岩手秋田県境コーススキー縦走_2005/5/3-5
- GPS
- 56:00
- 距離
- 34.8km
- 登り
- 2,274m
- 下り
- 2,159m
コースタイム
09時00分 鶴の湯出発
12時15分 大白森頂上到着
13時00分 大白森避難小屋到着
5月4日
05時50分 大白森避難小屋出発
09時30分 八瀬森山荘到着
14時45分 大深山荘到着
5月5日
06時35分 大深山荘出発
09時10分 三ツ石山荘到着
11時00分 網張スキー場駐車場に下山
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2005年05月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
自分の今年の連休は、暦どおりに5月2日と6日が仕事のため、休みが3日+3日+2日と3つに分かれてしまいました。
そこで5月3日から5日までの2泊3日の予定で岩手県・秋田県の県境縦走を計画したところ、総勢8名の山行になりました。
連休中にもかかわらず、送迎を申し出てくれた仲間の車2台に分乗し、秋田県の乳頭温泉を目指します。
天気は快晴。気温がどんどん上がっていくのがわかります。
「スキーは置いていったほうがいいんじゃないか!?」なんて冗談も、ホントか嘘かわからないくらいです。
初日は、乳頭温泉の鶴の湯から入山し、大白森避難小屋で1泊の予定です。
まずは、ツボ足で歩くことにして、スキーはリュックにくくりつけます。
送ってくれた仲間に見送られ、観光客で賑わう鶴の湯を9時に出発しました。
夏道通りに、神社横を過ぎ、林道に出て、尾根に取り付きます。
尾根に取り付いて程なく、スキーで歩けるくらいの雪になったので、ツボ足から山スキーに履き替え、さらに進みます。
急登の金取り坂は、雪が落ちていたので夏道を外れ、尾根の雪庇に取り付き登ります。
陽気な天気のおかげで、金取り坂を登りきると、全員が汗だくになってしまいました。
ここで小休止を取り、青空のもと駒ケ岳から乳頭山までの大展望を楽しみました。
次の目標は小白森です。
田代平からの登山道との分岐をトラバースし、小白森の登りに取り付きます。
なだらかなというよりも、平らな雪原に差し掛かると、そこが小白森の頂上です。
小白森の頂上は、大白森の頂上には及びませんが、頂上部分には平坦な湿原が広がっています。
前方には、頂上部分を雪原で真っ白に輝かせている大白森を見ることができます。
誘われるように一度鞍部に下り、大白森の頂上を目指します。
頂上の雪原までは、急登をジグザクに高度を稼ぎながら進みます。
頂上方向を見上げると、雪原の白と晴天の青しか見えません。
汗が流れ出る中、雪原に取り付くと、冷たい風が気持ちよく感じます。
辺りを見渡すと、南は駒ケ岳から北は八幡平の畚岳まで、大展望パノラマの風景です。
しばし休憩し、景色を楽しむことにしました。
時間はまだお昼を回ったばかりで、今日の目的地は、大白森の頂上を下ればすぐそこです。
「まだ昼だぞ。八瀬森山荘まで行くか!」という声がありましたが、予定とおりに大白森避難小屋に1泊することになりました。
風も冷たくなってきたことから、大展望の頂上を後にし、大白森避難小屋を目指すことにしました。
大白森避難小屋は視界が利かないときは見つけにくい小屋なので、快晴とはいえコンパスで方向を確認してから、まっすぐに降りました。
程なく、小屋を確認し、無事到着となりました。
早速、付近から倒木などを集めてきて、薪を作り始めました。
夜は、薪ストーブを焚いて、暖かい夜を過ごしました。
2日目は、八瀬森山荘を経由して、大深山荘で1泊の予定です。
八瀬森山荘までは、大沢森、曲崎山、八瀬森を経由するアップダウンの繰り返しになります。
5時50分に八瀬森山荘を出発し、まずは大沢森を目指します。
夏場は笹で覆われる登山道も、今は雪に埋もれた静かなブナ林です。
いくつかのピークを越え、大沢森にたどり着くと、真正面に曲崎山が飛び込んできました。
曲崎山は、雪の斜面が頂上を踏むのを拒むかのようにそびえたっています。
まずは、大沢森との鞍部までおり曲崎山の中腹まで登り返して、小休止を取りルートをどう取るか検討しました。
検討の結果、登頂はあきらめ、山腹をトラバースすることにしました。
過去にこの時期通過経験があるメンバーを先頭にして、高度を稼ぎながら慎重に山腹を進みます。
八瀬森に続く尾根に取り付くと、下から4名のパーティが登って来るのが見えました。
降りて話を伺うと、昨日は八瀬森山荘に1泊したとのことで、鶴の湯か蟹場に下山するととのことでした。
「気をつけて!」と別れを告げ、尾根沿いに八瀬森を目指します。
ルートファインディングの練習を兼ね、なるべくすれ違ったパーティの踏み跡を通らないように、いくつかの小ピークを越えながら進みます。
八瀬森をショートカットする方法もありましたが、今回は八瀬森の頂上を踏んでから、八瀬森山荘を目指すことにしました。
コンパスで方向を定め、林の中を進みますが、木に邪魔されて思うように進めません。
メンバーから「方向違っているよ!」と声をかけられ、あらためて方向を確認して、八瀬森山荘を目指します。
程なく、八瀬森山荘を見つけ、中に入って小休止を取りました。
自分は、2年半振りの八瀬森山荘になりましたが、中に入って驚いたのが、ストーブがなくなっていたことです。ちょっと残念でした。
さて、八瀬森山荘から大深岳までは、ダラダラの登りが延々と続きます。
まずは、関東森です。尾根伝いに進むのですが、地形が複雑に入りこんでいるため進行方向があちこち変わり、視界が利かないときは注意が必要です。
今日は、視界についての心配がないので、とにかく進むだけです。
関東森を過ぎ湿原地帯に入ったところで、小休止を取りました。みんなの足取りが重たくなってきたのが、良くわかります。
疲れたというより、飽きたという感じでしょうか。大深岳はまだまだ先なので、再び進みます。
いくつかの林を抜けると、右手が拓け、乳頭山から小畚を展望できるところに出ました。
今度は、大休止をとって休むことにしました。
休んでいると、「時間的に余裕があるし、今日のうちに三ツ石まで行こうか!」という声が・・・。「え〜、じゃあ明日はどうするの!?」「岩手山経由で馬返しに下山でどうだ!」
さすがに頷くメンバーはいませんでしたが、岩手山まで行くか行かないかは別にして、三ツ石まで足を伸ばすかどうかは大深の分岐にたどり着いてから決めることにし、まずは大深岳を目指しました。
あんなに遠かった大深岳が、林をぬけるたびにその大きな姿を大きくなり、近づいていくのが良くわかります。
分岐の手前で夏道に入ると、何箇所か雪が切れていましたが、そのままスキーで進み、無事分岐にたどり着きました。
結局、今日は大深山荘に宿泊することになり、スキーは分岐にデポして、ツボ足で大深山荘を目指します。
大深岳の頂上でコンパスを合わせて、まっすぐ大深山荘を目指します。
なかなか小屋が見えてこないのですが、辺りが平らになってくると、木の陰に大深山荘が見えてきました。
自分達のパーティ8人に、先客が2名、後から4名の計14名で1泊をしました。
大深山荘にはストーブがありませんが、建て替えられたばかりの小屋は断熱性が良く、比較的暖かな夜を過ごしました。
いよいよ3日目、最終日です。
綺麗な朝焼けで目がさめた仲間の声で起床し、早速カメラを持って外に出て、オレンジ色に輝く朝日を写真に収めました。
今日は三ツ石を経由して網張スキー場に下山します。
登りと言えば、大深岳の登り返しと小畚、大松倉の登りくらいで、あとは下りです。
雪の状態がよければ、大深岳、三ツ石、大松倉、網張スキー場でスキーの大滑走が期待できます。
6時35分に大深山荘を出発し、まっすぐ大深岳の頂上を目指します。
後ろを振り向くと、八幡平の山々が輝いています。よくみると、見慣れない雪山が視界に入ってきました。
仲間のひとりが、「岩木山だ!」と声をあげました。
昨夜の強風で雲やホコリが飛ばされたのか、はっきり岩木山の姿を見ることができました。
「もしかして・・・」と思い、急いで大深岳の頂上に登ると、思った通り鳥海山の姿も見ることができました。
すこし得した気分になったところで分岐まで降り、デポしたスキーに履き替え、小畚との鞍部を確認してみると、ちょうどいい雪の斜面が広がっていました。
まだ朝が早く雪が硬い状態でしたが、自分なりのシュプールを描いて鞍部まで降りました。
ここからは、スキーのまま小畚の東斜面をトラバースするか、スキーを担いで夏道を登るかですが、雪も落ち着いていることからスキーのままトラバースすることにしました。
無事トラバースして小休止の後出発すると、雪の上に真新しい熊の足跡がありました。西側の斜面から尾根を越えて東側の斜面に降りていったようです。春になって熊に襲われたというニュースが何件か報道されていますが、そんなことにならないよう祈るばかりです。
三ツ石の頂上付近は雪が解けていたので、小畚同様に東斜面をトラバースしながら、スキーで三ツ石山荘まで降り、小休止を取りました。
火は消えていましたが、前夜泊した方が焚いたストーブのおかげで、三ツ石山荘はとてもで暖かかったです。
これで登りは大松倉だけです。
夏道に沿って雪があるところを繋ぎながら、大松倉の頂上にたどり着きました。
あとは、網張スキー場まで下って、ゲレンデを滑るだけですが、ゲレンデの下のほうの雪が心配です。
まずは兎平まで順調に滑り、下の雪を観察します。
弾丸コースの雪が比較的たくさんついていたので、ひとり偵察がてら滑り降りると、他のメンバーは急斜面を嫌って他のコースに流れていきました。
結局、自分はひとりで弾丸コースを、他の7人は他のコースを降りました。途中、雪がきれかかっていたり、きれている個所がありましたが、なんとか無事駐車場まで滑り降りることができました。
駐車場には、お迎えをお願いしていた仲間が迎えにきてくれていて、合流後温泉に入って岐路につきました。
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