らしい感じはなく，両側も単なる藪の急斜面がひろがっているだけだ。先ほどまで峠状地形にぶつかるたびに見つけていた枝打ちの跡も，この近辺ではもう見られなくなった。（写真欄ラストの地図のEの箇所）
1
このまま東進すればスギクラまで行けそうだったが，スギクラは先々週登ったばかりだし，今日の目的はあくまで美濃峠の探索なので，これを頃合いに引き返すことにした。
1
登りで自然な登路と思いつつも後回しにした920m二俣の左俣（写真欄ラストの地図でいう�△梁堯砲魏執澆垢襪燭瓠に榮�出会った2番目の峠（写真欄ラストの地図でいうB地点）から杉ヶ谷に降りていく。
1
峠を見上げたところ。この枝谷は両岸（特に右岸側）が比較的なだらなかであり，これなら「樹林の山旅」で森本先生が辿った「ジグザグ道」が付いていたとしてもおかしくはなさそう。
1
少し下ると，5mほどの小さな滝が出てきてしまった…。峠道の候補としては減点だが，両岸はそれほど険しくなく簡単に巻いてかわせるため，巻き道さえついていればそれほど影響はなさそうだ。
2
温見集落跡まで戻ってきた。「樹林の山旅」の時代であれば，ここで宿屋の門をくぐって疲れた脚を休めるところだが，既に廃村となってしまった温見集落には，宿屋どころか人影すらない。
2
装備
| 備考 | ・今回辿った杉ヶ谷の本流は大人しい谷なので，ロープなどの登攀具は必要ない。足ごしらえは踏み跡を上手に辿れば登山靴でも行けなくはないと思うが，沢靴のほうが安全だし楽しい（岩にぬめりがあるのでフェルト推奨） |
|---|
感想
越前の旧西谷村・温見集落と美濃の旧徳山村・櫨原集落を古くから結んでいたとされ，いくつかの記録に名を残しつつも，戦後間もないころには廃道になってしまったとされている美濃峠。この峠には，今年10月31日に美濃側の扇谷から滝尾根の古道跡を辿って訪問した。
一方，奥美濃登山の古典である森本次男「樹林の山旅」（昭和15年刊）を紐解くと，越前側の杉ヶ谷にもトチとブナの巨木の森を縫って美しい峠道が付けられていたと記されており，心惹かれるものがあった。今回は，この越前側の峠越えの道を探るため，既に廃村となった温見集落跡から杉ヶ谷を遡り，美濃峠を目指した。
尾根道はともかく，谷では斜面の浸食が激しく，道跡が残りにくい。地元の京都北山でもよく峠めぐりをするのだが，尾根では道が残っていても，古い峠の手前の谷道は消えてしまっていることが多い。そのため，今回もあまり期待していなかったのだが，杉ヶ谷の中流域では右岸側に比較的明瞭な道跡が残っており，古い峠道の痕跡を少しばかり足の下に感じることができた。
登りついた越美国境稜線では，前回の美濃側からの訪問時に美濃峠の比定地とした峠から，さらに東へと探索を広げてみた（古い地図や記録では，美濃峠越えの道は滝尾根を登り上げてから稜線を東へ進み，それから越前側の杉ヶ谷に降りているように描かれている）。すると，新たに，「樹林の山旅」をはじめとした記録に表れる描写に似通った峠状の地形が複数見つかり，美濃峠の候補地が増えてしまった。これらのうちのどれが，昔の人々が行き交った美濃峠なのだろうか。
【考察：美濃峠はどこか？】
※ 以下，記号（A〜E，� 銑�）は写真欄の最後に添付した地図に対応しています。
・ 前回及び今回の探索でたどり着いた美濃峠の候補地となりうる峠状地形は，A〜Eの5地点。
・ このうち，Eは地図上では最低鞍部であるものの，実際の現地はおよそ峠らしい地形ではなく，杉ヶ谷側はたんなる急斜面のため，美濃峠の候補地からはまず除外される。
・ また，CとDも除外してよいと思われる。美濃側の滝尾根から稜線に登り上げてから，越前側の杉ヶ谷に降りるまでの稜線上の移動距離が長く，「稜線の向こう側へ越える」という峠道の機能から考えて無駄が多すぎるのと，CとDに突き上げる枝谷である��の沢は，本流との出合いに5mほどの滝が2つ連なっているうえ，両岸が切り立っており，峠道が通っていたとは考えにくい。
・ となると，AとBの2択になるわけだが，A，Bどちらも峠としてはとても自然な地形をしており，Aにつながる�，梁瑤�Bにつながる�△梁瑤盒Δ飽�場はなく，どちらも十分に美濃峠としての条件を備えており，悩ましい2択である。稜線上での移動距離を最短にできるAも魅力的なのだが、しかし，どちらか選べと言われたら，個人的にはBのほうを押したくなる。
（理由）
◆ 杉ヶ谷を遡ってきた場合，Aに突き上げる�，梁瑤茲蠅�Bに突き上げる�△梁瑤里曚Δ�開けており，行く手に稜線も見えていて，自然な登路に見える。今回の山行でも，何も先入観がなければ，�，任呂覆��△梁瑤貌�ったと思う。
◆ 「樹林の山旅」では，峠から降りたところにジグザグ道がついていたとされており，両岸が狭い谷が続く�，梁瑤砲修里茲Δ米擦�ついていたとは考えにくい。対して，�△梁瑤藁彰漾米辰鳳Υ漾砲亮侈未�比較的なだらかで，そのような道を許容しうる。
◆ Bの峠にある小さな池の存在。自然な池だとしたら，「樹林の山旅」の「乾いた山頂の小池等の残つた平」という描写に一致するし，もし人工的なものだとしても，同書の「峠近くに小屋掛けの跡があり，水場があった」とする記述に一致する（同書の記述の順番からすると、「水場」はもう少し峠から離れたところにあるように読めなくもないところが悩ましいが…）。
上で考察をやっておいてなんですが，最後に異説を。
美濃峠越えについて比較的詳しい記述があるもう一つの記録として，民俗学者・橋浦泰雄の「民俗採訪」がある。橋浦氏は，大正13年に徳山村を訪れるため，温見集落から杉ヶ谷を遡ってこの峠を越えている。「難路だから」と嫌がる温見の老人に無理を言って道案内を頼み，杉ヶ谷に分け入るのだが，道らしい道はなく，橋もない谷を渡渉すること数十回。あまりの道の悪さに訝しんだ橋浦氏は，「地図では小路があることになっているのだが」と道案内の老人に尋ねるのだが，それに対する老人の答えが少しばかり衝撃的である。「確かに陸地測量部の技師達を案内したが，ここから向こうへ越えられるということを答えただけで，実際に現場を見せたわけではない」というのである。つまりこれは，まともな道なんか本当はないのだが，この谷を詰めれば向こうに越えられるという話だけ聞いた陸地測量部の測量手たちが，勝手に点線路を地形図に書き込んだと言っているに等しい。
しかし，実は道なんてないというこの老人の証言は，「何處か手入れをしたような片付いた感じのするジグザグ道」や「美しく踏まれ」た渓道を辿って温見まで降りたとしている「樹林の山旅」の森本先生の記述に矛盾してしまう。「樹林の山旅」と「民俗採訪」の記述の間に，どうしてこのような矛盾が生まれたのだろうか。
これは憶測だが，多分，どちらの言っていることも正しいのではないだろうか。越前〜美濃（徳山）越えの道としては，恐らくもっと有名な檜尾峠越えや冠峠越え，高倉峠越えのほうがメインルートで，美濃峠越えはあくまでサブルート，間道的な性格の道だったのではないだろうか（だからこそ，それらの道の中でいち早く廃絶してしまった）。そのため，しっかりした正式な道は整備されておらず，特に安定した道の残りにくい谷道である越前側の杉ヶ谷沿いは，途切れ途切れの踏み跡を場当たり的に拾いながらほぼ沢沿いに詰めるような道だったのではないかと想像する。このような実態の「道」が，奥美濃の藪山に通い詰めており，悪路に慣れた森本先生の目には「割と歩ける道」に映り，そのような道に慣れていない橋浦氏には「道らしい道はない」と感じられたのかもしれない。
美濃峠越えの道（特に，越前側の谷道）の実態がこのような「道なき道」だとしたら，越前の温見側からの通行人たちはその時々で歩きやすいルートを割と自由に選んで歩いていたということになる。つまり，確定的な「美濃峠」が一つだけ存在していたのではなく，何となく曖昧に「美濃峠と呼ばれる場所」が越美国境稜線上の一定の範囲にゆるやかに存在していたのではないだろうか。そう考えると，今回の山行でぶつかったように，複数の峠の候補地が出てきてしまうのも自然なことなのかもしれない。古い枝打ちの跡がかなり広範囲で見られたのも，このせいなのでは。もちろん，美濃峠がほぼ藪に埋もれてしまった今となっては，憶測でしかないのですが…。
※ 余談だが，陸地測量部（当時）が地元民の「ここ通れるよ（道はないけど）」という話だけ聞いて現地を踏査せずに点線路を書き込むというのは，昔はよくあったことなのかもしれない。古い陸地測量部の地形図では，信じられないようなところ（奥美濃で例を言えば，赤谷や金ヶ丸谷の谷沿いとか…）に道が書き込まれていることがよくあり，不思議に思っていたのだが，上記の「民俗採訪」の老人の話を読んで，なるほどと思った次第。
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
chamchan さん
現在、美濃峠の存在を知っている者は極めて稀で、ましてやそこに行ってみようと考える物好きは殆どいません。すばらしいレコです。感動しました。
私があの峠に立ったのはもう20年ぐらい昔で、狂小屋からでした。ところどころ杣道の踏み跡がまだ残されていて、比較的楽でした。900メートルの平坦地に大規模な炭焼き窯が残っていたのを記憶しています。
maasuke1さん，こんばんは。いくつかの奥美濃の本の付録の地図に「美濃峠」という名前だけがぽつんと載っていて，どうしても気になってしまったのが高じて…という感じです。「美濃峠」という名前も，何だか惹かれますよね。
maasuke1さんも滝尾根から美濃峠に登られたのですね。私も今年の10/31に同じルートで美濃峠に登っております。もしよろしければそちらの記録もご笑覧ください。思った以上に歩きやすい尾根だったので，多分登られている方はいらっしゃるんだろうなと思っておりました。maasuke1さんのおっしゃるとおり，途中に炭焼き窯が残っていました。もう石垣は崩れて，あまり原型は留めていませんでしたが…。
また，10/31の記録にも書いておりますが，maasuke1さんが日記に掲載してくださっていた徳山村史の地図も，今回の美濃峠訪問の参考にさせていただいております。本当にありがとうございました。
考察が鋭く、この記事も読みごたえがありました。
これまで度々名もない小峠を歩いてきましたが、
「峠は普請時に度々付け変わる」のではないか、と思っていますが・・・。
崩落した場所に、これまでと同じように道をつけることは難しいでしょうし、崩落発生の可能性が高い源頭部、すなわち峠の頂上付近では、道の付け替えが、より多く行われたのではないでしょうか。
最近では伊那谷の、坊主ヶ城での造林作業路の付け替えがそうでしたし、以前、訪ねた、やはり伊那谷の、喬木は氏乗と、上村は程野を結んだ矢筈峠もそうでした。
訪ねたことはありませんが、１〜A,２〜Bも前半は沢線が同一であることからすると、いずれもが美濃峠ではないか、記事を読んで、そう思いました。
コメントいただき，ありがとうございます。
floatcloudさんのおっしゃるとおり，崩落等による峠道の付け替えは十分ありえそうですね。実際，この美濃峠の美濃側でも，古くは「越前ギ」と呼ばれる谷沿いに道がついていたようですが，のちに尾根道一本になったようです。やはり谷は道が維持しにくいのでしょうね。時代によって峠道の付き方が移り変わっていくと考えると，面白いですね。
伊那の矢筈峠，いい響きですね。いつか訪れてみたいです。
美濃峠の考察、興味深く拝読いたしました。
余談ですが、10年ほど前？に岐阜大学工学部の地学の小嶋教授が��の谷から稜線に上がって地質調査をされています。私の知合いのガイドも同行し数日キャンプし切り開きも行ったそうです。
ひょっとして枝打ちはその際のものかもしれないと思いました。
貴重な情報をいただき、ありがとうございます。枝打ちは美濃峠を探しに来た人がつけたか、あわよくば峠が現役だったころの名残では、と思っていたのですが、地質調査とは…驚きました！
さっそくネットで調べてみたのですが、小嶋智教授の研究紹介のページに、「平成25年度には…若丸山地域の研究は…稜線上の二重山稜凹地でハンドオーガーボーリングを実施した」とあり、これのことでしょうか。もしかしたら、�△涼�の源頭稜線上で見つけた奇妙な池も、この時のハンドオーガーボーリングの跡なのかもしれないと思いました(^^; 確かに、この周辺の尾根は二重山稜だらけで複雑な地形をしていて、二重山稜の研究にはぴったりかもしれません。
小嶋教授の論文を含め、朝から冠山周辺の地質調査報告を読んでいたのですが、この周辺の地質にも興味が出てきてしまいました。大変勉強になりました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する