ワレ山のワレ目を越えて〜恐るべし北西尾根〜
- GPS
- 07:49
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 993m
- 下り
- 1,048m
コースタイム
天候 | 晴れのち雪ときどき曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
写真
感想
この土曜日は朝のヘルパーを頼んでいなかったが、天気が割といいようなので、どこかへ行きたい。しかし、スタートが遅くなるので、行けるのは近場に限られる。そこで、自分自身登ったことがあるかどうか定かではないワレ山(822m)に登ってみることにした。
ワレ山は、砥石山の北(北北西)にある砥石山の北峰のような山で、札幌市街から見ると砥石山の右に見える。頂上付近にギャップ=ワレ目があって、ちょっと双耳峰のように見えるのが、その山名の由来のようだ。しかし、このワレ目のことをすっかり忘れていたのは失敗だった。このギャップが、まさに今回のルートの核心部にあることも。
砥石沢林道から、市街から見たときに右のスカイラインをなしている直線的な北西尾根を登って頂上に達し、そこから、昨冬登った“冬山頂上”(810m)から北東面の開けた斜面を滑って中丿沢林道を下ってこようというのが計画。砥石沢林道には、福井堰堤の奥から入るのが普通だが、そこまでバスを乗り継いだり、車道を歩いていくのは気乗りしないので、盤渓から、昨年、一昨年と6月に登った三等三角点・盤ノ沢(426.8m)のあたりを越えていくことにする。
家を11時過ぎに出て、ばんけいスキー場方面行きのバスに乗り、スキー場そばから車道を歩く。林道の入口は除雪の雪壁になっているので、ここを越えてスキーを履く。すぐに広い沢筋に入る。最初は河岸段丘的なところを行くが、やがて沢床に降りる。しかし、沢はしっかり埋まっているので、それほど困難はない。
やがて沢が開けて傾斜が急になってくる。まっすぐ詰めると、三等三角点・盤ノ沢の北西のコルに出るのだが、そちらは上部が急な上に、稜線には雪庇も出ていて登るのが大変そうだ。そこで左の尾根に上がる。尾根の反対側の沢は、昨年、一昨年にシラネアオイの群落を見たところだ。尾根の登っていくと、三等三角点・盤ノ沢=山頂に出る。右の沢の上部はやはり雪庇になっている。このルートで正解。
山頂に着く頃には天気も悪くなってきていて、反対=南西側は真っ白。雪が降っていて、ワレ山も何もまったく見えない。既に1時。あまり気乗りしなくなってきたので、今日はワレ山はあきらめ、北西に尾根をたどって、福井堰堤方向、盤渓橋に下ってみようかと、シールを外して先ほど雪庇が見えたこの尾根を下り始める。
雪庇の尾根上には、岩塔というか木の根というか、大きな障害物があり、そこに雪庇が発達している。ここを左側から通過し、400mのピークにかかるあたりで少し晴れてきて、左方向にうっすらとワレ山が見えてくる。
そこで再びワレ山を目指すことにして、左へ、南西方向に沢を下る。雪質はよくないが、なんとか下れなくはない斜面。下まで降りると、砥石沢と中ノ沢の二股の堰堤のあたりに出る。
堰堤の上で、ほぼ雪に埋まったこの二本の沢を渡り、シールを付けて対岸の林道に上がると、そこにはスノーシューのトレースがあった。ここを左へ上がっていくと、ほどなく砥石沢林道と中ノ沢林道の分岐に出る。ここは、右の砥石沢林道へ。トレースもこちらについていた。しばらくは単調な林道をひたすら歩く。
やがて前方に標識というか看板が現れる。右・砥石沢林道、左・砥石山登山道の分岐だ。どちらへも行かず、両者の中間、真ん中を行って、ワレ山北西尾根に取り付く。ここから頂上まで標高差約400m。やがて傾斜が急になってくるが、そこそこ快調にシール登行で高度を上げていく。また雪が降ってきて、くるぶしから足首程度の軽いラッセル。冬山頂上に抜けるのは時間的に厳しそうなので、往路を戻ろうかと思い始める。
630m付近は右の尾根というか斜面が合わさるJP(ジャンクションピーク)のようになっている。ここから先は尾根が平らで木もまばらになり、前方にようやくワレ山の頂上部が見えてくる。かなり急に見える。
しかし、こういう尾根上が平らで木のないところに出ると、2004年の台風のときに風の通り道になったのだろうか?と思ってしまう。
やがて690mあたりから再び傾斜が急になる。新雪の下がカリカリにクラストしてエッジも効かずずり落ちてしまうようになってきて、ついに710m付近でスキー登行を断念。なんとかキックステップが効くようだし、場所を選べばそれほど埋まらないようなので、ツボ足で登ることにする。シーデポしようかとも考えたが、なんとか横滑りでも下って来れるだろうと思い、シートラーゲンする。シートラなんて久しぶり。こちらに帰ってきてからはほとんどなかったこと。まさかこんなところで、クトーやアイゼンが欲しくなるとは思っても見なかった。雪の状態のせいもあるが、こりゃ、烏帽子岳よりもキツイかも。
この尾根の上部も均一な傾斜ではなくて段差があり、岩場も現れる。雪庇はあるし、背中のスキーは木に引っかかるし、で全然ペースが上がらない。ようやく頂上稜線の北端が近づき、あとは平らな尾根をたどるだけ、なんて甘い希望的観測を抱いたが、そんな訳がない。なんせ、ここはまさに、ワレ山の名前の由来となった、市内からもよく見えるあの顕著な“ワレ目”があるところなのだ。地形図には現れないギャップが現れ、時間がかかる。これを予想していなかったこちらが間が抜けているというべきだろう。やっと山頂に達したときは、既に5時近かった。
頂上からは南に砥石山の各ピークが見える。一番手前の中央に大きく冬山頂上が見える。さて、ここから、とても往路を戻る気にはなれない。南側、東側は傾斜が緩いのでこちら側に下ることにする。冬山頂上まで行くのは面倒なので、間の沢を下ろうと滑り始める。尾根上にオープンな斜面があるので滑って見るが、波打っていて段差があり、暗くなってきていてそれが見えないので、快適な滑りとはいかない。
あまり、沢筋には下らずに尾根の南東側の側面を下っていくと、この尾根は数年前に中途撤退した尾根だったことを思い出した。この尾根を乗越して北側の沢筋を滑っていくと、500m付近の開けた平地=整地のところで中ノ沢林道に出た。ここが戦前に山小屋があったという東日ヒュッテ跡だろうか?
ここからはひたすら林道を下っていく。そういえば東日ヒュッテ跡かな、というところがもう一カ所あったんだよな、と思っているとすぐに現れた。果たしてどちらなのだろう?林道は、かなり滑るところもあるが、漕がなければならないところ、歩かなければならないところも多い。黙々と歩き、やがて「おっ、新しいシュプールが」と思ったら、自分の登りのトレースだった。やっと砥石沢林道との分岐まで来たのだ。
除雪の雪で壁になっている林道ゲートの先でスキーを脱ぎ、まだ若干トラックの走っている採石場の脇を通って、福井えん堤のバスへ。しかし、たどり着く100mほど手前で、バスが発車していくのが見えた。次のバスは30分ほど待てばいいのだが、これに乗っても、家に帰るには地下鉄、バスを乗り継がなければならない。そこで、歩いて小別沢トンネルを越えていくことにした。真っ暗になった中、月明かりと街灯に照らされながら歩き、1時間足らずで我が家に帰り着いた。
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